2020.9月議会 松沢ちづる議員の決算総括質疑と答弁要旨

松沢ちづる議員 総括質疑と当局答弁要旨

 今回の決算審議について、当局は「コロナ禍の影響はほぼ受けなかった」と言っていますが、今後の市民のくらしや財政運営には大きく影響を及ぼす要因となっています。昨年10月に消費税が10%に増税された後、実質GDPは2019年10~12月、20年1月~3月連続マイナス成長となり、4月~6月は新型コロナが追い打ちをかけて前期比7.8%減、年率換算で28.1%減と戦後最悪の下落となりました。政府はコロナの感染拡大防止のために休業要請を出したことなどコロナ感染が下落の要因だとしていますが、実は、コロナ感染が拡大する前の19年10月~12月期、消費税を10%に増税した直後からすでにマイナスになっていたことをしっかりととらえる必要があると思います。
 消費税増税とコロナ禍で景気が更に落ち込む中、市民のくらしはどんな影響を受けているか、決算資料からも垣間見ることができます。それは、プレミアム付商品券です。消費税10%増税の負担軽減策として、国は市民税非課税世帯と3歳未満の乳幼児がいる世帯を対象にプレミアム付商品券の活用を昨年度10月から2月まで行いました。子育て世帯には直接商品券が郵送され、非課税世帯には4000円で5000円分の商品券が手に入るものでした。結果は、4億8千万円の予算に対し、決算で1億8千万円 執行率は39%と低調でした。差額の3億円あまりは国に返金されました。

Q 市民税非課税世帯において4000円で5000円分の商品券になる今回の対策が低調だったことについて、どのような見解を持っていますか

答弁要旨
プレミアム付商品券事業の実施にあたり、本市では複数回に及ぶ市報への記事掲載や自治会回覧板等を活用するなど精力的に周知広報し、申請率の向上に努めてきたところです。そうした中、プレミアム付商品券にっきましては、過去に実施された臨時福祉給付金と違い、商品券を購入するための現金が必要であったことや、申請後に店舗での引き換えが必要になるなど、手続きが煩雑であったことが利用の低調さにつながった要因の一つであると考えております。以上

 手間がかかる、引換券で商品券を購入するのにためらいがあった事とともに購入には現金が必要というのが要因だとの分析です。その通りだと思います。消費税8%で物を買う力が弱くなっている中で、1000円のプレミアムが付くと分かっていても4000円のお金が出せない市民の懐事情があることが分かります。そして、結果として3億円が地域経済に回らず、何の負担軽減策にもならなかった訳です。
 今年度に入ってから事業者や働く人たちに大幅減収や職を奪われる事態が出てきて、持続化給付金・家賃支援給付金・雇用調整助成金の特例措置、市独自ではこれらの支援が届くまでのつなぎとして資金融資などの支援が行われてきました。これらによってとりあえず9月頃までのくらしや事業のつなぎはできたものの、「この先の見通しがつかない」と言う声が市中にあります。現にあちこちでシャッターを下ろしたままの商店などが見受けられるようになっています。また、働く人の状況を見ても全国でコロナ解雇は8月末5万人だったのが、わずか20日余りで1万人増え、6万人超となり、非正規雇用労働者からまず首切りが広がっています。
 尼崎は比較的所得の低い、また、中小事業者が多い町です。コロナ禍の景気悪化の影響を真っ先に受けやすい状況があります。こういう時だからこそ家計を暖め消費を喚起する施策が必要です。

Q 消費税減税こそ家計や中小事業者を応援する経済対策です。国に減税を求めるべきと考えますがいかがですか

答弁要旨
先の一般質問においても、お答えしたところですが、消費税につきましては、国と地方を通じた財政の健全化や、社会保障施策の財源となるものであり、市歳入の一部となるものでございます。また、今般の新型コロナウイルスによる本市への影響につきましては、市民生活や地域経済への打撃により、市税の大幅な減収等、財政運営への大きな影響が危惧される状況でございます。こうしたことから、ご指摘のような税率の引き下げにつきましては、税率変更による事業者への負担も伴うため、慎重な対応が必要であるものと認識しております。以上

Q それでも市は、あまがさき「未来につなぐ」プロジェクの最終目標である「令和4年1100億円まで市債を減らす」計画は堅持するとしています。市民のくらし応援の事業財源はどうやって捻出するつもりですか

答弁要旨
今後、新型コロナウイルス感染症による収支悪化が本格的に見込まれる中におきましても、「あまがさき『未来へつなぐ』プロジェクト」の財政規律・財政目標を堅持するため、令和3年度予算編成においては、まずは、ソフト事業の実施手法を再検討するとともに、事業の廃止や大幅な縮小など、抜本的な見直しを進め、新たな財源を確保することを基本的な考え方としております。こうした取組を行ってなお生じる収支不足や、新型コロナウイルス感染症対策に要する経費については、これまでに残高を拡充してまいりました財政調整基金の活用も視野に入れることで、支援を必要とする市民や事業者に寄り添った取組を行うための財源を捻出してまいりたいと考えております。以上

