2019.9月議会・決算委員会・松沢ちづる議員の総括質疑の質問と当局答弁概要です

おはようございます。

日本共産党議員団を代表して、2018年度決算ならびにその関連議案について、小村議員と私 松澤が総括質疑を行います。

質疑に入る前に、北朝鮮が2日午前7時すぎ弾道ミサイルを発射したことについて述べます。一昨年、尼崎市議会は全会一致で抗議の意見書出しています。このような軍事的挑発は、昨年来進んでいる対話による朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和の構築の流れに逆行するもので、決して許されない行為です。私たちは、北朝鮮が一切の軍事的挑発を中止し、対話による解決の道を真剣に選択することを求めます。それでは、小村議員から質疑を行います。よろしくお願いします。

Q 総合医療センターの病児・病後児保育についてお聞きします。

総合医療センターの保育室を利用する時に必要な手続きは、市民ニーズに寄り添っていません。総合医療センターに対して、手続きの改善はそもそも市として求められるものなのですか。

答弁

本市の病児・病後児保育事業につきましては、医療機関併設型として現在4か所で実施しており、県立尼崎総合医療センターは平成29年4月から実施しております。

病児保育の利用希望者は、利用時に医師の診察を受ける必要があるため、医療センター以外の病児保育室は、併設の診療所で診察を行っているところです。

一方、医療センターは、一般病床500床以上の地域医療支援病院のため、初診で直接受診すると、病児・病後児保育室の利用を前提としても、かかりつけ医の紹介状がない初診外来と同様の費用が必要となり、診察料のほか、選定療養費として5,000円が生じることとなるため、事前にかかりつけ医を受診し、かかりつけ医発行の医師連絡票を持参して、医療センター内の病児保育室でも医師による問診を行っておりました。そこで、市民の利便性の向上を図るため、本市から医療センターに申し入れをし、協議を行った結果、当日の朝にかかりつけ医を受診した場合には、その後の医療センターでの問診や、午前中の決められた時間に、受付・預入を行うことの制限をなくすなどの改善が行われたところです。今後とも、病児保育の利用促進を図るため、機会をとらえ協議を行ってまいります。以上

(松沢) この問題は、以前緑のかけはしの須田議員が一般質問でとり上げられ、わが会派も重要だと認識し、健康福祉分科会で質疑しました。

総合医療センターは地域の開業医さんと違って、紹介状がないと総合医療センターの小児科では診てもらえない。そのため、発熱などで保育園に行けずここを利用したいと思ったら、かかりつけ医にその日まず受診し紹介状を書いてもらい、その足で総合医療センター小児科を受診し保育のOKをもらう必要があります。子どもが病気でもその日仕事を休みにくいから病児・病後児保育を利用したいのに、結局その日は2つの医療機関を受診するためほぼ1日近く仕事を休むことになってしまいます。お伺いします。

Q 病児・病後児保育室を必要とする潜在的ニーズはどれくらいと見込んでいるのですか。

答弁

ニーズの見込みにつきましては、インフルエンザ等の感染症の流行状況等から、利用が大きく変動する要素もありますが、年間利用児童数で、27年度が2か所で1,978人、28年度が3か所で2,008人、29年度が4か所で2,559人、30年度が4か所で2,306人という実績と、今後のニーズの増加も踏まえ、4か所で、3,000人程度と見込んでおります。以上

(松沢) これまでも市民からは園田・武庫地域には保育室があるものの、市の中央部には無くてここにも病児・病後児保育室を求める声が大きくありました。総合医療センターに設置されたことは、ずいぶん市民から歓迎されたと思います。ところが、いざ利用しようと思うと実際とても使い勝手が悪いということが分かりました。他の3カ所の保育室の利用は年間700人を超えるのに、総合医療センターは144人に止まっています。

Q 新たにこの地域に別の病児・病後児保育室の設置をしていくべきだと考えますがいかがでしょうか。

 答弁

県立尼崎総合医療センターでの病児保育室の実施は、子どもの容態が急変した場合でも即座にそこで対応できるといった利点もあり、子どもの安全と保護者の安心感につながるものと考えております。また、医療センターで実施する前に、尼崎市医師会を通じて全市的に病児保育事業の実施を呼びかけたものの、平日の午前8時から午後6時まで、医師や看護師・保育士等のスタッフを確実に配置する必要があることや、事業実施に必要な専用スペース等の整備が必要なことなど、医療機関の負担が大きいといった課題もあり、結果として実施に至らなかった経緯がございます。こうしたことから、今後も引き続き、医療センターでの実施を基本とする中で、より利用者にとって使いやすい制度となるよう、手続の改善や、更なる利用促進のPR等を行ってまいります。(以上)

