2017.3月予算議会での辻おさむ議員の代表質疑の発言と答弁要旨

第1登壇

おはようございます。辻おさむです。日本共産党議員団を代表して、施政方針、予算案と関連議案にたいし代表質疑をおこないます。

まず最初に、故・荒木伸子議員の死去に際し、心から哀悼の意を表し、御冥福をお祈り申し上げます。

さっそく質問にはいります。

市民を取り巻く経済情勢について

まず、市長に、市民を取り巻く経済情勢の認識について、伺います。アメリカ大統領に、ドナルド・トランプ氏が就任しました。大統領選挙では「サンダース現象」もふくめ、グローバル資本主義、新自由主義の経済政策のもとで、格差と貧困の広がりという深刻な行き詰まりと矛盾の一つの反映だと考えます。各国のリーダーが、懸念を表明する中で、日本の安倍総理だけが、トランプ大統領との個人的な関係をつよめています。初の首脳会談は、経済面でもトランプ氏の「アメリカ第一」「国内雇用拡大」の要求に応える形で「日米経済対話」の設置を合意しました。「アメリカ第1主義」を掲げるトランプ氏にたいし、あいかわらず「日米同盟」の強化をめざすことは危険です。1989年から90年にかけて、当時のブッシュ大統領(父)のもとで「日米構造協議」がすすめられ、大規模小売店舗法(大店法)の見直し、日本の「内需拡大」と称し、10年間で430兆円、その後630兆円に増額された「公共事業」費の増額の合意が結ばれました。その後、日本各地での歯止めのない大手スーパーの進出が地域経済を衰退させ、不要不急の大型事業が乱開発を招き、財政を破綻させてきました。 尼崎でもグンゼ跡地、現在の「つかしん」での商業調整を最後に、大店法が廃止されたなかでスーパーの進出がつづき、市場・商店街が衰退しました。 また、阪神尼崎駅前の空中回廊をはじめ、公共事業をすすめたのもこの頃です。公債費が膨れ上がり、現在でも、他都市にくらべて将来負担比率が高く、市財政の厳しさの原因ともなっています。「日米経済対話」が、日本や、日本の地方行政に、どのような影響があるか、具体的な施策の進展を、警戒感をもって注視していきたいと思います。さて、国内では、アベノミクスのもとで、「超富裕層はますます富み、国民全体の所得が低下するなかで、中間層が疲弊し、貧困層が増大している」のではないでしょうか。格差問題は、一部の貧困層だけの問題ではありません。いまや、倒産、失業、リストラ、病気、介護などで職を失えば、誰もが貧困に陥ってしまう経済社会となっているのです。総務省がこのほど発表した2016年の家計調査報告の年報(速報)によりますと、消費支出全体は名目で1.8%の下落、消費者物価の上昇を差し引いた実質でも1.7%の下落となっており、消費の停滞は明らかです。消費支出の内訳を名目でみてみると、食費が1.5%の増加ですが、住居費は7.0%の減少、被服及び履物も4.3%の減少となり、光熱・水道、家具・家事用品、交通・通信、教養娯楽などを含め、軒並み支出が減っています。実質でも同じ傾向です。着るものや娯楽も我慢して、食費を賄っている姿が明らかです。この結果、2016年の消費支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は2015年より0.8%悪化して25.8%と、1987年以来29年ぶりの高水準となりました。勤労者世帯のエンゲル係数は、2013年から16年でみると、22・1%から24・2%と、毎年上がり続けています。「エンゲル係数」は、一般的に数値が高いほど生活に余裕がなく、生活が貧しいと受け取られています。日本では経済成長とともに、長期的には低下が続いていました。ところが、安倍政権になって、4年連続上昇をしていることは、まさに異常事態といわなければなりません。消費税増税の延期そのものが、アベノミクスの破たんを物語っています。この間、個人市民税の納税義務者は増えています。しかし、1人当たりの所得は、尼崎市民で304万円です。阪神間では、西宮・408万円、伊丹・320万円、宝塚・388万円、川西・334万円、三田・355万円と、尼崎の304万円が最も低くなっています。

 Q,市長は、新年度予算の編成にあたり、アベノミクスのもとで、市民の経済環境をどのように認識しているのでしょうか? 考えをお聞かせください。

答弁 稲村市長

 本市の経済環境を推し測るうえで、関連する指標をいくつか例示いたしますと、まず、有効求人倍率については、平成28年12月の値が1.48で、過去最高となるなど、近年は、改善傾向で推移している状況にあります。また、このような雇用情勢の改善等を背景に、納税義務者の総数や-人当たりの所得、市内の利益計上法人の割合が増加傾向にあるほか、生活保護における被保護者数の減少が見込まれるなど、数字の上では、改善が表れてきていると認識しています。しかしながら、こうした指標のみをもって、市民の経済環境が改善したと捉えるのではなく、引き続き、尼崎版総合戦略や施策評価結果も踏まえながら、経済の好循環と「しごと」の安定を目指す取組を推進していく必要があると考えております。

総合戦略と新規・拡充事業                     

こうした市民の厳しい経済環境のもと、市長は、予算編成にあたって、【総合戦略の3つの基本目標】として、(1)ファミリー世帯の定住・転入を促進する、(2)経済の好循環と「しごと」の安定を目指す、(3)超高齢化社会における安心な暮らしを確保する―を掲げられました。これらの項目にそって、質問していきます。

ファミリー世帯の定住・転入を促進する子ども・子育て支援の充実

子ども医療費無料化                     

最初に、「ファミリー世帯の定住・転入を促進する」ための「子ども子育て支援」としての「子どもの医療費無料制度」についてです。2015年(平成27年)10月に「尼崎の住まいと暮らしに関するアンケート調査」の結果が発表されました。「今後、引っ越しするとした場合、引っ越し先を選ぶ際にどのような行政サービス・制度を参考にしようと思うか」との問いに、「乳幼児医療等の助成金額や助成期間」が43.8%で高い比率での回答でした。多くの若い保護者が、尼崎市の子育て支援を不満に思っている現れです。こども医療費の無料化は、貧困対策ではなく、多くの子育て世帯の強い要望となっています。全国で乳幼児医療の無料が広がる中で、国も昨年12月に通達を出し「平成30年度より、未就学児までを対象とする医療費助成については、国保の減額調整措置を行わないこととする」とペナルテイーを緩和することを明らかにしました。兵庫県下の自治体でも「子どもの医療費」は、通院も入院も中学3年生まで無料がほとんどであり、通院が有料なのは、尼崎、伊丹、神戸等6市1町のみとなっています。このままでは中学校給食と同様に、兵庫県下の自治体からも取り残されてしまいます。住むところで子どもの医療に格差があってはならないことです。無料化は全国的な流れです。昨年12月1日、「六星会」が、市長に要望書をだされました。6地区の共通要望事項の一つに「中学3年生までの医療費無料化」が含まれています。要望書には「子どもは、社会の宝であり、社会全体で育てるという観点からは、親の所得によって制限を設けるということや自己負担が伴うということは適当でないと考えます。尼崎市の財政状況の厳しさは重々承知しておりますが、中学生までの医療費の負担減少について、ご尽力くださいますようお願い申し上げます」と書かれています。いまや中学3年生までの医療費無料化は、市民的要求です。

Q,そこでお尋ねします。 ファミリー世帯の定着をすすめる上でも、子どもの医療費について、通院も入院も所得制なしの無料制度へと前進させるべきではないでしょうか?方向性について市長の考えをお聞かせ下さい。

答弁 稲村市長

 子どもの医療費助成事業については、本市では、県制度を超えて、平成24年フ月から、入院無料化の対象範囲をそれまで「小学3年生まで」としていたものを「中学3年生まで」に拡充し、通院無料化の対象範囲を「3歳未満児」としていたものを「就学前児」に拡充しました。また、平成25年7月から、通院の助成対象をそれまでΓ小学6年生まで」としていたものを「中学3年生まで」に拡大してきました。こうした中、中学3年生まで完全無料化を実施すると、新たに約4億円の財源が必要となるため、現段階では実施は困難と考えています。しかし、子どもの医療費助成は低所得者対策の側面だけではなく、子どもは社会全体で育てるという観点もあることから、地方公共団体の独白事業ではなく、国においてナショナルミニマムとして必要な財源措置を講じる必要があると考えており、引き続き全国市長会などを通じて働きかけを行っていきます。

 

保育の量確保事業                                      

 次に、保育の量確保事業についてです。「保育園落ちた。日本死ね」のつぶやきへの共感が日本中に広がったのは、それだけ深刻な状況があるからです。2015年(平成27年)度に「子ども・子育て支援新制度」が始められ、保育施設の定員は、2015年(平成27年)度に720人、2016年(28年)度に424人増えています。

Q,お尋ねします。2015年度・16年度に定員が増えたのは、どういった保育施設で増えたのでしょうか?また、29年度の待機児の見通しと、対応はどのようにしようとしているのでしょうか?

