2016.9月議会・川崎としみ議員の一般質問の発言と答弁概要

 

2016.9月議会・川崎としみ議員

一般質問の発言と答弁概要

日本共産党議員団の川崎敏美です。

私は今回、保健福祉センターの2か所化問題、市民課窓口業務の民間委託と今後のアウトソーシングの問題、公立保育所の第4次民間移管計画問題、児童ホームの待機児童対策等について質問をしてまいります。

保健福祉センターの2か所化について

 今、尼崎では行政区分が施策によって異なる状況が生まれています。コミュニティは6行政区、住宅はJR線で2分割、保健・福祉は行政区ごとに南北に2カ所化、行政区の役割はどこが担うのか不明です。施策ごとに市民の利便性に地域格差が生まれています。これまでは、6行政区ごとに支所があり、そこに地域振興センターがあり、保健福祉サービスの受付相談窓口がありました。市民は行政サービスを等しく受ける権利を有しており、それを保障してきたのが、各行政区に設置されてきた支所でした。このまま支所を廃止して保健福祉センターの2か所化を推進することは、市民サービスの低下を招きます。行政区に対するバラバラな考えを整理すべきではありませんか。やはり市民サービスを等しく提供していくためには各行政区ごとの拠点が必要となるのではないでしょうか?支所と地区会館を統合しての複合施設にその役割を持たせるのがベターだと私は思います。

(1)お尋ねします。市は行政区の位置付けをどのように考えているのでしょうか?

答弁要旨

現在の支所は、市の事務全般にわたって事務をつかさどる地方自治法上の支所ではなく、本市の6地区はいわゆる「行政区」ではございません。従いまして、市民サービスや各種施策の圏域につきましては、その目的を達成するに当たり、すべて一律に6地区を対象とするのではなく、事業の特性や規模、対象者数、地域の実情等を考慮しながら、それぞれの施策等にふさわしい圏域を設定しているところでございます。以上

 

市民課窓口業務の民間委託と今後のアウトソーシングの問題

 市民課の窓口業務の民間委託が今年から実施されています。市は他の部門へのアウトソーシングをさらに進めるための取り組みが行われていますが、この事業の導入からわずかな期間で検証が十分になされていないにもかかわらず、次なるアウトソーシングを進めていくことは問題があるのではないでしょうか?現に職員労働組合からも、市民課の民間委託では、偽装請負との事案があったと告発がなされています。また市民サービスの低下を招いているのではないかとの声も上がっています。

(2)お尋ねします。市民課受付窓口の民間委託の評価についてどのように見ているのでしょうか?今後予定されている支所の廃止に伴う社協への業務委託や、さらなるアウトソーシング化について、進捗状況を教えてください?

答弁要旨

市民課窓ロの一部委託につきましては、平成28年2月から本格実施を行いました。当初は、窓ロレイアウトを大幅に変更したことなどにより、職員と業者との動き方が大きく変わったこと、マイナンバー制度が実施され、通知カード等の取り扱いが加わったこと、本庁とサービスセンターで事務の進め方などに微妙な違いがあり、調整を行う必要があったことに加えて、繁忙期も重なり窓ロが大変混雑するなどいたしましたが、現時点では順調に窓ロ業務を遂行しております。お尋ねの民間委託の評価につきましては、昨年度から実施しております「市民窓ロ等改善事業アンケー一ト調査」によりますと、窓ロや説明時の分かりやすさ、受付や交付までの待ち時間などの、総合的な満足度では昨年度と比較して66%から85%と約19ポイント上昇しており、これらのことからも、現在では順調な委託状況であると評価しているところでございます。以上

答弁要旨

社会福祉協議会への業務委託にあたりまして、現在、受付業務が適切に行えるよう、制度概要を含めた手続きに係る詳細なマニュアルを作成しており、完成した段階で社会福祉協議会へ提供し、受付業務の全体内容を事前に把握できるようにしていく予定でございます。また、具体的な業務の引継ぎ手法については、現在、鋭意検討しているところでございます。

