2012年12月議会一般質問 田村征雄:企業立地促進条例、幼稚園の廃止、公共施設の最適化、学力向上

2012年12月議会一般質問 田村征雄議員

2012年12月7日

日本共産党議員団の田村征雄です。  

本来の税収を確保する観点から企業立地促進条例の見直しについてほか、市長の政治姿勢について順次質問いたします。

尼崎市企業立地促進制度の概要は①医療・福祉関連 ②情報通信関連 ③製造技術関連 ④環境エネルギー関連などの各分野で事業所の新設、増設、建替、市内間移転などにより、事業投資額及び雇用で一定の要件にもとづき立地する企業に対して、固定資産税などの軽減を図るものと理解しています。         

 認定された事業者の責務として①尼崎市民の雇用 ②地域社会の発展への協力 ③認定事業の10年間の事業継続 を努力規定としています。

 この制度はパナソニック関連のパナソニックプラズマディスプレイ株式会社・PDP社が本市に進出する時期にあわせるように条例制定されました。

 PDP社は第一工場、第二工場、そして当時世界一とうたわれた第三工場と順次、立地しました。第三工場の立地に際し、下水道整備、通勤の市バス路線などの支援を行い、最低でも10年間の操業を見込んで税の軽減措置をしてきたものの、設備投資額が大きく税の軽減額が大きい第3工場がたった2年で一貫生産を停止しました。

昨年12月議会で私が質問したことに対し、当局も地域経済、雇用面でマイナスの影響が出ると答弁しています。今年の4月から実際に、第一、第三工場が休停止したことで、実際にどのような影響が出ているのでしょうか。

Q1.そこで伺います。

 平成20年度から、平成23年度までの、各年度末、3月31日時点のPDP社の雇用人数とそのうち市内の雇用人数の推移について、答弁を求めます。
 また、原材料、部品等を納入する市内の関連企業への影響は、どのように掌握できているのでしょうか。あわせて答弁願います。

次に、企業立地促進制度の認定を受けている企業の一覧表を資料として、当局から手にいれました。

 産業道路沿いで陸上競技場の西側、住友金属工業の敷地に大変立派な建物ができており、これは市の企業立地の認定を受けているのかと調べてみると、ちゃんと受けていました。

 住友金属工業総合技術研究所が、区分は「先端、建替」として、認定されています。

そこで、特に大手企業の認定状況を調べてみますと、現在の事業所と同じ所在地・同一敷地で、「先端、増設」として認定されている事業者に、例えば、平成18年以降では、住友チタニウム、三菱電機、住友金属工業が2回、ヤンマー、大阪チタニウムテクノロジーが2回、住友精密工業が2回ありました。

Q2.質問します。

 これらの大手企業の各事業所からの認定事業計画には、尼崎市民は何人雇用するとされているのか、継続して雇用されているのかどうか、答弁願います。

Q3.次に質問します。

 これらの大手企業では、製品の売上増に対応して「増設」したのではないか、また、住金工業の総合研究所の「建替」は業界の技術の発展にあわせて研究機能の更新を図るためではないのか、つまり、尼崎市の企業立地促進制度があるからではなく、第一義的には、大手企業の経営上の方針として、同一敷地での増設、建替を図ったのではないか、市としてはどのように判断しているのか、答弁願います。

Q4.次に質問します。

以前に、会派の勉強会で、県道園田西武庫線の道路整備事業で、三菱電機の敷地での建物移転に補償をすることになっているが、その場合の移転建替えで三菱電機から申請があれば、企業立地促進制度が認定されるのか、と質問したら、要件が合致すれば適用になる、との見解がありましたが、あらためて確認しますが、このケースも認定の対象になるのでしょうか。

答弁願います。

 次に、市立幼稚園教育振興プログラムと住民合意、議会への提案の判断についてです。

9月議会では、博愛、梅園、武庫南、武庫庄、富松の5か所の幼稚園の廃止を26人の議員が決めました。

 その後、教育委員会は廃止5園、暫定存続4園,計9園の存続の会の代表者またはPTAの代表を集めて、2回の公式な意見交換の場をもっていると伺っています。

その場には、廃園、暫定、存続園の周知の仕方、廃園の場合に最後の卒園児が年長児だけとなるがそのときに配慮して欲しいこと、廃園のあと別の幼稚園に通園する場合の自転車通園の問題点などについて、保護者から問題提起があり、市教委の担当とやりとりをしていると聞いています。

