2018.6月議会・川崎としみ議員の一般質問の発言と答弁概要です

 日本共産党議員団の川崎としみです。

私は今回、保健福祉センターの2カ所化にかかわる問題と、今回も庁内の機構改革の主要な課題となっている業務執行体制の見直し、いわゆるアウトソーシングの問題を取り上げさせていただきます。

今年1月から保健福祉センター南北の2カ所で、業務が開始されています。市のホームページには「2018年1月に市の保健福祉業務が抱える課題を解決するために保健福祉業務の再編を行い、市内南北2か所に新たに保健福祉センターを設置します。」とあります。

  • お尋ねします。ここに示されている本市の「保健福祉業務が抱える課題」とは何でしょうか?

答弁

新たに南北2か所の保健福祉センターを設置するに至りました保健福祉業務の課題としましては、大きく3つあります。

1つ目は、保健・福祉に係る相談内容や市民ニーズが多様化・複雑化し、異なる建物における個別の窓口では対応できないケースが増えており、これまで以上に、保健と福祉の職員の連携が求められているということ。

2つ目は、各支所で実施しておりました乳幼児健診の施設環境に課題を抱えていたということ。

3つ目は、生活保護受給世帯数が大幅に増加し、適正な生活保護行政を行っていくには、業務範囲や組織規模が大きくなり過ぎていたということ。こうした課題を解消し、市民サービスの向上を図るために、保健福祉センタ~を設置したものでございます。(以上)

 

  • さらにホームページには保健福祉の業務再編のねらいとして4つのことをあげており、その第1に「本庁と支所それぞれに配置している保健と福祉分野の専門職員を保健福祉センターに配置して、総合的な相談支援を行います」とあります。保健福祉の専門家が常駐しているので、総合相談を行う体制が整っているとのことでした。先日、南部の保健福祉センターを訪問しましたが、総合相談の受付窓口を見つけることができませんでした。
  • 実際に総合的な相談支援活動は具体的にどのように行われているのでしょうか?

答弁

南北の保健福祉センターでは、これまで、本庁に配置しておりました福祉の専門職員と、各支所に配置しておりました保健の専門職員をワンフロアーに一体的に配置する中で、フロア内のいずれの窓口でも、相談者の抱える課題に応じて、関係する部署の職員同士が迅速に連携を図り、必要な支援を行っております。

具体的には、例えば、生活困窮に関する相談で仕事を探しに来所された方の中にも、本人が障害や疾病を抱えていたり、家族に介護や看護の問題を抱えていたりする事例がございます。そうした場合、ワンフロアーに居る、保健部門や障害部門の職員が連携し、同席して面談することなどにより、支援の方向を共有し、就労支援のほか、障害・介護等の福祉サービスに繋げるなど、複合的な課題の解消に向けた支援に努めているところでございます。以上

 

(川崎) 2010年6月議会で、総合相談窓口を求める陳情が、採択されていました。今から8年前のことです。この時以来課題となっていた総合相談窓口が、今年の2カ所の保健福祉センターの開所に伴い、ようやく設置されたわけです。しかもワンストップの機能を備えた総合相談が必要であると認識していると、市は議会で答えています。

  • 総合相談窓口設置のためにこれまでどのような検討を行ってきたのでしょうか?

答弁

南北の保健福祉センターの窓口のあり方としましては、1か所集中方式と窓口分散連携方式を検討いたしました。1か所集中方式は、すべてのご相談を一つの窓口でお聞きし、必要な支援を行っていくというものです。

しかし、生活保護や障害、保健など幅広い業務を担える専門性の高い人材を、複数、将来にわたって継続的に確保していくことは極めて困難であるため採用しなかったものです。そのため、現実的なあり方として、各窓口で相談者のニーズをしっかりとお聞きし、課題を抽出する中で、その課題に応じて必要となる関係部署に相談者を繋ぐ、あるいは、関係部署の職員が同席して課題に対応するなど、迅速に連携することによりフロア全体でワンストップとして総合相談支援体制を実現していこうと判断したものでございます。(以上)

