2026年3月議会 総括質疑① 松沢ちづる議員 国保料完全統一導入・精神医療付加金・介護事業支援・地域公共交通会議など

<総括質疑> 

こんにちは 日本共産党議員団です。
小村潤議員と、私松沢ちづるが総括質疑を行います。よろしくお願いします。

 まず、国民健康保険の保険料水準の完全統一の導入に向けてお聞きします。

 尼崎市は、2027年度から保険料水準の完全統一導入を進めようとしていると説明を受けています。総括質疑では、2つの点について質問します。

一点目は、国保加入世帯それぞれの保険料がどうなるのかということです。今年度の保険料で当局に試算をしてもらったところ、一人世帯で収入200万円の場合は若干下がり、100万円では上がるだろうとお聞きしています。

 

Q1 2人以上の世帯構成では、また他の所得層では保険料はどのようになるか。見通しをお聞かせください。

答弁要旨

 本市の国民健康保険料は、所得に対する所得割額、被保険者1人当たりの被保険者均等割額、1世帯に対する世帯別平等割額で構成しており、それぞれに適正な保険料率を算定しております。

兵庫県におきましては、令和9年度を目安として、県下 -律の保険料率へ移行することとしておりますが、移行後は現行と比べて、所得割率は減少し、被保険者均等割額及び世帯別平等割額は増加する見込みです。

こうした前提条件のもと試算いたしますと、給与収入が 500万円で、夫婦と就学児2人の4人世帯では、年間保険料は現行より1万2千円ほど下がりますが、同じ世帯構成であっても、給与収入が200万円の場合は、100 円ほどの下がり幅となる見込みです。

以上

 本市保険料の滞納状況は、現年度分の24年度決算で8,327世帯、全加入世帯の14.5%、滞納総額約6.09億円です。これは、加入者の怠慢ではなく高すぎて払いきれない結果です。他の公的医療保険は所得で保険料が決まりますが、国保は所得だけでなく、世帯構成員の数や1世帯ごとの平等割という要素が加わります。そのため同じくらいの所得・家族構成の協会けんぽと保険料を比較すると、国保は約2.3倍の高額になります。「国保料は高すぎる」根本的な原因がここにあります。

 完全統一によって、27年度以降保険料の決定は県に委ねられることになりますが、尼崎の国保加入者の医療を守る責任は本市にあります。

 

Q2 完全統一後、国保料の引上げを抑制するために市は何をしていきますか。

答弁要旨
 保険料水準の完全統-後は、これまでのように基金を活用した保険料の抑制は出来なくなりますが、公的医療保険の保険者として、市が保険料の引き上げを抑制し、保険財政の健全化を図ることは、必要であると考えています。
 こうした中、兵庫県では、国民健康保険運営方針に沿って、特定健診。特定保健指導をはじめとした医療費の適正化に向けた取組、レセプト点検などの保険給付の適正化に向けた取組、保険料収納率の向上に向けた取組の充実強化を図ることとしており、本市におきましてもこれらの取組を推進することにより、保険料の引き上げを抑制していきたいと考えています。 以上

2点目、完全統一によって精神医療付加金が廃止される方向だということについてお聞きします。

 精神医療は、障害者手帳1・2級以外でも精神科医の意見書によって自立支援医療の対象となり公費助成が受けられ、通院の窓口負担は1割です。更に精神医療付加金の制度によって、1ヶ月の医療費本人負担の5%または自己負担額のいずれか少ない額が、後に償還されています。

当事者にお聞きしたところ、通院だけなら月1,000円ぐらい、デイサービスや訪問看護を利用すると3,000円を超える償還があるようです。精神医療付加金の廃止で、これがなくなる訳です。通院する多くの方は、社会不適応をおこし仕事や学業が続けらず、社会復帰もままならず、本人や家族の生活は厳しいものがあります。月々1000円から3000円ですが、物価高騰がつづく現在、くらしの苦しさに追い打ちをかけます。

 県下で現在精神医療付加金を実施しているのは、尼崎市の他、芦屋市・相生市・赤穂市・福崎町・神河町、全国では5都府県とお聞きしています。多くの自治体が、2006年自立支援医療制度ができた時点で、精神医療付加金を廃止しているともお聞きしています。

Q3  尼崎市は、2006年多くの自治体が廃止を決めた下でも、この制度をこれまで続けてきました。そこには市としての考えがあったと思います。それは何ですか。また、今回廃止を決断するに至った経過もお答えください。

