日本共産党の川崎敏美です。
子ども子育て支援新制度がスタートして2年目の年度となっています。
そこで、児童ホーム、子どもクラブ等の事業について質問をしていきたいと思います。
はじめに、「保育所落ちたのは私だ」という切実な声があがり、全国で8万3375人(2015年4月時点)の保育所の待機児童対策が全国的な課題となっており、その解決のための取り組みが急がれています。今ある保育施設の弾力的運用でこの問題は解決できません。
認可保育所を建設してよりよい環境の公的保育制度のもとで、待機児童をなくしてしてほしいというのが、保護者の共通の願いとなっています。就学前だけにとどまらず、学齢期の子どもたちの保育も同様に社会が担っていってほしい、自治体の子育て政策を充実させてというのが保護者の願いです。ここにおいても待機児童対策が求められています。子育て世代を応援して、子どもたちが健やかに成長していける環境づくりに取り組んでこそ、未来の扉を開くことができます。人口減少が進んでいるからといって施策の停滞を招いては、市政の発展は得られません。若者の多くが低賃金、長時間労働で、結婚して、子どもを産み育てることを諦めざるを得ない現実に直面しています。その中で共働きで頑張って子育てに挑戦する若い世代を応援する、そんな尼崎市市政であってほしいと思います。
尼崎の学童保育の制度は、東京オリンピックの翌年の1965年(昭和40年)難波児童館の開設とともに始まりました。1969年竹谷児童ホームを無料で開設、1971年「1小学校区1児童ホーム」の開設を求める請願が全会一致で可決され、それ以来ほぼ毎年4か所ずつ開設して、1983年武庫の里児童ホームの開設で全小学校(当時45校)に児童ホームが完成しています。こうして児童ホームがつくられてきた背景には、長年に及ぶ保護者、市民のねばり強い運動がありました。保護者が児童ホームと連携して、日々のおやつの手配をする、年間の行事に運動会やドッジボール大会、かつてはスキー教室の開催なども行われ、健全に児童を育てていくことにも積極的に貢献してきました。私の子どももここで育ち、運動会で縄跳びに挑戦決められた時間とびきったわが子の姿を見た時、また子どもたちがひたむきに一斉にけん玉に打ち込む姿は壮観で、いたく感動したことを昨日のように思いだします。尼崎の児童ホームは全国的に他市に先駆けて公設・公営で、しかも長年無料の制度として取り組まれてきました。児童館の廃止とともに放課後の子どもの居場所がなくなり、新たに子どもクラブ等が設置される、利用者が増え続けている状況の下で、保護者の変化もあって大きく様変わりしてきています。しかしそうした状況の下でも、20年、30年と働き続けてきた指導員が存在するように、こうした人たちの支えの下で、児童ホームが成り立っています。以下、本市の取り組みが具体的にどのようになされているか、子育て応援の施策となっているかとの観点で、質問を行っていきたいと思います。
児童ホームと子どもクラブの運営について
児童ホームの申し込み手続きの変更について、今年度から児童ホームの入所申請、申し込み方法や受付の時期が変更されています。今年、1月15日まで1次募集が行われました。2月22日から3月5日まで2次募集が行われました。ここでは待機児童が生じた児童ホームの受付を行わなくなりました。この告知を当局はホームページ上で行っていましたが、保護者に周知徹底できていませんでした。結果、窓口で混乱が起きていました。「せっかく申し込みに来たのに待機があるところは受け付けないとはどういうことか」とのやり取りが繰り返され、怒って帰る保護者も出ています。窓口の対応も一様でなく、なぜ申し込みが遅れたのか執拗に聞かれたり、申し込みが遅れた理由を書かされたり、大変嫌な思いをした、中には正当な理由がなければ受付けないかのような言動もあったということです。
この点について、私は予算委員会の分科会で、この措置は「待機児童の把握につながらない、今後も募集を続けるべき」と指摘し、その場で「対応する」との当局の答弁でした。それをうけて、3月29日から4月8日までの随時募集がはじまり、5月以降も毎月の締め切りを8日までとして行なうようになりました。しかしここにも問題があります。申し込み日を月初めの1日から8日まで限定していることです。この期間内に申し込みができなかった家庭は、また1か月待って、申し込みをしなければならないということになっています。随時募集で、待機が出ている同じホームへの申し込みを4名が行ったところ、いずれも申し込みが遅れた理由をしつこく聞かれた後、2名が申し込みができなかったという事態が生じています。応募の要件が整っている書類があれば、本来、無条件で受理されなければならないと思います。仕事を休んで申し込みに行っている利用者の事情はおかまいなしの冷たい対応ではないでしょうか。また2次募集で待機のある児童ホームへの申し込みに来た保護者に、随時募集の案内をしているのでしょうか?直接連絡をしていないのであれば、もはや子育て世帯を支援する姿勢をなくしている対応だと言わざるを得ません。