Q こういう時こそ、必要に応じて財政調整基金の活用を積極的に行うべきではないですか

Q 全国知事会が、来年度の地方創生臨時交付金の継続・増額を国に求めています。市長も全国市長会などを通じて、国に求めるべきと考えますがいかがですか 

答弁要旨
新型コロナウイルス感染症対策に係る財政的措置につきましては、本市といたしましても、地方創生臨時交付金の概要が示された5月時点において、中核市市長会を通じてその大幅な増額や継続的な財政措置について緊急要請をしております。また、全国市長会においても、6月に次年度以降についても積極的な措置を講じられるよう国へ提言しており、今後も引き続き他市とも連携を図りながら継続的に要望してまいります。以上

 次に、尼崎城について伺います。
 尼崎城が開城して丸1年が経ちました。お城の寄付があったとはいえ今後の維持管理を考えると、市民にとって新たな財政負担が生まれるのではないかと日本共産党議員団は懸念してきました。だからこそ維持管理経費については、一般会計から持ち出すことがないようにと求めてきました。
市はこれまで、お城の1階部分を含めた城址公園の維持管理経費は年間4千万円程度一般会計から出し、お城の2~5階部分は入場料と駐車場料金で賄うと説明してきました。
Q 決算でそれが達成できているのでしょうか

答弁要旨
尼崎城の有料部分の維持管理に充当する尼崎城天守等使用料収入につきましては、当初予算67,576千円に対し、決算額は66,741千円で、新型コロナウィルス感染症への対応で尼崎城天守を3月臨時休館した影響もあり、845千円不足する結果となりました。以上

決算事項別明細書を見る限り歳入も歳出も全部一緒になっており、これまで市が説明してきたことをチェックする術がありません。

Q 決算上、お城の2~5階部分と1階部分を含めた城址公園の部分のそれぞれの維持管理経費が見えるような整理ができませんか

答弁要旨
尼崎城趾公園につきましては、尼崎城天守も含めた一体的な維持管理を指定管理者に委託しており、流動的なスタッフの配置等があることから、現時点では、決算上で無料部分と有料部分を分けた経費をお示しすることは困難でありますが、今後、経費区分について一定~~?※の考え方を整理するなど、できるだけ~~?※まいります。以上(※部分 当局作成の音声自動変換の誤字にて推定できず)

 次に介護予防・日常生活支援総合事業について伺います。
尼崎市では2017年から導入され、国が定めた上限金額内で、要支援あるいは何らかの支援が必要とされる高齢者を対象に訪問型サービスや通所型サービスを、また介護予防として高齢者ふれあいサロンやいきいき健康づくり事業が展開されています。
私は何度かこの事業について質してきましたが、大きな問題点の一つは事業の担い手が持続的に確保できるかという点です。特に訪問型・通所型サービスは、事業が導入される以前は介護保険の範疇で要介護認定の人と同じサービス報酬の扱いがされていました。ところが総合事業になると事業全体の上限額があるので、以前と同じようにヘルパー資格のあるヘルパーさんが訪問型サービスを提供しても、報酬が削減されることになりました。

Q 決算時ヘルパー資格のあるヘルパーさんがサービスを提供した場合、報酬削減は何%でしたか。それは今後も継続ですか

答弁要旨
平成29年度の総合事業の導入当時は、霞易な家事支援に限定した標準型訪問サービスの報酬単価については、平成31年度までに、身体介護を伴う専門型訪問サービスの報酬単価の8割まで段階的に引き下げていく計画でございました。しかしながら、標準型訪問サービスの担い手である生活支援サポーターの不足が解消されない状況が続く中で、標準型訪問サービスの報酬単価を9割とする経過措置を現在も続けており、当面の間は維持する必要があると考えております。第8期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定におきましては、社会保障審議会に諮り、報酬のあり方についてもご意見をうかがいながら、判断してまいります。以上

 同じ仕事をしても報酬削減されるのは理不尽です。国も市も、生活支援サービスは家事をこなすことなので専門職でなくてもできるとして生活支援サポーターを養成し、ヘルパーさんの替りにしようとしました。2017年以来30回養成講座を開催し613人が講座を終了されています。現在60人の生活支援サポーターが職についておられると聞いています。