Q,また、小規模保育事業は定員19人までで、0~2歳児に対応しますが、3歳になると保育所などで対応しなければなません。いわゆる3歳の壁です。連携施設での受け入れは、うまく行くのか、見通しをお答えください。

答弁 稲村市長

 平成27年4月からの子ども・子育て支援新制度の施行により、ご指摘のとおり、27年4月時点では前年に比べて720人、28年4月時点では424人の保育の量の確保を行ったところです。その内訳といたしましては、分園の設置など認可保育所の定員増が267人、幼稚園から認定こども園への移行による定員増が618人、小規模保育事業の新設による定員増が259人となっております。次に、平成29年4月の待機児童数の見通しについてでございます。本市では只今申し上げた保育の量の確保の取組により、平成26年4月時点の待機児童数80人が、27年4月時点で68人、28年4月時点で47人と減少してきておりますが、北部地域を中心に引き続き保育需要は増えており、平成29年4月に向けましても114人の定員を増やすこととしております。そのような申、来年度向けの利用申し込みにつきましては、できるかぎり多くの皆さまが利用できるよう、現在もなお、保護者の希望や各保育施設の受入れ状況を再確認するなどの調整を続けているところでございますので、現時点におきましては、来年度の待機児童数の見込みを申し上げることはできません。なお、今後の保育の量の確保策といたしましては、平成29年度予算案において、保育所の新設や改築の推進を図るとともに、地成型保育事業への新たな事業者の参入促進など待機児童の解消に向けた取組を計上させていただいたところであり、今後、更なる待機児童の解消に取り組んでまいります。

答弁 稲村市長

 小規模保育事業所は、O歳から2歳児までの児童を19人以下の少人数の定員で受け入れる事業でございますが、就学前までの保育環境を確保するしくみとして、本市ではすべての事業所がその後の保育を受け入れてもらう連携施設を確保しております。利用者の皆様に対しましては当該連携施設や他の保育施設の利用調整を行うことで、現在、これらの児童の受入れに支障は出ておりません。

 

児童ホーム整備事業

次に、児童ホームの待機児問題についてです。就学前の保育所の待機児については、小規模保育で対応していますが、学齢期に入ると、今度は児童ホームへと移ります。尼崎の児童ホームの待機児童の現状はどうでしょうか。昨年度の全国の放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)が利用できなかった「待機児童」は、1万7203人に上ります。中核市47市で3400人です。尼崎市は344人。中核市全体の1割を占め、八王子市の376人に次いで、全国2番目の多さです。児童ホーム整備事業では、「評価指標」として、「入所希望児童が、児童ホームに全員入所できるよう、定員数の拡大を図ることは喫緊の課題であり、子ども・子育て支援事業計画に基づき施設整備を行い、待機児童の解消を図る」としています。しかし、新年度では、小園児童ホームを増設しますが、定員は40人です。これで解消できるでしょうか。児童ホームの待機児童解消は、ファミリー世帯の定住にとっても重要です。

Q,そこでお尋ねします。来年度の待機児童数は、どの程度を見込んでいるのでしょうか? また待機児童解消にむけて、どのような取り組みをしようとしているのか、お答えください。

答弁 稲村市長

 児童ホームの入所希望者は、子ども・子育て支援新制度施行に伴う、対象学年の拡大松などにより増加傾向にあり、現在、来年度の入所者を募集しているところでありますが、定員増を上回る入所申請があり、待機児童数については、今年度の344人を上回る見込みとなっております。来年度も、施設整備等により、武庫児童ホーム、潮児童ホームの定員を拡大するとともに、民間児童ホームの箇所数の増を図る予定です。待機児童対策は、市として重点課題であると認識しておりまして、今後とも、子ども・子育て支援事業計画に基づき、公立施設の施設整備による定員数の増とともに、民間事業者の確保等を図ってまいります。

 

病児病後児保育事業

次に、病児・病後児保育の確保について伺います。共働き家庭にとって、子どもが病気になることで仕事を休まなければならない状況は過酷です。病児・病後児保育に協力していただける医療施設は、現在の武庫地域2か所、園田地域1か所に加えて、今回、増設される県立尼崎総合医療センターの1か所を加えて計4か所となります。新たに実施医療機関が増えるのは、子育て世帯にとって朗報ですが、やはり、地域的に偏重しているのは、課題だと思います。本来6行政区に各1カ所に設置されてこそ、安心して子育てできる環境が、子育て世代に均等に保障されると思います。

Q、お聞きします。今後、病児・病後児保育が、まだ実現できていない地区にも配置していくべきだと考えますが、当局の見解をお示しください。

答弁 稲村市長

 病児・病後児保育事業につきましては、現在、武庫地区で2か所、園田地区で1か所の計3か所で実施しているところでございますが、平成29年度には、4か所目として市中央部の兵庫県立尼崎総合医療センターで実施する予定でございます。したがいまして、今後におきましては、各実施機関の利用状況を把握し、ニーズの動向を十分に分析する中で、増設の必要性の有無について検討してまいりたいと考えております。

 

就学援助

 2017年度の国の予算案で、生活保護世帯と同程度に困窮している世帯=「要保護世帯」にたいする就学援助のうち、新入学児童生徒に対する入学準備費用の国の補助単価が約2倍に引き上げられました。小学生にたいする補助単価は、現在2万470円が、4万600円に、中学生は2万3550円から、4万7400円に、それぞれ引き上げられます。日本共産党が国会で、新入生全員が購入するランドセルや制服などの費用と、就学援助が大きく「かい離」していることを指摘し、抜本的に引き上げるよう要求したのにたいし、文部科学大臣が「かい離」を認め、調査と対応を約束。文科省が新入学費用の実態を調査し、財務省に引き上げを折衝した結果、生活保護の教育扶助の単価まで、引き上げられることになったわけです。今回の「要保護世帯」への補助単価引きあげによって、「准要保護世帯」の就学援助についても問われてきます。准要保護世帯にたいする国の補助は2005年に一般財源化され、援助の種類や単価は自治体の裁量に任されています。多くの自治体では、国の補助単価や教育扶助の単価を参考に設定しており、各自治休では、新入学費用の高騰に対応じた援助単価の引き上げが求められてきます。

Q,そこでお聞きします。尼崎での「准要保護世帯」の就学援助の単価はどうなっているでしょうか。「要保護世帯」への補助単価引きあげを参考に、「准要保護世帯」の単価も引き上げるべきではありませんか? お答えください。

答弁 教育長答弁

 本市における準要保護世帯の就学援助の単価は、現在、要保護世帯に対する国が定める単価に準拠しております。しかしながら、要保護世帯に対する「新入学用品費」の補助単価引き上げにつきましては、平成29年1月30日付けで通知があったところであり、準要保護世帯への対応は、来年度予算に反映しておりません。教育委員会といたしましては、準要保護世帯の単価について、従来からの考えを踏襲し、要保護世帯の単価に合わせることが適当であると考えますが、準要保護世帯に係る就学援助費につきましては、一定の財源が必要となることから、引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。

 

 入学準備金について、今年2月4日の朝日新聞によりますと、「支給時期を前倒しする自治体が増えている。」「少なくとも全国の約80市区町村が、入学後から、制服購入などで出費がかさむ入学前に変更していた。子どもの貧困が問題化するなか、前倒しはさらに広がりそうだ」と報じています。

Q,そこでお聞きします。入学準備金は、入学準備に費用が必要になる入学前に支給を前倒しすべきだと考えますが、いかがでしょうか?また、その際に市が必要になる予算はどれぐらいでしょうか? お答えください。