 保護者からは、これらのことについて9月議会に廃止の議案が出る前から話し合いを続けていたとのことであり、9月議会にはまだ廃止条例がでるとは考えていなかったので「だまし討ち」にあったように受け止めていたと私は感じています。

さて市立幼稚園教育振興プログラムの問題点の一つに、4園を暫定存続としたものの、最終的には暫定園を廃止すると明記している点があります。

存続園を決定し、その存続園の比較的近隣の暫定園とを一つのグループにして、グループの中の複数の園全体として、2年続けて定員割れすれば、暫定園を廃止するとしたのは教育委員会の一方的なルールだと考えます。

暫定園がずっと定員数を確保しても、存続園が定員割れし、そのグループとして定員割れした場合は、定員割れしていても存続園は残し、定員を確保した暫定園が廃止されてしまうルールです。

その場合、定員を確保している暫定園が廃止されれば、存続を願う地域の住民や保護者達はだまし討ちにあうようなものです。

Q5.そこで質問します。

暫定園が定員を確保しているのに、存続園が定員割れしたために、暫定園を廃止するとした教育委員会の一方的なルールは見直すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

また、9月議会で明らかになったのは、まだ説明会を求めているのに、そして住民合意が得られていないのに、抜き打ち的に条例提案し議会に判断を求めたことであります。

Q6.次に質問します。

住民がまだ説明を求めており住民合意が得られていないのに、議会に判断を求める考え方は根本的に改めるべきだと考えますが、いかがですか。あわせて答弁願います。

次に、公共施設の最適化に向けた取組み素案についてであります。

1月15日から26日にかけて、午後の時間帯に8か所で説明会が開催されました。

当局がまとめた報告には、8か所の説明会の共通する意見として、証明書のコンビニ交付は高齢者には操作が難しいという意見、また、乳幼児健診、予防接種や精神障がい者向けグループ活動、高齢者福祉などの場所や窓口を残してほしいという意見があり、やはり身近なサービス窓口を残してほしいという住民の意見があったとのことです。

 市の報告ではなく、私が東園田町会関係者などから聞き取りした状況では、園田地区会館での説明会では園和連協関係者、役員の多数、園田地区会館の登録団体のメンバーに地域住民など多数の住民の参加があり、統合場所の一つに東高校跡地をあげたことに異議を唱えた意見が多数あったと聞きました。

 また、6月議会での私の質問後の動きとして、園田地区会館祭り実行委員長と20団体を超える登録団体が、「現在地に地区会館を残せ」と市長に要望書を提出したとのことです。

Q7.質問します。

① 説明会8か所の会場ごとの参加者数は何人だったのでしょうか。

② 園田地区会館では、当局が用意した椅子も資料も不足し、あわてて本庁に取りに行ったと聞いているが、300人入る会場でなぜ70人程度の参加者しか見込まなかったのか、何人の発言で、参加者から強い声としてあがったのは、主にどのような意見だったのでしょうか。あわせて答弁願います。

次に、学力向上の取組についてであります。
尼崎市の子どもたちの学力向上は、すべての保護者や市民の願いであり、教職員の方々もその思いで懸命に取り組んでいるものと思います。

 学力・生活実態調査の結果では、平均正答率が、16年度に比べて、小学生は全国平均に近づきありましたが、ここ1,2年はやや下まわる傾向になっています。昨日答弁がありましたように、基礎・基本は改善しているが、新学習指導要領での活用という面で、さらに努力を要するとのことです。

また、最近2年間では中学生が全国平均にぐーんと近づきつつあります。

 学力向上についてどのような取り組みをしてきたのか、振り返ってみました。

(平成18年度は)言語力向上事業、指導力向上事業(などを、19年度から)土曜チャレンジ学習、21年度から計算力向上の全校実施、そして、22年度から学力向上クリエイト事業に力を入れて取り組んでいるとのことです。

(教育委員会の学力向上クリエイト事業の)説明文書では、各小中学校が抱える課題は様々であり、解決すべき課題の優先順位は、学校の状況により様々であると指摘しています。

さらに、学校に対する市教委の支援は総じて画一的であることを反省した上で、各小中学校が自校の課題分析を行い、実情に応じたより効果的な取り組みを実施できる仕組みづくりが必要として、「学力向上クリエイト事業」を実施するとしています。

具体的な取組例として、支援1として「授業における同室複数指導等」これは一つのクラスに複数の教員が入り、一人は遅れた生徒の指導にあたるとのことです。

支援3として「放課後や土曜日の補充学習、発展学習等」、支援5として「先進校への実践調査、研究等」、支援6、支援8ととばしますが、支援9として「夏季休業中の学習支援」などをしています。

 これらの支援をおこなうため指導補助員、指導ボランティアなどを採用し、市独自の学力向上の取組としているとのことです。

Q8.そこで質問します。

学力向上クリエイト事業では現在、小中学校で、計25人の指導補助員らを配置して、取り組んでいるとのことですが、これは、各学校が必要として要望している人数に対して、何%にあたるのでしょうか。 答弁願います。

以上で1問目を終わります。

1回目登壇の質問に対する答弁

答弁1.