お尋ねします。今年度の児童ホームの申し込み手続きの変更で、待機児童にすらなれない、行政から見放される子どもを生んでいることに、これを重大な問題として認識しているのか?市の見解を求めます。
答弁
以前からご説明申し上げてますとおり、平成28年度向け児童ホームの入所申請手続きにつきましては、保護者のお声から入所決定通知の前倒しを図ることを主な目的として、受付期間の延長も行う中で、手続きの変更を行ったものでございます。こうした中で、4月1日入所に向けた処理が一定完了いたしました、3月29日からは、募集期間内に申請出来ていなかった児童について受付けを行っているところでございます。なお、空き定員のある児童ホームを対象に、一定の受付け期間を設けておりますのは、申請順での入所決定ではなく、募集期間内に申請された保護者の児童や家庭の状況を審査し、優先度の高い児童を決定しようとするものでございます。また、定員に達している児童ホームにおきましては、申請いただいたとしても入所が出来ませんので、児童や家庭の状況を十分お聞きするなかで、対応が必要な児童につきましては、待機児童として、こどもクラブでの緊急対応をさせていただき、児童ホームの定員に空きが生じましたら順次入所のご案内をしているところでございます。
次に児童ホームの待機児童対策についてです。
現在の児童ホームは41の小学校すべてで、40人定員が33か所、60人定員が16か所で運営されています。複数の施設があるのは8校です。今年度、待機児童の総数は、4月1日現在で、339名となっています。前年度376名、新制度が始まる前の年度の2014年は179名でした。さらに詳しく見ていきますと、待機児童は41校中、22校で発生しています。ニケタ以上の待機がいるのは13校で、20人を超えている学校は7校あります。立花北20人、園田北20人、小園23人、園和25人、名城25人、武庫38人、そして最大が定員40名の潮が45人となっています。潮ではホームに入所しているのは1年生が43人、2年生が1人だけという状況で、これまで上級生が下級生にホームのルールを教えていた習慣ができなくなり、例えば手洗いをしてタオルで拭いておやつを食べる等のことを、指導員がすべて手取り足取りで同じことを何度も1年生に教えなければならないといった状況となっています。しかも一斉に同じ時間に1年生がホームに来るため、混乱状況の中で対応を迫られています。
お尋ねします。定員の倍を超えている潮など、全体的に待機児童増加の予測、具体的な対策を何故検討できなかったのか?抜本的な待機児童対策がハード面からも必要となっていますが、どのような計画の見通しを持っているのでしょうか、お答えください。
答弁
本市の待機児童対策につきましては、「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、公設公営の施設整備に加えて、民間事業所の活用により定員増に取り組んでいくこととしております。こうした中で、将来推計に基づき、平成28年度におきましては、塚ロ小学校及び金楽寺小学校について、施設整備等によりクラス増を図り、また、民間児童ホームの活用により、待機児童を解消したところでございます。今年度につきましても、待機児童が多く見込まれる武庫児童ホームを施設整備することにより、平成29年度向けにクラス増を図ってまいります。こうしたように、緊急性を要する児童ホームから順次定員増により、待機児童の解消に取り組んでまいりました。来年度以降につきましても、こういった取組により待機児童の解消に取り組んでまいります。
待機になった子どもは、放課後をどう過ごしているのでしょうか。待機児童として子どもクラブで受け入れる、ホーム間交流ということで近くに空きの余裕がある別の学校のホームに通う、民間の事業所に通うなどのことができている子どもは、少なくとも最低限の安全は守られているでしょう。しかし、子どもクラブやホーム間交流に行けない子ども、民間には行けない子ども、これらの行政の手から漏れた子どもたちの居場所はどうなっているのでしょうか?ほとんどの子どもたちは待機のまま児童ホームを体験することもできず卒業していきます。
お尋ねします。市はこれら待機になっている子どもたちの追跡調査を行っていますか?
