2016年度予算案及び関連議案に対する松村ヤス子議員の反対討論です

 日本共産党議員団の松村ヤス子です議員団を代表して、予算案および予算関連の議案第1号、第2号、第16号 及び 第60号に反対する討論を行います。

 本市では、これまでから行政改革として、職員を大きく削減し、指定管理者制度などで、市の業務を民間に委託する方向が強く進められています。その大きな流れをさらに強めるために、今年度は「業務プロセス分析事業費」が予算化されています。これは、市の業務を分析し、民間に委託できる業務を徹底的に洗い出し、外部委託を進めるとする事業です。市職員には、市政全般の知識と経験を重ねながら、専門性と合わせて公務全般を一定把握できる総合性が強く求められます。そのために人事異動も行われます。外部委託を徹底的に進めるための「業務プロセス分析事業」は、市職員を大幅に削減することを第1の目的としており、業務の取り組みに対する市職員の総合力を弱めることにつながる事業であり、賛成できません。

 市の活力低下につながる人口減少を食い止めるためには、特に若い世帯の流出超過をストップさせなければなりません。それに大きく影響するのが子育て施策です。若い世帯の市外への流出は、市民からも将来に対する心配事として指摘され続けています。それにもかかわらず、子どもの医療費助成制度や教育予算の充実が図られていないことは、人口減対策としても不十分です。

 次は、地域学習館についてです。地域では、市民が自主的に様々な活動を行っています。それを支えている一つが地域学習館です。しかし、建物の使用は認めるものの、地域学習館への運営補助金は廃止するとしています。これでは、継続して使用することができなくなる可能性が大です。市民の自主的活動をささえるための地域学習館の運営補助金をなくすべきではありません。

 次に、(仮称)保健福祉センター整備事業費・阪急塚口サービスセンター移転事業費についてです。これは、市内6カ所の保健機能のあった支所をなくし、保健機能と福祉事務所を備えた、南北2カ所の保健福祉センターにする計画によるものです。新年度は、まず北部の保健福祉センターに関する予算案が計上されています。保健機能のある身近な支所をなくし、2か所の保健福祉センターにすることは、市民の利便性が大きく後退し、乳幼児健診の受診率の低下等が危惧されます。

 次は、個人番号カード交付事業費についてです。他人にむやみに知らせてはならない番号と顔写真・氏名が一体で記載されている個人番号カードを持ち歩くことは、紛失や盗難のリスクを高めます。しかし、政府は、「メリットいっぱい」などと普及促進にばかり力を入れており、国民の個人情報の保護に責任をもつ姿勢ではありません。しかも、これまでに全国で約900万人が「個人番号カード」の交付申請をしていますが、交付完了の見通しは立っておらず、計画自体に無理があることを示しています。 いま行うべきことは、噴出している問題点の徹底的な検証と制度の見直しです。個人情報を危険にさらし、国民への国家管理と監視強化につながるマイナンバー制度は凍結・中止し、廃止に向けた議論を行うことが必要です。

 次に、国民健康保険についてです。市民の高齢化、医療の高度化、診療報酬の引き上げにより、国保世帯の一人当たり医療費は年々、伸びています。本市では、医療費の伸びを抑えるために、ヘルスアップ尼崎戦略事業、ジェネリック薬品への切り替えなどを積極的に行っています。それにより、1人当たりの医療費の伸び率は、他都市より低い伸び率になっています。それでも、一人当たりの年間医療費は、2007年度の286,335円から2014年度の345,273円と7年間で20.5%伸びています。本市の国民健康保険における最大の問題は、市が年間約9億円の繰り入れをしていても、市民の負担能力を超えて、高い国保料になっていることです。所得に応じて保険料が決まる被用者保険と異なり、国民健康保険制度は所得割に加えて、1世帯当たりの平等割および被保険者一人あたりの均等割で構成されています。そのために、同じ所得でも、多人数世帯では負担が重くなる仕組みであり、容易に最高限度額に達します。限度額の引き上げは、限度額以下の中間層の負担を軽減する働きがあります。しかし、増え続ける医療費が国保料を押し上げ、負担できる限度を超えています。それに、最高限度額を課せられる市民の所得水準そのものが決して高くなく、限度額の引き上げを行う条例改正は認められません。

 次に、県道園田西武庫線についてです。この事業の地元負担金については、三菱電機構内の建物移転交渉の内容も非公開であり、交渉内容の正当性を判断することさえできません。しかも、急ぐ必要もない事業です。よって、地元負担金の支出は認められません。

 次に、モーターボート競争事業についてです。競艇場事業については、住民合意している年間180日を超えての開催であり、認めることはできません。以上 4議案に対する反対討論を終わります。