教員(25才)に聞いてみた「給特法改定案」

しんぶん赤旗6月4日付

全て必要な労働時間
給特法改定案 参考人が批判
参院文科委で吉良氏が質問

 

参院文教科学委員会は3日、教員給与特別措置法(給特法)改定案の参考人質疑を行いました。
改定案には、労働時間と見なさない「時間外在校等時間」という文言が組み込まれ、公立学校の教員への残業代不支給の枠組みを残しています。

 本田由紀・東京大学教授は、時間外在校等時間の実態は明らかに労働時間であると指摘。「教員にとって全ての時間が必要な『労働時間』であり、時間外在校等という言葉により明らかな労働時間に報酬を支払わない改定案には大きな問題がある」と批判しました。

教員(25才)
「ほんま、それ!です。わたしたちは教材研究も授業準備もすべて労働です!時間外在校っていうのは、教員が勤務時間外にも学校に残って仕事をしている時間で簡単に言えば、「定時(通常の勤務時間)が終わった後も学校にいる時間」で、一般社会で言えば「残業」!」

 日本共産党の吉良よし子議員は、教職調整額など教員の処遇に関して、特別支援学校・学級に支給する特別支援調整額の引き下げは不公正で、特別支援教育の軽視になるのではないかと尋ねました。本田氏は「軽視そのものだ」と述べました。

 吉良氏は、学校現場に必要なのは教員同士の負担を軽減する『同僚性』が発揮される共同性だとして、新たに創設される「主務教諭」は階層をつくり共同性を妨げると主張。本田氏は「お互いに相談し分かち合うことが重要で、一部の教員に主務と名指しし、他の教員と差をつけることは弊害しかない」と述べました。

 吉良氏は、長時間労働の改善には持ちコマ数の削減と基礎定数の改善が必要ではないか質問しました。

 青木栄一・東北大学教授は「まずは学校あたりに1人定数を増やすことがいい」と答弁。鍵本芳明岡山大学教授は、小学校の教員の持ち時間数軽減が最も重要だとして「計画的な教員数の改善が大切だ」と述べました。本田氏は、学校あたり1人も増やせていないとして「さまざまな手を尽くして定数を増やしてほしい」と強調しました。

教員「大学の同期には特別支援担当の人も多い。専門性が高く教材研究なども子どもの発達を細かく見て研究を重ねて手作りもしてやっている。勉強することもとても多くて、ニーズも多くなっているのに、特別支援調整額の引き下げはありえない!
若手からベテランまで学年団で一緒になって、みんなで問題を共有して解決しようと頑張る教員集団がある学校では、結局、不登校も減り学校が風通しがよく、若手がつぶれない。教員の間に格差や上下関係をつくっても今、学校が抱えている問題の何の解決にもならん!
現場で一番欲しいのは教員の数。複数の目でクラスを見れる余裕。そして少人数学級!部活の地域化より先にすることがあると思う。」

…文科省、もっと現場の声を真摯に聞くべきでは??とつくづく思います。

最後に、この教員の同期の教員たちはどんどん辞めていっているそうです。

将来を担う先生たちが疲弊して去っていく学校にしてはなりません。