答弁
さきほどこ答弁申し上げましたとおり、入所出来なかった保護者に対しましては、①定員に空きのある近隣の児童ホーム、②民間児童ホーム、③こどもクラブでの緊急対応、のご案内をさせていただいているところでございます。こうしたなかで、大半の保護者がこどもクラブでの緊急対応を希望され、児童ホームに空きが生じるまでの間、こどもクラブをご利用いただいておりますが、民間児童ホーム利用の有無など、保護者や児童の現状把握にさらに努め、利用者支援の視点から必要な対応を行ってまいります。
待機児童対策の一つとして、近隣の受け入れ可能な学校に行ってもらうという、ホーム間交流というのがあります。潮での待機児童が、ホーム間交流で1年生が1名浜児童ホームに、2年生と3年生の2名が下坂部に行っていました。ところが、この3名全員が4月いっぱいで、ホーム間交流を打ち切られるという、これまでになかった出来事が起こっています。浜小学校までの距離約1.2キロ、子どもの足では25分かけて1年生の子はどのような思いで通っていたのでしょうか。自分の責任でも何でもないのに、待機になったがために、自分の学校のホームに入れてもらえず、友達もいないなじみのない別の学校に行かされる、ようやく新しい環境にも慣れたかなと思っていた矢先、それも断ち切られたのです。ようやく新しい学校に期待と夢を膨らませて入学してきた子が、あちこちたらいまわしされ、つまはじきされる、この子はどんな気もちだったでしょうか。これはある意味行政によるいじめではありませんか。
お尋ねします。途中でのホーム間交流の取り消しの理由はどういうことだったのか?
ホーム間交流で受け入れた子どもの退所決定はよほど慎重に行うべきだったのではないでしょうか?見解を求めます。
答弁
児童ホームの入所申請をいただき、入所出来なかった保護者に対しましては、利用者支援の視点で、①定員に空きのある近隣の児童ホーム、②こどもクラブへの参加に加え、③放課後児童健全育成事業として届出がございました、民間児童ホームの情報提供を行っているところでございます。こうしたなかで、職場の場所など諸条件を勘案されたなかで、近隣の児童ホームへの入所を選択された保護者もございます。入所後の児童の通所状況等を踏まえるなかで、再度、保護者とご相談させていただいた結果、保護者の申し出により、児童が通学する学校のこどもクラブで放課後を過ごすこととなったものでございます。
待機児童で、希望する者は子どもクラブでの受け入れ等でも対応しています。
しかし児童ホームの待機児童はみんなそこに行くわけではありません、指導員がいない、生活の場であるとの位置づけがないため自然と通わなくなるという現象が現れています。また、児童ホームの子がたくさん来ている子どもクラブには、一般児童が利用しにくいということも出てきています。この間、私は、現場の職員のみなさんの意見や状況を直接確かめるためにいくつかの児童ホームと子どもクラブを訪問させていただきました。また嘱託労組の役員、指導員のみなさんとも懇談させていただきました。おはなしを聞く中で、子どもクラブで、児童ホームの待機児を受け入れることで、子どもクラブの職員に大きな負担が生まれ、運営が大変困難な状況が生まれていることが分かりました。初めて子どもたちにかかわるといった補助員では、子どもにどのように向き合っていかなければならないのか、子どもの状況に応じた適切な言葉かけなど、子どもに寄り添う関係がなかなかつくれないといった問題点が出てきています。 職員研修制度、特に新しい職員への研修が現場でのぞまれています。子どもクラブで採用された臨時職員といえども、土曜日開所で児童ホームの運営にかかわるという場面も相当出てきています。また障害を抱えている子どもたちにも向き合わなければならないということもあります。専門性が必要とされる職場での研修それ以前のレクチャーが不十分との声をききます。
お尋ねします。研修制度の実施について考えをお示しください。新規採用のレクチヤー、職員への研修制度を充実させることについて市はどう考えるのか?
