2018.12月議会・真崎一子議員の一般質問の発言と答弁概要です

〈第一登壇〉

 日本共産党議員団のまさき一子です。

私は「国による学童保育の職員基準の改定」 「阪急園田駅東側高架下の保育園建設」 「公立小中学校のトイレの洋式化」 「おくやみ窓口の開設」を質問します。

まず最初に国による学童保育の職員基準の改定についてです。

 

厚生労働省は11月19日、内閣府が開いた地方分権改革の有識者会議で、学童保育(以後児童ホームと言います)について、職員配置数や資格を定めた国の基準を、事実上廃止する方針を打ち出しました。 子どもの安全確保や質の向上をねがう保護者・職員らの運動で導入された全国一律の基準をなくすもので切実な願いを踏みにじるものです。

児童ホームは、厚生労働省が2015年度から①一教室に「放課後児童支援員」(以後指導員といいます)を原則2人以上配置する。②指導員は保育士や社会福祉士などの資格を持つとともに、都道府県知事の研修を修了する。という「従うべき基準」を設け、各市区町村に義務付けていました。厚生労働省は、職員確保に苦しむ地方からの提案を口実に「従うべき基準」を、拘束力のない「参酌すべき基準」に変更する方針です。自治体は条例改定をおこなって職員数などを自由に決められるようになるため、指導員の現行資格のない職員が1人で児童ホームを担うことも可能になります。政府は、この12月に閣議決定し、来年の国会に関連法の改定案を提出予定です。朝日新聞では「厚生労働省は、基準の一部緩和にとどめようとしたが、基準廃止などを訴える地方の声に押され方針転換した。全国知事会などは、基準を満たす人材を確保できないため、待機児解消がさまたげられていると主張。基準廃止を含む抜本的見直しを求めていた」とありました。

  • まず最初の質問です。尼崎市は児童ホームの開設や運営にあたり、有資格者の人員不足等が問題になったことはありましたか?また尼崎市として兵庫県や国に、指導員の無資格化や人員削減を求めたことはありましたか?あわせてお答えください。
  • 答弁

本市の児童ホームにつきましては、これまでも保育士資格や教員免許を有する職員を複数配置しているところでございますが、こういった職員の人員不足による運営等への問題については、これまで生じたことはございません。なお、今回の「従うべき基準」の廃止又は参酌化の動きにつきましては、全国知事会、全国市長会、全国町村会の地方三団体からの共同提案事項によるものであることは認識しております。以上

 

(まさき)園田高架下保育園建設について、お聞きします。

 

保育所に落ちた、日本死ね」というネットの書き込みで、保育所には入れないママパパ達の声が大きくなり、国を動かすまでになりました。保育所待機児解消は日本の大きな社会問題です。

とにかく待機児解消が優先で、子どもの生活環境が考えられていない、と感じる事例が少なくありません。たとえば線路の高架下につくられた保育園です。2013年の横浜市待機児数ゼロに貢献するとして、電鉄グループが運営する保育園が線路の高架下につくられました。関西で2015年に初めて高架下保育園が京都市に開設されました。国基準では高架下の設置を規定していないため、騒音、振動などのガイドラインもなく、市は問題がないと認可しましたが、専門家や保護者からは「保育の質が確保できるのか」と疑問と不安の声が上がりました。兵庫県内は今年12月に初めて阪急西宮北口の今津線ホームの高架下に開設予定です。

資料をご覧ください。図1の保育園です。

保育園のすぐ上が阪急今津線の駅構内になっています。駅ビルの飲食店や商業施設が隣接しています。児童ホームと保育園の間に園庭がありますが日が当たらない状況です。また図2が阪急宝塚線の高架下にある池田市公設民営の待機児解消保育ルームです。保育園のすぐ上を阪急電車が走っているのがわかります。高架下の倉庫かテナントを保育園にしたという印象でした。いずれも阪急電鉄が土地、建物を貸出するというものです。尼崎市でも、今年10月に待機児童が多い園田地域に認可保育園3か所を認可し、その1か所が阪急園田駅の高架下に市内で初めての保育園を開設するというものです。私は11月の健康福祉委員会で、所管事務調査をしました。その時の答弁を踏まえて質問をします。保育園の認可するにあたっては「選定委員会」があります。学識者、会計士、保育の経験者、計4名と市職員で、高架下保育園の新規開設の認可が行われました。