◎次に、児童育成費の不用額についてお伺いします。

毎年各児童ホームから、畳を替えて欲しい・冷蔵庫が古くなって水漏れしている・下駄箱のすのこがガタガタで釘が飛び出している、直してほしいなど、切実な要望があがっています。しかし維持管理費は限られてり、担当課に伺ったところでは暑い時期が過ぎるまではエアコンの買い替えや修繕が最優先され、他の要望はその次にまわされているようです。保護者のみなさんからは、「市は、よく次世代に大きな負担を残さないためと言うが、今を生きている私たち世代はおろそかにされていると思う。なんでカーペット1枚のクリーニング代さえ出せないのか」と不満の声を聞いています。予算と比較すれば、児童ホーム維持管理事業費で約110万円、児童育成環境整備事業費こどもクラブ維持管理に係るものですが520万円の不用額があります。また、児童育成費全体で見れば1695万円の不用額になっています。

Q 昨年度の決算では、委託費や工事請負費が不要となったのは2月初めごろと聞いていますが、それからでもそのお金を活用して、維持管理の要望に対応すべきだったのではないでしょうか。

答弁

児童ホームの維持管理経費につきましては、シルバー人材センターの委託料のほか、電話代、施設の修繕費が主なものとなっており、カーペットのクリー二ングなどの維持管理に関しては、現場の職員で対応しております。現在、54箇所の児童ホームでは、老朽化した施設や備品も多く、現場からの報告や父母会の方々からも修繕に関する要望が多いことから、まずは、施設や備品の修繕を優先して執行しております。予算の執行管理については適切に進めておりますが、議員ご指摘の2月初め頃から、予算を執行するにあたりましては、契約事務に一定の時間を要するものもあり、限定されますが、緊急性を有するものを中心に、今後も適宜対応して参ります。以上

(松沢) ある児童ホームでは、電話の雑音がひどくて保護者からの緊急の連絡が指導員側に聞き取れないので見に来てほしいと2、3年要望をあげ続けても取り上げてもらえませんでした。保護者会から相談を受け、私が現地調査し担当課に伝え、やっと電話線の点検やFAX電話機の買い替えが行われました。

Q 児童ホームやこどもクラブで金額が高い備品といえばエアコンと冷蔵庫、FAX付電話機ぐらいのもの。備品台帳の管理をしっかり行い、古いものから新調していくべきではないでしょうか。

答弁

児童ホーム・こどもクラブには、エアコン、冷蔵庫などの機器があり、これまでから、故障等で使用不可となったものについて、その時点で修理もしくは買い替えを行っております。各備品については、購入や設置時期について備品台帳で把握しておりますが、ご提案の古いものから新調していくことについては、設置場所や使用頻度等により消耗の状況も異なることから難しく、限られた予算の範囲内で優先順位をつけた執行となることから、現場の状況を確認しながら、適宜対応してまいります。以上

Q 市民要望に応えて、不用額を多額に生み出さず必要なものには積極的に使っていく市の姿勢が求められると思いますがどうでしょうか。

答弁

今回の不用額につきましては、本来執行すべき事務を怠ったことなどの故意の原因により生じたものではなく、補助金そのものの性質や、事務事業の進捗等の結果として発生したものでございます。今後とも、現場の状況や、いただいた要望などを十分に考慮する中で適正かつ効率的な事務の執行に努めてまいります。以上

(松沢) 10万円未満は備品扱いではないので、局内の判断で購入等が可能です。市民の要望に応え、迅速な対応を求めておきます。

◎次に、障がい者の院内介助についてお聞きします。

介護保険でも障害者自立支援でも、受診時病院内の介助は医療側のやるべきこととして支援の対象から外されています。夫要介護5、妻身障1級・要介護4共に70代のご夫婦から切羽詰まった相談をお受けしました。「妻が3か月前、緊急入院した総合医療センターから退院した。退院後検診のため近々受診する必要があるが、ヘルパー事業所から介助はできないと言われ途方に暮れている」とのことでした。総合医療センターに問い合わせもしましたが、「介助ボランテイアはいるものの、受診される日に何人のボランテイアが居るのかは分からないし、一人の患者さんにずっと付き合うこと自体できない」と言われました。