答弁
こどもクラブ、児童ホームに従事する職員につきましては、保育士や教員免許等を有する有資格の職員を中心に配置し、遊びと交流及び生活の場として安心・安全な環境を提供しているものでございます。社会環境の変化を含め、こどもを取り巻く環境も変化しており、加えまして児童ホームにつきましては、「子ども・子育て支援新制度」の施行に伴い、高学年の受け入れやさらなる質の向上が求められております。こうしたなかで、職員に対する研修につきましては、採用前の事前研修、採用後の新任職員研修を行っており、年間の研修計画に基づき、外部講師等による研修等をきめ細やかに実施することにより、職員の資質・能力の向上を目指しているところでございます。また、児童ホーム職員に係る都道府県認定資格者研修につきましても、順次、派遣を行い、職員の質の向上や設備運営基準条例の遵守に向けて取り組んでいるところでございます。
以上で第1問をおわります。
第2登壇
第1問のまとめ、今年度の受付制度の変更は待機児童の把握を行わない、市が本気で待機児童対策に取り組むという姿勢が見えてきません。しかも子育て世代への支援というより冷たく突き放すという結果をもたらしています。仕事を休んで申し込みに来たものを、待機が出たところは受付なかった、随時募集では期日を過ぎているので来月来なさいとか、とんでもない対応をしています。申し込みは原則いつでも受け付けるべきです。以上要望しておきます。
それでは、第2問に移ります。
待機児童対策として、児童ホームは暫定、弾力的運用で40人定員は44人、60人定員は70人まで受け入れを増やして対応しており、その総数は32か所177名となっています。国の基準では施設の定員は40名、児童一人当たり1.65平方メートルの広さが必要とされています。特に定員を超えて受け入れている児童ホームでは、机や備品等が置かれているスペースを除くと、この基準に満たない施設がほとんどで、すし詰め状態となっています。昨年度、塚口では増設のための予算がつきました、しかし工事入札の不調で建設が遅れ、余裕教室を代用しての対応が行われています。潮は学校内の敷地が狭いために2階建ての施設にすべきです。また今年増設の予算がついた武庫は子どもクラブと児童ホームそれぞれ、余裕教室が使われています。児童ホームの新たな施設は現在平屋の予定ですが、ここも2階建てにすべきではないでしょうか。児童ホームが2分化されて、新しい施設、古い施設と子どもが振り分けられて不平等が生まれてしまいます。
お尋ねします。特に来年度も近隣のマンション人口の上昇で、大幅に申し込みが増大すると思われる潮と、すでに建設計画がある武庫はきちんと対策をとるべきです。武庫については、去年の塚口のように入札の不調があっても、もっと早くから準備して、建設が遅れる状況を繰り返さないで確実に実行できる対策が求められています。潮についても今年度中でも思い切った対策を行うべきだと思いますが、市の答弁を求めます。
答弁
今年度施設整備を行います武庫小学校につきましては、秋からの工事着工に向けて、現在、業務を進めているところでございます。また、潮小学校につきましては、児童数全体が増加いたしますので、学校、教育委員会との協議はもちろんでありますが、民間事業所の活用などの対応も検討しているところでございます。なお、待機児童につきましては、こどもクラブで対応を行っているところでございます。
次に障害児の受け入れ問題について、お伺いします。
今年度、職員の障害児加配が昨年は20人だったのに、今年は6人へと減少しているということを現場の指導員さんからお聞きしました。障害をかかえて入所されている子どもたちの人数はたいして変わっていないのに、障害児加配が減少しているということです。現状障害を持った子どもたちは、安心して保育が受けられているのでしょうか。