  • そこで質問します。「高架下保育園が子どもの生活の場としてふさわしいのか」という視点に立った審議はどのようにされたのでしょうか?審議内容をお示しください。
  • 答弁

 選定委員会においては、高架下に保育所を設置することについてまず関係法令や条例に定める設置運営基準を満たしているかどうか確認した上で、現地の状況や応募法人の騒音・振動防止対策の内容等について、保育環境面からの審査をいただいたところです。その結果、比較的高架までの高さがあることや敷地の幅が広い建築条件であること。阪急電鉄自身が保育所の躯体工事を行い、全ての保育室が高架の柱との間に空間や緩衝材を設けるなど、十分な騒音・振動対策を施すことなどについて確認したところです。併せて、保育所が児童の生活の場であることを踏まえ、採光、換気など児童の保健衛生を考慮するとともに、危険防止に十分な処置を講じていくことなどが確認できたことから、子どもたちが安心して一日を過ごすことができる保育環境であるという結論に至ったものです。なお、選定委員会からは付帯事項として、今回選定となったすべての法人に対し、管理運営に当たっては常に安全・安心を確保し、市に対してもその状況確認や指導を行う旨の意見が添えられております。以上

 

(まさき)続いて、公立小中学校のトイレの洋式化についてです。

 

今回私が、トイレの洋式化を取り上げようと思った出来事がありました。市長選挙の時、候補者について宣伝していると、通りかかった小学5年生の女の子3人から呼び止められました。「トイレを洋式にしてほしい。下級生が和式で出来ずにお漏らしをする子もいて可哀そう。私たちだって洋式がいい」との要望を聞きました。幼い下級生の状況を考えると心が痛みます。そして忘れかけていたことを思い出しました。実は内気だった私も幼いころ「先生おしっこ」が言えなくてお漏らしをして、泣いて家に帰ったことがありました。こんな出来事って一生記憶から消えないのだと思います。もしかするとからかわれていじめにあっていたかもしれない。学校に行くのが嫌になったかもしれません。また小学5年生と言ったら、初潮が始まる時期です。処置に慣れない場合は和式トイレでは生理用品を落としてしまいます。勇気を出して伝えたのはさまざまな理由があったのでしょう。子どもたちの要望をどうかかなえてほしいとの思いで今回質問にしました。

  • 質問:毎年何校、何カ所ずつなら改修可能ですか? また1校の改修費用はどれくらいかかるのでしょうか?
  • 答弁

学校のトイレ整備は、多額の費用を要することから、財政状況を踏まえて実施しているところでございます。近年の実績といたしましては、毎年、1校の1棟のトイレを整備しております。改修費用につきましては、整備するトイレの階数や広さによって費用が異なりますので、一律に改修費用を算出するのは難しい状況でございます。以上

 

(まさき)最後は「おくやみ窓口」についてお尋ねします。

 

私は、市民から「尼崎市もおくやみコーナーを設けてほしい」という相談を受けました。Iさんは奥様を脳腫瘍で亡くしました。病気により突飛な行動に出られるために、Iさんはずーっとケアに付き添っておられました。その奥様が死亡され葬儀を済ませ、市役所に手続に来ました。初めての経験で何から始めたらいいのかわからず、市民課、国保課、介護保険課、年金事務所等に足を運び、それも何回も、何日も。疲れ果てたそうです。一つ一つ抹消手続きする中で、「死亡手続きは妻を2度死なせること、自分が妻を社会的抹消していくんだと思った。妻の死亡を再確認する辛さと、とてつもない淋しさを味わった。対応してくれる職員さんの接遇が重要。寄り添ってほしい」特に年金の抹消は、大変つらかった涙が止まらなかったと。愛する人を亡くし死亡の手続をする人でないとこの思いは想像できないでしょう。Iさんは、死亡手続きについて①来所者の大切な人を亡くした気持ちを察して寄り添ってほしい、と接遇への要望。②市民課の一角にプライバシーが守れる、おくやみコーナーを設置してほしい。③手続きの一覧表が欲しい。話を伺う中でこの人にはどんな手続きが必要なのか丁寧に教えてほしい。④次はどんな手続きと必要書類は何かおしえてほしい。⑤出来れば一括で出来る手続きは、各課を回るのでなく、係の人がコーナーに出向いてほしい。など、多くの要望を出されました。尼崎市は年間約5000人の方が亡くなられます。一日20人以上の来所者に対して、丁寧な対応というのは大変なことです。

