誰かを締め出す社会は、いつか自分も締め出される社会になる

外国人や生活保護受給をあからさまに攻撃して

日本人ファーストを声高に叫ぶ政党の勢いが強くなっています。

でも、本当に「日本人」が生きづらいのは外国人のせいなの??って
リアルに考えることが必要じゃないかなあ?って思います。

尼崎市で考えてみましょう。

尼崎市は高度経済成長期から外国人はいっぱいいました。
尼崎市の「おせっかい文化」とも呼べる誇らしい風土で、外国人を含め、いろんな人たちが共生できる文化を培ってきたのが尼崎市です。

思い返してみてください。
小学校や中学校には外国籍や外国にルーツを持つ同級生がいたでしょう?日本語教室に通う外国人もいたでしょう?

部活の友達やとなり近所に、そんな人たちは身近にいませんでしたか?

今から30年前で14000人。今は13000人の外国籍の人たちが尼崎市に暮らしています。
尼崎市では、今は特定技能制度の拡充で、若い世代の外国人が多くいて、
尼崎市内での町工場や中小企業では外国人の特定技能の外国人がいないと人手不足で経営が回らないというのが実際のところです。
その人たちはちゃんと働いて日本や尼崎市に税金を払っているのではないでしょうか。
そんな人たちは敵ではなく隣人です。

コンビニなどでも外国人のアルバイトをよく見かけます。
留学生などの限定週28時間の働ける資格を活かして働いている人が多くいます。

外国人留学生にたくさんのお金をつぎ込んでいる!という主張もよく見かけますが、「無料で高等教育が受けられる」のは日本の学生を同じく「学力優秀」などごくごく一部の学生にすぎず、実際はアルバイトで生活を賄っている留学生が圧倒的多数です。

外国人が日本の生活保護を狙って流入している!とかいう主張もありますが、
厚労省統計によると、外国人の生活保護受給者は全国で4万人ほど。
日本人世帯の受給率3%とほぼ同水準ですし、
「生活保護を狙って来日している」という主張は、統計的に根拠がなく、
むしろ、高齢者や母子家庭など、支援が必要な層が中心です。

厚労省 被保護者調査
e-stat

尼崎市内の外国籍住民の生活保護率は、日本人とほぼ同水準であり、特定の層が優遇されているという事実は確認されていません

出典:

実際には、厳しい在留資格管理や経済的困難の中で生活している人が多いのが現状です。日本に住むための在留資格は大変厳しく、そんなに簡単に生活保護も受給はできません。

松本眞・尼崎市長は「「多様な文化的背景を持つ者同士が、お互いの価値を認め合うことが大切。違いを認めないことは文化的衝突や差別を引き起こすことにもつながりかねず、早めに手を打つべきだ。」と2024年に多文化共生施策アクションプランをつくっています。

誰かを敵とみなして攻撃、排除する社会は、いずれ「あなた」を攻撃する社会になる危険性を多くはらんでいます。
国籍や性別、あらゆる差別を「当然」とする価値観は、ある時、「あなた自身」をも攻撃される立場に追い込む可能性があるということを、今一度、考えてほしいのです。

差別はブーメラン効果をもたらします。
今は「外国人」がN党や参政党、移民政策から国民を守る党、日本保守党などを筆頭とするポピュリズム政党の敵とされていますが、
その勢力が権力を持ち、あらたな「敵」を作ったときに、

あなたや、あなたの家族がその「敵」にされることもありうるのです。
ナチスドイツがそうであったように。

大切なのは「誰かを守る社会は、実はみんなを守ってる。」ということ。

国籍や性別、結婚しているかしていないか、子どもがいるかいないか、
障害があるかないか、どんな仕事についているかどうか、などは、
この社会においては「人の価値」としては無関係であり、

そのことを国家権力や政治家にとやかく言われる筋合いなどなく、
わたしたちは、すべて日本に住む一員として尊重されるべき「命」なのです。