お尋ねします。障害児の受け入れはこの3年間でどの程度受け入れてきたのか、また今年度より加配が極端に減少している理由についてお尋ねします。
答弁
障害児の受け入れ状況につきましては、過去3年間の5月1日現在の入所状況としまして、65人、69人、79人となっております。また、児童ホームの加配臨時職員につきましては、児童の状況や児童ホームの利用人数、職員の配置状況などを踏まえるなかで、障害児加配も含め全体として、過去3年間で33人、38人、43人と増員を図り、必要な配置を行っているところでございます。
次に、学校との連携の問題についてです。
学校内外での連携で児童ホームや子どもクラブの運営を後押しする体制が求められています。教育委員会から所管が変わって以降、それまでとれていた保健室との連携がとれなくなっている状況が生まれており、子どもの症状に対応しての専門家の具体的なアドバイスが学校内で得られにくくなっているとの問題があります。
お尋ねします。普段からの学校内での連携強化、緊急時の対応を行う必要があると思われますが、当局の見解を求めます。
答弁
本市の児童ホームについては、全て小学校敷地内に設置しているという環境の中、運動場、体育館など学校施設を利用させていただいているところでございます。同時に、児童の状況など、適宜、学校との連携を密に行うなかで、継続した保育に努めているところであり、こどもの病気や、けがを含め緊急時においても、必要に応じて保健室との連携するだけにとどまらず、日常的に保健室の先生に研修講師としてご指導いただくなど、いろいろなところで連携させていただいているところでございます。
次に民間活用の問題についてです。
市は学童保育についても、民間の活用を推進するという立場から、市のホームページで民間の学童保育の開設状況について、11の事業所の案内をしています。これらの事業所は、定員は6人から50人まで、場所も各地にちらばっています。利用料も月額5000円から39800円とバラバラです。子どもの育ち、生活の場としての最低の基準、環境を備えているのか、市はこれらの施設を学童保育の場として適正かどうかを判断したうえで、案内を掲載しているのでしょうか?
放課後対策の民間の活用について、現行は入所不許可決定通知に案内のビラを入れるということがされていますが、利用料に格差があり、施設基準や運営指針等、市の指導を位置づけ、一定の活用のルール化が必要だと思います。また公的な補助がこれら民間にはなされているのでしょうか?市の見解を求めます。
答弁
本市では、子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、国の基準に準拠した児童ホ・一ム事業の設備運営基準を定め、公設、民間児童ホームいずれの施設においても、基準を遵守する中で事業を実施する必要がございます。なお、利用料等に差が生じておりますのは、この基準を遵守する中で、事業所ごと開所時間をはじめ事業内容が異なっているためでございます。また、こうした民間児童ホームに対して補助金を交付しており、国・県の補助制度を基本に、児童ホーム事業として必要な運営経費に対して交付しているものでございます。
次に職員配置の基準についてです。
昨年、私は児童ホームの土曜日開所と、延長保育の問題について質問しました。必要な人員が集まらないので児童課の職員も現場に出て対応するとの答弁でした。
お尋ねします。今年の職員の配置基準は、児童ホーム、子どもクラブともに守られているのでしょうか?