  • 質問:高齢者の死亡、手続きするもの高齢者がこれから増えてきます。必要な手続き「ワンストップ窓口」等の対応について、Iさんのような市民の要望にどのように応えますか。見解をお示しください。
  • 答弁

昨日ご答弁させていただいたとおり、「おくやみコ一ナー」を開設し、ワンストップでのサービスを実施することは.本市でお亡くなりになる方の数が、年間で約5,000人にのぼることから、窓口の設置スペースや人員体制等に課題があり、困難であると考えております。現在は、お亡くなりになられた方に関する必要な手続きや窓口を一覧にしたご遺族向けのご案内パンフレット「お悔やみの手続き」を業者を通じて、お配り、Iさんのような場合は市民課窓口において、亡くなられた方の年齢等を聞き取り、必要な窓口のこ案肉を行っているところでございます。こうしたお悔やみの手続きに係る各窓口におきましては、今後とも、ご遺族の気持ちに寄り添った、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。(以上)

 

これで第1問目を終わります。第2問めからは一問一答で質問します

 

 

2登壇〈一問一答〉

まず最初は児童ホームの職員基準についてです。市町村ごとにまったく異なる水準だった児童ホームの内容を、ようやく国が一定の基準を示したのが4年前。それでも、まだまだ不十分な点がたくさんあるのに、それをなくしてしまうというのですから、あきれてしまいます。その理由が、基準を満たす人材を確保できないため、というのですからまさに本末転倒。有資格者があつまらないのは処遇が悪いからです。

  • まずは尼崎市の児童ホームの職員の雇用形態と賃金についてお尋ねします。尼崎市の指導員はどんな雇用形態になっていますか。また賃金は、年収、退職金、社会保険、一時金、時間外手当等の制度はどのような状況ですか?
  • 答弁

本市の児童ホーム指導員につきましては、1日6時間、週30時間勤務の非常勤嘱託員として採用をしており、報酬について5年単位の雇用年数により増加することとなっております。また、一時金に相当する割増報酬を含む年間報酬は、平均で約280万円でございます。その他の勤務条件といたしましては、各種休暇制度や65歳までの再雇用制度、健康保険等必要な社会保険制度にも加入する中、退職にあたっては、離職慰労金制度を設けている等、安心して働ける環境づくりに努めているところです。以上

(まさき)全国学童保育連絡協議会の2007年実態調査では、指導員の年収150万円未満は52.7%、150万円以上300万円未満が38.3%、300万円以上は9.0%です。半分以上が150万円未満です。退職金がない71.3%、社会保険がない37.5%、一時金がない58.0%、時間外手当が出ない35.4%です。これでは処遇の悪さで退職する指導員が後を絶たない状況です。尼崎市は 同じ保育士の資格を持っていても公立保育所の職員と児童ホームの職員とでは、身分と処遇が違います。ここに格差が生じており、指導員の処遇の改善が必要です。全国学童保育連絡協議会事務局長、高橋誠さんは「今回の方針が通ってしまうと、自治体の判断次第で、専門性のない大人が1人で多くのこどもと関わることも起こりえます。これで子どものいのちが守れるでしょうか。子どもにとって安心安全な場所を保障するためには、一人ひとりの子どもを理解し、専門性を持った指導員の複数配置が不可欠です。今回の方針は到底容認できるものではありません。「従うべき基準」を堅持するよう、国に対して強く働きかけていきたい」と述べています。

