コロナ対策 PCR検査や地域保健衛生関連の発言と答弁要旨 2020.6~2021.3

市議会における党会派の

コロナ対策 感染症対策 PCR検査や地域保健衛生関連発言 2020.6~を

まとめています。(新しい発言順となっています)

 

2021.3.23補正予算コロナ対策質疑 松沢

 補正予算第1号で衛生研究所行日して9,312千円が計上されています。事業内容は、5人分の唾液を1本のスピッツにまとめるプール方式で2週間の間に450人分90件のPCR検査を行うための試薬などの経費1年分あるとお聞きしています。対象者は、市内の高齢者施設様々にありますが、老人保健施設やグループホーム、有料老人ホームなど入所系の約110カ所に働く無症状の3000人あまりの従業員の皆さんだということです。

 衛生研究所に事前に確認しました。衛生研究所にとって新たな追加業務ですが、陽性者数が少なくなってきたことや、自動抽出装置の活用とともに一日あたりの検査本数は保健所が一定調整するので、人員を増やさなくても8時間の勤務時間内で処理できるだろうとの予測です。

 日本共産党議員団はコロナウイルスの厄介なところは無症状者が知らないうちに感染を拡げてしまうことなので、新型コロナ感染症を封じ込め市民のいのちを守るためには無症状者へのPCR検査の社会的検査や面的な検査を拡充することが必要だと、昨年来4回にわたって市長に要請してきました。また、一般質問や代表質疑でも求めてきました。市のこれまでの対応は、お金がかかること、検査数が増えることにより症状のある人や濃厚接触者のPCR検査が遅れるなどの理由から、無症状者への検査はごく一部に限り、検査拡大そのものは困難だというものでした。

 ところが、今回の補正予算ではこれが一歩前進したと思います。そこでお尋ねします。

 

質問

 無症状者へのPCR検査拡充をやろうと決めた理由は何ですか?また検査対象は従業員のみで、施設利用者を除外している理由も併せてお聞きします。

 

答弁

 2月2日に変更された国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針では、緊急事態宣言が発令された地域においては、感染拡大の傾向を迅速に察知し、的確に対応できるよう、高齢者施設の従事者を対象に、3月中に集中的検査を実施し、その後も、市の状況に応じて、定期的な検査を行うよう要請されています。本市としましては、この要請に基づき、現在、特別養護老人ホームの従事者に対して集中的検査を行っておりますが、4月以降においても、戦略的サーベイランスとしてPCR検査を実施することで、集団感染時の早期対応につなげるものでございます。なお、高齢者施設の入所者が原因で、新型コロナウイルスが感染拡大することは考えにくいことから、外部と接触のある従事者を検査対象としております。

 

 

 次に、これまでのクラスター発生をみれば、高齢者施設に限らず医療機関、障がい者施設、保育所、学校など多岐にわたります。また、ワクチン接種は5月からで、16歳以上の全市民に行きわたるにはかなりの時間が必要です。ある病原体に対して人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染患者が出ても他の人に感染しにくくなることで流行がしにくくなり、間接的に免疫持たない人も感染ら守られます。この状態「集団免疫」といい、社会全体が感染症ら守られることになります。専門家の話よれば、新型コロナ感染症ついて集団免疫に至るまでには、現状において数年かかりそうだとのことです。

やはり新型コロナ感染症を封じ込めるためには、さらに無症状者のPCR検査

高齢者施設以外も拡げることが求められます。

 

質問

 今後、医療機関、障がい者施設、保育所、学校などに無症状者のPCR検査を拡充する考えはありますか?

 

答弁

 国の「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(速報値)によりますと、80代以上の方は30代の方と比較して、約220倍の方が亡くなられており、高齢者の死亡率が極めて高いことから、国から高齢者施設に対する検査の徹底について要請があったものです。今後、第4波の発生が想定されておりますが、PCR検査数には限りがあり、検査を必要とされる方が必要な時に検査を受けていただける体制の確保に努めてきたものであり、現時点では、高齢者施設等を対象にしたものでございます。

 

 

 

2021.3松沢 総括質疑

保健所体制の強化について

 

 私は昨年6月議会で、新型コロナウイルス感染症第1波の時の感染症対策についてお聞きしました。当局から「感染症対策によって、保健師の役割は、健康相談業務だけでなく、疫学調査業務や検体採取補助業務など多岐にわたる」今回乳幼児健診がコロナのために中止になったことで「事業が中止になった保健師に応援を求めることで対応」したとのことでした。「今後は第2波に備え、発生段階に応じた業務継続計画を定めることで、感染症対策に必要な保健師の確保に努める」と答弁されています。

Q 第1波~3波の現在まで、感染症対策 に必要な保健師の確保はできたのでしょうか。応援は保健所内、他部署、OB保健師それぞれ何人で行われてきたのでしょうか。

 

 答弁要旨

感染症の対応にあたる保健師の応援状況につきましては、第1波では保健所内から2人、OBから2人、計4人の応援体制であり、第2波では保健所内4人、OB2人、計6人の応援体制でございました。また、第3波では、当初、保健所内6人、OB2人、計8人の応援体制を組んでおりましたが、年末年始にかけて感染者が急増したことから、保健所内4人、OB1人を追加し、ピーク時には計13人の保健師による応援体制を取ったところです。以上

 

  第2波以降業務継続計画に基づいた保健師配置がされました。2月議会の補正15号で昨年4月から1月までの新型コロナウイルス感染症対応に係る超過勤務時間の資料をいただきました。それによれば、9月~11月超勤時間が全体で月3000時間ほどに減ったものの、12月・1月は再び6000時間ほどに増えています。

 

Q このことからも、実際、第3波の対応は業務継続計画に基づいた体制をとっても大変なものだったのではないですか。

 

答弁要旨

 第3波においては、当初、1日20人から30人程度の感染者が発生するとの想定のもと、必要な保健師を確保し、感染症対策を進めておりましたが、年末に感染者が1日60人を超えるなど、想定を大きく上回る感染状況が続き、職員一人ひとりの負担が急激に増大したことは事実でございます。こうしたことから、保健部門においては、応援各課の業務体制の見直しをさらに進め、保健師の追加応援を求めるとともに、日々の健康観察等、保健師以外の職員で対応可能な業務については、全庁を挙げた応援体制を整え、第3波における緊急的な事態に対処してきたところです。以上

 

 総務省が12月19日日本共産党の本村伸子衆院議員の質問に応え、新年度の交付税精算内容で、感染症対策にかかる保健師を増やすことを明らかにしました。兵庫県は新年度7人ほど保健師を増員する予定だと聞いています。

 

Q 尼崎市は新年度予算では保健師の増員が全くありません。再び第4波が来ても、これまでのように応援態勢で乗り切るつもりでいるのですか。

 

答弁要旨

新型コロナウイルス感染症に係る体制につきましては、国の方針や感染状況等により業務量が変わることもあり、それらに応じて必要な保健師等を配置するとともに、コロナ禍でも継続すべき業務を調整する中で、臨機応変に体制を整えてまいりたいと考えております。なお、体制整備にあたり、保健師以外でも対応可能な業務につきましては、適宜全庁的な応援体制も組みつつ、保健師以外の正規職員に加え、会計年度任用職員も活用して対応するなど、業務の整理や効率化も図りながら、今後起こりうる危機的な状況に対処していきたいと考えています。以上

 

 コロナ禍の下、公衆衛生の観点が軽視されてきたことが明らかとなりました。保健師を増員して保健所体制を強化することを求めます。

 

 

 

2021.3徳田 代表質疑

新型コロナウイルス感染対策について順次お聞きします。

市長は施策方針で、「新型コロナウイルス感染症への対応に引き続き取り組む。本市は、保健所と衛生研究所をいずれも設置している阪神圏域で唯一の自治体。この強みを活かし、積極的疫学調査やPCR検査体制の強化を進め、迅速な対応に努めてきた。今後とも、感染拡大防止対策や介護・医療提供体制の確保、さらには円滑なワクチン接種などに着実に取り組む」と述べられました。

3月4日までの1週間の新規感染者は25人と、1月の危機的な状況を脱し、緊急事態宣言が解除されましたが、依然として感染拡大が続いています。クラスターの発生は、17の施設にのぼっています。

これまで厚生労働省は昨年11月20日と12月25日、今年の2月4日に高齢者施設等への検査徹底の事務連絡を行いました。

 