Q 居宅介護支援計画に明記されていれば、算定対象になるのではないですか。

答弁

院内介助は、厚生労働省通知において、原則として病院のスタッフ等により対応されるべきものとされておりますが、一律に介護保険サービスが利用できないといったものではございません。主治医の意見を踏まえた上で.サービス担当者会議を開催し、適切なケアマネジメントを経る中で、必要性が認められる場合は、その検討した肉容を居宅介護支援計画に明記することで、診察中を除き、算定対象となります。以上

(松沢) 多くのケアマネやヘルパー事業所が、端から算定対象外と認識しています。支援計画に項目として載せることをしていません。

Q 本人や家族が院内介助に対してヘルパー事業所が対応した分を自己負担されたり、経済的に余裕のない家庭ではヘルパー事業所が無償で対応している現状について、市はこれで良しとしているのですか。

答弁

先程ご答弁申し上げましたとおり、適切なケアマネジメントを行った上で必要性が認められる場合については算定が可能となります。しかしながらご指摘のような、必要性が認められるにも関わらず自己負担や事業所の無償対応がなされているといった事例は問題であると認識しており、適切な制度について、今後一層、周知を図ってまいります。以上

(松沢) 同様の事が、65歳未満の障がい者自立支援サービスを受けている障がい者にも見受けられます。

Q本人や家族が院内介助の分を負担をしたり、ヘルパー事業所がボランテイアで無償で介助していることについて、良しとするのですか。 

答弁

障害福祉サービスにおいても、介護保険の取扱いと同様、院内介助の必要性が認められる場合はサービスの利用が可能となるため、障害当事者やその家族から院内介助が必要との申し出や相談があった場合は、障害者支援課の担当者が聞き取りを行い、必要に応じて障害福祉サービスでの支給決定を行っています。そのため窓口に直接ご相談がある場合は、適正に審査し、支給決定を行っていますが、居宅介護の事業所が制度を十分理解していない場合等では、ご指摘のような事例があることも想定されます。適切な制度運用について一層.周知を図ってまいります。以上

(松沢) 介護保険・障害者自立支援どちらの担当課からも、支援計画に院内介助の必要性を明記するよう説明しているとことです。しかし現場では周知されず、結局本人・家族や事業所の負担になっていることは問題です。地域ケア会議やケアマネの研修会などで、現場の声をしっかりと聞き具体的なアドバイスをされるよう求めます。

◎次に、業務執行体制の見直し、アウトソーシングについてお伺いします。

市民課窓口業務の委託について、総務分科会で当局は「偽装請負といった大きなリスクも抱えているので、・・・・毎月定例会を実施。課題の共有を図りながら、業務改善に継続して取り組んでいる」と応えています。まず、定例会をやっているということなので、先に要望の質問をしておきます。

Q 市民から、「フロアのスタッフが申請書類の内容について事細かに聞いてくる。必要なものが受け取れるようにという配慮だとは思うが、個人情報が待っている人たちにつつぬけになる。何とかならないか。」という声があります。定例会で改善を検討してほしいですがいかがですか。

答弁

窓口での受付にあたっては、市民の方に的確な手続きをよりスムーズに行っていただくため、例えば、住民票の交付では、使用目的とともに、世帯全員のものが必要なのかや、本籍地入りのものが必要なのかなどについて、確認のためにお聞きしております。市民の皆様には、申請内容等に応じて、より詳細にお聞きする場合もありますが、個人情報の取り扱いに関しては、当然のことながら、その重要性に十分に留意する中で、適切に対応する必要があると認識しております。そうした中で、ご指摘の周囲への配慮に関する取扱いにつきましては、現在、各窓口ともスペース等に制約はあるもののパーテーションを活用した受付ブースの複数設置などにより対応しているところですが、今回のご提案につきましては速やかに受託事業者との次回定例会において報告するとともに、より効果的な取組や改善策についズ協議してまいりたいと考えております。以上 