答弁
ご存じのように、児童ホーム事業につきましては、子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、設備運営基準が定められ本市におきましても、条例を制定したところでございます。このなかで、職員の配置基準につきましては、支援の単位ごとに、有資格者などを2名以上配置することが規定されております。こうしたなかで、本市におきましては、従来より40人定員については、2名、60人定員については、3名の保育士資格などを有する嘱託職員を配置する他、児童の状況、児童数等に応じて、保育資格などを有する臨時職員を配置しているところでございます。また、こどもクラブにつきましては、法律その他国が示した配置基準はございませんが、有資格者を含め、3名の職員が従事し、安全・安心に過ごせる環境づくりを行っているところでございます。
次に運営費の問題についてお伺いします。
児童ホーム、子どもクラブの年間予算が大変少なくて遊びの道具や教材を購入するにも大変苦労されていることをお聞きします。また児童ホームで保護者が集まって会議を行ったりすると、畳のささくれが衣服に着いて、「ホームのお土産もらって帰るわ」などの会話がされるそうです。畳の交換ができない、余裕教室のドアが歪んで開かないから年中開けっ放し、クーラーがすぐ止まるなど、施設の改修がままならないということも聞いてきました。
お尋ねします。児童ホーム、子どもクラブともにこれらの予算の増額は検討されるべきです。備品の補修についても、必要な改修を直ちに行う予算をつけるべきではないでしょうか?市の見解を求めます。
答弁
児童ホーム、こどもクラブにつきましては、厳しい財政状況の中にあっても、子ども・子育て支援新制度への対応などもあり、ここ数年、施設整備を精力的に行い、児童ホームの定員拡大や放課後の居場所としての環境整備に全力で努めてきたところでございます。また、日々の修繕につきましては、安全・安心など緊急性を加味しながら修繕等を行い、安全で快適に過ごせる場所の提供に努めているところでございます。
以上で第2問を終わります。
第3登壇
私は、児童ホーム、子どもクラブは子育て政策の一環としての位置づけが、きちんとなされているのか、疑問に思っています。待機がある児童ホームへの申し込みは受け付けないという姿勢、待機児童にもなれない、待機になっても子どもクラブにしか行けない、そこをやめると追跡調査もされずほったらかしにされる、一体子どもたちの安全な居場所はどこにあるのでしょうか。これでは、子育て世代に尼崎で安心して子育てできないと思われても仕方がありません。
児童ホームも子どもクラブも現場は混乱、職員にそのシワ寄せが押し付けられています。臨時職員で雇用された人が、労働条件と待遇の悪さから長続きしない職場となっています。待機児童対策は、全児童対策の子どもクラブで代用するのではなく、きちんと留守家庭児童対策として、生活の場として子どもたちを受け入れるべきです。 そのためには待機が見込まれる児童ホームの2か所化が必要とされています。施策の狭間でいつも犠牲になるのは子どもたちです。最大の被害者は子どもたちです。この子どもたちを救うためには、とにかく人と予算をつけることが求められています。
最後に市長に質問です。子育て支援の重要な柱として児童ホーム、子どもクラブをきちんと位置づけ、必要な対策をとるべきです。教育委員会との連携のもと、こども青少年本部を設置、その本部長に座った市長自ら、その決意をお聞かせください。
答弁
本市では、留守家庭児童対策の児童ホームと、全ての児童が自由に遊べるこどもクラブをともに全小学校に設置し、全国的にも先進的な取組として、放課後児童対策事業を実施してまいりました。こうしたなかで、平成26年8月、国からも、文部科学省、厚生労働省連名により、「放課後子ども総合プラン」が示され、同一の小学校内での児童ホーム事業、こどもクラブ事業の連携した実施促進の考え方とともに、市長部局と教育委員会の連携した放課後対策について示されたところです。昨年度策定しました、次世代育成支援対策推進行動計画におきましても、こうした国の動向も踏まえつつ、引き続き、ご指摘の通り、本市の子ども・子育て支援の重要な施策の1つとして、両事業の連携を、さらに進めていくこととしております。これからも、地域の皆様をはじめ多くの関係者の協力を得て、全ての児童が放課後を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行う環境を整えてまいりたいと考えております。
以上で私のすべての質問を終わります。