報告を受けているパナソニックプラズマディスプレイ社尼崎工場における常勤従業員数の推移につきましては、
平成21年3月末は2,799名、うち市民は440名。
平成22年3月末は2,475名、うち市民は436名。
平成23年3月末は2,079名、うち市民は368名。
平成24年3月末で984名、うち市民は140名
でございます。

次に、第1工場及び第3工場の休停止による関連企業への影響につきましては、パナソニックプラズマディスプレイ社が取引先を公開していないことから全ての状況を把握することは困難でございますが、企業立地サポート事業や工場用地等情報開拓推進事業などの企業訪問時に、-部の事業所から影響を受けているとの声を聞いております。

答弁2.

これまで認定してまいりました72件のうち、大企業に該当するものは19件、11社となります。
この11社に関する従業員の雇用状況につきまして、認定申請当時と直近の報告分を比較いたしますと常勤従業員数は認定申請時より1,845名増加しており、そのうち約1,100名が市民の雇用となっております。

なお、同一従業員の雇用継続につきましては報告要件としていないことから実態把握はしておりません。

答弁3

事業所の規模に係わらず、企業が新増設、建替え等の実施などの判断を行う場合には、一般的に本社・自社工場の近接性、同様に取引先との近接性を検討するとともに、企業立地促進制度の有無につきましても重要な検討項目であると認識しております。

こうしたことは、立地企業とのヒアリングや工場立地法に基づく工場立地動向調査においても、明らかとなっているところでございます。

答弁4.

 現時点では、設備投資額や従業員等の認定要件に合致すれば、企業立地促進制度の対象になるものと判断しております。

答弁5.

 市立幼稚園教育振興プログラムでは、現在の市立幼稚園への入園応募者数に見合った定員を、今後も確保することを前提に、園数を9園に集約することとし、市全域の配置バランスや、各園の保育室の数、応募者の居住分布などの客観的な基準をもって存続する園を選定いたしました。

しかしながら、約1年間に及ぶ話し合いを通じて、保護者の皆様から、市立幼稚園の集約により、入園希望者が特定の幼稚園に集中し入園できなくなるのではないか、との不安の声が多く寄せられました。

そのため、入園希望者が多数おられる間に限り、暫定的に存続させる園を設け、ご心配を払拭するルールを設けたものであり、これを見直す考えはございません。

答弁6.

 市立幼稚園教育振興プログラムにつきましてば、昨年5月に素案を公表した後、保護者代表の皆様と、約1年間に及ぶ意見交換を重ね、本年6月にプログラム(案)を策定いたしました。その際、保護者代表の方からは、「暫定的に存続する園を設けるなど、全てではないが保護者の意見を取り入れてくれた」との言葉をいただいたところでございます。

6月以降、保護者や地域の皆様への説明会などを重ねる中で、廃止を予定している幼稚園の、近隣にお住まいの全ての方々に、ご理解をいただいたものではございませんが、市立幼稚園が抱える課題を解消するためには園数を集約することについて、一定の理解が得られたと判断したものでございます。

これらの状況につきましては、文教委員会におきましても、そのつど、ご報告申し上げてきたところでございますことから、抜き打ち的に、議会に判断を求めたものではございません。

答弁7.

 今回の市民説明会は、11月15曰から26曰にかけて、平曰の午後に各地区で1回ずつと、土曜・曰曜の午後にも1回ずつ、計8回開催しました。各回の参加人数は、中央公民館が8人、小田地区会館が21人、大庄公民館が18人、立花地区会館が24人、武庫地区会館が16人、園田地区会館が105人、さらに、土曜曰の小田公民館が4人、日曜日の女性センタートレピエが5人で、合計201人となっております。

また、各回とも、これまでに市民説明会を開催した際の参加人数等を参考に準備をしておりましたが、園田地区会館では思った以上に多くの方々が参加されたため、資料不足等が生じ、市民の皆様にご迷惑をお掛け致しましたことについて、お詫び申し上げたいと思います。