答弁要旨
 平成18年に障害者自立支援法が施行された後も、本市におきましては、精神医療付加金の給付を継続してまいりましたが、これは平成1 7年1 1月に尼崎市国民健康保険運営協議会から、「精神医療付加金の廃止に伴い自己負担が増加し、受診抑制につながるといった問題があるため、廃止は認められない」との答申があったことを要因としています。

そうした中、運営基盤の強化に向け、平成30年度に国民健康保険制度の都道府県単位化が実現し、令和9 年度を目安として、県下-律の保険料水準に移行することとなったものであり、移行に際しましては、各市町の負担に偏りが生じないよう、公費や経費の相互扶助化を前提として、県下で協議を重ねた結果、兵庫県から本市独自の給付である精神医療付加金は廃止するとの方針が示されたものです。  以上

 

次に介護事業所の支援策についてお聞きします。

 尼崎市は第10期介護保険事業計画を新年度策定するために、ケアマネ―ジャー・施設通所系・訪問系に分けて介護人材等に関するアンケート調査を1~2月に実施、現在結果の集約分析を事業者委託中とお聞きしています。共産党議員団は、くり返し介護事業者の実態把握とそれに基づいた事業者支援を求めてきましたので、アンケート調査の結果を大変注目しています。

 介護保険事業計画は3年毎に改定されていますが、第7期2018年~20年、8期21年~23年、そして現在の第9期23年~26年、いずれも介護サービス基盤の整備や介護人材の確保と定着が計画の中に盛り込まれてきました。しかし具体的には、第8期にやっとキャリアアップ支援で研修費用の一部を補助する支援策がはじまりました。新年度も介護人材確保支援事業として、今年度と同額の530万円が計上されていますが、支援対策はこれだけです。

一方、人材確保と定着が同じく大きな課題となっている保育分野ではどうでしょうか。保育士・保育所支援センターが庁内に設置され、保育士確保事業として新卒10万円・潜在保育士は5万円の一時金支給、宿舎借り上げ支援、奨学金返済支援があり、これらの総額は約1.7億円です。予算規模でも支援メニューの数でも、尼崎市が子育て支援策を優先し、介護は脇に置いている姿勢が見て取れます。

12月議会の一般質問で、私は新潟県村上市の支援策を紹介しました。当局は、村上市は財源を介護保険特別会計の中で賄っており、これでは65歳以上の介護保険料がさらに高くなってしまうので、尼崎市ではできないと答弁されました。私は、尼崎市の場合だったら高齢者の介護保険料に財源を求めるのではなく一般財源で考えられないかという思考さえない、とても冷たい、介護現場の実態を見ようとしない答弁だったと思っています。

私は、昨年11月いくつかの訪問介護事業所に聞き取り調査をしました。現場からは、介護人材確保支援事業は無いよりはましだけれど、決して人材確保や定着に効果があるとは言えないという声を聞いています。

 70歳を越えてヘルパーを続けている方は「この仕事が好きだからやっているけれど、同年代の仲間が亡くなった。ムリをしたと思う。私も家族からそろそろ辞めたらどうかと言われている。でも、私が辞めたら私の担当分を誰かがムリして引き受けることになる。やめるにやめられない。」と話されます。

事業所責任者は、運営は毎月ギリギリでヘルパーの賃金アップは困難。ニーズに合わせてヘルパーをもっと確保したいけど、ヘルパーを常時募集しているが応募に全く反応がないとおっしゃっています。 

ケアマネージャーからは、高齢化や、介護サービスでは対応できない部分のサポートや、利用者負担の限界から他に依頼できずケアマネ自身が代行するといったシャドーワークが問題点だと指摘されています。

介護現場は、切に事業継続と人材確保の支援を求めています。

 

Q4 新たな介護事業所の支援メニューとして、現段階でどんなものを想定していますか。

答弁要旨

議員ご紹介のとおり、市内の介護事業所を対象としたアンケート調査を実施しており、現在、その結果の集計・分析に取り組んでいるところでございます。

現時点ではいろいろなデータを見定める必要があるため、現場の実態や課題、また必要とされる支援の方向性を十分に整理するには至っておらず、具体的な支援メニューをお示しできる段階にはございませんが、引き続き、アンケート結果の丁寧な分析を進めるとともに介護人材確保策にかかる国の動向も注視しつつ、事業所の実情に即した支援のあり方について、次期計画策定の中で幅広く検討してまいります。 