答弁 教育長答弁

 新入学用品費につきましては、準要保護児童生徒を対象に、毎年6月1日に決定されます世帯の所得をもとに、就学援助の審査において可否を決定し、7月下旬をめどに支給しているところでございます。これまでからご答弁させて頂いておりますとおり、入学前の支給を望む声は一定理解できるところではありますが、税負担であることから直近の所得等、家庭の状況をもとに適正な審査をすることが重要であり、現状では年度前の前倒し支給は、困難であると考えております。準要保護世帯に対する新入学用品費につきましては、平成29年度予算2941万5千円を計上しているところでございますが、要保護世帯への補助単価引き上げを準要保護世帯にも適用し支給した場合、ほぼ倍額の約6千万円が必要と試算しております。

 

中学校給食

次に中学校給食についてです。中学校給食については、全国の約8割の中学校で実施され、いまや「あって当たり前」の状態です。中には、給食費への補助をおこなう自治体も増えており、北海道、千葉、山梨、兵庫、沖縄の5道県だけでも、342自治体のうち47%の163市町村が独自に給食費補助制度を実施しています。また全額補助で給食費を無償としているのは、全国で少なくとも62自治体となっています。子育て支援、子どもの食育の観点からも、尼崎での中学校給食が急がれます。同時に、今後50年、100年にわたる尼崎の子どもたちの食育を担うのですから、できるだけ良いもの、安全な中学校給食にして行くことが必要です。東京立川市の1000人もの集団食中毒は記憶に新しいところですが、立川市の場合は協同調理場での発生です。一般的に自校方式より、センター方式の方が被害が広がる危険があると考えられます。

Q、そこでお聞きします。尼崎での中学校給食について、検討委員会の検討が大詰めを迎えているようですが、その進捗と、検討委員会としての結論はいつごろでる予定なのか、お答えください。

答弁 教育長答弁

 本市の中学生にとって望ましい給食の実施に向けた検討を行うため、中学校給食検討委員会におきまして、給食の実施方式やさまざまな課題に対する対応などの協議を重ねてまいりました。検討委員会では、毎回、多くの活発な意見交換がなされ、会議の回数を当初の予定より2回増やし、他の自治体の中学校給食の視察についても2日間にわたり実施するなど、熱心にご協議していただきました。現在、検討報告書としてまとめるための最終調整を行っているところでございます。この検討報告書につきましては、3月下旬の教育委員会定例会で報告を行ったのち、4月以降、公表してまいりたいと考えております。

Q、また、検討委員会の結果が出たあと、実施にむけた教育委員会での計画づくりは、どのようにすすめるのでしょうか。またその計画について、市民の意見を聞く機会をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

答弁 教育長答弁

 行政計画につきましては、検討委員会からの報告書を踏まえ、平成29年度に策定してまいります。また、行政計画の策定にあたりましては、「市民意見聴取プロセス制度」に基づき、まずは素案作成前の、熟度の低い段階で検討報告書を公表し、市民のご意見をお伺いし、次に検討報告書及び市民のご意見を踏まえた素案を作成したのち、パブリックコメントを行った上で、最終的な行政計画案を策定してまいりたいと考えております。

 

学校教育・社会教育と人材育成

尼崎市子どもの生活に関する実態調査事業

次に、「尼崎市子どもの生活に関する実態調査事業」について伺います。この事業は、「子どもの貧困対策の効果的な支援のあり方を検討し」「貧困の連鎖を断ち切る施策の立案に活用することを目的に、本市の現状を正確に把握するため本調査を実施するもの」とされています。NHKが「見えない貧困」をテーマに、いくつかのドキュメントを放映しています。昨年は、ニュース番組で「家庭の経済事情で進学をあきらめた」という高校生が登場したのですが、映し出された映像からは「貧困家庭に見えない」という意見が相次ぎました。しかし、今年2月12日、NHKスペシャル「見えない“貧困”~未来を奪われる子どもたち~」が放映され、大きな話題となりました。今年度、自治体や国が初めて実施した大規模調査をもとに、「新しい服が買えない」「アルバイトで家計を支えている」など具体的な状況が初めて可視化されました。番組では、発展途上国にみられる「絶対的貧困」にたいして、先進国型の「相対的貧困」に注目し、世帯1人当たりの手取り収入を分類し、中央値の半分以下の世帯を「相対的貧困」世帯と位置づけ、分析をしています。とくに、5万人を調査した大阪府が取り上げられました。私が驚いたのは、「スマートホン・タブレット機器」を持っている割合が、中央値以上の裕福な家庭が56.5%だったのに対し、「相対的貧困」家庭では、61.5%と高くなっていることです。番組では、その理由を、親が仕事で家にいないので、「スマホ」が子どもの安全を確認する唯一の手段になっているとの説明があり、私も納得できました。まさに外見からは「見えない貧困」です。そのほか、「ゲーム機がない」「自転車がない」「テレビがない」率も多く、「人とのつながりの欠如」。「家族旅行ができなかった」「学習塾や習い事に通わせることができない」「本が買えない」など、「教育や経験の欠如」がみられ、その結果、「頑張れば報われる」とは「思わない」、「自分には価値がある」と「思わない」率も高くなっています。そうした「子どもの貧困」を放置することで、「進学率の減少」「非正規雇用の増加」「収入の減少」がおこり、42.9兆円もの経済損失があると試算しています。

Q、お尋ねします。「尼崎市子どもの生活に関する実態調査事業」は、他の自治体が行ってるような「子どもの貧困」「見えない貧困」を掌握できる内容と規模を考えているのでしょうか?また、調査結果にもとづく対策をどのようにすすめるのでしょうか? お答えください。

答弁 稲村市長

 「尼崎市子どもの生活に関する実態調査事業」は本市の子ども・子育て家庭の現状や本市特有の課題の有無などについて分析できるよう、市内の公立学校に通う小学5年生と中学2年生の児童生徒及びその保護者に対して全数調査を予定しております。また、質問項目につきましても、他都市事例を参考に、子どもの生活状況については、食事の状況や持ち物に関すること、子どもの自尊感情に関することなど、また、保護者の生活状況については、就労状況や、子どもの進学に関すること、世帯の経済状況などの内容を検討しています。これらの調査結果を基に、既存施策の効果検証を行った上で、本市の実情に則した施策展開を図る考えです。

 

学びと育ち研究機関設置運営事業・不登校対策事業

市長は、旧聖トマス大学跡を「あまがさき・ひと咲きプラザ」として、「学び」と「育ち」に関しての様々な機能をもつ施設・エリアとして整備されようとしています。現場の教職員や研究者、また学びと育ちに関する機能が集中することで、総合的に機能する条件も生まれることから、今後の運営を注目していきたいと思います。ただ、関係者が集中することは、それはそれで利点もあるのですが、市民が利用するとなると、市域のなかで、交通の利便性もふくめ、たいへん利用しにくいのではかいかと思っています。その点で危惧されるのが、不登校対策事業と青少年センターの問題です。子どもたちが利用する施設が、居住地と遠く離れているのは、好ましくありません。青少年センターは、放課後の子どもの居場所、活動の場としての役割を果たしています。しかし利用者は近隣の子どもがほとんどです。今回、公共施設マネジメント計画の中で、青少年センター施設を移転をする方向性が示されました。また、不登校対策事業では、地域6地区での「サテライト学習支援」として地域の公民館等での学習支援の拡充が打ち出されています。しかし、適応教室=はつらつ学級や、青少年センターが旧聖トマスに移転することで、果たして全地域から子どもが集まるのか、武庫・大庄地域からはあまりにも遠く、交通の便が悪すぎます。

Q,そこでお聞きします。「はつらつ学級」と青少年センターは、その機能を地域に分散させるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 