園田地区会館では、延べ23人の方からご発言がありました。主な内容としましては、

・園田地区の複合施設は、現在の利用状況や高齢者等のアクセスへの配慮、防災上の観点のほか、園田地域の歴史的な経緯・経過も踏まえ、地区会館の現在地に設置するべきである。
・地区の複合施設は多くの市民の利用が予想されるので、駐車場を十分確保する必要がある。
・保健福祉が集約されると、特に精神障害者向けのグループ活動等の場が遠くなり、問題である。

といった、内容に関わるご意見のほか、「本曰の説明会で出た意見については、市の考えを付して、再度地区に返して欲しい。」などのご意見をいただいたところでござい
ます。

答弁8.

 学力向上クリエイト事業は、各学校が自校の学力向上にかかる課題解決を図るための計画に対し、その取組みを支援することを目的とした事業であり、議員ご指摘のように、指導補助員等の人的支援、学力向上に向けた教員研修に係る講師料の支援、学習教材や家庭学習資料作成のための需用費支援などがその内容でございます。

教育委員会では、各学校が作成した計画について、学校の学力状況等に基づき、必要性を検討した上で、支援内容を決定しております。

お尋ねの指導補助員につきましては、48校が計画の中に取り入れており、結果としては約52%の配置となっているものでございますが、先に申し上げましたように、支援策はそれだけではなく、学力向上クリエイト事業全体の中で効果的な支援を図っているところでございます。
今後とも、学力向上クリエイト事業をより効果的に進め、学校の主体的な取組みを支援することで、学力向上に努めてまいります。

登壇2

 2問目です。

まず、企業立地促進制度は改正すべきであると、私は次のように指摘します。

第一に、パナソニック、PDP社の認定事業計画が大きく変更されたことにより、ピーク時2,799人の雇用人数が、今は984人で1/3に激減し、市内からの雇用人数でも440人から140人へと1/3に激減しているとの答弁でした。

 PDP社は企業立地促進制度の目的を達成しておらず、昨年12月議会で私は、軽減した税の返還を求めよと質問しましたが、当局は条例上、遡及して返還を求める規定がないとの態度でした。 条例改正が課題であります。

 次に、この制度は、平成17年に尼崎市内では南部を中心に約38万平方メートル、甲子園球場の10倍もの広大な工場跡地などの低未利用地があり、そこに企業立地を図りたいというのがもともとの趣旨であったはずです。

 甲子園球場で10カ所分から、1.7か所分まで低未利用地が減りました。これには物流倉庫などこの制度の対象外の流通産業の立地がかなりの面積を占めていると思われます。

そこで、第二として、他都市から事業所が転入する場合や工場跡地などに新規に事業所が立地する場合は建物の建設、新規設備の搬入、雇用増など企業立地の効果は、誰がみても分ります。

そこで問題提起です。低未利用地の活用ではない現在の事業所敷地の中で、企業立地促進制度がなくても、資金能力のある大手企業が経営上の方針で老朽化した建物等の建替え、設備の更新、増設等をする場合は、この制度の認定の対象にするべきではないと考えます。制度を見直すべきです。

第三に、県道園田西武庫線道路整備など公共事業を要因として、建替移転する場合も、補償費の対象にすることもあるとの考えのようですが、いかがなものかと思います。
 それなら、そのことを条例に明記する改正が必要です。

Q9.そこで質問します。

 企業立地促進制度については、本来の税収の確保を図るべきとの問題提起について、市長はどのように考えますか、また、企業立地促進条例は改正の必要があると考えますが、いかがでしょうか。
答弁願います。

次に、市立幼稚園教育振興プログラムについての2問目です。

 1問目の答弁に納得していませんが、続けて質問します。9月議会で明らかにしたように、東園田地区から豊中市の私立幼稚園に、90人も入園し、尼崎市から私立幼稚園就園奨励金の補助を受けて、保育料を納めています。

 教育長が答弁したように、「尼崎の子どもの幼児教育は尼崎で」が基本であるべきです。
東園田地区では幼児教育を希望している子どもの人数に比べて、幼稚園の定員が少ないのは明らかです。私立幼稚園がない東園田地区では、園和北と園和の両幼稚園を存続すべきです。

仮に、園和幼稚園が廃止されると戸ノ内地区から市立幼稚園に入園希望する場合は、競馬場近くの園和北か小園に行ってくださいとの説明ですが、1.5kmをはるかに超える遠距離で、市バスも乗換えとなります。小園幼稚園だと藻川を超えなければならないなど、通園に同行する保護者自身がとても行けないということになります。