今後の少子高齢化の進展に伴う住民ニーズの量の拡大と多様化に対応した、効率的かつ質の高い行政サービスの提供を図ることを目的として、昨年10月に策定いたしました『今後の超少子高齢社会に対応するための行政執行体制の在り方について~更なるアウトソーシングの導入に向けた基本的方向性~』に基づきまして、本年度から、コンサルティング業者を活用し、外部委託を含めた業務の担い手の見直し等の業務改善手法を検討する「業務プロセス分析事業」を実施しております。現在の事業の進捗状況といたしましては、本年6月にコンサルティング業者(株式会社富士通総研)と委託契約を締結し、公営企業を除く全所属に対しまして、各事業のプロセス等の内容について、第1回目のヒアリングを行っているところでございます。今後、11月頃に実施する第2回目のヒアリング結果や他都市事例等の調査を踏まえ、本年度末までに、具体的な業務改善に向けた報告書が提出される予定となっております。その後は、報告書を踏まえる中で、本市として、個々の業務改善手法などの検討を行い、平成30年度以降において、可能なものから順次実施していく予定でございます。以上

 

公立保育所の第4次民間移管計画問題

 公立保育所の民間移管問題について、今年3月の代表質疑で、私は「「公立保育所の今後の基本的方向」そのものの中間総括を行い、見直しをはかるべきだ」と質問をしました。答弁では、「児童や保護者の不安等に配慮し、より円滑な民間移管の推進を図るため、今後、これまでの民間移管の取り組みを総括し、次期計画の策定に向けた課題等についての検証に取り組んでまいります」と述べています。

(3)これまでの民間移管にかかる総括、次期計画に向けた課題についての検証は、現時点でどこまで進捗しているのでしょうか?今後のスケジュールについて、お聞かせください。

答弁要旨

ご指摘のこれまでの民間移管にかかる総括及び課題整理につきましては、既に過去の実績を振り返る中で、その手法や移管プロセス等の課題検証を行ってきたとこころでございます。特に直近における第3次の民間移管計画の実施状況につきましては、共同保育や移管後のアフターフォローを含む引き継ぎ体制や三者協議会の運営体制、移管後の施設改修の仕組み等について、より具体的な評価を行うとともに、計画推進期間中に提起された訴訟の判旨なども十分に分析を行ってきたところでございます。これらの評価結果につきましては、今後の計画策定に向けたスケジュール及び10月に実施を予定している市民意見聴取プロセスの案とともに、今議会の健康福祉委員協議会の場においてお示しさせていただくこととしております。また、その後につきましては、この手続きに沿って、市民や議会のご意見を取り入れながら、次期民間移管計画の素案を作成し、12月を目途に改めて市議会に報告させていただく予定としております。以上

 

児童ホームの待機児童対策等

4)今年度から児童ホームの募集要項を改訂しました、利用者からは見直しを求める声が上がっています。また待機児童対策を強めてほしいとの要望も寄せられています。当局はどのような改善を行おうとしていますか?見解をお伺いします。

答弁要旨

6月議会の川崎議員の一般質問で、ご説明申し上げてますとおり、平成28年度向け児童ホームの入所申請手続きにつきましては、保護者のお声を踏まえ、見直しを行ったもので、受付け期間を延長するとともに厳格化し、入所事務に集中することにより、入所決定通知の前倒しを図ることが出来たものでございます。こうした中で、来年度向けの募集にあたりましては、出来るだけ早く入所決定通知をお届けすることを前提として、今年度の受付け状況も踏まえ、現在、手続き方法などを検討しているところでございます。また、本市の待機児童対策につきましては、「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、公設公営の施設整備に加えて、民間事業所の活用により、今後も、定員増に取り組んでまいりたいと考えております。以上

 

これで、第1問を終わります。以下、一問一答方式で質問してまいります。 

保健福祉センターの2カ所化

 保健福祉センターの2カ所化で、当局は保健福祉の連携ということでの有利性を強調します。そして乳幼児健診の環境を向上させることができるといいます。しかし、市民説明会で住民から場所が遠くなるだけで住民サービスの低下は免れないとの指摘に対して、当局による十分な説明はなされていません。身近な所に公的施設があるということで住民は安心して公的サービスを受けることができます。

(5)健康福祉常任委員会で、母子手帳の交付や介護認定申請は、どちらのセンターでも受け付けるとの当局見解を示しています。この考えは変わってはいませんか、また当初だけの時期にかかわらず、継続して行うという理解であると解していいのでしょうか?答弁を求めます?