新聞報道では、25都府県が高齢者施設等への社会的検査を実施し、そのうち定期的・複数回検査は5県に及んでいます。

広島では、確実に感染拡大を抑え込むために、感染者が多い地域においてPCR検査を集中的に実施しています。札幌市は、今月から高齢者施設、障害者支援施設、療養病床がある医療機関など580カ所で働く4万2200人を対象に、月1回のPCR検査を実施します。

ところが、本市のPCR検査は、高齢者や障害者施設への新規入所者の希望する人に留まっています。

私は12月議会の一般質問で感染拡大を防ぐため、無症状の感染者を把握・保護するための面の検査、集団感染の危険性がある施設等に定期的な社会的検査を求めました。

当局は「集団感染の恐れがある施設等への定期的な検査は、感染状況を確認でき、一時的に従事者や施設利用者等の不安を解消できるというメリットがある。一方で、多額の経費を要するとともに、検査体制が逼迫し、検査を必要とされる方への対応が遅れる可能性もある」として、これまでどおり、施設で陽性が判明した場合に広くPCR検査等を実施することで、感染拡大防止、クラスターの未然防止に努めると答弁され、積極的な社会的検査は実施しないとしています。

 

日本がん学会の黒木登志夫元会長は、無症状の発見保護のため大規模なPCR検査について、「感染者が減ったから検査を減らすと再拡大につながる。社会経済のダメージ回復のためにはPCR検査が有効です」と述べられています。

 

2月に国の審議会が「高齢者施設の職員への定期的な検査への支援」を提起し、厚生労働省は10都府県に対し、高齢者施設の職員等の検査の3月末までの集中的実施を要請しました。国からの要請で、本市も感染多数地域にあるとして市内25カ所の特別養護老人ホームの従業員1200人を対象に今月、行政検査として抗原検査を実施することになりました。まさに国が後押しをしての実施です。

 

お尋ねします。感染者が減少している今こそ、高齢者施設等へ利用者を含めた検査、感染が集中している地域へ積極的なPCR検査を実施し、無症状の感染者を把握、保護することが求められていますが、なぜそこへ踏みだすことができないのでしょうか、見解をお聞かせください

 

答弁

感染多数地域における高齢者施設の従事者等の検査につきましては、2月2日に変更された、国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針において、緊急事態宣言対象区域では、集中的実施計画を策定し、令和3年3月までを目途に実施することとなっております。この内容に基づき、本市においては、まずは市内で集団感染が複数事例確認された、特別養護老人ホームの従事者に対し、集中的検査を受けていただけるよう、各施設や医療機関と調整を進めているところです.

4月以降については、特養以外にも検査対象施設を増やし、2週間に1度、無症状の従事者を対象に一定数の検査を行う、戦略的サーベイランスを実施します。感染拡大の傾向を迅速に察知するとともに、集団感染への早期対応につなげてまいります。(以上)

 

次にワクチン接種についてです、

国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。国は、医療従事者4万人へ先行接種、その他の医療従事者、65歳以上の高齢者、基礎疾患をもつ人など順次拡大する予定です。しかしワクチンの必要量を円滑に確保できるか見通せず、接種日程は流動的です。いま重要なのは、ワクチン接種を進めるとともに、PCR検査の拡充など感染対策を同時並行で行うことです。

 

市民のなかには新型コロナの収束のへの有力な手段としてワクチンへの期待がある一方、不安の声も多くあります。ワクチンの安全性、有効性、副反応などのリスクについての国内外のデータを、迅速かつ徹底的に市民に明らかにしていくことが求められます。

このワクチンは感染収束の有力な手段ですが、未知の問題も多く抱えています。厚生労働省も、ワクチンによる発症予防効果は臨床実験で確認されたが、感染予防効果については「明らかになっていない」としています。

ワクチンの効果が長期にわたって続くかどうかもわかっていません。変異株のなかには抗体がきかない「逃避変異」もあるとの指摘もあります。ワクチン接種が始まっても、社会全体での効果が確認されるにはかなりの時間がかかるというのが専門家の一致した指摘です。「ワクチン頼み」になって、感染対策の基本的取り組みがおろそかになってはなりません。

この様に多くの市民は、感染防止のためにワクチン接種を期待していますが、アナフィラキシーなどの副反応を心配して、接種をためらっている人もいます。

 

お尋ねします。安心・安全なワクチン接種を行うために、接種時の副反応対策など積極的に情報を公開し、またワクチン案内のコールセンターが設置されますが、不安にこたえるために保健師による相談窓口を設置して、安心してワクチン接種ができる環境整備が必要と考えますが、見解をお聞かせください

 

答弁

市民の皆様に安心してワクチンを接種いただくには、ワクチン接種に伴う副反応の情報等をしっかりと提供することが重要であると考えております。3月19日に開設予定であるコールセンターでは、集団接種の予約受付に加え、一般的な相談をお受けするほか、「医学的見地が必要となる専門的な相談」については県の専用相談窓口で対応するなど、県との役割分担のもと、市民の皆さまの不安にお応えできるよう、現在、相談体制を整えているところです。市民の皆様がワクチンを安心して速やかに接種していただけるよう、市報やホームページ等を活用した情報発信も行いながら、全力で環境整備に努めていきます。以上

 次に保健・医療体制についてです。

本市は、以前4カ所の保健所と2つの保健支所で公衆衛生、感染予防対策が行われてきましたが、1保健所,6保健センターを経て、2008年に1保健所と6つの地域保健に、2018年に1保健所と2つの保健福祉センター体制に統廃合が繰り返されてきました。今回の新型コロナ感染では、人員不足など保健所業務のひっ迫が起こり、他部署からの応援やコロナ感染の追跡などをする疫学調査を南北の保健福祉センターで行うなどして切り抜けられました。

 

また感染拡大時に必要な病床をどう確保するかが課題ともなっています。そのためには、日頃からその地域での医療連携を進めていくことが大切です。

長野県の人口42万人を抱える松本医療圏では、松本市などの自治体や医療機関の関係者でつくる松本救急・災害医療協議会が結成されています。そして日頃から災害時の対応のために、自治体が中心となって公立、公的、民間の7つの病院の連携が進められています。これには市立病院を持っている松本市が大きな役割を果たしています。

本市は、市立病院を持っていないために、今回の医療危機で、本市の医療の弱点が露呈し、医師会の協力のもと市立の臨時診療所を開設し乗り切ってきました。

本市の感染症対策そして地域医療計画は「地域いきいき健康プラン」に盛り込まれています。同プランの感染症対策、新型インフルエンザ等医療対策は、医師会、民間病院協会と協議して進めると、主体性に欠けるものとなっています。

 

そこでお尋ねします。新型コロナ感染を経験し、感染症対策、地域保健を強めていくため南北保健福祉センターを保健所に格上げして3つの保健所にして危機に強い保健所体制を構築することが求められます。

また今回の医療危機の経験の上にたって、感染症対策における地域の中核となっていくため、市営臨時診療所を常設化し、将来は病院化につなげていくなど、本市が地域医療の拠点となれるよう医療体制の強化が必要と考えますが見解をお聞かせください

 

答弁

保健所につきましては、市の健康危機管理上の拠点として位置付けております。保健医療に関する情報の集約や共有、国・県・他保健所との情報交換に加え、施策の企画・立案が最も重要な役割と考えており、一つの組織に集約することで、より効果的にその機能を発揮できているものと考えております。一方、南北保健福祉センターについては、日頃から地域の方々に寄り添い、相談や訪問等を通じて、保健サービスの提供や支援を行っており、それぞれの組織の利点を活かして、新型コロナ対策の対応にもあたってきました。このように保健所と保健福祉センターは、それぞれの役割に応じた取組を行っていることから、引き続き現体制で一丸となった取組を進めていきたいと考えております。次に、ご指摘の臨時診療所につきましては、開設当時新型コロナウイルスに疑いがある方の検体採取を行える医療機関が少なかったことから、市として臨時的に開設したものであり、地域の感染症対策の拠点となるものではございません。地域の医療体制の強化につきましては、平時においては、兵庫県が広域的な視点で医療計画を定め、体制の充講。実を図っています。

今般の新型コロナのような有事におきましては、市内の公的病院はもとより、保健医療体制全体の連携・調整が不可欠であることから、市が中心となって、状況に応じた医療体制の強化に努めてまいりたいと考えております。以上

 

 

 

2020.12松沢

介護事業所などを対象としたPCR検査について伺います。11月に補正第11号で新規入所者に限って希望者に検査することが追加されました。12月から3月までで障がい者施設を含めて約700人を検査する規模です。

 昨日の徳田議員への当局答弁は、私の印象としては当局にコロナ感染症への危機感が足りないと

思いますので、重複する部分がありますがあえて質問します。

 