この点からも、園和幼稚園を最終的に廃止することは問題があります。
また、園和幼稚園の存続を願って、昨年1万2千筆を超えるなど、地域ぐるみで、存続を求める強い要望が議会に提出され、市長、教育長にも届けられています。

1問目で述べたグループ方式で、園和が定員を確保していて、仮に園和北が定員を続けて割り込んでも園和北を残し、定員を確保している園和を廃止することは絶体に住民合意は得られません。

住民合意が得られていないのに廃園する条例を提案して、議会に判断を委ねるようなやり方はすべきでありません。

Q10.質問します。

 暫定園の廃止に住民合意が得られない園は存続すべきであり、耐震化した上で園和幼稚園は存続園にすべきと考えますが、いかがですか。

次に、公共施設の最適化についてです。

園田支所と園田地区会館の複合施設の設置場所については、6月議会で「園田地区会館の場所に設置を」求める東園田地区の園和連協と傘下の13単組会長が連名で市長あての要望書を提出していることを紹介しました。ところが東園田地区ではない、東高校跡地を複合施設の場所に書き加えた「素案」に対して、異議を唱える大きな声がでることは十分に予測できたはずでした。

70人程度の参加者しか見込まず、実際には100人を超える参加者に市の担当があわてふためいたようです。答弁で釈明がありましたが、東園田地区から多くの参加者があったことは、今の場所で残して欲しいという熱意の現れです。

 市内の地区会館でももっとも利用率が高く、園田地域全体から利用することで定着していること、東園田地区にあってこそ藻川と猪名川に囲まれた島之内という地理的条件で専門家による防災講演会を開き、災害時の避難所、支援センターの役割を果たせること、高齢化が進み当局が示した東高校跡地の場合は、川を越えてまで行きにくいことなどなど、地域住民は、統合施設は今の園田地区会館の場所にと強く求めています。

Q11.質問します。

統合施設の場所として、当局から、園田支所の場所、今の園田地区会館の場所、東高校の跡地の三か所が選択肢として提案されていますが、これまでのパブリックコメント、3回にわたる説明会での住民の意見から、統合施設は現在の園田地区会館の場所または東園田地区の他の場所にすべきと考えますが、いかがでしょうか。

市民の意見をどう活かすのかを踏まえた答弁を求めます。

学力向上についての2問目です。

 日本共産党議員団は、ひとりひとりの生徒に基礎学力がしっかり身につく教育条件の改善をもとめてきました。白井市政が取り組んだ少人数学級が、兵庫県を動かし今では小学校4年生まで35人学級となりました。国も少人数学級にわずかですが動きだしました。

 どの生徒がどこでつまづいているのか、どこまで理解できているのか、一人の先生が見るこどもたちの人数が少ないほど、生徒たちの学習の到達度をつかめます。どの生徒にはいま何を重点に教えればつまづきを乗り越えられるのか、これが行き届いた教育だと考えます。

 生徒たちにとって、丁寧な指導で、これまで分からなかったことが分かるようになれば、「学ぶ喜び」、「分かる喜び」が自分のものとなり、学校に行くのが楽しくなるでしょう。
つまづいたままで上の学年に行けば、ますますわからなくなり、不登校とか非行に走る要因になるのではないでしょうか。

分かる喜びが広がれば、基礎学力から活用的問題を解く力が身につくような発展や成長が期待できます。

本来、国や県の責任でヨーロッパ並みの25人学級を実現すべきでありますが、なかなかそこまでいっていません。

全国的には県レベルで中学3年まで30人学級を実施するなど、自治体の独自の取組が先行しているのが実情です。

さて、学力向上クリエイト事業とは、結局指導補助員などの人的配置の問題です。

1問目の答弁で、学力向上クリエイト事業での人的配置は、学校現場からの要望に対して、52%ということでした。

Q12.質問します。

 各学校からの要望に応える人的配置ができるよう、予算配分を増額すべだと考えますが、市長の見解を求めます。

次に、投票所の変更のあり方についてです。

 総選挙が公示されています。

今回は、突風的な解散によって、選挙管理委員会として、投票所の確保と確認、入場券の印刷、発送など早急な取り組みが必要なことは理解しています。

さて今回、5か所の投票所が前回と変更になったと広報されました。

そのうち、従来「園田地区会館」の投票所が、約500m離れた「園和北幼稚園」に変更になりました。

エリアの町会長さんが言うには、投票に行けていた90歳、100歳近いお年寄りに500m、往復で1kmも歩けと言うのは酷ではないか、しかも町会長になんの報告も相談もなかったと立腹していました。