答弁要旨

母子手帳の交付や介護保険認定申請につきましては、申請者の住所地に関わらず、市内2か所の(仮称)保健福祉センターのどちらでも、継続的に手続きができるようにしてまいります。以上

 

(6)これまでの当局答弁で、額田や高田町など不便な地域については、柔軟な対応をするとのことでしたが、立花ブロックでも、出屋敷のリベルのほうが近くて交通の便がよいという地域があります。ブロックの区割りにこだわらない柔軟な対応が求められていると思いますが、当局の見解を求めます。

答弁要旨

保健・福祉業務の集約・再編に伴い、現在、各支所で取り扱っております申請受付業務につきましては、各支所に支部を持つ社会福祉協議会に業務を委託する中で、申請者の住所地に関わらず、受付を行うこととしております。また、生活保護法に基づく相談・申請や乳幼児健診などにつきましては、(仮称)保健福祉センターの所管区域に基づいて、住所地に応じたセンターを利用していただく予定でございますが、小田地区や立花地区の一部の地域については、現在の行政区をもとに区域を設定しますと、ご不便が生じますので、JR線を境界として、所管区域を設定していくことを検討しております。以上

 

(7)乳幼児健診の各行政区ごとの検診率はどうなっていますか、具体的に数字で示してください?

答弁要旨

平成27年度の乳幼児健康診査での受診率は、中央地区90.6%、小田地区94.3%、大庄地区92.7%、立花地区95.6%、武庫地区95.6%、園田地区94%となっております。以上

 

(8) 各行政区の検診率は絶対に下げないという覚悟を示していただきたい?

答弁要旨

(仮称)保健福祉センターの設置に伴う業務の再編に当たっては、安全に安心して乳幼児健康診査を受診していただけるよう、十分なスペースと設備を確保し、健診環境の充実を図ってまいります。また、業務の集約により、例えば、3歳であれば、現在、月1回の健診日を同一月内に3日程度設定できることになりますので、受診機会の幅が広がるといった面もございます。このような環境を整える中で、集約後も引き続き乳幼児健康診査の受診率の向上に向けて、最大限努力してまいります。以上

 健康福祉常任委員会での議論でも、検診率を下げないために受診できる日程を増やすなどの答弁を行っています。今でも2カ所化による検診では受診率が下がると想定されているのであれば、やはり解決する方法は現行通り6カ所で臨むべきではないでしょうか?

 保健福祉センター2か所化によってつくりだされる、住民へのサービス低下という不利益な状況を改善していくためには、せめて乳幼児健診は、これまでのように6カ所での検診が行われるのが当然だと思います。

(9) 乳幼児健診が6カ所の複合施設でやらない理由は何なのか?

答弁要旨

新複合施設につきましては、施設の使用形態が貸室を想定しており、乳幼児健診を実施していくためには、各貸室の中を間仕切りし、診察室や個別指導室等を一時的・簡易的に作り出す必要があるほか、利用者の動線も混在する面があり、安全面やプライバシー、また衛生上の面において、安全に安心して受診していただく乳幼児健診の環境としては、課題があるものと考えております。以上

 遠くて不便だというのは市民にとって最大の問題です、他職種による総合的な体制をつくると言っても、それがなぜ2か所なのですか?昨年12月議会でのこの問題について各会派も質問し、そして当局の最大の改善策として打ち出したのが、複合施設の水回りを整備するとのことでした。