感染拡大を抑えるために必要なのは社会的検査だと、専門家が指摘されています。

厚労省によれば11月24日時点で、全国の医療機関での院内感染が386件、高齢者などの福祉施設での設での施設内感染は452件に達しています。また、大阪府では、「第2波」以降に発生したクラスターのうち、医療機関と高齢者施設などでの発生が7割を占めています。

そしてそこに入院・入所する人の大半は高齢者であり、ここでの集団感染を防ぐことは、

重症や死亡事例の発生を抑えることに直結します。コロナ感染症の治療法は確立していませんが、

 

Q3 市長は、なぜPCR検査 の対象を新規入所者だけに限ったのですか。感染防止の立場に立てば、ケア労働者やすでに入所されている人も対象にすべきではないですか。

 

答弁要旨

PCR検査事業の制度構築の過程において、議員ご指摘の介護従事者や全入所者へのPCR検査についても検討を行いましたが、集団感染の恐れがある施設等への定期的な検査は、「感染状況を確認できる」、「一時的に従事者や施設利用者等の不安を解消できる。」というメリットがある一方で、多額の経費を要するとともに、検査体制が逼迫し、検査を必要とされる方への対応が遅れる可能性があると考え、実施は困難と判断しました。

こうしたことから、介護保険施設等において、外部からの感染要因になりうる新規入所者を対象とすることで、検査体制等に影響が出ない範囲でより効果的に施設内におけるクラスターの発生予防につなげることができるものと考え、PCR検査事業では、新規入所者のうち希望する者を対象としたものです。(以上)

 

 金の問題、検査キャパの制限など課題は山積みだということは理解します。

 

Q22自治体として、感染拡大を抑え込み市民のいのちと健康を守ることが第一義的に求められることではないでしょうか。 市長の政治姿勢がまさに問われていますが、市長いかがですか。

 介護現場では今この瞬間も「自分が感染源にならないか」と不安を抱えながらのケア労働が行われています。

 

答弁要旨

市民のいのちと健康を守るためには、正しい情報の発信による不安の解消や、発熱等症状のある患者を適切に医療につなげることが重要だと考えております。

そのため、本市といたしましては、これまでも週報で感染状況をお知らせするとともに、『新型コロナウイルス感染症について「正しく恐れる」ための基礎知識と事例集』を活用し、新型コロナウイルスに関連する正しい情報を発信する等、市民の皆様の不安解消に努めております。

さらに、発熱等症状がある患者を、速やかに診療や検査につなげるため、発熱等診療・検査医療機関の拡充に取り組むとともに、兵庫県が行う、入院患者の病床確保や、無症状者や軽症者の療養を行う、宿泊施設の確保について、積極的に協力してまいります。以上

 

 

 

 

2020/12徳田

全国各地で感染者が急増し、1日の新規感染者が全国で2000人を超える日がたびたびあり、最多を更新する状況です。春の第1波、夏の第2波に続き,さらに大きな感染が広がる第3波と言える事態が続いています。そして医療体制が機能不全となる「医療崩壊」の瀬戸際に陥る地域も出ています。

 

 市内のコロナ感染は、11月27日から12月3日までの1週間は72人、11月13日から1週間の90人に次ぐ人数です。1日の新規陽性者は12月3日が23人、11月19日の25人に次ぐ人数で、新規感染者が1日10人前後を推移しています。11月19日と22日に介護施設、12月3日には市内高校で集団感染が報告されています。

 本市は、新型コロナウイルス感染症について、正しく恐れるための基礎知識と実例集を発行して対処されています。また稲村市長は西宮市長と感染拡大、医療崩壊を防ぐための最大限の警戒を求める共同メッセージを発表されていますが、危機的な状況がいまだに続いています。

 

Q1,お尋ねします。現在第3波ともいえる感染の状況が続いている現状を、市長はどの様に受け止められているのでしょうか

 

答弁

本市の感染状況については、兵庫県が感染拡大特別期にある中、議員ご指摘のとおり、毎日平均10人前後の新規感染者が確認されているとともに、学校や高齢者施設においてクラスターが散発しており、一層の警戒が必要な状況であると認識しております。本市といたしましては、今一度、市民の皆さまに、ウィズコロナの意識のもと、マスクの着用や手洗いの徹底はもとより、「重症化リスクの高い方の感染予防行動の徹底」や、「飲食を伴う懇親会など、感染リスクが高まるとされる5つの場面に注意する」といった取組をお願いするとともに、近隣自治体と連携を図りながら、「オールあまがさき」の視点で、感染拡大のスピードを抑制していくことが急務であると考えております。以上

 

 

 (徳田)感染拡大を抑制するためには、無症状の感染者を把握・保護するための面の検査、医療機関、介護・障がい者施設、保育園、幼稚園、学校など集団感染の危険性がある施設等に、定期的な社会的検査を行い、感染拡大を事前に防いでいくことが求められています。

 

すでに東京・世田谷区、千代田区、江戸川区、福岡市、北九州市など、県内では神戸市、明石市、姫路市が、高齢者・介護施設、障がい者施設の入所者・職員に向けて、国の補助制度を活用したPCRの社会的検査を実施しています。

特に神戸市は11月25日から、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームなどの職員を対象に、全額公費で、3,4カ月に1度の定期的なPCR検査を実施します。直接介護にあたる職員の原則全員が対象で、125施設の6000人が検査を受ける予定となっています。検査は唾液によるPCR検査です。

本市では、高齢者・介護や障がい者施設等へ新たに入所者の内、希望する方にのみ公費によるPCR検査を実施します。

大阪府内の報告では第2波以降のクラスター発生の7割が、重症化しやすい高齢者が多い施設等が占めていると報告されています。

 

9月議会で会派議員の質問に当局は、「感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、医療機関や高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に一斉・定期的な検査の実施を都道府県に要請することになっているが、国からの具体的な内容が示されていないため、国の動向を注視する」と答弁されています。

 

その後、9月15日厚生労働省から自治体宛の事務連絡では、新型コロナウイルス感染症の検査の基本的な考え方について、「検査が必要な者がより迅速・スムーズに検査が受けられるようにするとともに、濃厚接触者に加え、感染拡大を防止する必要がある場合には広く検査が受けられるようにすることが重要である。このため、クラスターの発生などの地域における感染状況を踏まえ、感染拡大を防止する必要がある場合には、現に感染が発生した店舗・施設等に限らず、地域の関係者を幅広く検査することが可能であるので、積極的な検査を実施するようお願いしたい」と述べています。

さらに11月19日の事務連絡では、「高齢者施設等での検査の徹底をお願いしています」と繰り返されています。

 

Q2,そこでお尋ねします。感染拡大を防ぐため、無症状の感染者を把握・保護するための面の検査、介護・障がい者施設、幼稚園、学校など集団感染の危険性がある施設等に定期的な社会的検査を行い、感染拡大を事前に防いでいくべきではないでしょうか。

 

 

答弁

集団感染の恐れがある施設等への定期的な検査は、「感染状況を確認できる」、「一時的に従事者や施設利用者等の不安を解消できる」というメリットがある一方で、多額の経費を要するとともに、検査体制が逼迫し、検査を必要とされる方への対応が遅れる可能性もあると認識しております。そのため、本市といたしましては、ウィズコロナの意識のもと、介護施設の職員や家族の方等一人ひとりの感染予防行動に関する意識をさらに高めていただくとともに、軽度であっても症状がある場合に、医療機関で必要な診療・検査が実施できる体制を拡充していくことが、まずは重要だと考えております。併せて、これまでどおり、施設で陽性が判明した場合、広くPCR検査等を実施することで、感染拡大防止、クラスターの未然防止に努めてまいります。(以上)

 

(徳田)また行政検査の国の補助は2分の1、地方の負担が2分の1で、全額国庫負担による検査の仕組みが求められています。

 

Q3,お尋ねします。面的、社会的検査を行っていくための、さらなる財政支援を国に求めるべきと考えますが、見解をお聞かせください

 

答弁

PCR検査等を積極的に実施していくためには、国による更なる財政支援が必要であると考えておりますが、議員ご提案の社会的検査の実施につきましては、先ほどお答えいたしましたように、必要な検査体制の拡充や高齢者に接する方の一人ひとりの感染予防行動の意識を高めることが、まずは重要であると認識しておりますことから、現時点では、考えておりません。以上

 