Q 当初の計画では900人の生活支援サポーターが必要と言われていました。もうあれから4年目ですが、計画が達成する目途はありますか

答弁要旨
生活支援サポーターに関しましては、令和元年度末で613人が養成研修を修了しておりますが、ご指摘のように就労者数は60人にとどまっており、現状では計画が達成できていない状況です。そのため今年度においては、サポーターの雇用意向のある事業所自らがサポーター養成研修を実施できるよう支援するほか、養成研修修了者から、実際に高齢者の自宅を訪問して活動を行うことに対して不安があるという声を多く聞いておりますことから、その不安感を軽減するために、希望者に対し、ホームヘルパーによる実践的な同行支援を行い、サポーターの就労者数の増加を目指してまいります。以上

 昨年12月にある小規模の介護事業所が廃業されました。そこの責任者は「大きい事業所が要介護の仕事を取り、小さい自分の所には割の悪い要支援の仕事が多くくる。登録ヘルパーに報酬を払うと、自分の所にはほとんど利益がない」とつぶやいておられました。
 生活支援サポーターの増員目途は立たない、介護事業所は淘汰される。担い手不足で総合事業はもう行き詰まっているのではないでしょうか。ところが、国は更にこの総合事業を要介護5までの生活支援サービスをも対象にしようとしています。10月にも国会で審議することなく厚生労働省令で改定し、来年度からの実施を考えています。おまけに財政措置は今のままで、特別につけない。市は決算健康福祉分科会の質疑では「国から何も通知が来ていないので見解は述べられない」と答弁されていますが、改定し通知が来てからでは対応できないと思います。

Q 今でも行き詰まった感のある総合事業に要介護5までの生活支援サービスが対象となったら、市として事業の絵が書けますか

答弁要旨
昨年12月、国の社会保障審議会介護保険部会において、「介護保険制度の見直しに関する意見」がまとめられ、その中で総合事業の対象者の弾力化の考え方が示されました。現行の仕組みでは、要支援認定者が要介護に変わると、それまで受けていた総合事業のサービスを継続して受けられなくなりますが、制度の弾力化により、本人の希望に応じて、要介護向けの介護給付と総合事業のサービスを併用できるように図られるものです。したがいまして、要介護のサービスが使えなくなるものではなく、今回の総合事業の対象者の弾力化により、利用者にとっては、よりサービスの選択肢が広がるものと考えております。なお、この取り扱いを適用する方は限定的であり、制度運営上の影響は少ないものと認識しております。以上

これは介護保険料を納めている40歳以上のすべての国民、特に要介護者の受給権にかかわる重大な問題です。本来省令変更で行うなど認められないものです。

Q 国に対しこのような変更はしないよう求めるべきだと考えますがいかがですか

答弁要旨
先ほどもこ答弁いたしましたとおり、今回の総合事業の対象者の弾力化により、利用者にとっては、よりサービスの選択肢が広がるものと考えていることから、国に要望する考えはありません。以上

 次に65歳以上の1号被保険者の介護保険料ですが、2018年から財源負担割合が22%から23%に増えました。世帯全員が市民税非課税のご家庭でも、年間保険料が5万円を超す高負担となっています。

Q 保険料軽減のために市として何ができますか

答弁要旨
本市では、第7期介護保険事業計画における介護保険料の算定の際は、第6期計画期間中の剰余金である介護給付費準備基金を全額取り崩すほか、新たな所得段階を設定して高額所得者にさらなる負担をお願いするなど、保険料の上昇を抑制するための対策を講じてきました。また、いきいき百歳体操やフレイルチェック等の介護予防対策にも積極的に取り組んでいるところです。しかしながら、今後、高齢化の進展に伴い、介護事業費全体が増加することから、持続可能な介護保険制度を堅持していくためにも、介護保険料の一定の引き上げは、避けられないものと考えております。以上

次に、市営住宅建替等基本計画について伺います。
 2016年12月につくられた基本計画では、老朽化した市営住宅の建替と耐震改修による耐震化の推進がうたわれています。今年7月に公表された旧若草中学校跡地に市営住宅の集約化を行う対象となっている常光寺改良・浜つばめ・浜つばめ改良・西川は建替を、西川平七は耐震改修が計画には明示されています。

Q それぞれの住宅住民に対しいつの時点で統合集約の説明がなされたのでしょうか。

Q 常光寺の地域では、改良住宅以外に北住宅・第二改良住宅がいずれも建替対象になっていますが、なぜ改良住宅だけを今回の取組みに入れたのでしょうか
 今回常光寺改良住宅の住民から、寝耳に水だとの声があがっています。旧若草中学校まで距離にすれば500mぐらいの移動ですが、町会や小学校区、中学校区、買い物するスーパーなど生活圏がガラリと変わる大きな変更です。