  • そこで質問します。国は自治体の裁量に任せると自らの責任を放棄しようとしています。尼崎市としては、これまでの「従うべき基準」を堅持するよう、国に働きかけてほしいと思いますがいかがですか。
  • 答弁

本市の職員の配置基準については、現在、「従うべき基準」として、国の基準を基に、本市の基準条例を定めているほか、他の「参酌すべき基準」項目においても、「子ども・子育て審議会」の意見も踏まえて、国の基準が適当であると判断し、国の基準を本市の条例に規定しているところです。従いまして、今回、「参酌すべき基準」への見直しの報道があったことは承知しておりますが、その具体的な内容も示されておらず、直ちに直接的な影響が出るものでもございませんので、国に働きかけることは考えておりません。以上

 

(まさき)尼崎市は全国に先駆けて小学校内に立地する、安心安全な公設公営の児童ホームを守ってきました。私は30年前娘ら、今は孫を児童ホームでお世話になりました。最近子どもの成長に感動した出来事がありました。それは孫が入所半年でけん玉で難しい技が出来たことです。1年目で百人一首を大人、兄姉よりも上手になっていたことです。指導員に集団遊びと集中力、競い合うことの楽しさ教えていただきました。運動会やドッチボールでは親の方が必死で入り込んでいました。そうできるのも指導員が子どもの成長を引き出すことが出来る、専門的心得があるからです。児童ホームを身近で見てきた、小学校の教師は、「児童ホームが専門性をなくしてしまったら、子どもが荒れる。ホームが崩壊する。子どもを束ねることが出来るのは専門的見地を持った職員だからです」ときっぱり言われました。

  • 私もその通りだと思います。そこで質問します国の基準を緩和する法案では、指導員は無資格者でも、また一ホーム一人でも構わないとしていますが、指導員の資格をなくすと児童ホームの質はどのように変わりますか?
  • 答弁

本市の児童ホームにつきましては、これまでも保育士資格や教員免許を有する職員を複数配置する中で、児童ホームの適切な運営に努めているところですが、仮に、それが、ご指摘のような知識や経験などを持たない職員が一人体制で児童ホームのこども達の育成支援を担うこととなると、事業の目的や児童の安全管理に支障が生じる可能性があるものと考えております。以上

 

(まさき)私は国による基準撤廃をしたとしても、すぐにさま変わりするとは思っていません。

でも10年20年30年後にも安心安全な公設公営の児童ホームを守るために、今基準を守らなければと思います。

  • 児童ホーム最後の質問です。従うべき基準から参酌すべき基準に変えるかどうかは、自治体任せということです。それならば条例改正も自治体任せということ、条例は変えないでほしいとお考えます。市の考えをお聞かせください。
  • 答弁

繰り返しになりますが、先般、国において職員の配置基準が「従うべき基準」から「参酌すべき基準」になる旨の報道がありましたが、その具体的な内容は示されておらず、現在、本市においては、他の「参酌すべき基準」項目においても、すべて条例で国の基準を遵守しているところです。引き続き、国における議論を注視してまいりたいと考えております。以上

 

(まさき)続いて園田の高架下保育園についてです。

 

私は選定委員の中で「生活の場としてふさわしい場所であるか」という疑問の声が上がらなかったことに対してとっても残念です。同じ保育の専門家である法人園長会の園長先生たちは、口をそろえては「高架下の保育園なんてとんでもない、私らは反対です」と言われました。選定委員会は、条例に逸脱していなかったら認可OKとする、当局の主導で行われているのではありませんか。資料の図3をご覧ください。今度高架下の建設予定の場所です。園田駅東に約200m行った高架下、現在は駐輪場・空き地となっています。両側に駅前から続く交通量の多い道路があります。園田の高架下は、電車の通過音、振動に加えて両側道路を走る車の騒音・振動そして排気ガスも心配です。また交通量が多く道路を横断するのはとても危険です。保育に必要なお散歩や公園遊びが困難、窓を開けることもできない環境です。二重、三重に保育園の立地条件としてはふさわしくありません。当局説明でも「電車の音や振動というよりも横を走る自動車やバス・トラックの音のほうがうるさかった」と答弁がありました。私もそのように思いました。続けて答弁で「もし保育に影響が出る騒音・振動がある場合は指導をしていく。現状況は適切な環境であると認識している」という事でした。