(徳田)さて急激な感染拡大を防いでいくためには、陽性者を着実に把握・保護していく、感染追跡を専門に行うトレーサーが不可欠であると言われています。

本市の保健所の体制について、9月議会の答弁で、「7月以降、陽性患者が急増し、入院調整や疫学調査に基づく濃厚接触者の特定、臨時診療所の運営、電話対応等において、職員に多大な負担が生じている。こうした事態に対応するため、これまで保健所内外から保健師や環境衛生職等の応援職員を配置するとともに、OB保健師等の活用を図ることで、職員ここの負担軽減に努めている」と述べられています。

 

しかし現場からは、「保健師などの応援体制については、週や月といった短期間の単位で人を増やしても、実務でみれば1から仕事を覚えてもらわないといけないのは実際たいへんで、コロコロと入れ替わりがあるのは困る」との声も上がっています。

 

Q4、お尋ねします。いまの第3波といえるような状況の下、保健所の体制について、どのような課題があると考えられているのでしょうか。またどのような対策が必要でしょうか、お答えください

 

答弁

保健所の応援体制については、これまで議員ご指摘のような課題もございましたが、直近の感染状況を踏まえ、11月末から取り組んでいる体制整備においては、局内外から人材を募り、担当職員を増員するとともに、北部保健福祉センターにて疫学調査班を新設し、会計年度任用職員を増員する等、更なる体制強化を図ったところです。あわせて、疫学調査や入院調整といった感染症対策の核となる業務に従事する職員についても固定化することにより、業務の安定化を図ったところであり、今後とも臨機応変に対応してまいりたいと考えております。以上

 

(徳田)

本市はこれまで新型コロナウイルスへ感染の疑いがある方は「帰国者・接触者相談センター」を通じて診療体制等が整っている医療機関へつなげていましたが、季節性インフルエンザとの同時流行に備え、発熱等の症状を呈する方は、かかりつけ医など身近な医療機関に直接、電話で相談そして診察を受け、コロナ感染の診察・検査を行う医療機関につなげていくように変更されました。そしてその医療機関は市内150施設にのぼると報告されています。

 

Q5,お尋ねします。これから年末を迎えますが、年末年始の発熱等診療・検査の体制はどのようになるのでしょうか。お答えください

 

答弁

現在、年末年始の診察状況については、医師会等を通じて確認しているところであり、保健所に設置しております発熱等受診・相談センターでは、休日夜間急病診療所など受診可能な発熱等診療・検査医療機関をご案内することとしております。また、PCR検査等必要な検査の実施にあたり、市の臨時診療所での検体採取や、衛生研究所での検査実施に係る執務体制等の整備を行います。以上

 

(徳田)マスコミ報道によると、厚生労働省の資料から、新型コロナウイルス対策として国が設けた総額約3兆円の「緊急包括支援交付金(医療分)」をめぐって、医療現場に届いた額は10月末時点でも全体の2割に満たない5200億円にとどまっていると報道されています。これは都道府県がこの支援交付金を受け、医療機関へはベッドの確保料の補助金など10事業、医療従事者への慰労金交付事業を実施するものです。多くの医療機関がコロナ禍で経営悪化に直面し“すでに借金漬けだ”と悲鳴があがっており、迅速な交付が求められていると伝えられています。

Q6,お尋ねします。このような医療機関の実態について、市は把握されているのでしょうか。どのような支援が市としてできるのか、また事業実施主体の県へ要請すべきと思いますが、見解をお聞かせください。

 

答弁

医療機関の経営については、医師会等関係機関を通じて、特に上半期に大幅な赤字が続き、厳しい状況であったと伺っております。本市といたしましては、医療機関等に対し、「医療従事者への慰労金交付事業」、「インフルエンザ流行期に感染症疑いを受け入れる救急医療機関等の支援」及び「医療機関・薬局等における感染拡大防止等の支援」など、利用可能な補助制度等の情報について、県と連携し、周知してきたところであり、今後も様々な機会を通じ、周知してまいります。以上

 

新型コロナ感染拡大を防いでいくための、面的、社会的検査のさらなる拡大については、現状との答弁ですが、

先ほどは神戸市のPCR検査を紹介しましたが、今朝(けさ)の新聞では、北九州市では、昨日閉会した12月議会で、特養など介護施設、障害者施設の340事業所の入所者、職員2万9千人を対象に無料のPCR検査実施の補正予算を決めたと報道されています。

 

今の市内のコロナ感染の危険な状況を打開していくためには、新規入所者に限定するのではなく、他都市で行っているように思い切った社会的PCR検査の拡大が欠かせなません。市の新型コロナ対策をその方向にかじを切ることが必要ではないでしょうか。

コロナの診療で奮闘されながら、経営悪化を招いている医療機関へのさらなる支援を求めておきます。

 

日本医師会の中川俊男会長は「感染防止策が、結果的には一番の経済対策」とも指摘されています。まさに市長の決断にかかっていると思います。

 

 

2020/9 まさき

まず最初はコロナウイルス関連の医療体制の強化についてです。

 

新聞報道によると「日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体が8月6日におこなった、4~6月期の経営状況の調査の報告でコロナ感染患者の入院を受け入れた病院などでは、6月も10%を超える大幅な赤字が継続し、診療報酬引き上げが行われたものの、経営状況の悪化に歯止めがかからなかった。コロナ患者を受け入れていない病院でも対前年では経営状況が悪化。4分の1を超える病院で夏期賞与が減額支給せざるを得ないとしている」とありました。

 

 日本共産党議員団は、発熱外来を行っているA病院と懇談をしました。発熱外来は月~金曜日まで毎日午前中で20人ほどの患者が受診します。PCR陽性者は5・6月ゼロ、7月検体採取者の9%が陽性、8月1日~14日までの2週間で22%まで上昇しました。

衛生研究所に検体を依頼しますが、以前は翌日に結果がでていましたが最近では2~3日かかり、発熱や風邪症状がある人を家や施設に帰すわけにもいかずに、個室入院で結果を待っている。そのために看護師の負担と入院にかかる費用がともないます。また多量に使用するガウンやマスクは洗濯・消毒して再利用している、とのことでした。

一般の患者受診が減り、特に小児科の受診が最高で6割減であり、病院管理者は「病院経営が昨年比4ヶ月で2億円も減っている(3割減)。職員にボーナスを渡せる状況ではなかったが、コロナ禍でがんばっている職員の意気が下がるのを避けるために無理して出した」と言っておられました。

今政府がすることは医療機関が十分に力を発揮できる支援、公衆衛生の整備、PCR検査の拡充への支援です、しかし政府は今やるべき支援ができていない実態があります。

 

 Q1:国費投入して医療機関への減収補填を行うことを国に強く求めてほしい。いかがですか?

 

答弁

新型コロナウイルス感染症への対応や、受診控えなどにより、医療機関の経営状況が厳しくなっていることいついては、市としても各医療機関からお聞きしております。

こうした厳しい状況については、全国的な課題であることから、国の感染症対策に係る補正予算の中で、

・新型コロナウイルス感染疑いの患者を受け入れる医療機関へのマスクや防護服などの 支給

・動線を分けるなどの感染予防対策器材の補助

・医療機関への資金繰り支援の融資

・医療従事者への慰労金支給など、様々な支援策が順次示されております。

本市におきましては、引き続きこうした国からの支援策に注視しながら、医療機関への速やかな情報提供に努めてまいります。

 

また市は国からの補助金を待つのではなく、設備も人員も不充分、減収に苦しみながらぎりぎりのところでがんばっている医療機関を崩壊させないことです。

5年ほど前までは尼崎市は市立病院がないからと救急、高度医療に携わっていた県立尼崎病院と塚口病院、労災病院には医療機器の購入費用を補填していましたが、県立総合医療センターができてからその制度はなくなりました。コロナ禍において、少なくとも発熱・接触者外来をやっている3つの民間病院にはその施策を復活してほしいとおもいます。

 

Q2:市長は市の要請でコロナ診断、PCR検体採取している病院への支援をするべきではありませんか?