複合施設6か所での検診を引き続き実行すべきだと思います。ぜひとも実施するよう求めます。

市民課窓口の民間委託と今後のアウトソーシングにかかわる問題について

 私はごく最近、尼崎市と他2か所西宮市役所と京都区役所で、戸籍謄本などを取るために、直接足を運びました。その時の3つの役所の窓口対応について経験したことをご紹介したいと思います。京都区役所では、窓口で受付番号が発行され、申請用紙を記入して受付番号での呼び出しを待ちます。番号の呼び出しがあって窓口に行きますと、職員も申請者も椅子に座って、申請用紙の内容や申請人の身元証明が確認されます。そして申請目的にふさわしい手続きとなっているかとの相談にも丁寧に答えていただきました。西宮市の場合は、京都市と同じように受付窓口も座っての対応で3か所のスペースがありました。隣の申請者との間に間仕切りがされおり、間も広くあけられており、隣で何が話し合われているかわからない、プライバシーに配慮した窓口でした。そして申請目的に沿った必要な事項証明が当該の市のデータベース上にあるかについても、その場でパソコンの画面を職員が見ながら教えてくれました。尼崎市の場合、受付番号をもらって、次の窓口での対応は、申請者と職員がカウンターを間に横一列で、3~4人が立ったまま、時には団子状態で行われます。申請用紙の記載内容、申請者、使用目的が確認され、受け取りのための番号が渡されるという手順は京都や西宮と同じです。しかし、使用目的にそった正しい申請になっているかどうかの問い合わせについて、その場では答えてもらえず、少し時間をおいて奥から別の方が出てきて答えてもらいました。このように、尼崎ではプライバシーに配慮が足りないのではないかとの不安を感じました。第二に市民の問い合わせに的確に答えられる人が少ないということ。第三に、必要な書類が出すことができる、できないは、市民課内部での作業を待った後で、結果的にその証明は出すことができません、記載事項がありませんと、伝えられます。事前の窓口対応では出せるかどうかはわからないとの対応でした。

(11)市民課の窓口業務を民間委託する以前の場合とでは、市民の問い合わせに的確にこたえるといった点でも、時間がかかり市民が待たされるという状況がうまれているのではないでしょうか?この点について、市はどのように認識していますか?

答弁要旨

ご質問の様な戸籍や住民登録等の情報を確認しないと判断できないようなケースは、一度お待ちいただき、判断を行うといった状況がどうしても発生することがあります。しかしながら、レアケースは別として、一般的なケースにつきましては、フロアマネージャーや委託業者の受付審査の段階で様々な市民の皆様のケースやニーズに的確な対応ができる様になることが必要であると考えております。引き続き、本市職員、委託業者共にスキル向上のための研修やケースワークに努め、市民サービスの向上に努めてまいります。以上

 申請したものが後で出ませんでしたという対応は、できるだけ少なくしていくべきだと思います。しかし守秘義務を課せられている公務員ではないと、受付窓口時点で個人情報にアクセスすることができないから、現状では西宮や京都などの丁寧な窓口対応はできないと思うのですが、

 次に偽装請負の問題について聞いてまいります。

3月の代表質疑で、私は偽装請負の問題について次のように質問しています。「市民課の民間委託は戸籍法違反、偽装請負」ではないかとの指摘に対して、尼崎では、これら問題の克服はどのように行われているのか?」と質問しています。答弁は、「市民課窓ロ業務の委託契約締結に際しましては、尼崎法務局、兵庫労働局に契約書、仕様書等の協議・確認を行っており、法令違反にならないよう慎重に進めてまいりました。また、偽装請負防止に向けましては市職員・委託事業者職員の双方が理解するとともに、実行に移すことが重要であります。このため、市職員に対しては、内閣府が示す「地方公共団体の適正な請負事業推進のための手引き」や市が独自で作成しました「偽装請負Q&A」等を活用することにより啓発を進めておりますとともに、委託事業者に対しては委託事業者独自の点検・研修を徹底するよう依頼しております。今後も、偽装請負等法令違反が生じないよう適宜点検、研修を進めることで万全を期してまいりたいと考えております。」と述べています。ところで、市の職員労働組合が発行している尼職情報16号、2016年6月9日号に市民課偽装請負を追及との記事があります。そこには当局が偽装請負を正式に認めるとあります。