答弁 稲村市長

 不登校児童生徒を支援する「はつらつ学級」につきましては、今年度、立花西地域学習館から暫定的に旧聖トマス大学内の学生会館に移転しましたが、現在、市内全域から児童生徒が通級しております。来年度からは、「はつらつ学級」を適応指導の中心教室としつつ、市内各地区の公民館等を利用した「サテライト学習支援」を展開することで、今まで以上に児童生徒の実態に応じた、きめ細やかな支援をしてまいりたいと考えております。一方、青少年センターにつきましても、ご指撞のとおり、青少年施策の拠点施設としての機能を「あまがさき・ひと咲きプラザ」に移転することにしております。この機能移転に際しましても、「子どもの育ち支援・青少年施策の今後の方向性」の中で記載しておりますとおり、拠点施設での施策展開だけでなく、全市展開を図ることにしており、青少年の居場所づくりを始めとする各種青少年施策を地域の公共施設等でも実施する方向で、今後具体的な事業内容等について検討してまいります。

 

公共施設マネジメント計画について             

 次に、公共施設マネジメント推進事業費について伺います。昨年12月に「第1次尼崎市公共施設マネジメント計画(方針1:圧縮と再編の取組)(素案)が発表されました。同事業費は、これを具体化していく事業ですが、来年度予算に計上されているものの、すでにパブリックコメントと市民説明会が行われています。

Q、まずお聞きします。まだ集計中かもしれませんが、パブリックコメントの応募数と、主な意見はどのようなものがあるでしょうか。お答えください。

Q、また、市民説明会の参加者数と、主な意見についてもお答えください。

 

答弁 稲村市長

 第1次公共施設マネジメント計画素案に係るパブリックコメントは1月に、市民説明会については、2月に6地区で合計12回、開催しました。パブリックコメントにつきましては、552名の方から584件のご意見をいただき、市民説明会については、合計100名の市民・利用者の方々にご参加いただきました。主なご意見としては、千代木園・福喜園などの高齢者施設、障害福祉サービス事業所や身体障害者福祉会館といった障害者施設、立花公民館についての、現在地での建替えや機能移転にあたっての課題に関するものでした。一方で、施設規模を縮小した建替えや、移転先の具体的な提案、移転する場合に必要な機能整備の内容について、本市の状況や考え方に理解をいただいたご意見もありました。 

わたしも、いくつかの説明会に参加したのですが、この計画は、「あまり市民に知られていない」「わかりにくい」というのが印象です。市報でもお知らせはあったのですが、時間帯を①②③など、わかりにくい標記です。ホームページでも、資料は見られませんし、いただいた資料でも、「機能移転」だとか、「機能の見直し」などという表現は、見ただけでは、よくわかりません。よくよく聞くと、「機能の見直し」というのは、今やっている事業は、廃止か縮小。「機能移転」というのは、別の場所にうつして、今の建物は廃止しますということ。表示方法が不親切というか、わざと「わからんようにしているのか」と言いたくなる表現です。説明会の中で、立花公民館には、大勢の方が来たと聞いています。各地の説明会は、すべて公民館で行われました。見直し対象の施設で説明会が開かれたのは、立花だけです。それだけ関心が高かったのでしょう。

Q、そこで質問です。まず、施設の利用者に、意見を聞くのであれば、対象の施設で説明会を開くべきです。いかがでしょうか?

答弁 稲村市長

 このたび開催いたしました市民説明会においては、本市の公共施設を取り巻く非常に厳しい状況に加え、将来世代に過度な負担を強いることなく、公共施設の量、質、運営コストの最適化を目指してい<基本的な考え方や取組について、まずは知っていただくことを、大きな目的としていました。あわせて、様々な選択肢があることも想定し、今後、いただいたご意見を踏まえ、さらなる検討を進めていくことをお伝えして、開催してまいりました。今後は、見直しの具体的な手法等について、一定、整理ができた施設については、当該施設を含め、説明会を開催してまいります。

 

 さて、公共施設マネジメントについては、2014年(平成26年)4月に「尼崎市公共施設マネジメント基本方針(素案)」がだされ、同年11月に「尼崎市における公共施設の現況分析(1次評価)」、そして、2015年(平成27年)11月に「尼崎市公共施設等総合管理計画」がだされました。2015年の「総合管理計画」では、市有建築物、インフラ系施設を対象とし、市有建築物については、すべての市有建築物を対象とし、インフラ系施設については、① 道路、② 橋りょう、③ 水道・工業用水道、④ 下水道等施設、⑤ 公園・子ども広場、⑥ クリーンセンターと、6つの施設類型ごとの基本方針を定めています。また、将来費用推計にあたっては、水道、工業用水道、下水道の企業会計については、除いています。 これらの累計のうち、道路、橋りょうについては、すでに長寿命化の取り組みがすすめられています。水道・工業用水道、下水道等施設については、企業会計であり、それぞれの中期ビジョン等で、計画的に施設の維持管理が行われています。公園・子ども広場については、「長期未着手の都市計画公園・緑地について」の見直し作業がすすめられています。クリーンセンターについては、建て替え規模を見定めるために、ゴミの減量めざして、紙資源や収集頻度などの収集体制の見直しが行われています。さて、これらを踏まえて、今回発表された「第1次尼崎市公共施設マネジメント計画(方針1:圧縮と再編の取組)(素案)」は、今後10年間で概ね10%程度の削減を目標として、全公共施設約186万8千㎡から、①先行して取組等を行っている施設、約52万1千㎡、③100㎡以下の施設、約10万1千㎡を除いた、約124万6千㎡のうち、73施設を「見直し」や「維持に必要な対応などを検討する」施設として抽出されました。「先行して取組等を行っている施設」とは、「経営再建プログラム」や「行財政構造改革推進プラン」で、廃止・削減、集約・統合、移管が行われた、市民プール、児童館、労働福祉会館、学校園の統廃合、保育所、尼崎高原ロッジなどです。こうした施設の在り方について市民的な議論となったものばかりです。それほど、ひとつ一つが、重大な問題です。ところが、こうした議論からも、議会のチェックからも、のがれている施設が1つあります。それが、競艇場です。2015年の「総合管理計画」で、水道・工業用水道、下水道のインフラ系施設の検討が行われ、企業会計の中で中期ビジョンとして管理されているのは、先ほど述べたとおりです。当時、競艇場は、企業会計ではなく、市有建築物として、その後の検討にゆだねられました。そして、今回の(方針1:圧縮と再編の取組)(素案)では、「先行して取組等を行っている施設」として、見直すべき73施設から外されています。ここでもチェックの対象から外されているんです。当局は、「別途、整備計画を策定中」というかもしれません。しかし、その計画は、いまだ報告されず、公表もされていません。どれだけ削減するのか、それが妥当なのかどうか、市民も、議会も判断しようがありません。2万人収容できる競艇場に4千人しか来ていない現状で、競艇場も含めて公共施設が多いからと、千代木園、福喜園など老人福祉センターや、武庫・大庄の体育館は、機能移転だ、廃止だといっても、誰が納得できますか。

Q、お聞きします。競艇場の整備計画は、いつできるのでしょうか? どれぐらいの面積を削減する予定なのでしょうか?

Q、競艇場は企業会計になったのですから、独立採算であり、施設は減価償却で管理されるのですから、「圧縮と再編の取組」に含める必要はありません。競艇場を除外すれば、他の老人福祉センターや体育館を無理やり減らす必要もありません。競艇場を「圧縮と再編の取組」から除外すべきだと思いますが、市長の決断をお聞かせください。

 

答弁 稲村市長

 競艇場につきましては、今年度から、地方公営企業法を全部適用し、企集的理念のもと、着実に収益を確保していくことを主眼に経営を進めているところです。お尋ねの、今後の施設整備につきましては、収益確保の観点から、ファンサービスの維持・向上を図るとともに、不要老朽施設の撤去をはじめ、来場者数に見合ったコンパクトな施設づくりをコンセプトに検討しており、具体的な内容については、平成30年度中に明らかにしてまいります。なお、競艇場は企業会計となっても、本市まちづくりへの貢献という使命には変わりはなく、競艇場の維持管理経費の縮減は、繰入金の額に影響いたしますことから、「公共施設マネジメント計画」の対象としているところであり、除外する考えはありません。

 これで、第1問を終わります。

第2登壇

それでは2問目に入ります。

経済の好循環と「しごと」の安定を目指す、地域経済の活性化と、環境保全創造              

まず、地域経済と環境保全創造事業についてです。企業立地促進条例による不均一課税=税金の軽減は、2014年、15年、16年でみますと、対象は23社、20社、18社であり、金額は、1億3900万円から1億1200万円ぐらいです。そのうち大企業は、6社、5社、5社となり、金額は、1億0099万円、8388万円、6426万円と、年々減少しています。これは、3年間で打ち切りになるために、毎年、適用外になる企業が増えてくるからです。一方で、2015年(平成27年)度から、不均一課税から、いったん税金は納付してもらうものの、1年分の税金額を補助金として企業に交付する方式に変わりました。