 

答弁

当初、民間病院の帰国者・接触者外来で一日各3名程度の感染疑いの患者を診ていただいておりましたが、4月16日からは、尼崎市医師会に協力いただき、臨時診療所で1日15名程度の感染疑い患者の検査をしてまいりました。

また、更なる感染拡大に備え、市内の各病院や多くの診療所においても、行政検査を行っていただくための手続きを進めていまs。

本市としましては、こうした医療機関に対する支援について国の動向を注視するとともに必要な支援の在り方についても検討してまいります。

 

 

保健所機能の強化について

 

新型コロナ感染症の危機では、1980年代以降自民党政治が続けてきた、社会保障のなどの公的責任を弱め、自己責任を強調する新自由主義的改革の弊害が次々と明らかになっています。

新自由主義によるリストラが公衆衛生の分野にも及んでいます。その結果全国の保健所数は1990年代の850カ所から2019年には472カ所へと激減しました。6月議会で松沢議員が示したように尼崎市も6カ所の保健所が1カ所に集約されました。

コロナ禍では4・5月は南北保健福祉センター、ヘルスケア担当の保健師の応援でどうにか乗り越えることができました。6月からは一旦はコロナ感染が収まった時期があり、緊急事態宣言が解除され、両保健福祉センターの事業が再開始となり保健師の応援体制がとれなくなりました。

7月に東京等大都市中心に感染が広がり、尼崎市もPCR陽性者が4・5月は一日5人がMAXだったのが、8月には一日17人MAXという想定外な状況に、8月後半になっても毎日5~8人の陽性者が発生しています。保健所職員、他部署からの応援とOB保健師が一体となり、この窮状を乗り越えようと必死で踏ん張っています。週30~50人の陽性者数とそれにともなう濃厚接触者の割り出し等、先が見えない状況で職員の心が折れるくらい疲弊している状況です。市長に伺います。

 

Q3:保健所職員の心が折れるくらいの身体的・精神的負担について、この現状をどのように見ておられますか?

 

答弁要旨

本市においても特に7月以降、要請患者が急増し、入院調整や疫学調査に基づく濃厚接触者の特定、臨時診療所の運営、電話対応等において、職員に多大な負担が生じていることは事実でございます。

こうした事態に対応するため、これまで保健所内外から保健師や環境衛生職等の応援職員を配置するとともに、OB保健師等の活用を図ることで、職員ここの負担軽減に努めてまいりました。

次の波に備え、引き続き、庁内の応援体制の整備を図るとともに、外部委託を活用し、業務の簡素・効率化を図るなど、職員の身体的・精神的負担の軽減に向けては、更に意を用いてまいりたいと考えております。

 

 

感染震源地(エピセンター)を明確にしたPCR検査の拡大

 

感染震源地(エピセンター)とは、感染力の強い無症状の感染者が集まり、そこが震源地となって他の地域にもクラスターを拡大させるような特定の地域のことです。

東京医師会尾崎会長は、「感染拡大を抑えるためには、3つのポイントがある。①無症状者を含めて感染者をできるだけ拾い上げて隔離すること。②感染震源地に対する徹底した対策。③感染震源地から周囲への感染拡散を防ぐことです。また対策にかかる費用は、国が責任をもって負担をするべきです」とのべておられます。

超党派の「医師国会議員の会」や日本医師会COVID(コビッドナイティン)―19有識者会議は、同趣旨を盛り込んだ緊急提案を提出しました。

東京都世田谷区の保坂区長は「PCR検査体制を強化し検査数を一桁拡大する」(世田谷モデル)を発表しました。

 

徹底検査を進める考えかた「検査によって感染拡大を押さえ込む」立場に立つ必要があります。尼崎市は小学校の教師や児童がPCR陽性者と診断されたとき休校となりましたが、すぐに教室や児童ホームの児童全員を検査し、陰性の確認後いち早く開校しました。私はその連絡を受け、子どもや教師、保護者の不安をいち早く取り除いた判断はすばらしかったと思いました。その一方である中学校では、事務員が感染し校長が濃厚接触者でPCR陽性となりました。しかし職員室という空間を共にしている教職員のPCR検査の指示がなく、不安と不満で大混乱を招きました。校長は「PCR陽性に出ても全く無症状。たまたま濃厚接触者で検査できたが、わからないまま仕事していたら大変なことになっていた」と言われました。無症状で発見し、保護することの重要性を改めて認識させられました。

 

Q4:陽性者が出たらその周囲にいる濃厚接触者だけでなく、会社や学校、施設単位で範囲を広げたPCR検査をおこなうことが、無症状の感染者を特定し、保護することで市中感染防止につながると思いますがいかがですか。

 

答弁要旨

 本市においては、これまでも医療機関、学校及び社会福祉施設等で陽性者が発生した場合、迅速に現地におもむき疫学調査を丁寧いn行うことで、濃厚接触者を特定し、また、年齢や接触状況などから、感染の可能性を否定することができない者に対しても広くPCR検査を実施しております。

今後も、ここオン事例に迅速かつ柔軟に対応することで、感染拡大防止、クラスターの未然防止に努めてまいります。

 

そのためには、検査体制の拡充が必要です。 

 

Q5:衛生研究所の機器と人員確保の拡充、民間の検査協力も含め、検査体制の強化を求めますが、いかがですか?

 

答弁要旨

衛生研究所の検査体制につきましては、これまでも新たな検査機器の導入や人員体制を整備する中で、1日当たりの検査数を44検体とするなど、その充実を図ってまいりました。

今後は次なる波に備え、医療機関へ行政検査を委託するおkとで病院検査室や民間検査機関での検査を増やし、また抗原検査キットの活用を推進し、一日当たりの検査数を100検体まで増加する補正予算を今議会に提案しており、引き続き、検査体制の強化に取り組んでまいります。

 

8月後半になって、全国的にも学校関係者、児童生徒の集団感染者が増えてきています。本市も例外ではありません。

 

Q6:医療機関、介護施設、福祉施設、学校、保育所など集団感染リスクが高い施設の職員などへの定期的なPCR検査の導入はどのように考えておられますか?

 

 

答弁要旨

 8月28日に国が「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」を公表しており、その中で、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、医療機関や高齢者施設等に勤務するもの、入院・入所者全員を対象に一斉・定期的な検査の実施を都道府県等に要請することとなっております。

現時点において国から具体的な内容が示されていないため、本市といたしましては、今後の国の動向について注視してまいります。

 

PCR検査体制について、1日100検体採取できるPCR検査の拡充はとっても良いと思います。東京医師会会長が「無症状の感染者をできるだけ拾い上げて保護する」と言われているように濃厚接触者だけではなく、関わりある無症状者も組織的に検査をする。点や線ではなく面でのPCR検査が必要なのではないかと思います。

 

 第2問目の最初は地域医療体制から共産党議員団は、自主的に発熱外来を行っているBクリニックとも懇談をしました。一日1時間予約制で2名の患者を受け入れています。理事長は「駐車場にユニットハウス3戸建てクーラー設置し、看護師2人とられ、通常の診療なら1時間で20人見るところ、発熱外来は社会的責任で行っている。市からの事業継続支援給付金の申請を行っているがましゃくに合わない」とクリニックレベルでは経済的・人員的負担が大きいと言われていました。市が医療関係者等を支援するために、市民から募った寄付金580万円を含めた「みんなで応援寄付金」は3000万円あり、そのうち約1400万円を活用しクリニック等にマスク・衛生用品を提供するとしています。

 

Q11:ここでお伺いします。県の支援がなかなか届かないクリニックのさらなる支援を市が行ってほしいと思います。いかがですか。

 

答弁要旨

 発熱患者などへの診療を行っていただいているクリニックなどに対しましては、市としても支援が必要であると考えており、今議会への補正予算にて「みんなで応援寄付金」を活用した医療資材の配布を提案しております。

 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、医療機関の経済的・人員的な負担は大きいことから、今後も必要な支援策について、検討していきたいと考えています。

 

 

次に保健所職員の人的支援

 

電話相談の数は週に700件一日平均100件、多い時には300件の相談があり、職員は主にOB保健師2名と保健師が対応します。17時から19時までは正規保健師が交代で1名が対応しますが、他の職員も仕事が終わるわけではなく、電話相談の補助、検査結果の連絡、陽性者の状況聞き取り・記録に残す等22時頃まで仕事が続く状況です。

土日は感染者担当の事務員と保健師が交代で担当しています。職員の代休は、丸1日はとれず多忙具合を見て半日単位で取ったり、時間給に換算したりしています。夏季休暇は今のところとれていないということです。

PCR陽性者の聞き取り、濃厚接触者の対応は所長や保健師が行います。濃厚接触者も自宅待機2週間、観察の電話やメールでのやり取りで状態把握。日々新陽性者が累積される中で、かなりの数の様子観察者がいる。保健師3名、応援者3名、6名で常時おこなっているが、対象者が多くなると他部署(結核担当の保健師等)からの応援要請を行うとのこと。

民間の検査会社の活用は行っているが、衛生研究所の一日44検体以上になると結果が遅れる。検体が88件を超すと当然2~3日の遅れが生じる。早くに結果がほしいのはわかるが限界がある。ということです。