ある父子家庭の方が、成人した障害を持つわが子の将来を案じて、保健福祉センターに出向いて相談をされました。この方は息子が一人では服薬の管理もできないのだが、自分の少ない給料では親子二人で今後も生活していくことはできない、共倒れになってしまう。せめて子どもは独立して、生活保護を受けながらでも、将来設計を描けないかとの相談内容を抱えていました。

しかし、相談窓口の対応は、障害者に対する市の施策を説明してもらって大変参考になったのだが保護課に相談をつなぐことはされなくて、結局その時は、生活の立て直しのための相談にはならなかったということでした。何故そうなってしまったのか、相談者の話のもっていき方がまずかったなど様々な要因が考えられますが、相談を受ける側にも問題があったのではないでしょうか?

  • お尋ねします。相談者の抱えている問題を聴きだして、どの担当部局に繋げればいいのかを判断できる専門家を、窓口に配置しているのでしょうか? 

答弁

先ぼども申し上げたとおり、南北の保健福祉センターには、生活保護部門、福祉相談支援部門、障害者支援部門、地域保健部門等の窓口を配置しており、それぞれの窓口において、経験豊富な職員が対応を行っております。また、それらの職員に対しましては、センター設置の目的である「総合的な相談支援体制」を構築していくために、一人ひとりがその担い手であることをしっかりと自覚し、業務にあたるように周知・指導を行うとともに、研修を実施しております。

実際の窓口において相談をお聞きする場面では、相談者から本音を聴きだすことが非常に難しい面があるのも事実でございますので、支援を受けることへの抵抗感といったスティグマがあることも念頭に置きながら、必要な啓発を行うなど、相談者の立場に立った窓口対応を心がけてまいります。(以上)

 

(川崎)相談者によりそい抱えている悩みや課題解決のために、きちんと状況判断ができる専門家が窓口で対応することが必要です。そして、その場で概ね問題解決までの道筋がつけられるようにしていくべきです。いわゆるワンストップの相談窓口です。

すでにみなさんご存じのように、野洲市では多重債務に苦しんでいる市民の生活全般の問題を解決することを発端に、ワンストップの相談窓口を確立し全国的にも注目を集めています。

 

  • お尋ねします。市は、この総合相談窓口をやがては、ワンストップで市民の抱えている問題解決に対応していこうとの考えはありませんか?

答弁

南北の保健福祉センターには、経済的困窮や多重債務、精神疾患やその他の疾病、障害など、多岐にわたる相談が寄せられます。そうした相談内容を整理し、一つ一つ課題を解決していくためには、一つの窓口だけですべてが対応できるものではなく、保健分野、福祉分野から、それぞれ専門的な知見や制度を寄せ合い、相互に連携して支援することによって、こうした課題にも対応していけるものと考えております。保健福祉センターでは、ワンフロアに保健・福祉の専門職員を配置して、すぐに同席面談や支援方針の共有などの連携ができる体制を構築していることから議員のイメージしているワンストップ窓口を設置することは考えておりませんが、こうした機能をより強化していくことで、市民の抱えている問題の解決まで道筋がつけられるよう引き続き取り組んでまいります。(以上)

  • 総合相談窓口をさらに充実させていくためには、第三者による評価システムをつくり、総合相談体制を構築すべきではないかと考えますが、市の見解はいかがでしょうか?

答弁

総合相談支援体制の取り組みを行うにあたっては、相談者から、十分な聞き取りを行い、抽出された課題に応じて他の所属業務も含めて、適切な支援に繋げる必要があります。そのため、職員のスキルアップに向け所内各課の業務を理解するための研修を行うとともに、総合的な支援を必要とするケース事例の蓄積を行い、所内での周知、活用に向けた取り組みを進めているところでございます。

このように、自らの経験を積み重ねていく中で、成功事例を共有・活用することで、さらなるスキルアップに努めてまいります。また、第三者による評価システムということではありませんが、庁内関係各課のほか学識経験者、民生児童委員協議会、雇用対策協議会、弁護士会などで構成する生活困窮者自立支援制度推進協議会などを活用し、他機関とのネットワークを強化する中で、相談者ばかりでなく、第三者である他機関の声も取り入れ、総合相談支援体制の取組を充実させてまいります。(以上)