Q,お聞きします。企業立地促進条例で、来年度、補助金として企業に交付する企業数と予定金額を、合計と中小企業、大企業に分けてお答えください。

答弁 稲村市長

 平成27年度に改正した現行の尼崎市企業立地促進制度では、製造事業所等の新たな立地や、増設等を行う場合に、家屋・償却資産に係る固定資産税等の1年分相当額を、課税年度の翌年度に奨励金として支給するものとしております。現行制度での認定件数は、平成27年度に3件、平成28年度は2月末現在でIO件の計13件で、そのうち12件が中小企業となっております。なお、奨励金の予定金額につきましては、事業所が取得した固定資産の課税年度が平成29年度以降となることから、現時点ではお示しすることはできません。

 

また、「省エネルギー活動支援事業」として「業務・産業用燃料電池導入補助事業」が来年度に導入されます。家庭用のエネファームのような、ガスに含まれる水素を利用して発電する「業務・産業用燃料電池」を企業が導入した場合に費用の一部を補助する制度です。

Q,お聞きします。「業務・産業用燃料電池導入補助事業」は、どれぐらいの件数と補助額を予定しているのでしょうか。また、この事業の補助をうけて設置された設備は、企業立地促進条例の適用を受けるのでしょうか。お答えください。

答弁 稲村市長

 「業務・産業用燃料電池導入補助事業」につきましては、平成29年度に市場投入が予定されている燃料電池を新たに導入する事業者に対し、その費用の一部を国と協調して補助するものであり、1件あたりの補助上限額は、導入費用の3分の1かつ150万円以内で、3事業所への補助を予定しております。また、この補助金を活用して設置した設備につきましても、その取得費用を合めた事業投資額が、中小企業では3千万円以上、大企業では10億円以上の企業立地促進制度の認定要件を満たす場合に、奨励金支給の対象となります。

 

高齢化社会における安心な暮らしを確保する市民とともに取り組む健康寿命の延伸

ヘルスアップ尼崎戦略事業(まちの健康経営推進事業)

次に、「ヘルスアップ尼崎戦略事業(まちの健康経営推進事業)」についてです。ヘルスアップ関連の事業はこれまでも行われてきましたが、「市民一人ひとりへの働きかけが中心」だったのを、「まち全体を健康にする取組を強化する」としています。そして事業の「実施内容とめざすイメージ」として、「①未来いまカラダ協議会の機能強化の支援」「②協議会による新たな取組の支援」と説明されています。「未来いまカラダ協議会」そのものは、これまでも運営されてきたものであり、新規事業としての位置づけが、いまいちわかりません。

Q.そこで質問です。これまでの「市民一人ひとりへの働きかけ」は今後どうするのか。個人への働きかけは限界にきているということなのか。お答えください。

答弁 稲村市長

 ヘルスアップ尼崎戦略事業は、予防可能な病気を防ぐことで、市民の皆様の健康寿命の延伸を目指した総合戦略であり、これまで10年間、健診項目の充実や本市独白の保健指導、地域での学習会などを通じて、自らの暮らし方を選択する学習の機会となるよう、様々な形でその事業充実に取り組んできました。その結果、特定健診開始前5年間では全国、県を上回っていた本市の心筋梗塞死亡率が、特定健診開始後5年間では男女とも24%減少し、全国、県を下回る結果となり、脳梗塞死亡率についても同様に滅少しました。さらに大きな成果を上げるためには、これまでの市民一人ひとりへの働きかけに加えて、より若い世代や社会保険加入者とその家族、さらには、まだお会いできていない生活習慣痍の予備群の方4に対しても、新たな働きかけを行うことが必要と考えており、そのような観点から、平成29年度から新たに「まちの健康経営推進事業」として尼崎のまちで暮らし、働くすべての人を対象とした取組を始めようとするものです。

Q.また「まち全体を健康にする」というのは、新しい概念だと思うのですが、どういった考え方、イメージなのか、わかりやすく説明をお願いします。

答弁 稲村市長

 健康の増進は、市民がいきいきと暮らし、働く基盤の一つであり、「まちの健康経営」という考え方は、市民、事業者を対象とした健康づくりの取組により、ひいては、まちの活力や魅力の向上につなげようとするものです。そうした考えでこれまでも、市と商工会議所や協賛企業、PTA連合会、社会福祉協議会などで組織された「未来いまカラダ協議会」の設置や「未来いまカラダポイント事業」を進めてまいりました。今後はさらに、市内企業が社内で行う健康増進活動を支援していくとともに、市民が継続的に健康的な習慣を続けられるようなまちの環境を作るため、減塩や野菜を豊富に取れるメニューなどを提供して下さる事業者を増やす働きかけや、健康関連商品のモニターを通じた評価と情報発信など、「未来いまカラダ協議会」で行う新たな事業をサポートしながら、行政と事業者が両輪でまちの健康経営を進めていきたいと考えています。

また、「ヘルスアップ尼崎戦略事業」を担う「ヘルスアップ戦略担当(課)、健康支援推進担当(課)が、「ひと咲きまち咲き担当局」に組織移管されます。ひと咲きまち咲き担当局」は2年間限定です。たしかに尼崎版総合戦略での位置づけがあるのですが、旧聖トマス大学跡地の整備や、尼崎城を契機にした城内地区の整備や観光の在り方など、新しい条件のもとで2年間かけて方向性を定めていくことは理解できます。しかしこれまでも行ってきた「ヘルスアップ戦略」の「部」を廃止して、担当(課)に分解したうえに、2年間限定の「ひと咲きまち咲き担当局」に編入した意図がよくわかりません。

Q、そこでお聞きします。「ヘルスアップ戦略担当()」と「健康支援推進担当()」を2年間限定の「ひと咲きまち咲き担当局」に編成した意図は、どこにあるのでしょうか。お答えください。

答弁 稲村市長

 ヘルスアップ戦略の中で新たに展開しようといたしております、ヘルスケア産業との連携に関する取組や、「学びと育ち研究機関」の先進的研究の成果について、ヘルスアップ戦略に係る健康データとしての活用を検討することなどは、複数局の事業とも密接に関連するものがあると考えております。こうした取組は、息長く、継続的に行うものでございますが、特に2年間セこれらの基盤を確たるものにし、次の展開方法も具体化したうえで、定常的な組織に引き継いでいきたいと考えております。

 

国民健康保険について 

 次に、国民健康保険会計についてうかがいます。課税所得にたいして、個人市民税の税率は6%です。ところが国民健康保険料は、均等割、世帯割に加えて、所得割が12.96%(介護納付金分を含めると最大15.84%となり)と市民税より料率は高くなっています。尼崎市は、国民健康保険料について、低所得世帯、多人数世帯の負担を軽減するための繰り入れをはじめ、9億円以上の法定外の繰り入れを行っています。しかし、それでも国保料が高すぎるという市民の声は止まりません。2018年(平成30年)度からの国保の県単位への広域化が行われます。尼崎市は、国保の収納率を県平均に近づけるとして、収納率向上の取組を強化してきました。徐々に収納率は上がってきているようですが、それで解決するでしょうか。 2015年(平成27年)度の滞納世帯の所得状況を見てみました。国保加入世帯・8万4142世帯に対し、滞納世帯は、1万4717世帯。実に17.49%にも上ります。この中には、分納誓約履行世帯も含まれています。滞納を所得別にみますと、もっとも高いのは、所得300万円未満の21.93%。次いで、400万円未満の19.69%、200万円未満の19.34%と、いずれも2割前後です。また世帯人数別の滞納率では、3人世帯で23.76%、4人世帯で35.02%と、実に3世帯に1世帯が滞納世帯となっています。さらに4人世帯を所得別にみると、200万円未満世帯では43.53%、300万円未満で42.05%と、4割を超えています。尼崎市は、いろんな名目で約9億円を一般会計から繰り入れていますが、それでもこの状態です。国保料の引き下げは、待ったなしです。当然、財源がいる話ですが、これまで、国保料引き下げのために、全国の自治体が国保会計へ繰入てきた総額は3400億円です。広域化に際して、この3400億円を国が負担することになり、市の負担はその分、軽減されます。しかし、医療費の上昇を考えると、国保料そのものが安くなることは期待できません。広域化に際して心配されるのが、これまで市が繰り入れてきた法定外繰り入れの扱いです。尼崎でこれまで実施してきた繰り入れが、広域化ののちも実施されなければ、医療費が増加し続けていることからも、国保料はさらに高くなり、国保加入者の生活を苦しめることになります。