災害時のコロナを見据えた対応、インフルエンザ感染との併発等、大変な状況が予想される。コロナ感染は一時的なものではなく、長期的な災害と位置づける公衆衛生の充実が必要です。今回のことで、人々の命と健康を守るためには、医療体制の充実とともに、保健所、衛生研究所等の公衆衛生の人員を増やすことが必要不可欠であることは明らかです。

 

Q12:市長は保健所職員の人的支援はどのように考えておられますか。

 

答弁要旨

 今回の新型コロナウイルス感染症への対応を含め、災害等の発生時には全庁からの応援職員により体制を強化するなど、状況に応じて柔軟に対応していくことが基本と考えております。

このため、今年4月に新型コロナウイルス感染症対策担当を局内外の応援などで立ち上げ、疫学調査等については、保健所内や南北保健福祉センターの保健師が輪番制で応援体制を組み対応してきたところです。

 また疫学調査結果に基づくデータ分析や予算・施策調整、市立臨時診療所の運営補助、検体搬送・検査など、多岐にわたる新型コロナウイルス対策の業務執行体制を強化するため、その都度、局内外からの兼職発令及び事務従事命令により対応してきたところです。

 今後も、感染者数の動向や業務の繁忙状況の把握に努め、保健所とも連携を密にしながら、柔軟かつ機動的に対応してまいります。

 

 共産党議員団は、6支所にあった地域保健担当の南北の保健福祉センターの集約には最後まで反対し。各地域にある生涯学習プラザ内に保健窓口と保健師を残すように訴えてきました。私たちにしかいえないことをあえて質問します。災害時のコロナ対応、インフルエンザ流行時のコロナ対応と課題が山積です。誰も経験したことのない事態となります。

Q13:たとえば南北の保健福祉センターに公衆衛生機能を持たせる等、人員の増員も含めた保健所機能の拡充が必要なのではないでしょうか。市長の見解をお聞かせください。

 

答弁要旨

 保健所は健康危機管理上の拠点であり、その機能としましては、個人情報も含めた情報の収集や共有、国・県・他保健所との情報交換、施策の企画・立案が最も重要なものであり、一つの組織に集約することで、より効果的に機能を発揮できるものと考えております。

一方、南北保健福祉センターには、公衆衛生の中核を担う保健師をはじめ、管理栄養士や歯科衛生士など多くの専門職を配置し、日ごろから地域の皆様に寄り添った公衆衛生課t同を続けているところです。

 議員ご指摘のとおり、インフルエンザの流行に備えた体制整備は必要ですが、おh県初及び保健福祉センターがそれぞれの役割を果たしていくことが重要であり、保健所機能自体を見直す考えはありません。

 

 

 

2020.6月議会 こむら

 

はじめに、PCR検査体制についてです。

世界規模で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症について、市内のPCR検査数は5月の大型連休後、徐々に減少し、現在のところ新たな陽性者は出ておらず、5月21日に緊急事態宣言が解除されました。街は今月から人の往来が多くなりつつありますが、決して感染の脅威が払拭されたわけではなく、第2波、第3波の到来も予想されており、予断を許さない状況です。

 

日本共産党議員団は、5月28日、本市のPCR検査を実施する衛生研究所を視察いたしました。PCR検査がどのような流れでおこなわれるのか、実際の検査機器や道具を見せていただきながら検査手順を説明していただきました。検査数や所要時間、必要なマンパワーなど、理解を深めることができました。現在、新型コロナウイルスへのワクチンによる予防や、感染した場合の有効な治療薬もない中、さらなるPCR検査の充実が急がれます。

 

市民の皆さんからは、PCR検査を受けられない不安や発熱のときの対処について、さまざまな声を聞いております。その中から、市民の鈴鹿沙織さんが、「5月28日未明から37.5℃をこえる熱が続いており、先ほどPCR検査を受けてきました。」と6月1日にSNS(フェイスブック)で投稿された内容をご紹介します。ご本人に確認し、できるだけそのままの形で伝えてもらいたい、というご意向でしたので、やや長文ですがご紹介します。

 

症状は熱、軽い喉の痛み、強い倦怠感、強い寒気、下痢です。

私は喘息の持病があるので、熱が出た2日目の29日に「帰国者・接触者相談センター」に電話し相談したところ、「近くの内科医を受診して欲しい」とのこと。病院ではインフルエンザの検査をしましたが陰性。それ以上の検査はここではできないと、抗生物質と解熱剤を処方されました。今後熱が下がらなかったらどうしたらよいか尋ねましたが、うちに来られても困ると言われ、取りあえず抗生物質を飲むという指示以外はありませんでした。

30、31日と自宅で家族から隔離した生活をしていましたが熱が下がらず、体調も良くなる兆しもなかったので、発熱から5日目の今日、6月1日の午前中にもう一度帰国者・接触者相談センターに電話をしました。

電話口でふたたび、病状、経過、医師からの診断について説明したところ、受診した医師から保健所に連絡がないかぎり、PCR検査は受ける事が出来ない旨を告げられました。

そのためもう一度、受診した医師に電話で確認したところ、熱が下がらないなら検査を受けるしかないだろうとのことで保健所に連絡してもらうことになりました。

30分程してから保健所の担当者から電話がかかってきて、またもや病状と経過を相手に説明するに加え、家庭内で隔離は出来ているか、消毒、マスクの着用は家庭内でしているか等の質問があり、その後にようやくPCR検査の予約を取るという流れだったのですが、検査を受けるにあたって公共交通機関を使用せず自力で、すなわち徒歩や自転車・車などで来てほしい、それが出来ない場合は自宅で様子を見て欲しいといわれたので、私は検査を受けに行くことにしました。検査所まで往復3キロを自転車で移動、検査は10分程で終わり、まっすぐ帰宅しました。(以上)

 

つまり鈴鹿さんは、熱が続き体調が悪い中、コロナかもしれないという不安と、持病があり重症化するかもしれないという恐怖を抱えながら、家族や周囲に移さないよう気づかって自宅待機し、何度もあちこちに電話で相談し、自力で検査場まで行く、ということをされたわけですが、「持病があるのになかなかPCR検査にたどり着けない、診察や治療・検査の手順がわかりにくい、検査場あるいは入院や隔離先へ自力で移動しなければならない」など、あまりにも問題が多いと訴えておられます。これは鈴鹿さんに限った話ではなく、他の市民からも相談が寄せられています。ここでおたずねします。

 

Q1 喘息の既往歴がある発熱患者であるのに、なぜすぐに検査が受けられなかったのか。

PCR検査体制を拡充すれば、重症化リスクの高い方が速やかに検査を受けられるよう、対象枠を広げられると考えますが、いかがですか。

 

答弁

PCR検査は、喘息の既往歴があることをもって直ちに受診できるものではなく、個別の症状等を踏まえ、医師の総合的な判断により行うこととなっています。ご指摘の事例については、流行地域への渡航歴や感染者との接触歴もなく、また、相談センターに連絡があった時点では、医師が新型コロナウイルスへの感染を疑っておらず、改めてかかりつけ医への受診をお願いし、その結果、検査に繋がったものです。また、重症化リスクの高い方は、急変の恐れもあることから、これまでも体調に不安がある場合はなるべく早く医療機関を受診していただき、診断した医師が必要と判断した場合は速やかにPCR検査に繋いでおります。以上

 

Q2 体調の悪い患者本人が、あちこちに相談の電話を何度もかけなければならないのは非効率的だといわねばなりません。少なくとも帰国者・接触者相談センターに相談した市民の情報は、電話に出た相談員が変わっても共有し、継続した相談が受けられるようにすべきだと考えますが、いかがですか。

 

答弁

帰国者・接触者相談センターには、匿名での相談が多く、継続した相談が難しい場合もございますが、これまでも相談内容については記録を残すとともに、センター内で情報の共有を行なっているところです。今後も必要な方を着実にPCR検査につなげていけるよう努めてまいります。以上

 

Q3 検査場まで、体調の悪い患者を自力で移動させることについてです。

患者本人が体調不良で自家用車や自転車を運転することはきわめて危険であり、家族など看病できるものがいない一人暮らしの高齢者や、障害を持つ方はどうやって検査を受けに行くのでしょうか?

