2011年6月議会 廃園計画は白紙撤回を!

日本共産党尼崎市会議員団ニュースNo.132 (2011.7.7.)

市立幼稚園統廃合案 18園⇒9園 廃園計画は白紙撤回を!

尼崎市教育委員会は、今年5月に「尼崎市幼稚園教育振興プログラム(素案)」を発表しました。「素案」は、市立幼稚園教育充実の「6つの柱」を打ち出しましたが、その中で「各園で複数学級を設ける」として、現在18園の市立幼稚園のうち9園を廃止する計画です。

園児と保護者に大きな負担

「プログラム(素案)」では、地図上に市立幼稚園を中心に半径1・5㎞の円を描いて、ちょうど収まる9園を「残す」としてます。市教委は「徒歩30分圏内」といいますが、円の中に入らず除外される地域や、小学生よりも遠距離通園になる園児が多数出てしまいます。

保護者からは、「30分以上かかり、子どもが疲れてしまう」「雨の目や、多人数の子ども世帯では自転車で通えない」などの意見がでています。

また市教委は、「小学校との連携を推進し、幼稚園教育の充実を図る」といいますが、園児のための連携でなく、幼稚園教師と小学校教師の連携のことです。現在でも小学校に隣接する幼稚園も多く、再配置しなくても工夫すれば幼小連携は可能です。

地域の子育て支援に逆行

さらに、幼稚園-小学校-中学校と地域のなかでの子育てという点からも、強引な再編は子育て支援に逆行し、地域のまちづくりにも影響するものです

もともと「行革」計画

市立幼稚園については市の行革推進プランの中で「幼児教育の振興及び運営体制の効率化」として検討されてきたもので、「素案」では、9園廃止の財政効果は約1億8000万円と記載されています。

廃止・再編ありき

「素案」作成に先立って昨年設置された「市立幼稚園あり方検討会」では、幼稚園教育振興を検討してきたものの、報告書をまとめる段階で「検討会がプランに基づき設置されたことを知らなかった」「統廃合が前提であれば委員は受けなかった」などの意見が続出。報告書では「一同」の名で、「非常に苦しい選択を迫られました」と書かれています。「行革」の前提条件がついた報告書は、幼稚園の廃止・再編ありきだったのです。

「廃園」知らせず条例提案は拙速

「素案」について、保護者や一般向け説明会、パブリックコメントがおこなわれましたが、市報では廃園計画の記述がなく、ほとんどの住民に知らされていません。

これほど重要な内容を、5月に「素案」を発表し、9月議会に条例改正案を提案することは、あまりにも拙速すぎます。

日本共産党市議団は、住民合意のない再配置計画、9園廃止を盛り込んだ「幼稚園教育振興プログラム(素案)」は撤回すべきだと考えます。

「廃止」予定の幼稚園

大庄幼稚園 武庫北幼稚園 園和幼稚園 梅園幼稚園 富松幼稚園
武庫庄幼稚園 博愛幼稚園 立花束幼稚園 武庫南幼稚園