Q、そこで質問です。国民健康保険の広域化後も、国保会計への市による法定外繰り入れを継続すべきではありませんか。市長のご所見をお聞かせください。

 

答弁 稲村市長

 平成30年4月に予定している国保の都道府県単位化に際しましては、国が国保への約3、400億円の財政支援等を実施することにより、全国市町村が行っている決算補填等を目的とした一般会計からの繰入を解消するよう位置付けられています。しかし、現時点におきましては、約3、400億円の国からの財政支援等を実施した場合を含めて、国保の都道府県化以降の本市の標準保険料率については、明らかになっておりません。このため、本市法定外の繰入金のあり方につきましては、県が今後において示す標準保険料率や国からの保険者努力支援制度などの財政支援の動向を注視しながら、本市の厳しい財政状丿配も勘案したうえで、慎重に検討してまいりたいと考えております。

 

老人医療費助成事業の廃止と高齢期移行助成事業の創設    

次に、老人医療費助成事業の廃止と高齢期移行助成事業の創設について、伺います。同事業は、兵庫県が「第3次行革プラン」の中で、65歳~69歳の高齢者を対象とした老人医療費助成事業を廃止し、新たに65歳~69歳を対象に高齢期移行助成事業を創設することに便乗して、県にあわせて見直しをするものです。

Q,まずお聞きします。「高齢期移行」とは、どのような規定なのでしょうか? 尼崎市の考えをお聞かせ下さい。

答弁 稲村市長

 医療保険制度では、70歳になると高齢受給者証が交付され、一般的に医療費は2割負担に、また、75歳以上になると後期高齢者医療が受けられるようになり、一般的に医療費は1割負担となります。兵庫県は、こういった高齢者として優遇措置が受けられるようになるまでの65歳から69歳までの期間を移行期間と捉え、「高齢期移行」としたことから、市としても県の制度に合わせたものです。

 二つの制度の違いは、市町村民税非課税世帯で、本人の年金収入を加えた所得が80万円以下の世帯を対象にしていたものを、新たな「高齢期移行助成事業」では、所得基準は同じながら、その中でも「日常生活動作が自立していないとされている者=要介護2以上」に限定したことです。低所得の高齢者を、制度から外し、新たな負担を押し付けるものです。しかも、尼崎市の影響額は、8人分、わずか29万4000円です。

Q.お尋ねします。低所得高齢者に負担を押し付けるのではなく、現行制度の水準を守る考えはありませんか? お答えください。

答弁 稲村市長

 低所得者の中でも、市町村民税非課税世帯で世帯全員に所得がない方については、新制度でもこれまでどおり助成を受けていただくことができます。また、現行制度の対象者の方は経過措置により、ご本人の年金収入を加えた所得が80万円以下の方についても、要介護認定にかかわらず引き続き助成を受けていただくことができます。老人医療費助成事業は県の制度を基本に行っている補助事業であり、本市における厳しい財政状況の中、高齢者バスの運賃助成など独自の施策を維持しており、高齢者医療費について、県制度の見直しにあわせて行っていくものです。

 

障害者支援 地域生活支援事業の給付の適正化        

次に、障害者(児)移動支援事業について伺います。移動支援事業」は、障害者総合支援法にもとずき、「屋外での移動が困難な障害者等について、外出のための支援を行うことにより、地域における自立生活及び社会参加を促すこと」を目的に、「社会生活上必要不可欠な外出、及び余暇活動等の社会参加のための外出の際の移動を支援」するもので、市町村の「地域生活支援事業」の一つとして実施するものです。実施方法は、「実施主体である各市町村の判断により地域の特性や利用者の個々のニーズや置かれた状況に応じ、柔軟な形態で支援を実施」することになっています。また、「社会生活上、必要不可欠な外出、及び社会参加のための外出」の具体的な取り扱いは、市町村の判断にゆだねられています。その意味では、尼崎市の人権感覚が問われている問題です。尼崎市はこれまで、障がい者の方々の「外出したい」「いろいろな所へ行って様々な体験をしたい」「誰々に会いたい」などの思いに、移動支援事業を中心に応えてきました。利用する人は、実に年間のべ17万人ほどになっています。ところが、同事業は地域支援事業の1サービスなので、国からの補助金は制限され、市の持ち出しが年々増加し、市財政を圧迫しているとして、2017年10月から ①報酬単価の大幅引き下げ ②報酬区分設定の見直しを行う予定です。国の障害福祉サービスで、これまでとほぼ同程度の対応が可能な障がい者もおられますが、肢体不自由の障がい者等は大幅な報酬単価の減となります。これによって、サービスを提供する事業所の運営が困難となり、障がい者が求めるサービスを、受けられなくなってしまうことが危惧されます。事業者からも、利用者からも、一番利用の多い2時間以内の単価だけでも「これまでと同程度にとどめて欲しい」との声も上っています。

Q,そこでお聞きします。障がい者の自由な外出を保障することは、公の責務です。事業者や利用者のみなさんと、もっと話し合うべきだと考えますが、いかがでしょうか?

答弁 稲村市長

 今回の移動支援事業の見直しに当たっては、当事者団体や事業者の代表等も参加する自立支援協議会において約2年間にわたり協議を重ね、その過程において、各当事者団体とも個別に意見交換を行い、新たな報酬区分や単価を設定したものです。 一方で、「尼崎市独白の取り組みを行い、それを他市に広げていけるよう、より良いサービスを検討していきたい。」といったご意見も踏まえ、他市よりもサービス対象者の範囲が広いことや、サービス支給時間の上限設定をしていないことに対する見直しは行わず、現行の運用を継続しながら事業を実施していく考えです。引き続き、自立支援協議会において、詳細な運用について協議を進めていきます。

 

公共施設マネジメント計画老人福祉センターと総合事業

次に、公共施設マネジメント計画と、介護保険で始められようとしている「総合事業」の関わりについて伺います。尼崎市は2017年度から介護予防・日常生活支援総合事業をはじめます。高齢期を健やかにすごすために、基本的な考え方のひとつとして「地域とのかかわりを持ち、必要な支援を受けながら生活できる地域づくり」「地域の集いの場の充実による支え合いの地域づくりと介護予防の推進」を挙げています。そして、その場づくりの中心に「高齢者ふれあいサロン」を位置づけています。そのこと自体は推進すればいいと思いますが、市内には、昭和45年から老人福祉センターがあり、現在4カ所で2015年(平成27年)度では、年間のべ30万4660人、1日平均256人の高齢者が利用し「つどう場」となっています。4か所とも、利用者の大半は70~79歳で、受講内容や料金についても90%以上がアンケートに「満足」と答えています。日本共産党議員団は2月初め、その一つの福喜園を見学してきました。お風呂上りで気持ちよさそうにたたずむ方や、卓球を楽しむ方、体操教室に集まる方など、様々な楽しみ方をされている利用者にお会いしました。ところが、市は1月に発表した第1次公共施設マネジメント計画(素案)で、千代木園と福喜園の2カ所の老人福祉センターを老朽化に伴い「機能移転」すると発表しました。「機能移転」とは、ほかの施設に事業を移し、2か所の老人福祉センターは「廃止する」というものです。これに伴い、お風呂もなくなることから、残る鶴の巣園、和楽園の浴室も「市民の平等性確保のために入浴の中止を検討する」としています。「老人福祉センター」とは、何でしょうか。老人福祉法にもとづく老人福祉施設のひとつで、介護保険、老人健康法が優先されますが、介護保険などの適用を受けない、つまり元気な高齢者が元気なままでいられるようにする施設ともいえます。「無料又は低額な料金で、老人に関する各種の相談に応ずるとともに、老人に対して、健康の増進、教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的とする施設のことである」と規定されています。この点では、「総合事業」と通じるものはありますが、老人福祉センターは「貸し館」ではなく、現在でも指定管理者が、センターの各部屋を利用して、健康やくらしの相談のほか、自主事業を中心に、体操・運動、各種の教養講座などをおこなっています。「高齢者ふれあいサロン」とは、似て非なるもので、「高齢者ふれあいサロン」が老人福祉センターの機能をカバーできるものではありません。