(今回の経過でいえば、選挙管理委員会事務局が、投票所を変更しなくてもいいように地区会館の指定管理者である園田地域振興センター長に努力を求めたのかどうか、投票所を変更すればエリアの町会長などから当然説明を求められるのに、そういうことが全く念頭になかったという問題があります。エリアの町会長が立腹するのも当然です。)

投票所の変更については、こと投票率に影響することを考慮し、事前にエリアの町会長などに報告し、意見を聞くことが必要であり、今後についてはそのことを徹底していただくようよう、強く要望して、2問目を終わります。

2回目登壇の質問に対する答弁                   

答弁9.

 企業立地促進条例に基づき認定した事業計画が、短期間のうちに達成できなくなるような事態が生じている現状につきましては、非常に残念であり、制度設計時の趣旨からも想定していなかったものであります。

このため、他都市における企業立地支援策も参考にするなど、操業後短期間で認定事業を廃止した場合の対応について検討しているところでございます。

また、御指摘のありました大企業及び公共事業による移転補償の建替えなどに伴う企業立地促進制度の適用に関しましても、一定の検討を行ってまいります。

答弁10.

 市立幼稚園教育振興プログラムは、入園応募者数に見合った定員を確保することを前提に園数を9園に集約し、それにより、生み出した財源をもとに、各年齢における複数学級の実現や特設学級の全園設置、未就園児を含む子ども達の成長や発達の相談に応じるなど、本市の幼児教育の充実を図ろうとするものでございます。

しかしながら、保護者の皆様からご意見をお聞きする中で、先ほどもお答えいたしましたように、ルールをもって暫定的に存続する園を設け、段階的に集約するとしたものでございます。

 耐震補強工事につきましてば、入園応募者数等の推移を見ながら、検討してまいりますが、将来的には、市立幼稚園の数やその配置は、プログラムでお示ししておりますとおりと考えております。

答弁11.

 3月の市民説明会では、東園田地域にお住まいの方から、複合施設の設置場所は地区会館の現在地にして欲しいとのご意見をいただいております。また、今回、11月に行った市民説明会でも、105人の参加者のうち、藻川の東側にお住まいの方80人弱(77人)のご参加をいただくなかで、同様のご意見が寄せられたところでございます。

一方、川の西側に位置する東高校跡地や、園田支所の現在地での建替えを望まれる声も多くございます。

引き続き、地区の皆様との協議、意見交換を進めるなかで、地区全体のご意見を集約し、複合施設の設置場所を決定してまいりたいと考えております。

答弁12.(稲村市長から)

私も一人ひとりの児童生徒のつまずきに応じ、きめ細かな指導をするための人的配置の必要性は認識しております。

ただ、小中学校における教員は、県費負担であることから加配も含めた人的配置は、本来、県教育委員会が行うものであり、実際、現在も35人学級や少人数指導などに必要な加配教員が配置されているところでございます。

その上で、市独自でご指摘の学力向上クリエイト事業による指導補助員をはじめ、計算力や言語力の向上を目的とした人的配置も進めているところであります。

今後とも、教育委員会と連携を取りながら、必要に応じて学力向上施策の更なる充実を図ってまいります。

登壇3

・企業立地促進制度については、見直しを検討するということでした。
  
・市立幼稚園の問題では、その輪幼稚園の存続、園田支所と園田地区会館との複合施設の場所については、住民とともにたたかっていきます。 

 学力向上に必要なのは、指導補助員など人的配置の問題です。

 子育て世帯が他都市に転出している要因として、「尼崎市の教育と子育て支援に不満がある」と、市の調査結果が出ています。

 本来、国の制度として、ヨーロッパ並に25人学級などを実現するべきです。
また、市長も子育てする現役世帯の定住、転入の促進をめざし、都市の体質転換を図ることを重点に取り組みたいと表明していたと理解しています。

 各学校ごとに課題が異なるため、学校の主体的取組に対応しようという方針であれば、厳しい財政のもとでも、学力向上クリエイト事業は、各学校からの要望に100%応えられる人的配置と予算配分を行うべきです。

 1日目、未来への投資だとして真崎議員が中学校給食をもとめましたが、学力向上についても予算を惜しむべきでないと指摘して私の質問を終わります。

ありがとうございました。