議案第104号尼崎市総合計画後期まちづくり計画について、日本共産党を代表して意見表明を行います。 総合計画基本構想は、過去のまちづくりにおいて多額の市債が発生したことに対する総括が述べられていません。過去の過大な公共投資、大型開発の付けを市民に押し付けてはなりません。前期計画では行革推進で30億円を超える構造改善を達成したとあります。その陰で、近隣の都市と比較して、市民生活のあらゆる面で市民サービスの格差が広がっている状況が生まれています。子どもの医療費の完全無料化の制度がつくれていない、中学校給食が実現できていない、国保料が県下でも一番高い部類に入っている、介護保険料、保育料がたかい等、市民生活が大変です。後期まちづくり計画では15億円の構造改善を進め、持続可能な行財政基盤の確立をめざすとしています。さらなる行革の推進という課題が課せられています。 見方を変えれば、そのために、公共施設最適化のためのマネジメント計画やさらなるアウトソーシングによって組織体制の整備が見直されようとしていると受けとられても仕方ないと思います。 本来、市民にとって求められているのは健康で文化的な最低限度の生活が保障されることはもちろんのこと、安心安全で持続可能な発展を続ける街づくりです。財政問題に配慮するあまり具体的な施策が、この計画からはなかなか見えてきません。
共産党議員団としては、計画に以下のことを反映させるべきだと考えます。 第1に子育て世代、現役世代の定住、転入促進に向けた子育て政策についてです。保育所・児童ホームの待機児解消、子どもの医療費の完全無料化、中学校給食の自校・親子方式での早期実現、少人数学級の拡充、保育料の引き下げ等です。 第2に経済の好循環と仕事の確保についてです。大企業から中小企業までを対象とした産業振興基本条例を改め、小規模企業振興に重点をおくことです。住宅店舗リフォーム助成制度創設でまちを元気にする。市の事業は民間連携手法、PFI方式ではなく、分離分割発注をすすめ市内地域循環型経済の確立こそ急ぐべきです。第3に、元気に長生きできるまちづくりについてです。国の社会保障制度の基本的な考え方である自立・自助、家族相互の助け合いを改め、国、自治体の責任を明確にしていくべきです。特養建設を進め、介護予防・日常生活支援総合事業、介護サービスの拡充と、国保料、介護保険料の引き下げが求められます。
基金200億円もの目標値が本当に必要なのか、土地が売れれば減債基金にという流れとなっているが、これも一定部分は計画的に取り崩し、市民のふところをあたためる政策こそ優先させるべきだと考えます。将来負担率の他市との違いがことさら強調され、市債償還が急がされている感があります。もっと緩やかな計画であってもいいのではないでしょうか。 子育て支援策を強め子育て安心のまちづくり、中小企業のまち尼崎を発展させ、小規模企業を中心にすえた積極的な経済循環のための施策を拡充、高齢者や障害者が将来も安心して住み続けることができる、このような尼崎の計画こそ市民に求められていると考えます。 国の政策を率先して実践するだけでは、財政構造が変わらない限りは、市民には我慢を強いる計画とならざるを得ません。むしろ、現状の国の政策を無批判に追随する市政の変革こそ必要だと考えます。よって日本共産党は、後期基本計画の見直しを求めます。以上です。