Q 住民のこれまでの生活を考えれば、常光寺改良・常光寺第2改良・常光寺北の3つを集約するほうが変化は少ないと思いますがいかがですか

答弁要旨
平成28年度に策定した尼崎市営住宅建替等基本計画は、計画を策定する段階から、対象となる住宅の入居者に、耐震性能が不足することから、建替え、耐震改修又は廃止を行う必要があることや、事業実施の予定時期について住宅ごとに説明をしておりますが、建替え場所や建物の規模・仕様などの具体的な内容は、事業実施の段階で個別に説明することとしておりました。ご質問の、旧若草中学校跡地に建替えを行う対象住宅に対しましては、集約して建替えるための建物の規模や仕様を決めていく段階になりましたので、令和2年7月に、建替え場所や戻り入居などの意向調査の予定などについて、順次、ご説明させていただいたところでございます。なお、西川平七改良住宅につきましては、周辺の住環境との調和や都市計画・まちづくりの観点、また、隣接する西川中継ポンプ場の配置も踏まえ、耐震改修から集約して建替えることになったことから、その内容も含めてご説明を行ったところでございます。以上

 

あまよう 医療的ケア児の対応について伺います。
教育委員会に事前に伺ったところ、入学前に保護者と話し合い、あまようで可能な医療的ケアについて説明したうえで付き添いの了解を得ているとのことでした。

Q あまようでは医療的ケア児の通学に保護者の常時付き添いが義務付けられているのですか。医療的ケア児が訪問教育ではなく通学を希望する際、それは当たり前のことなのでしょうか

東京都、千葉県、兵庫県下では宝塚市や三田市の学校では保護者の付き添いは不要です。市内でも放課後デイサービスでは保護者同伴でなくても受け入れられるのに、あまようでは付き添いを求められます。子どもにとって親子だけの関係から社会へとつながっていくことは、成長・自立にむけた大変重要な一歩です。

Q 保護者が付き添いをしなくてもいい状況をつくっていこうという方向はあるのですか。その場合の課題は何でしょうか

 看護師による医療的ケアは現在市内医療機関委託で行われていますが、契約内容や民間委託という体制の限界から常時保護者の付き添いが必要とされていると思います。

Q 市立病院を持たない尼崎市としては、例えば今後兵庫県と連携し、県立病院からの看護師派遣などを模索し、公的責任で、保護者が付き添わなくとも医療的ケア児が安心して通学できる環境を作るべきと考えますが、いかがですか

答弁要旨
あまよう特別支援学校では児童生徒が障害の程度や発達の段階に応じて通学することができるよう、看護師の配置や人工呼吸器装着等によりスクールバスでの通学が難しい児童生徒の介護タクシー利用等、安全に通学できる環境整備に努め、保護者同伴の負担をより軽減させるための方策に取り組んでおります。また、医療的ケア児の保護者同伴につきましては、個々の児童生徒の障害の状況、医療的ケアの内容等を勘案し、看護師と学校が連携し、同伴の時間をより少なくできるような状況を作る工夫もしているところです。そうした中でも、人工呼吸器を使用し、常時医療的ケアを必要とする児童生徒への安全な学校生活を保障するためには、医療的ケアを実施する看護師等の体制の充実が課題であると考えます。今後も、少しでも保護者の付き添いの負担を減らし、児童生徒の自立と社会参加を促すための方策を検討してまいります。

 

東園田町総合会館について
 東園田町総合会館が来年5月頃竣工予定と聞いています。ここは島之内に唯一学校以外の公共施設としてあった地区会館がなくなり、東高校跡地に生涯学習プラザとして新築されることについて、地域住民が「それでは困る」と声を上げ続けられた結果、競馬場からの周辺整備事業対策の補助金を活用してつくられています。こうした経過もあり、所有者は町会であっても、町会に入っていない地域住民にも広く門戸が開かれた使われ方が求められていると思います。

Q この点について、私は2019年3月の予算特別委員会経済環境市民分科会でお聞きしましたが、いよいよ来年度完成しますので、あらためてこれまでの経過や市のスタンスについて教えて下さい

答弁要旨
新たな東園田町総合会館の建設につきましては、委員ご指摘のとおり、園田競馬場周辺整備対策事業の補助金を活用する中で、島之内地域全体のコミュニティの維持・増進を図る目的で実施しているものでございます。会館自体は東園田町会の所有ですが、これまでも、部屋の仕様や運営方法など、町会会員と周辺地域住民において協議等が行われておりまして、本市もその協議に参画させていただいております。考え方や思いの相違もあり、なお協議等が必要な部分もありますが、新たな東園田町総合会館が、島之内地域全体の地域コミュニティの拠点となりますよう、市といたしましても、引き続き、コーディネート役として協議に参画してまいります。以上

 町会の所有ではあるけれど、地域全体のコミュニテイーの核になる施設になるよう市としても支援していくことが確認できました。よろしくお願いします。
 これで日本共産党議員団の決算総括質疑を終わります。各分科会の質疑も加えて、10月6日意見表明をさせていただきます。ありがとうございました。