Q、そこでお尋ねします。「総合事業」を推進するのは、要介護状態になるのをふせぎ、元気でいられる高齢者を増やすことではないのでしょうか?老人福祉センターを廃止する公共施設マネジメント計画は、全く相反しているのではないですか? 市長の見解をお聞かせ下さい。

答弁 稲村市長

 高齢者を取り巻く環境は大きく変化しており、老人福祉センターが設置された昭和40年代半ばの65歳以上の人口は約2万5千人でありましたが、現在では約12万人にまで増加しており、約5倍の人口規模となっているなど、介護を必要とする方々の急増やそれを支える人材の不足などへの対応が、大きな課題となっています。こうした状況も踏まえ、総合戦略の推進の中で平成29年度予算案では「超高齢化社会における安心な暮らしを確保する」を掲げ、介護予防・日常生活支援総合支援事業として、訪問型サービス及び適所型サービスや介護を支える人材の育成など、合計11億6千万円を計上しています。一方、老人福祉センターにつきましては、こうした高者を取り巻く環境を踏まえ、そのあり方を検討することとしており、介護予防に資する機能については維持し、他の施設への機能移転を検討することとしています。引き続き、こうした取組みにより、元気でいられる高齢者の方々を支え、より重点化して取り組みを行うこととしており、ご指摘のように、本計画が「総合事業」の取組と相反しているものではありません。

 

園田にある鶴の巣園の利用者のうち86.8%が園田地域からです。大物にある和楽園の利用者は、小田が51.5%、中央が33.9%です。また、大庄にある千代木園の利用者は、大庄が68.2%、立花が15.7%です。阪急武庫之荘駅の南にある福喜園の利用者は、立花が55.1%、武庫が33.7%です。当然のことですが、大方は、それぞれの地域の近くからの利用されている人が大半です。千代木園、福喜園がなくなれば、大庄、立花、武庫の住民は、どこへ行けばいいのでしょうか?

Q、そこでお聞きします。市域の西にある千代木園、福喜園をなくすことは、市民平等の観点から、問題があるのではありませんか?

答弁 稲村市長

 千代木園、福喜園については、建築後40年以上が経過し、老朽化が進行し、安全性にも課題がある施設であります。また、高齢者の人口が急増する一方、高齢者を支える人口が滅少していることなど、社会情勢の大きな変化もございます。こうしたことから、老人福祉センター全体のあり方を検討することとし、今後も存続させるべき、いわゆるソフト機能については、周辺の公共施設の状況なども踏まえ、他の公共施設に機能移転することなどを検討することとしています。こうした取組については、本市の厳しい財政状況などを+分に踏まえる中で、計画素案にある基本的な考え方でお示ししておりますとおり、可能な限りサービス水準の低下をきたさないよう、市民・利用者の声を丁寧に聞きながら、着実に進めてまいります。

 

シビックプライドの醸成、生活安全 自転車総合政策推進事業              

次に自転車対策について伺います。自転車対策としては、「自転車総合政策推進事業」があり、「自転車のまちづくり推進条例」のPRを図ったり、「推進計画等の検討」を行い、交通安全ルールの徹底や、コミュニティサイクルの社会実験などをおこなう事業です。同条例案は、市、市民等、事業者等の責務を規定し、事業者等には「従業員等に自転車の安全通行利用に関する啓発を行うこと、管理する施設において迷惑駐輪を防止する措置を講ずるよう努めること」とされています。同条例案の管轄は、危機管理安全局の生活安全課です。一方、都市整備局 住宅政策部の「住宅・住まいづくり支援課」が「分譲マンション実態調査」を行い、昨年12月に結果を発表しました。市内659件の分譲マンションにアンケートを行い、実地調査やヒアリングも加えての結果報告です。管理組合のないところ、管理規約がなかったり長期にわたって改定していないところ、長期修繕の計画がなかったり見直しがされていないところ、高齢化で管理組合の担い手が不足しているなど、多くの課題が明らかになりました。そこで、マンション管理組合員の意識を高め、マンション管理に自主的・積極的に関わるよう、アドバイザーを派遣する「分譲マンションアドバイザー派遣事業」が打ち出されたのは、一定の前進だと考えます。また、ハード面の課題も整理され、その中には、29.4%=約3割もの分譲マンションから、「自転車置き場やバイク置き場が不足している」との回答もありました。「調査の概要」では、「本市は、概ね市内全域が平坦地であるため、自転車を利用する市民が多い。そのため、自転車置場やバイク置場の不足は、マンション規模や築年に関わらず生じており、本市に立地するマンションの特徴であると考えられる。自転車置場が不足するため、敷地の隅々まで自転車置場を増設したり、2階建ての自転車置場棟を増築した分譲マンションもあった。(昭和61年以前の)建築年が古い分譲マンションでは、自転車置場設置の義務がなかったため、設置されていないものが多く、また、家族全員が自転車を保有している場合には、施行規則基準を満たして整備をしたものであっても不足している」と書かれています。

Q,そこでお尋ねします。「分譲マンションアドバイザー派遣事業」は、どのような支援を分譲マンションにたいしておこなうのか。また「分譲マンション実態調査」にもとづいて、今後、どのような自転車対策を考えているのでしょうか。お答えください。

答弁 稲村市長

 今年度実施しました「分譲マンション実態調査」では、一部の分譲マンションで、管理組合がなかったり管理規約がない等の管理に課題のあるものや建物の維持・修繕が適切に行われていない等の建物に課題があるものがございました。こうしたことから、これら分譲マンションの様々な課題に対しまして、マンション管理士や建築士等の専門家を派遣し、自主的・積極的なマンション管理に繋げるため、「分譲マンションアドバイザー派遣事業」を実施することとしたものです。今後の対策につきましては、アドバイザー派遣事業の実績等を勘案Lながら、必要な施策等について検討してまいりたいと考えております。なお、ご指摘の駐軸場の課題につきましてもアドバイザー派遣を通じて、駐輪場の有料化や自転車のシェアなどのソフト面、サイクルラックの設置や2階建ての駐翰場の増設などのハード面から、他の分譲マンションの成功事例を紹介するなど、その解決方法についてアドバイスできるものと考えております。

 

 先日、稲葉荘にあります「ルネ武庫川」というマンションの代表の方から相談がありました。武庫川の堤防のすぐ下のマンションですが、前の道路に約50台の自転車がとめられています。マンション内にも駐輪スペースはあるのですが、前面道路の駐輪のうち、約8割はマンション住民の自転車です。北側には千代木園もあり、ご近所や、武庫川堤防を利用する人も駐輪していると考えられます。とくに花見の時期には、たいへん自転車が溢れるとのことでした。前面道路には、堤防側に約1メートルの水路があります。この水路の上に「駐輪スペースが設置できないか」という相談でした。水路を管理する河港課は「水路の上は通行するための橋か、臨時的な使用しか認められない」ということでした。調べをすすめていくうちに、この水路は、道路の一部であり、水路を含めて幅6メートルで道路認定されていることがわかりました。見た目は水路だけれど、道路の大きな側溝だったわけです。ところが道路課は、「側溝もふくめて道路であり、蓋をしたとしても、道路上に駐輪施設は設置できない」という見解でした。そこでマンションの代表の方がいろいろ調べていくと、駅前などでは道路の側溝や水路上に蓋をして駐輪場として使用されているところもあることがわかりました。これにたいし道路課は、「不特定多数の人が利用できるものであること」「公共団体が設置するものであること」「管理を委託する場合は、管理能力がある団体であること」などの条件がそろわなければ、許可できないとの見解です。そこでマンション側が検討し提案したのは、「マンション住民だけでなく、周辺住民や千代木園利用者、武庫川河川敷利用者も利用できる台数の駐輪施設とする」「設置は尼崎市でないと出来ないのであれば、設置費用をマンションが負担するか、マンション側で設置して市に寄付をする」「管理はマンションも加入する社会福祉協議会が行う」というものでした。結局、道路課が許可しない理由として最後に残ったのは「優先順位が低い」というものでしかありません。