以上

 

次に、今後の公共交通政策についてお聞きします。

 

 新年度予算案で、路線バス運行支援補助金――阪神バスが経営上努力をしても赤字が出る路線の補助金のことです。市バスが阪神バスに移譲されて10年余り、補助金額はずっと「2億円を超えない」という暗黙のルールがあったと思いますが、はじめて2億円をオーバーします。

 今回、県道園田西武庫線藻川工区の開通に伴って新設される路線があり、その影響による増額とお聞きしていますが、建設消防防災分科会ではもう少し踏み込んだ説明がされているようです。

 

Q5 地域公共交通会議で、路線のあり方や補助金のあり方についての見直し検討がはじまっているのでしょうか。

答弁要旨
 路線バス運行支援補助金については、平成28年度に市営バス路線を阪神バスへ委譲して以来、阪神バスの経営努力をもってしても赤字が想定される路線を対象に交付してきたものですが、移譲後1 0年が経過する中、公共施設の再配置や工場跡地などの大規模開発が行われ、様相も変化していることから、持続可能な公共交に向けて、バス路線ネットワークや補助金のあり方について、見直す時期にきていると考えております。

しかしながら、現時点では、バス利用者がどこで乗り、どこで降りているか 、基礎データが本市にも阪神バスにも不足しているため、来年度に乗降人数自動集計システムを導入し、データを収集したうえで、検討を進めていきたいと考えています。

以上

 昨年11・12月東園田地域でオンデマンド交通の実証実験が行われました。予約件数は1日平均1.7件とふるわず、アンケート調査では「知らなかった」「運行範囲が狭かった」「1乗車500円は高いのではないか」といった声が多かったようです。市はこれらを受けて、新年度引き続き実証実験を行おうとしています。

 

Q6 オンデマンド交通の実証実験は、新年度エリアを拡大する以外に昨年の実施内容に変更はありますか。

答弁要旨

今年度の実証運行後に実施したアンケート調査以外にも、今年度A Iオンデマンド型交通の実証運行前後に、地域の方を対象とした説明会や園田駅前でのPR、地域交通を考えるワークショップ等を開催し、地域の方が感じている移動の不便さなどについて直接お伺いしてまいりました。

それらを踏まえ、来年度に向けては、園田地区内でのエリア拡大のほか、運行期間の延長、運行時間帯の見直しや料金プランの充実などに取り組んでいきたいと考えております。

具体の内容については、交通事業者、関係機関等と合意形成を図りながら、地域公共交通会議等にもお諮りした上で、より良いものとなるよう検討してまいります。

以上

 

 最後に、地域公共交通会議についてお聞きします。

 市バスが阪神バスに移譲され10年を経過しました。この間に、バス会社はガソリン代の高騰やバス運転手の人材不足といった経営上の課題が突き付けられ、路線見直しや便数の削減が行われてきました。市民にとっては、路線バスはくらしや社会参加の足となる貴重な社会資源なので、路線見直しという削減や減便にはNOの声が上がり、この地域にバス路線新設をという要望も上がってきます。共産党議員団がお聞きしているだけでも、大庄地域での路線変更やバス停削減への苦情、田能地域の便数が少なすぎるという苦情、築地にバス路線を延長して欲しいという要望、若王寺界隈から総合医療センター行の運行時間をもっと早くして欲しい、バス停にベンチや屋根を付けて欲しいなど様々です。

 こうした地域の要望を把握することは、公共交通政策を検討する地域公共交通会議にとって必要な情報だと思います。

 

Q7 地域公共交通会議として、地域要望を聞く場を設定すべきと考えますがいかがですか。

答弁要旨

地域公共交通会議は道路運送法に基づく会議体で、地域にふさわしい公共交通をつくりあげていくため、関係者が協議して決める場であり、本市では、事務局を担う市のほか、市民。利用者をはじめ、バスやタクシーの交通事業者、運転手団体、学識経験者、道路管理者、警察、国、県といった様々な立場の方に参画いただいています。

この会議は路線便数や上屋の設置など地域の個々の要望を直接お聞きする場ではなく、お尋ねの意見や要望などは、別途、市がお伺いし、とりまとめたものを地域公共交通会議に諮っていくことになります。

以上