 

(川崎) 保健福祉センターの運営面において新たな課題が生まれています。

北部には開所当初は、駐車場が少なくて時間待ちをしている状況がありました。今では、駐車場はがら空き状態となっています。何故でしょう、その一因として駐車料金の問題があります。時間当たり400円、1時間を過ぎると30分単位で200円上がっていき、最高額1000円の設定となっています。1回あたりどんなに時間が短くても、最低でも400円負担しなければなりません。

南部には証明コーナーがないために、阪神電車で出屋敷から尼崎まで行って、中央支所で証明書を発行してもらって、また出屋敷に行くというケースが生まれています。不便で市民の足が遠のく原因となっています。また1階の各入口、案内表示が不十分で、初めてここを訪れる市民にストレスを与えています。乳幼児健診のお誘いの連絡が再三あり、意を決して出かけてみれば、案内表示が見にくくて、健診の窓口になかなかたどりつくことができずに、大変苦労したとの市民の声を、健診以外のことでもたくさん聞いています。

  • お尋ねします。南部に証明コーナーを設置して、すぐにでも非課税証明などがとれるようにすること。各入口に案内表示を充実させて、スムーズに保健福祉センターの窓口に誘導することが必要です。また、北部の駐車場料金の改善が求められています。以上、市長の決断を求めます。いかでしょうか?

答弁

南部保健福祉センターの来所者は、増加傾向にあり、北部のような市民課機能はありませんが、窓口において、懇切丁寧な説明を行っており、開設から現在までトラブルはお聞きしておりません。また、案内表示につきましては、センター内部やリベルの施設内などで、これまでも随時対応を行っておりますが、今後も、施設の案内表示だけに関わらず、乳幼児健診をはじめとした事業の案内通知に保健福祉センターのエレベーターの位置を分かりやすく記載するなど、市民の皆様が迷わず辿り着けるように努めてまいります。

保健福祉センターは、駅前の交通利便性の高い場所に設置しているため、来所にあたっては、公共交通機関のご利用をお願いしているところでございます。そうしたことから、自家用車で来られた方の駐車料金を市が負担するとなれば、電車やバスで来ていただいた方との負担に不公平が生じますので、駐車料金については、利用者負担でお願いしているところでございます。以上

 

以上で第一問を終わります。

 

 2登壇

次に、業務執行体制の見直し、アウトソーシングにかかわる問題についてです。市は、昨年2017年7月に「業務執行体制の見直しに向けた取り組みについて」を総務委員会協議会で、議会に示しました。そして12月には「業務執行体制の見直しに向けた今後の方向性について」を発表しています。これまで、行財政改革にかかる計画に基づいて、公の施設への指定管理者制度の導入、公立保育所の24カ所の民間移管、ごみ収集や小学校の調理業務の民間委託等を進めてきました。結果、職員数は1975年の6082人から2017年には2988人へと約半数となっています。しかし今後は子ども子育て支援や高齢者支援等の分野で、職員数を増やさなければならないから、今ある職員配置を見直して、このような分野に、アウトソーシングによって生み出された人員を配置するとしています。民間に委託して行われた業務プロセス分析では、分析対象事務における従事割合は正規が66%、非正規職員等が34%となっており、アウトソーシングが可能な業務が、多数存在すると結論付けています。そして今後のスケジュールについて、2018年4月以降から、順次業務委託開始とあります。アウトソーシングに向けた今後の方向性93業務はAからEまで区分されていますが、そのうち、アウトソーシング導入に向けた具体的な検討を行うものとしたA区分の、38事業中、6事業はすでに実施されています。今後、具体的に業務執行体制の見直し、アウトソーシング化は、どのように進行していくのでしょうか。

  • お尋ねします。今後における具体的なアウトソーシングの実施計画はどうなっているのでしょうか?