担当課のお話では一部、民間事業者がコロナ感染防止対策を備えた送迎タクシーサービスをやっているが万単位の高額料金だとのことで、現実的ではありません。保健所や市が感染防止策を備えた専用の送迎車を準備すべきだと思いますが、いかがですか。

 

答弁

帰国者・接触者外来の受診に当たりましては、市が受診者の状況を聞き取り、できるだけ近場所を案内していますが、結果として、遠方まで足を運んでいただく場合もございます。ご提案の専用の送迎車については、対応する者の感染防止対策、車の除菌作業などの課題もあり、原則としてご自身で受診していただくこと考えていますが、受診者の状況に応じた柔軟な対応ができるかどうかも含めて、検討してまいります。以上

 

 

次の第2波が来る前に、しっかり改善策を講じていただきたいと強く求めるものです。

 

新型コロナウイルス感染対策にかかる本市の5月28日時点の取り組み状況が公開されていますが、ここには「外来医療及びPCR検査体制の強化」として「『帰国者・接触者外来』の維持・拡充」と「PCR検査可能件数を倍増し、第2波に備えた検査体制の強化」が記されていますが、患者となる市民の視点での動線がみえてきません。検査のための移動手段の確保についても、当然、万全策をとるべきではないでしょうか。検討をよろしく願いします。

 

先ほどご紹介した鈴鹿さんは「検査員にも検査薬にも限りがある中、検査を今日受けることができたのは、本当に幸運だと思っているし関係者の皆様にも感謝しています」と述べ、よりよい検査体制が構築されることを願うと締めくくっています。後日検査結果は陰性だったと報告されていました。ぜひ、PCR検査体制の拡充と共に、市民の不安をとりのぞくわかりやすい情報提供や、寄り添った対策をお願いいたします。

 

市業務について、この度の上下水道の6か月間の基本料金減免は、市民にも非常に喜ばれていますし、他市にお住いの方からも「うちのまちでもやってほしい」「尼崎に住みたい」といった声も寄せられています。スピーディで思い切った決断は直営の水道だからできた対策だと思います。また保育料の日割り減免や休校中の児童ホーム開設なども直営や認可ならではの適切な対応が実現しました。ぜひ今回のコロナを機にいざという時に本来の市民のいのちくらしを守る役割を発揮できる業務体制への転換を求めます。

 

 

2020.6松沢

 今回の新型コロナウイルス感染は、日本の保健医療体制が今のままでいいのかを私たちに問いかけています。医療現場にも効率性、採算性ばかりが強調される政治の下、赤字の病院は統廃合が推し進められ、その結果、特に地方を中心に病院は住民にとって遠い所にあるものとなってきました。9割以上病床が埋まらないと採算が取れず、余裕のない病院経営が強いられた結果、新型コロナウイルス感染者の治療もままならない状況や院内感染が生まれました。

尼崎市では幸いクラスターは今の所発生していませんが、今後どうなるか予断は許されません。市立病院を持たない尼崎市が、今後どこを核にした新型インフルエンザ等医療対策を進めて行けばいいのかが、今まさに問われていると思います。この問題意識で、尼崎市の地域保健医療全体について考えてみたいと思います。

尼崎市の地域保健医療の取組み方向は、「地域いきいき健康プランあまがさき」に示されています。現在2018年から22年の5か年計画として第3次プランが進められている所ですが、これは地域保健活動を推進していくための羅針盤ともなる中長期計画であると位置付けられています。

ここには、2014年改訂された「尼崎市新型インフルエンザ等対策行動計画」に基づいた新型インフルエンザ等医療対策も盛り込まれており、これまでの本市の医療対策はこの行動計画に基づいて進められてきたと思います。

新型コロナウイルス感染症の国内症例の発生で、2020年2月1日付けで厚労省から各都道府県に対し「帰国者・接触者外来」の設置が求められました。更に4月15日には、対応能力の向上策が求められました。多くの自治体が公立病院を中心に感染症指定医療機関いわゆる「帰国者・接触者外来」の整備に着手しましたが、尼崎市には市立病院がありません。全て地域医療機関に要請しなければなりません。

 

Q、「帰国者・接触者外来」や「発熱外来」の設置について、地域医療機関の受け止めはどうだったのでしょうか。経過を説明してください。

 

答弁

本市においては、厚生労働省が2月1日付けで都道府県等に「帰国者・接触者外来」の設置を求めたことを受け、市内24病院に外来設置について協力を依頼したところ、人員及び設備体制等の問題もあり、当初2か所からの協力にとどまっていましたが、3月末には、合計3か所から協力を得ることができました。しかしながら、4月初旬に感染患者が増加し始めたこともあり、本市医師会の協力のもと、4月16日に市直営の臨時診療所を立ち上げるなど外来機能の強化に取り組んだことから、現在、5か所の「帰国者・接触者外来」において、新型コロナウイルスの感染が疑われる方の診察、検体採取を行っています。以上

 

また、5月臨時議会の健康福祉委員会で、医務監は「コロナウイルスの医療対策については問題点がいろいろと残っていると思う」と語られています。

 

Q、 どんな問題点があるのか、具体的にお示しください。

 

答弁

当初、医療従事者への感染不安や導線確保の問題により診療に繋がらないケースもありましたオンラインや電話による診療が進んだことなどにより感染疑いのある方を適切に医療に繋げることができております。また、肺炎が疑われる方の救急搬送の受入調整に苦慮したケースもありました。現時点では速やかにPCR検査を実施することで病院の協力が得られ、スムーズな受入に繋がっています。他都市において、無症状の方が病院内で感染を広げるといった問題も起きており、今後は無症状病原体保有者による院内感染防止のための対応が課題と考えております。以上

 

 

以上で、1問目を終わります。2問目は、1問1答で行います。

 

―第二登壇―

 国は、保健所に「帰国者・接触者相談センター」を置き、指定医療機関につなぐ体制づくりを進めるものでしたが、圧倒的に「相談センター」や指定医療機関が足らず、また、入院隔離は中等から重症者とされたことから、感染防止は後手後手の対応となりました。全国各地で「相談センター」を介さず、医師の判断でPCR検査につなぐ「PCR検査センター」が必要に迫られて設置されていきました。

 

Q、 尼崎市では4月16日から医師会の協力を得て直営の「帰国者・接触者外来」をスタートさせました。医師会とどんなやり取りをする中で、直営診療所を開設することになったのですか。

 

答弁

先ほども申し上げましたとおり、市直営の臨時診療所は、感染疑いの患者が増加する中、4月16日に開設したものです。本外来は、医師が新型コロナウイルス感染症を疑った患者を、迅速にPCR検査に繋げていく仕組みとして、医師会の協力を得た取り組みであり、開設にあたりましては、医師をはじめ従事者の感染リスクを回避できるよう、防護体制について十分に協議を行ったところです。以上

 

 再び緊急事態宣言という事態を避けるために、第2波へのしっかりした備えが必要です。

 

Q、 直営の外来を今後常設化すべきだと考えますがいかがですか。 

 

答弁

現在、第2波に備え、検査体制の充実を検討しているところであり、直営外来の常設化につきましては、今後’の感染状況を踏まえ、判断していきたいと考えております。以上

 

 

次に保健所機能についてお聞きしていきます。

 私は、ここ25年余りの衛生研究所と保健所保健師の体制を調べてみました。

まず衛生研究所ですが、現在兵庫県下に加古川・神戸・姫路・尼崎と4カ所しかなく、尼崎市民だけでなく、一定阪神エリアに貢献すべき役割が求められていると思います。

1993年ハーティ21が現在地に竣工した時に保健所内からここに移設し、今に至っています。今回の新型コロナウイルス感染対策でPCR検査を一手に引き受けた感染症制御担当は3名、うち検査技師は1名です。また、衛生研究所全体の職員体制は19名、うち会計年度職員が5名です。25年余りの経過を見ると職員総数は18から20名とあまり変わりませんが、2007年以降嘱託や再任用職員が3分の1から2分の1を占める状況が続いています。検査技師については25年前の6名から現在2名と3分の1に減少しています。

本来衛生研究所とは、地域における科学的・技術的中核機関として、その専門性を活用した地域保健についての総合的な調査・研究を行うとともに、地域保健関係者に研修を行う機関です。尼崎市立衛生研究所報第45号の論文によれば、高い専門性を維持向上させるのに調査研究は必要不可欠ですが、実際は年間予算に調査研究費は付かず、人員も必要な機器や試薬の整備もままならない状況であることが記載されています。

 

Q、 このような状態で、近年、本来業務は全うできてきましたか。

 

答弁

人員につきましては、ご指摘のとおり、一部再任用や嘱託に置き換わり、検査技師が減少している状況ではございますが、環境衛生職が高い技術力をもって対応しており、また再任用等を配置することにより、多くの職員に技術伝承を行うことができる側面もあり、業務に支障をきたすものではございません。一方、研究に必要な費用等につきましても、今後の課題として挙げていますが、その解決に向けた取り組みを模索しながら、様々な形で研究に取り組むことで、職員のモチベーションを上げ、業務に取り組んでおります。以上