  • 1問めに続いて、選定委員会の審議についてお聞きします。今回の園田高架下保育園の環境については「適切な環境であると認識している」とされています。保育の質を保つ上で、窓も開けられない、散歩に行くにもリスクがある、園庭に出ると騒音で保育士の声が聞こえない。どこが適切な環境と評価をされたのでしょうか?
  • 答弁

第1問目でご答弁いたしましたとおり、今回の選定は、選定委員会の審査段階における高架下に保育所を設置することについての保育環境面での様々な確認を経て結論に至ったものでございます。御指摘の点につきましても、窓の閉扉(へいひ)時の採光や換気、散歩時を想定した歩道やガードレールの状況等について選定委員会の中で確認をいただいております。以上

 

(まさき)図3を見てください。両側に交通量が多い道路、まるで大きな道路のセンターライン上に、保育園をつくっているのと同じです。そんな環境で認可保育所を設置することもこれまではなかったことです。高架下の騒音振動の問題だけでなく、様々な危険が重なり合っているところの保育所建設は問題だと指摘しておきます。次は高架の耐震性の問題です。私は実際に阪神・淡路大震災で新幹線の高架が落ちているのを見ました。阪急伊丹駅でも駅が崩れました。現在、園田駅は耐震工事がすすめられているとの事ですが、保育の現場は東に約200m離れた高架下です。

  • 高架の耐震化についてお聞きします。駅だけの耐震化ではなく、保育所建設の現場付近の高架の耐震化はどのようになっていますか?
  • 答弁

当然のことながら、高架上を鉄道車両が安全運行するための耐震基準は満たしております。それに加え、現在、阪急電鉄株式会社は、より強固な耐震化を図るため園田駅舎から高架下付近の耐震化工事を実施しており、保育所設置予定の高架部分の耐震化工事は既に完了しております。また、園田駅周辺全ての耐震化工事は来年3月に完成する予定です。以上

 

(まさき)健福委員会では高架の耐震については「必要なら改めて阪急等に確認を取りたい」と言われています。選定委員会での審議中には高架の耐震化は不明だったことになります。耐震化が不明のまま保育園の認可を行ったと言いうことです。果たしてそれで選定委員会の機能が果たせているんでしょうか。

 

選定委員会の選定内容に、建築基準法と消防法等要件を満たさなければならないとあります。

まず建築基準法について伺います。建築基準法には保育室の広さ、保育室や給食室、園庭等の設置基準はありますが。高架下、両側の大道路、音や排気ガスで窓が開けられない、保育室や園庭に太い柱があり子どもを見守る視野が狭まる等の、立地に関する基準は示されていません。これでも建築基準に満たしているので認可したと言えるのですか。

答弁

当該保育所につきましては、保育室は高架の柱が子どもの見守りに影響が出ない形で配置されており、園庭には確かに高架の柱はありますものの、運営法人は、危険防止への十分な処置を講じていくことを確認しております。以上

  • 次は火災や災害時や藻川の氾濫時のことを想定して、保育園では必ず避難訓練をします。高い建物に逃げる、公園に避難する等の訓練の指導はどうなっていますか? 90人の園児を避難させる、安全な場所が近隣にありますか。
  • 答弁

本市では、法人を含む市内各保育施設において非常災害への対応に関する具体的な指針を定め、非常災害に備えるため、毎月1回、避難、救出等に関する訓練を行うことを義務付けております。災害時等の避難場所につきましては、法人が適切な場所を定め市に届けることになりますが、周辺の避難場所としましては、園田東中学校や園和小学校のほか、公園では東園田公園や下園公園があります。また、津波等一時避難場所も周辺に複数ございますし、高架沿いに西に進めば阪急園田駅もございます。これらについて適切に行われるよう、市としても必要な指導や支援を行ってまいります。以上