次に、アウトソーシングの問題で質問していきます。

Q パソナに委託して早や39カ月経ちますが、先方が業務に習熟して問題は解消に向かうのではなく、毎月定例会で確認しなければならないほど、常に偽装請負のリスクが高いということですか。

答弁

本市の市民課窓口業務については、申請受付等を中心に民間事業者に委託しておりますが、手続きに要するすべての業務を委託しているのではなく、関係法令に基づき公権力の行使にあたる受理・決定等は市職員が行う一部委託方式であり、パソナに限らず、業務手順の中で本市と受託事業者の間で接点が生じやすいとの業務特性を有しております。そのため、業務推進に当たっては、常に偽装請負には十分に留意する必要があり、事業者側の現場責任者との連絡体制の整備をはじめ、市職員と受託事業者が混在しないよう、業務エリアや業務工程を明確に区分するなど、普段から本市及び受託事業者の両者で偽装請負防止に努めており、その確認のためにも毎月定例会を開催しているところでございます。(以上)

Q パソナへの委託料は業務量の増加という理由で年々増加しています。業務量に対する適切な単価設定はできているのですか。

Q パソナは、自治体の窓口業務受託について全国的に事業展開しています。また、こうした分野の受託業者は数社に限られています。今後、事業者側の主張で委託料が釣り上げられる恐れはないのでしょうか。

答弁

議員ご指摘のとおり、現在、自治体の窓口業務を受託している事業者は、主に派遣人材等を活用する一部の専門事業者に限定されておりますが、先程もこ答弁申しあげたとおり、委託料の増額については、本市の委託業務を取り巻く環境変化等に適正に対応した結果であると認識しております。従いまして、今後においても、事業者側の主張で委託料を決めるのではなく、業務プロセス分析のシステムも活用する中で、引き続き、適正なコストで市民サービスを提供してまいります。以上

(松沢) パソナとの委託契約書や協定書を見せていただきました。個人情報の保護、守秘義務、再委託の規制など盛り込まれていますが、再委託先が個人情報を流出する事件も全国では発生しています。費用対効果とともに市民サービスの視点から、今後もチェックをしていきます。

Q アウトソーシングにより浮いてきた職員は、他部門に再配置することで市民サービスの維持、向上を図ると市は考えています。すでに、市バス運転手だった市職員が様々な部署に再配置されていますが、現業・専門職の職員が畑の違う分野でしっかり働き続けられているのですか。

答弁

現在、元交通局からの転籍者は約100人在籍しており、市民窓口をはじめ、環境、都市整備、上下水道及び学校教育など、多岐にわたる分野の職場に配置しているところです。また、その多くは技能労務職として勤務しておりますが、中には転籍後に市長事務部局において事務職に転職されている職員のほか、係長として頑張っている職員もおられます。以上

Q 市バス運転手だった何人かが学校校務員に配置されていますが、今年度モデル校で民間委託され、また、配置転換が行われました。市職員がアウトソーシングによって翻弄されています。これでいいのですか。

答弁

技能労務職の職員の行政職への転職に当たりましては、転職に向けた各種研修に加え配置先でのサポートのための指導員制度、また、産業カウンセラーによる面談の実施など個別のキャリア形成について、丁寧に対応しているところでございます。今後も限られた人員体制において。多様化する行政需要に対応するためには業務の効率化を図りつつ、民間事業者が専門性を有する分野においてはそれを活用し、そうしたことによって生じる人員を行政の役割が増えることが予想される分野へ重点的に配置していく等、執行体制の見直しに向けた取組を進める必要があると考えております。以上

(松沢) 今年度、更に北部浄化センターとポンプ場の技能職員がアウトソーシングで配置換えされています。専門技術と長年培ってきた経験で市民のライフラインを守る、安全を守る仕事への誇りが奪われます。専門知識の蓄積や技術の継承といった点でも問題があります。 また、市は今後においてもコンサルティング業者が市長の補佐役となってアウトソーシング全体について進めていく方向を示していますが、市民のニーズや現場職員の誇りを効率性のみで、バッサリ切り捨てる危険性があると思います。日本共産党議員団は、市が進めようとしているアウトソーシングそのものに反対の立場であることを表明しておきます。これで日本共産党議員団の総括質疑を終わります。各分科会での質疑も加えて、8日意見表明させていただきます。ありがとうございました。