「何も言えない同盟」は同盟ではなく従属
ベネズエラで起きた出来事を前に、日本は事実上、沈黙を選んでいます。
アメリカによる軍事介入と他国首脳の拘束――
それがどんな理由であれ、主権国家に対する力の行使であり、国際法に反する行為です。
それにもかかわらず、日本政府は明確な批判を避けています。
一部の論者はこう言っています。
「もう国際法は意味がない」
「アメリカには逆らえない」
「現実を見ろ」
だが、はっきり言いたい。
それは現実主義ではない。ただの諦めです。
国際法が何度も破られてきたからこそ、
弱い立場にある国は、声を上げ続けなければならない。
「破られたから無意味だ」と黙認することは、
次に破られる側になることを自ら受け入れるのと同じだからだ。
「アメリカを批判したら、日本は守ってもらえなくなる」
本当にそうだろうか。
もしそうなら、それは同盟ではない。
何も言えない同盟は、同盟ではなく従属だ。
ヨーロッパ諸国は、アメリカの行動に対して異議を唱えることがあります。
それでも同盟は続いている。
同盟とは、無条件に従う関係ではありません。
共通の価値とルールを前提に、是々非々で意見を言える関係のはずです。
「国際法はもう死んだ」という言説は、
一見、冷静で現実的に聞こえるかもしれない。
でも、その実態は、
強者の暴力を正当化し、弱者に沈黙を強いる思想ではないでしょうか。
それは日本にとって、最も危険な考え方である。
もし今日、ベネズエラへの軍事介入を黙認するなら、
明日、台湾や沖縄、あるいは別の地域で起きる「力による現状変更」に、
私たちは何も言えなくなる。
「何も言えない国」は、
「守られない国」になる。
ベネズエラ大統領が不適切だったかどうかと、
他国が軍事力で介入してよいかどうかは、まったく別の問題。
その線を曖昧にすることこそが、世界をより危険にすると思います。
恐怖に基づく沈黙ではなく、
ルールを守れという一貫した声こそが、
結果としてこの国を守るのだと思うのです。
日本は、従属国家であってはならない。
同盟国であっても、言うべきことは言う。
それが、真に自立した国家の姿ではないでしょうか?
志位和夫議長は1月3日、X(旧ツイッター)に次の声明を発表しました。
米、ベネズエラに大規模攻撃 国連憲章蹂躙する侵略 直ちに中止を求める
2026年1月3日 日本共産党中央委員会議長 志位和夫
一、トランプ米大統領は、3日、自身のSNSで「ベネズエラへの大規模な攻撃を成功裏に実施した」、ベネズエラのマドゥロ大統領について「妻と一緒に拘束され、国外に連行された」と表明した。ベネズエラ政府は、米国による「極めて重大な軍事侵略」と非難している。
一、いかなる理由であれ、主権国家に対して軍事攻撃を行い、指導者を拘束・連行する権利は、どの国にも与えられていない。
一、トランプ米政権の行動は、国連憲章と国際法を乱暴に蹂躙(じゅうりん)する侵略であり、強く非難する。無法行為をただちにやめることを強く求める。