(13)この偽装請負の事案はどのようなものであったのか、防止策を施したとありますが、具体的に教えてください。

答弁要旨

これまでに兵庫労働局から偽装請負と指摘された事実はなく、本市といたしましても、偽装請負を認めたわけではございません。しかしながら、平成28年4月末までは、特定の窓ロにおいて、業務の進め方や判断の仕方などを直接会話するなどの、偽装請負の疑いのある事象が有ったと認識しております。それらにつきましては、その都度、所属長が指導し、平成28年5月12日以降は、尼崎市と株式会社パソナの両者で、偽装請負防止にかかる調査を毎週全ての窓ロで行い、事実確認に努めるとともに、偽装請負防止研修などを実施してきたところでございます。なお、現在も調査・研修などは継続して実施しており、その中におきましても偽装請負が疑われる事案は、確認いたしておりません。以上

偽装請負を日常的にチェックできるのかという問題は、大変難しい問題だと思われます。今回の偽装請負も組合に指摘されて、調査し確認できたとのことでした。

 防止策は様々実施してきた、努力してきたにもかかわらず、実際には偽装請負という事態が引き起こされています。今後も完全に防止することは難しいと思います。私は市民課の窓口業務は直営方式に戻すべきだと考えます。公務労働は守秘義務を課せられている公務員が担うのが本来のあり方だと思います。偽装請負が生じること自体、公務労働を民間に委託してはならないということではないでしょうか。業務に精通した専門家がいなくなり、10年後の尼崎市政が心配です。また、今後予定されている、アウトソーシングのさらなる展開、とりわけ支所の窓口業務の社協への委託は中止して、複合施設にきちんと職員を配置すべきだということを要望して、次の問題に移ります。

 

 

保育所民間移管

 民間移管された保育所では、市と受託法人と保護者代表との間で三者協議会が移管前から5年間開かれています。私はこの2年この協議会の議事録を文書公開請求して目を通しています。10か所以上の議事録ですから大量です。全部を詳細に読み通すことまではできていませんが、いくつかの問題を感じています。例えば、受託法人が三者協議会の役割を理解していない、別のところでは保護者の側がそうであったり、かなりの温度差を感じています。

(16)お尋ねします。この三者協議会の目的と役割は何ですか?このことを園と保護者に理解を得るために当局はどのような努力を行っているのですか?

答弁要旨

三者協議会とは、移管法人選定後、各保育園の保護者代表、移管先法人及び市の構成により、移管前の市との引継ぎ及び共同保育の内容の確認などを行い、移管後の保育運営について円滑な実施を図るため、運営しているものでございます。この協議会は、公立保育所の移管先の法人選定後、直ちに設置する必要があることから、応募法人に対しては募集時に移管条件として示し、また保護者に対しても、その趣旨を民間移管に係る説明会等で、事前に十分にお伝えした上、移管法人選定後に速やかに保護者委員を選んでいただいております。これまで各移管園の三者協議会では、移管後の保育内容や移管前に協議した内容の確認など、保育運営に関し様々な事項について話合い、具体的な対応につなげることができており、これまでの円滑な園の運営や保育内容の改善等に活かされております。以上

 移管後半年後に実施される保護者アンケートの内容でも、ケガが増えた、散歩が少なくなった、公立で行っていた行事がなくなるなどかなりの問題が明らかにされています。今検討されている民間移管の第4次計画についてこれまでの総括を踏まえて課題を明らかにし取り組むとされています。

民間移管の受け入れ先は社会福祉法人との限定がつけられていました。その理由についてお尋ねします。

答弁要旨

法人保育園の運営は、社会福祉事業法上第2種社会福祉事業として位置付けられており、その経営主体に制限はありませんが、本市におけるこれまでの公立保育所の民間移管につきましては、過去から公立保育所の保育内容の円滑な継承や、児童や保護者への受入れ環境の変化等の影響を考慮し、経営の安定した社会福祉法人にその移管先を限定してきたところでございます。以上