Q.そこでお尋ねします。今後、自転車対策をすすめていく中で、駅前以外の駐輪対策をすすめていく際に、こうした公有財産の利活用も検討していくべきではないでしょうか。市長の見解をお聞かせ下さい。

答弁 稲村市長

 駅前を中心に、不特定多数の利用者が見込まれる場所につきましては、法令等に基づいて市や、鉄道事業者が駐輪場の設置を行い、放置自転車の防止に努めております。ご指摘の箇所につきましては、通行の安全を確保するため、放置自転車防止の啓発や指導を行っているところでありますが、駐輪しているもののそのほとんどがマンションの住民に特定されているため、マンション敷地内に自転車を止めていただくべきものであります。今後、駅前以外で不特定多数の自転車利用者が見込まれ、一般の公共の用に供するものと認められる場所につきましては、公有財産の機能を阻害しない範囲で、その状況に応じた利活用を含め、検討してまいりたいと考えております。

 

よりよい住環境の創出と都市機能の適正化、すまいづくり支援・情報提供事業(DIY型賃貸住宅普及促進事業)  

つぎに、住環境の問題について伺います。新年度の「すまいづくり支援・情報提供事業」として「DIY型賃貸住宅普及促進事業」が予算計上されています。DIY(ディー・アイ・ワイ)というのは、英語の Do( ドゥ) It(イット ) Yourself(ユアセルフ) の略語で、専門業者ではない人が、自分で何かを作ったり、修繕したりすることです。まあ「日曜大工」みたいなものですね。市内に戸建ての中古空家の所有者や、DlYに興味を持つ人に対し、セミナーを実施して、空家中古住宅の利活用と若年層世帯の定住・転入を促進することが目的とされています。たしかに、最近人気があるようで、私の隣も10年以上空家だったのが、若い人が自分で使いやすいように手をいれながら居住されています。DIYの例として、壁紙の張替、吊り棚・飾り棚の設置、キッチン・洗面所の改修などが想定されているようですが、この程度なら、DIYでも十分に対応できると思います。しかし、中古住宅、しかも空家となると、随所に傷みがあるのが常です。最近、大規模な修繕をした人の家をみせてもらったのですが、風呂場まわりの柱が腐っていたり、土台が布基礎で弱かったりと、かなりの補強が必要でした。隣の家の方も、プロの大工さんに大まかな補修をしてもらったうえに、自分で手を加えておられます。古い家になればなるほど、プロの見立てが必要です。

Q,そこで質問です。実際に中古住宅を活用するとなると、DIYをするにしても、プロの建築職人による見立てと、手入れが必要になる場合が多いと考えられます。建物の安全の上からも必要です。12月議会でも要望しましたが、改めて要望します。空家住宅のリフォーム助成制度を検討してはどうでしょうか? 答弁をお願いします。

答弁 稲村市長

 DIY型賃貸の特徴としましては、貸主のメリットとしまして、「現状の状態で賃貸でき、修繕の費用や手間がかからない」ことや「借主がDIY工事を行うため、愛着が生まれ長期入居が見込まれる」といったものがあります。また、借主のメリットとしまして、「自分好みの改修ができ、持ち家感覚で居住できる」ことや「DIY工事費用を負担する分、相場より安く借りられる」、「退去時に原状回復する必要がない」といったものがあります。お尋ねの空家住宅リフォーム助成制度とは少し異なるものであり、、このような貸主、借主双方に経済的なメリットがある、新しい賃貸住宅の普及・促進を図ってまいりたいと考えております。

 

最後にお聞きします。市長は、施政方針で「「将来世代に負担を残さない財政運営」と「未来へ向けた積極的な投資」のバランスをとることの難しさを感じつつも、持続可能なまちづくりのためには、避けて通れない道だと認識しています」と述べられています。また「尼崎市経営再建プログラムから15年。皆様とともに行財政改革に取り組んできた結果、当初予算の段階で、収支不足を行政改革推進債や退職手当債などの市債で補う、という手法から脱却できたことは、持続可能な行財政基盤の確立へ向けて、一歩前進したものと捉えています」とも述べておられます。15年間の「行財政改革」で、だんだん見直す事業も少なくなっていきています。それは、これまで手をつけてこなかった、手をつけられなかった、手をつけるべきではなかったものにまで、「見直し」と呼ぶ削減が行われることになります。それだけに、対象となる市民や事業者との協議は、これまで以上に重要になるし、丁寧に行う必要があります。そして、取りやめる勇気も必要です。

Q、そこで質問です。今回の市有地貸付料の有料化など、市が方針を決めてから説明したのでは、納得が得られません。市民・事業者との協議の在り方を、市長としてどう認識し、改善しようとしているのでしょうか?また、市民負担増や、市民の理解が得られないものは、取りやめる決断も必要になるのではないでしょうか?市長の考えをお聞かせください。

答弁 稲村市長

 今回の社会福祉法人に対する市有地の貸付料の減免見直しにつきましては、広く市民の財産である市有地をこれまでの経緯経過を踏まえつつも、今日的な視点から、同業種間の公平性などの観点で、従来、全額減免していたものを2分の1減免として有償化することとしたものです。まず、こうした方針を決定した理由ですが、今後、新たに貸し付ける用地につきましては、2分の1減免を条件に募集を行っていくこととしたためです。一方、従来から貸付けを行っている法人につきましては、全額減免を条件に民間移管してきたことなど、様々な経緯経過や、法人が個別に抱えている経営上の課題もあろうかと思います。こうしたことから、法人との協議が本格化するのはこれからでありますが、有傷化に係る経過措置を含め、十分に丁寧な協議を重ね、ご理解を得て参りたいと考えています。なお、社会福祉施設の運営を取り巻く今日的課題や今回の法人との協議を進める中などでも、何らかの支援措置が必要な場合には、一定の政策判断をして参ります。

 

 これで、私の第2問を終わります。

第3登壇

3問目は感想です。国民健康保険についてです。これまで市議会で何回も議論されながら、国保料を引き下げるためには「財源がない」ことがネックでした。広域化にあたって、いまの繰入金を続けることは、新たな財源の必要がないんです。国保料を引き下げるチャンスなんです。そのことを十分、念頭に置いていただきたいと思います。枠配分予算には触れませんでしたが、あまりこだわると無理も出てきます。たとえば、企業立地促進条例で、大企業に不均一課税や、まだ額はわからないけど補助金を渡す。あるいは「業務・産業用燃料電池」に補助金を出した上に、企業立地促進条例で、さらに補助金をだすなど、いたれりつくせりなのに、「高齢期移行助成事業」では、効果額わずか29万4000円の低所得の高齢者への補助金を削減することを、避けられないのかどうか疑問です。最後に、行政のすすめ方と、市民合意の在り方について一言述べておきます。方針を決めてから、市民に説明するのは「協議」とは、言いません。社会福祉法人への借地料の有料化しかり、法人保育施設等の児童検診助成の見直ししかりです。待機児童対策など、子育て施策の充実が求められており、その大きな部分を担う法人保育園との信頼関係を損なうやり方といわなければなりません。「圧縮と再編の取組」では、「機能移転」など、市民にわかりにくい表現です。老人福祉センターは、単なる貸し館ではなく、老人福祉法にもとづく施設です。介護保険施設でもありません。そうした機能の在り方、役割の説明なしに、市民には理解できません。私は、11年8カ月。常に「市民の声を聞け」と言い続けてきました。白井市長にも、稲村市長にも、映画「生きる」をお勧めしました。住民のために働くことが、公務員の勤めだということが、職員の在り方の原点です。稲村市長は、総合計画を「羅針盤」にたとえ、尼崎市を「船」に例えられました。「目的地にたどり着いた時には、船を軽くするために、大事なものまで捨ててしまっていた」ということにならないことを祈って、私の、すべての、質疑を終わります。残余の質疑は、会派議員が、分科会、総括質疑でおこないます。ご清聴、ありがとうございました。