 

 今回、PCR検査体制を補強するために、研究所内で3名、保健所から1名、経済環境局から1名経験者を配置してあたりました。これによって8人による3チーム体制が可能となり、激務をなんとか耐えることができたと聞きます。今後、第2波に備えた体制作りが求められるところだと思います。兵庫県はPCR検査の1日処理能力の確保を、5月21日に1000件、また、6月5日には6月補正予算案で更に500件増やし1日1500件を目指すとしています。

 

Q、 県が示す目標に対し、尼崎市立衛生研究所の割り当ては何件ですか。それは、今の体制で実施可能ですか。

 

答弁

兵庫県の目指す1日1500件という件数には、本市が対応可能な検査件数の44件が含まれておりますが、割り当てられたものではありません。以上

 

Q、今後も3チーム体制が維持できますか。

 

答弁

感染者数の増加時には、他部署からの応援による3チーム体制をとっておりましたが、現在は感染状況が落ち着いた状況であります。現在、PCR検査数を増やすため、機器導入も進めており、今後の感染状況に応じ、必要な体制を整備し、機動的に対応してまいります。’以上

 

 5月28日共産党議員団は衛生研究所を視察し、現場の専門性、そこから生じる責任感・緊張感を肌で感じ、同時に検査機器の老朽化を見ました。

 衛生研究所の人員や設備の拡充を強く求めます。

 

 次に保健師の役割についてお聞きします。

保健師は数の上では25年前より微増傾向ですが、4保健所2保健所支所体制から1999年に1保健所6保健センターへ、2006年保健センターを廃止し6支所に地域保健担当、2018年1月地域保健担当を廃止し南北保健福祉センターへと、行革や政策的課題の変化によってその体制は大きく変わってきました。

 第3次いきいきプランによれば、保健師の地区担当制を基本に個別支援から地域支援につなげていく活動を目指していると示されています。しかし、市民の受け止めは違います。6行政区から保健師の活動拠点が無くなり、通常業務が母子保健や健康増進、がん予防などに細分化され、昔の「困ったときは保健師さんに相談する、地域にいつも保健師さんの姿があった」と知る多くの市民からは「保健師が見えなくなった、遠くなった」と聞いています。

今回の新型コロナウイルス感染対策で、保健所に「帰国者・接触者相談センター」が設置され、市民や医療機関、関係機関からの相談や調整、感染者の感染経路の確認などに最前線であたりました。

 

Q、 コロナウイルス感染対策では保健師何名の体制で対応されていますか。具体的な仕事の中身も教えて下さい。

 

答弁

新型コロナウイルス感染症対策では、電話相談業務にあたる感染症対策担当の保健師10人に加え、他部署から適宜応援を求めており、5月からは新たに雇用したOB保健師2人が従事しています。また、疫学調査業務には、最大2班体制で5人の保健師が従事し、更に、市臨時診療所に関する業務には、3人の保健師が従事しています。以上

 

 

Q、今回の対応では、南北保健福祉センターの保健師が乳幼児健診がコロナのため中止となったので応援に入ったと聞きます。急場はしのげたかも知れませんが、第2波に備えどのような準備をしていますか。

 

答弁

新型コロナウイルス感染症対策において、保健師の役割は、健康相談業務だけでなく、疫学調査業務や検体採取補助業務など多岐にわたっております。今回は、事業が中止となった保健師に応援を求めることで対応してまいりましたが、今後、起こり得る第2波に備え、発生段階に応じた業務継続計画を事前に定めることで、感染症対策に必要な保健師の確保に努めてまいります。以上

 

 保健所が感染拡大を防ぐための役割を果たすためには、多くの人手が必要です。不安を抱えて防衛的になっている人や家族の不安を軽減し、感染経過の真実を語ってもらえるようにすることが求められます。そのためには、基本的に地域住民から保健所や保健師が信頼されることが必要です。「保健師が見えない」では話になりません。日本共産党議員団は6支所の廃止、地域保健担当の廃止は、地域から保健師がいなくなる地域保健の後退につながると反対しました。コロナで、改めてくらしの中で感染予防に留意することも課題になっています。

 今こそ、保健師が地域で市民のくらしの中で活動し、市民の健康を守る活動がしっかりとできる体制をつくるべきです。そのための保健師増員を求めます。

 

次に、近畿中央病院についてお聞きします。今年4月1日付で近畿中央病院と伊丹市立病院が統合に関する基本協定書を締結しました。これによれば、2025年に現在の伊丹市民病院の場所に新病院が造られ、近畿中央病院は廃止となります。近畿中央病院は塚口や富松など北部の市民が安心して入院もできる、また出産もできる病院として地域住民は頼りにしてきた病院です。年間6万人の尼崎市民が利用していることがその証拠です。ここがなくなれば尼崎の北部地域に医療空白ができてしまいます。

 

Q、 市は、2025年近畿中央病院が廃止されることについて市民への影響をどのようにとらえていますか。

 

答弁

近畿中央病院につきましては、年間約6万人の市民の方々が外来受診しており、市立伊丹病院との統合に伴い、市民の方々に少なからず、影響はあるものと思われます。一方、今回の両病院の統合につきましては、兵庫県の医療構想に沿ったものであり、統合により、これまで阪神北圏域で課題であった、高度急性期医療を担う基幹病院の設置に加え、必要な医師や看護師の確保など、持続可能な病院運営を目指されていることから、地域住民に対しても、更なる良質な医療を提供することができるものと考えております。以上

 

新型インフルエンザ等医療対策を前に進めようとする時、その前提になるのは、安心して医療を受けられる地域医療の体制があることだと思います。この点で近畿中央病院が2025年廃院になり、ベット数が200床減少するのは問題です。

 昨年市民から近畿中央病院の存続を求める陳情が出され、健康福祉員会で審議されました。市は、伊丹市と近畿中央病院の問題、阪神北圏域の問題、ベット数の確保もそこで話し合われるだろうと、まるで対岸の火といった態度でした。

 

 

 

Q、  県の保健医療計画では、すでに阪神南と北は統合し阪神圏域になっていることはご存知ですか。

 

答弁

阪神南と北が統合し、阪神圏域となっていることは承知しております。なお、今回統合された阪神北圏域は、計画の中で別途、準保健医療圏域として設定されており、当該圏域内での地域医療の提供体制整備の取組が進められているところです。以上

 

近畿中央病院がなくなることについて、周辺住民の多くはまだ知りません。市は、この問題でもっと責任ある態度を示すべきです。

 

Q、  廃院によって200床ベット数が削減します。このことで尼崎北部の医療提供体制にどのような影響が出てくるのか、つまり何人が入院できなくなるのか、何人がお産ができなくなるのかなど具体的に数値で示せますか。

 

答弁

両病院の統合再編に伴う、必要な病床数については、既存患者の入院者数に加え、新機能の追加や将来推計等も加味し、新たな病床数を設定されているとのことであり、入院やお産にあたっても、医療提供体制への影響はないものと考えております。以上

 

Q、  近畿中央病院に対して、周辺住民に廃院になることについて説明責任を果たすよう働きかけるべきだと思いますがいかがですか。

 

答弁

近畿中央病院では、定期的に地域住民との話し合いの場を持たれており、問い合わせなどにも丁寧に対応されていると聞いております。本市としましても、今回の統合に伴う市民の意見を近畿中央病院や伊丹市、県に、必要に応じて伝えてまいります。以上

 

 最初にも紹介しましたが、「第3次地域いきいき健康プランあまがさき」は、地域保健活動を推進していくための羅針盤ともなる中長期計画の位置づけだと市は言っています。しかし、ここに市内全体あるいは各地域の地域医療確保の政策が全く書かれていません。全て県任せ、民間医療機関任せで、市として市民の命・健康を守る政策が描けない、市立病院を持たない尼崎市の弱点だと思います。これでは、コロナ後の安心の地域医療環境は整備されません。

 2点について要望します。

一つは、近畿中央病院と伊丹市の基本協定書の第9条2項には、「近畿中央病院の跡地の活用について近畿中央病院が地域医療に配慮しながら検討するもの」と記載されています。伊丹市とも協議し、尼崎北部に医療空白をつくらないために病院跡地には入院できる医療機関の誘致を近畿中央病院に対し求めること。

二つ目は、尼崎市医師会をはじめ各医療関係団体と今まで以上に協議をすすめ、地域医療確保の政策を充実すること。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。