  • 次に「尼崎市遊技場およびラブホテルの建設に関する条例」について伺います。「保育環境への影響やトラブルを避けるため、遊技場等の250m以内に位置する場所を整備予定地とすることは配慮すること」あります。園田の駅前にパチンコ店があります。保育所建設予定地との距離はどれくらいですか?
  • 答弁

園田駅前のパチンコ店と保育所建設予定地との距離は、敷地間の最短の直線距離で260メートル以上あり、同条例で定めている250メートルはクリアしております。以上

1つひとつは問題ないとのことです。一度建設したら、30年40年子どもたちの生活の場となります。また今回の建設を許したら、まだどこかに高架下の保育所が出来るでしょう。だんだん問題意識も薄らいでいくでしょう。そして何か問題が起こった時に犠牲になるのは子ども達です。

選定委員会は今回の保育園建設について、条例で定めた設置基準を満たしていると結論を出しました。施設の建設工法の配慮や遮音対策が十分ほどこされていることを確認して、選定したとの答弁でした。しかし騒音や振動の基準がないということで、現場で測定すらされていないのが現状です。

次は高架下保育所の騒音・振動について伺います。世界保健機構では小学校、保育室の音の上限を35デシベルと基準があります。イギリスやドイツ、オーストラリア等の諸外国では独自基準を決めています。日本では文科省が小学校・幼稚園は50デシベルとしていますが、保育室は基準がありません。日本では大人では騒音や振動は70デシベル以上で体に影響が出ると言われています。しかし子ども特に乳児は、脳やからだの器官が未熟です。継続する騒音や振動、またその他の弊害でどのような影響が出てくるのか、検証報告がなく、保育を行う上での不安材料は多くあります。

  • 騒音や振動について伺います。学校や幼稚園には基準があって、保育所にはありません。幼稚園児より小さな子の長時間保育をしているのに、基準が無いのはなぜですか
  • 答弁

保育所における騒音や振動に関する基準は定められておらず、そのあり方については研究途上にあるもめと認識しております。現在、日本建築学会では、子どもへの騒音・振動による身体への影響に関する調査研究を進めておりますが、その目的は、保育施設に求められる良好な音環境のあり方について、高架下や線路、道路、工場等の近隣といった周辺環境に加え、保育施設の内部で発生する騒音や振動なども含め、施設内外の様々な要因で発生する騒音・振動に対しての調査研究であり、現在は設けられていない保育の実施に際して維持すべき静けさの基準づくりを目指しているものと側聞しております。以上

(まさき)また近年は発達課題を抱えた子どもが増えています。発達障害がある子どもは、音にたいへん敏感であり大きな音でパニックが起こる場合もあります、保育士はたいへん神経を使って保育をしています。

  • 質問:ラッシュ時には2.3分おきにある不快な電車の通過音に対して、とっても過敏な発達障がい児にはどのような対応をされるのですか?
  • 答弁

市内の各保育所は、全ての子どもが、安心した保育環境のもとで日々の生活を過せるよう状況に応じた適切な配慮を行っています。特に障がいのある子どもへの配慮については、一人一人の子どもの特性を把握し、保護者とも密に連携を取りながら極め細かな保育を進めております。音に対し過敏な子どもへの対応といたしましても、電車の通過音をはじめ車やバイク、その他街中の様々な喧騒はもちろん、保育時の子どもたちの声等、その音の質やうるささに関わらず、個々の子どもが苦手な場面には、それぞれどのような配慮をすれば安定できるのかを把握し、対応しています。当施設を運営する法人に対しましても、今後必要に応じこのような助言等を行っていきたいと考えております。以上

 