私は議会で何度もこの問題を取り上げ、子どもと保護者に大きな負担を強いる、これ以上の公立保育所の民間移管はやめるべきだと追及してきました。公立の保育所をスタンダートとして残す、新たにゼロ歳保育も担いながら、地域の子育て拠点として配置すべきだと思います。保育所の待機児童対策でも親の願いの第一はこれまでの認可保育所を増やして対応してほしいということです。最近の民間移管は応募する法人がすでに少なくて枯渇化してきています、またその背景には保育士不足という状況もあります。公立の場合、任期付き保育士の採用という問題はあるにしろ、人員を確保しているのですから、公立保育所の第4次民間移管は中止すべきです。

第4次計画を行うにあたっては、民間移管のための説明会で行っている約束がきちんと守られる取り組みを行うべきです。

 

次に児童ホームの待機児童対策と子どもクラブについて質問してまいります。

児童ホーム

【募集要項の改定】

 今年から児童ホームへの入所申請のしめ切りを早めたのは、入所決定通知を早く保護者に知らせるための措置であったということですが、これが周知徹底されていなかったため、申し込みに遅れた保護者から、随時募集を行ってほしいとの声もあり、私も議会で取り上げ、追加の募集に応じることがされました。しかし、ここでも定員に満たない入所申請は受け付けるが、待機が出ているホームは事情を聞いて、緊急を要するかどうかの判断を行い、申請を必要な子どもは待機児童として受付、子どもクラブに通ってもらうなどの措置を行うとしました。しかし、潮児童ホームなど待機がいる所では、実際にはほとんど申請を受け付けてもらえず、待機にさえなれない子どもがでてきました。その後の2次募集の受け付けも、申請日を毎月の1日から8日までと限定しています。保護者の都合などはお構いなしに、行政の側の都合でこれらのことが決められています。児童ホームの待機児童が出ているのは、保護者や子ども達の責任ではありません。行政がきちんと対応できていないために生じている問題です。待機がいる、いないで差別的な対応を行ってはなりません。このこと自体、待機児童数を把握しない、行政の側が引いては待機児童対策を行わないとの態度を示していると市民からうけとられかねません。待機児童数を、行政が把握するのは当然のことではないか、正確な待機数がわからなければ次の行政としての手立てを放棄していると思われても仕方がありません。申請の要件が整っているのであれば、ホームが定員超過になっている、いないに関わらず無条件で受け付けするべきです。

いつ誰でも申請受付を行うこと、制約を設けるべきでないと思うがすぐに改善できないのか?

随時募集要項の変更・改善を求めます。

 

答弁要旨

3月の代表質疑をはじめ、これまで、川崎議員の質問にお答えしてまいりましたが、児童ホームの入所申請につきましては、4月1日入所に向けた処理が一定完了いたしました3月29日から随時募集を実施したところです。今年度、8月末現在で、定員に達している児童ホームを含め、149人の申請を受け付けており、受付けをするにあたりましての制約は設けておりません。こうした中で、定員に達している児童ホームの入所申請の受付けに際しましては、他の公設の児童ホームや民間事業所の情報もお伝えする中で、児童の状況等を聞き取ることにより、緊急度等の把握に努め、必要に応じて、こどもクラブでの緊急対応など必要な対応をいたしております。以上

 

定員が「超過ホームの申請時の『児童課との相談』」項目の停止・削除、募集の「受付期間」の削除、来年度以降の申請について今年度の二次募集のような定員超過ホームへの受付差別・排除はやめること、一次募集の紙ベース案内に、二次募集・随時募集があれば明記。併せて、市報にもその旨を載せること。

【待機児童対策】

議場配布の資料をご覧ください。9月1日現在での各児童ホームの待機児童数および待機児童対策として、子どもクラブに通っている人数の一覧表です。これを見てもわかるように、待機児童数があまりにも多い、学校によっては子どもクラブが待機児童の受け皿になっているため、本来の子どもクラブの運営ができにくくなっていることもうかがえます。

特に潮児童ホームの待機児童は、47人となっており、何故潮児童ホームの待機がこれだけ増えたのかという点について、何故予測できなかったのでしょうか?