答弁

平成29年12月にお示しいたしました「業務執行体制の見直しに向けた今後の方向性」に基づきまして、それぞれの業務ごとに、各課においてアウトソーシングの導入等に向けた課題の整理など、具体的な検討を進めているところでございます。その中で、今年度向けにアウトソーシングを実施したものにつきましては、平成30年度予算案とあわせて、主要事業におきまして、アウトソーシングに係る経費やそれに伴い見直した職員数等をお示ししたところでございます。各業務における具体的な見直しの実施年度は定めておりませんが、課題が整理でき、アウトソーシングを導入する際には、市議会や市民のみなさまにお示ししながら、取組を進めてまいりたいと考えております。以上

  • 現業職が行政職へ転換する問題にも、2年間かけて研修、試験を実施する、試験に合格できなかったら現業にまた戻すとありますが、戻される現業職場はどこになるのかその実行性を危ぶむ声があります。実行のめどは立っているのでしょうか? 

答弁

技能労務職から行政職への新たな転職制度につきましては、今年度から数名の技能労務職員を行政職場に配置し、平素の業務の中で必要な知識・技術の習得に取り組んでおります。今後、筆記試験等を経て、転職の可否を決定していく予定です。試験の結果、転職できなかった場合は、一旦技能労務職場に戻ることとしており、戻る職場は元の職場とは限りませんが、本人希望も考慮した上で配置してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、引き続き技能労務職員には研修などの様々なサポートを行うことにより、転職意欲を促し、この転職制度が円滑に進むよう取り組んでまいります。以上

(川崎) 弁護士の尾林よしまさ氏が、2016年に発表した論文「新たな段階を迎えた自治体アウトソーシング」のなかで、「国民健康保険や年金、戸籍や住民基本台帳などは、社会保障の根幹や権利の証明に関する地方自治体の重要な職責ですし、たとえば徴収の猶予・減免や親族関係をめぐる届出の受理・不受理など、それぞれの法令の趣旨に沿った専門的知識・経験を要する判断に満ちた事務です。」と、述べられています。さらに、こうした事務は専門的な職員によってこそ担い得るものですし、外部委託が「進んでいない」ことには制度としての必然性があります。これをひとくくりに「定型的」な「窓口業務」としてあくまで外部委託を推進することは、「制度の根幹をゆがめるものです。」と主張されています。本市における、今後のアウトソーシング導入を行う業務には、市民から直接相談を受けたり、逆に市民にアドバイスを行っていくべき部署と業務がたくさん含まれています。少し上げただけでも、市税窓口・徴収業務、国民健康保険等窓口業務、介護保険認定調査業務、児童手当窓口業務等があります。また、技術継承や災害時対応が課題となる業務も、クリーンセンター運転管理業務、道路橋梁維持管理業務、処理場・ポンプ場の運転操作および維持業務等があります。中でも、国保の窓口の民間委託は、本当に単純、定型的な業務なのでしょうか?市民のプライバシーにかかわる業務がたくさん含まれています。また減免など行う相談活動も多分に含まれています。この業務こそ国保の制度に精通した職員、守秘義務を退職した後も課せられている公務員が対応すべきなのではないでしょうか。ポンプ場や道路の補修等を行う現場から、長年の経験と勘に基づく業務の世代継承が行われなくなる、多大な不安を感じているとの声も聞いています。

  • お尋ねします。今後、これらの計画実行の見通し、そしてこれらの問題どのように解決していこうとしているのでしょうか?

答弁

今後の見直しの方向性を決定した93業務の中には、個人情報等を取扱う業務やノウハウの継承が必要となる業務なども含まれておりますが、まずは、その業務を実施する所管課において、それぞれの課題整理等を行った上で見直しに向けた検討を行い、順次取組を進めてまいります。

また、議員ご指摘のアウトソーシングを導入した際の守秘義務の問題につきましては、契約書へ秘密の保持に関する事項や個人情報の取扱いに関する事項を明記するとともに、アウトソーシング導入後も定期的に点検・チェックを行うことで、適切に対応できるものと考えております。

次に、ノウハウの継承につきましても、契約書や仕様書において詳細な業務手順書の納入を義務付けますことや、例えば民間事業者への職員派遣なども検討する中で、本市職員が直接業務を実施しなくなった場合においても、行政内部における技術や知識の低下を招かないよう、十分配慮してまいりたいと考えております。なお、今後、より効果的・効率的に取組を進めるため、各課においてマニュアルを整備する際や、それぞれの委託事業における成果・課題の検証手法等についての検討を進める際には、誰もが同じ視点で取組を進めることができるよう、アウトソーシングに係る統一的な手順書を作成するとともに、庁内における統一的な支援体制を構築し、この支援体制において、アウトソーシングに係る各種課題を解消できるよう、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。以上