基準がないから騒音・振動の測定もせずに保育園の認可を行う。例えば川崎市に産業廃棄物置き場の隣に保育所が出来ました。重機でがれきをつぶし音が一日中、ホコリがすごい、お散歩に行くのにトラックが出入りする産廃置き場の入り口の前を通らないといけない、それでもここは認可保育園です。

  • 質問:このような場合でも、尼崎市も基準がないからと川崎市と同じように保育所の認可を行うのですか?
  • 答弁

本市における保育所の設置に当たりましては、鉄道高架下のみならず、線路沿いや増路沿いなど様々な環境を踏まえた上で、運営法人が行う必要な対応について確認するなど、個々の申請内容について現在の審査基準等に照らし合わせて、総合的に判断していくべきものと考えております。以上

(まさき)尼崎市は保育園を建てる土地がないわけではなく、なぜ電車の高架下に建てなければならないのか。それも市に事前の相談もなく阪急電鉄が建てて法人と契約を結ぶ。その後で認可を要請するというのはあまりにも勝手なやり方ではないかと考えます。保育に関わる当局は待機児解消に追い詰められ、保育の質が置き去りになっているとしか考えられません。これでは子どもの尊厳を守れているとは言えません。今回の認定は見直すべきです。

 

続いて小中学校のトイレの洋式化についてです。 兵庫県内のトイレ改修率は、46.1%であり、近畿地域では兵庫県が一番高い比率でトイレ改修が行われています。尼崎市の洋式トイレの設置率は小学校で約62%、中学校で約43%、小中学校合わせると52,5%でした。未だに障がい者用を除くと男女ともに洋便器ゼロの小学校が2校、中学校は5校あります。建替えた学校では洋式化が進みました。建替えも一段落ついた状況で、今度はトイレの改修が急がれます。これまでは毎年国から臨時交付金がおりる時期に、洋式トイレ改修の予算が付きました。数年前までは複数の学校を改修できていましたが、今では交付金の額が少なく年1校程度しか行えていません。

  • 質問:尼崎市の小中学校のトイレの洋式化について、毎年予算を立てて計画的におこなうべきではないですか。
  • 答弁

小中学校のトイレ整備は、学校の環境改善の一つの課題と認識しているところでございます。先ほどこ答弁申し上げたとおり、限られた財源の中で工夫しながら、毎年1校程度整備しております。今後につきましても、厳しい財政状況ではございますが、トイレ整備を進めてまいりたいと考えております。以上

  • 質問:特に洋式トイレゼロの学校と新改築されトイレも洋式になった学校との不公平さが出てきています。小学校2校と中学校5校のトイレの改修ができていない理由は何ですか。
  • 答弁

学校のトイレの洋式化の必要性は、認識いたしておりますが、厳しい財政状況の中で、一度に複数の学校のトイレを整備することが困難な状況でございます。今後につきましても、財政状況を勘案して計画的にトイレ整備を進めて参りたいと考えています。以上

 (まさき)お隣の伊丹市では、各学校にエレベーター設置と同時にトイレの洋式化を行ったということです。私は小学校に築50年の和式トイレと平成に改築された洋式トイレを見に行きました。和式トイレは丁寧に掃除され、暗いイメージだと子どもが怖がるからとPTAによる壁画が描がかれ、明るくきれいに使用されていました。掃除のときに水が当たり仕切りやドアが腐れていることころは補修され学校の努力がうかがえました。一方、洋式トイレでは、子どもクラブの子どもたちも使っており、指導員による掃除が行き届いており、便器と洗面所の鏡がピカピカ、その美しさには感動を覚えました。教頭先生が「教育委員会は各学校のトイレの一部分洋式化すればいいと思っている。洋式化になっているのは一カ所だけです。特に4階はトイレがないので子どもたちは大変困っています」とのことでした。

  • そこで質問します。各学校で部分的にトイレを洋式にされているのは、どうしてですか。また4階にトイレがないのは、水洗の水圧が弱いためだと聞いたことがあります。もし改築となった場合は、4階にもトイレを増築できますか。
  • 答弁