答弁要旨

潮児童ホームについては、大規模開発に伴う同小学校区の児童数の増が見込まれましたことから、児童ホームの利用希望の増についても一定見込んでおり、待機児童対策が必要であるといった認識をしておりました。しかしながら、これまでの状況から、1年生の入所希望について、児童数の概ね3割の利用を見込んでいたところ、今年度の1年生の約半数が児童ホームを利用希望されており、想定を上回る状況になったものでございます。以上

【年度途中での児童ホームの建て替えと開所】

 児童ホームの新たな施設建設は緊急性の高いところから取り組んでいくと6月議会での私の質問に答弁されています。しかしその実施は予算が決まった年度末までに施設が完成すればよいとの対応をとっています。一昨年は塚口児童ホームが年度内に業者が選定できずに、半年遅れの9月開所という状況となっていました。待機になっている子どもは通っている学校の事情などは関係ありません。本来行けるホームに行けないということが問題です。緊急に対応しなければならないのではありませんか?そうした点では、39人の待機を抱えている武庫もできるだけ早く着工すべきではありませんか。また潮については緊急の対応を行うべきではありませんか?

すでに予算がついたところはすぐに建設着工、武庫の施設建設を急いでください。人の手立てを行えばすぐにでも年度内での運用は可能ではないのか?また潮の問題は年度途中でも新たな施設を建設して対応すべきです。見解を求めます。

答弁要旨

児童ホームの整備にあたりましては、学校敷地内という限定された場所において実施するため、学校運営にも大きな影響をきたさない場所の選定や、調整作業が必要となります。また、工事の施工に際しましては、工事区画が制限されたり、工事車両が出入りするなど、学校行事への影響や児童の安全確保などを踏まえ、工事スケジュール等を学校と綿密に調整したうえで、予算案を提案し、議会の承認をいただく中で、整備を行っているものでございます。さらに、児童ホームの整備にあたりましては、本市の厳しい財政状況の中、国・県の補助を確保する必要があり、補助内示後に着手する必要がございます。こうしたなかで、潮児童ホームにつきましても、同様の対応が必要となるものでございます。(以上)

答弁要旨

武庫ホームの整備につきましては、年度早々に設計業務に着手し、先般、設計が完了いたしました。また、国・県から補助内示等もいただきましたことから、秋からの工事の着工に向け事務を進めているところでございます。以上

【民間活用問題】

 潮児童ホームの待機児童対策として民間を活用して対応すると6月議会で答弁されています。民間の活用をどのように広げようとしているのか?皆目わかりません。

【学校との連携】

 学校の行事で集団下校訓練、夏休みなどは補習授業などが組まれています。こうした事業が終わった際、児童ホームの子どもがホームに行かずに、校外に出て一時行方不明になるなどのことが起こっています。このようなことが起きない対策を、日常的に学校との間で行ってほしいと思います。また学校と児童課との連携についても、待機児童の予測等についても情報交換を密にするなど、待機児童対策についても空き教室の活用、建て替え・増設のための敷地の検討等、学校側の協力が得られるような関係づくりを強化すべきと考えます。

【延長保育】

延長保育の6時は近隣都市から比べれば相当遅れているのではないでしょうか。保護者からは、「児童課は二言目には、父母からのアンケート結果で、了承されているとしているが、父母からは全く不評。アンケートも2013年度末であり、今年度中に、再度、アンケート実施するとか延長に向けて、是非、検討開始を」との声が寄せられているのでありませんか。

【子どもクラブの拡充】

 かつて12か所あった児童館を廃止してつくられたものであるが、児童館機能のどこを受け継いだ制度となっているのか、中学生の居場所はなくなりました。さらに児童ホームの待機児童が多いところでは、一般家庭の児童の居場所までも奪われるという状況になっています。改善策を示してください