 

(川崎) 全国的にも自治体の組織や運営のあり方について民間企業の手法を取り入れたり、運営そのものを民間企業に委ねたりすること、つまりは「自治体の民間化」、非効率的な行政を効率化するために市場原理に委ねるということが、国を挙げて進められています。人間の暮しというものは、すべてが市場経済でまかなえるものではありません。人間としてよりよく生きるための営みや、市場競争に耐えられない人々の生活をささえる公共サービスの数々は、市場原理とは本来あいいれない領域です。市民に対して中立性、公正性が担保されなければなりません。

  • お尋ねします。今年度から、新たにアウトソーシングを実施するのであれば、直接市民生活にかかわる問題です。事前に議会、市民への説明会等の実施を行うべきだと考えますが、市の考えはいかがですか?

答弁

先ほどもこ答弁申し上げましたとおり今後、新たにアウトソーシングを実施する業務につきましても、平成30年度向けにアウトソーシングを実施したものと同様に、その実施年度を踏まえる中で、予算案とあわせて、主要事業等において事前に議会にお示ししてまいりますとともに、市民のみなさまへの説明につきましても、必要に応じて対応してまいりたいと考えております。以上

以上で第2問を終わります。

 

3登壇

 (川崎) 最後は感想、要望を述べさせていただきます。

総合相談窓口の件で事前に聞き取りをした際に、担当部局は「総合相談窓口は総合福祉センターの建物全体で担っている」と答えられていました。一生懸命市を挙げて行っていると言いたいのでしょうが、別の意味で問題を矮小化しているともとらえられます。

もう一点ワンストップの相談体制は専門家の配置等コストがかかるから、実施が困難と言われていました。しかし市民の悩みを引き出すのは、専門家が対応することにこしたことはありませんが、それに代わる体制をつくる努力をすべきです。研修・訓練で対応できる職員の養成は可能なのではないでしょうか。やはり一人ひとりの市民に寄り添う、行政の縦割りを超えた、しかも1カ所で問題解決ができる、(ワンストップサービスの)総合相談窓口をめざすべきだと考えます。そして現状でもできることを積み上げていってほしいと思います。

第一に、総合相談に対する市の明確な考えを内外に示すべきです。第二にこの総合相談のあり方、進め方について職員に徹底させ、あわせて市民に寄り添う職員の意識改革が必要です。第三に市民へこの制度の周知を行い、安心して窓口での相談ができるよう案内すべきです。総合相談窓口のわかりやすい案内表示も必要です。市民に安心を提供することが求められます。さらに窓口まで来られない市民のために、アウトリーチの体制をもっと充実させる必要があります。その他にも、部局内での調整連絡体制の整備とともに、事例研究を深め、よりよい総合相談窓口にしていくことが行われるべきです。また、連携できる外部の団体、専門家からの意見を聞くことも大切だと思われます。すでに取り組みの途上にあることもあると思いますが、ぜひとも全面実践で前向きに進めていただきたいと要望します。

最後にアウトソーシングについてです。さらなるアウトソーシングは、公務の範囲を縮小するとともに、小さな政府化によって、民間に利潤追求の場を提供するだけのものとなっていき、結果公共サービの低下を招いてしまうことが危惧されます。この問題は短期的な効果を得るだけというリスクを背負っています。中長期的に見れば、職員が市役所の業務は知らない、何でも民間に頼らざるを得ないという状況が生まれ、高コスト化も生まれかねません。人材が育たず、枯渇してしまう、世代継承がうまくゆかないなどの問題が出てくることも想定できます。

将来にわたって自治体のあり方、尼崎市の未来にとって市役所の行政はどうあるべきか、市民的な合意が必要です。性急なアウトソーシングの実施は見送るべきだとの意見を申し上げて、私の一般質問を終わります。

ご清聴ありがとうございました。