校舎を新築又は改築する場合は、4階に限らず階ごとにトイレを設置することは可能でございます。これまで新改築した学校には各階にトイレを設置しております。以上

(まさき)神戸新聞に播磨町の小学校では改修工事が終わったという記事が載っていました。

子どもたちから「家と同じように座ってできるからうれしい」「トイレに行くのが楽しくて、使う回数が増えた」「和式じゃないから、もうお化けの花子さんが出ない」と胸をなでおろす子どももいたそうです。尼崎市の子どもも同じ思いだと思います。使いにくい、汚い怖いと排泄を我慢している子もおり、トイレは子どもの健康にもかかわる大問題です。洋式化を喜ぶ子どもたちの声は、苦痛からの開放のようにも思えました。

  • 質問:3期目の市長が「この4年間小中学校のトイレの改修をします」と掲げられたら、子どもたちはどんなに喜ぶでしょうか。このような事業こそ借金してでもおこなうべきです。市長の見解をお示しください。
  • 答弁

小中学校のトイレ整備は、学校の環境改善の一つの課題と認識しているところでございます。これまでも、厳しい財政状況ではございますが、国の補助金を活用するなどし、トイレ整備を実施してまいりました。今後につきましても引き続き、限られた財源の中で工夫しながら進めてまいりたいと考えています。以上

 

(まさき)最後はおくやみ窓口の設置についてです。市民から相談があった後、NHKのニュースで大分県別府市の「おくやみコーナー」の報道がありました。その取り組みを紹介します。

まず、来所者が死亡手続きに行くと、パーテーションで仕切られたスペースがあり、必要な手続きについての説明が丁寧に行われます。お客様シートに亡くなった方の名前や住所、口座番号など必要な項目を記入します。職員がその内容をパソコンに入力すると、10の手続が必要なら10枚の書類が自動的に印字され出てきます。来所者は二通りの手続き手順を選べます。一つはおくやみコーナーに担当職員の方から来てもらう。二つ目は自分で各窓口を訪ねますが、おくやみコーナーから各担当者に事前に連絡がいき情報を伝え、書類も整っているので待たされることなく、印鑑を押すだけで手続きを済ませることが出来ます。報道後に別府市には問い合わせや視察等が殺到したそうです。兵庫県三田市も今年7月からコーナーを設け実施しています。

質問します。尼崎市はこれまで「おくやみコーナー」の設置を検討されたことはありますか。

答弁

本市において、サービスセンターにおける総合槽談窓襲(いわゆるワンストップ)機能を検討したことはありますが、これまでに「おくやみ:コー一ナー」の設置を検討したことはございません。以上

 

 (まさき)別府市ではおくやみコーナー一元化の取り組みは、若手職員11名による「住民サービス向上のためのプロジェクトチーム」で検討され、窓口業務に焦点を当て、特に煩雑な死亡時の手続に関して専用コーナーの設置を提言しました。これを受け総務課の係長が中心に急ピッチで進め、1か月後にコーナーを開設できたそうです。これは市職員の連携によるものであり、市民サービスに応えようとする職員の情熱がこのスピード感のある取り組みとなりました。始まる前は、かえって窓口業務が増えるのではないかと職員の不安もありました。でも導入してみると、手続きがスムースに進むため、すぐに職員の間にも好意的な受け止めが広がったそうです。住民サービスの向上を目指した取り組みが職員の負担軽減につながるという、まさに一石二鳥の結果になったと報道されました。

 

市長にお聞きします。大きな予算を伴うものでもありません、市長のめざす住民サービス一つとして、導入されるお気持ちはありますか。

答弁

先ぽどもこ答弁いたしましたとおり、現状では『おくやみコーナー」のサービスを実施することは困難であると考えておりますが、来庁された方に対しては、市民相談窓口で必要な手続きのご相談に丁寧に対応し、関連する窓口についてパンフレット等を活用しながらわかり易く説明するとともにに、各担当窓口においても関連する部署へのこ案肉に努めております。今後とも、できる限り手続きの負担軽減につながるような対応を行ってまいりたいと考えております。以上

 

これですべての質問を終わります。