日本共産党尼崎市会議員団ニュースNo.138(2012年4月22日)
稲村和美市長は就任以来、施政方針などで、「成熟社会」に対応するとして、「コンパクトで持続可能」「信頼と分かち合い」「市民自治」のまちつくりを進めるとしています。予算審議などを通じて明らかになった問題点を紹介します。
稲村市政1年・・ 見えてきたもの
稲村市長は、「経済が成長・発展してきた成長社会から、成熟社会に変化しているにも関わらず、新しい時代の要請に対応仕切れていない」という認識です。
しかし日本が「成長の止まった国」になっている大きな原因は、①「構造改革」路線による低賃金・非正規崔川の増大、下請け単価の買い叩きなど、労働者、中小企業から、所得を奪い取った。②歴代政府が社会保障を切り下げ、国民生活をいっそう苦しめ、内需を冷え込ませていることにあります。
一方で、大企業の内部留保は、260兆円を越えるまでに膨れ上がっています。
「成熟社会」論は国の悪政を容認するもの
本当の課題は、「成熟社会への対応」ではなく、「格差社会の是正」です。
市長のいう「成熟社会」論は、日本社会の歪みを見ずに、市民にガマンを押し付けることを合理化するものであり、将来に希望を見出すことはできません。
「コンパクトで持続可能なまちつくり」といいながら サービス窓口が遠くに
将来の人口減少や少子高齢化を理由に、「公共施設の再配置」として、6支所から市民サービス窓口を3か所に、地域保健担当・地域福祉担当を2か所に集約することや、各支所と地区会館をどちらかに合築して空いた土地を売却する考え方が示されています。ますます市民サービス窓口が遠いものになります。
また労働福祉会館は廃止するのに、総合センターは6ヵ所を維持します。
「信頼と分かち合いのまちづくり」といいながら 世代間に分断持ち込む
本来の「分かち合い」は、大企業・富裕層が庶民への社会保障に応分の責任を果たすことです。
新年度予算で、市民や日本共産党が要求してきた子どもの医療費助成を中学3年生まで入院医療費無料に拡充するものの、一方で、老人医療の所得制,限の見直しで1500人の高齢者が制度の対象外とされ、窓口2割負担から3割負担に増やされます。
大企業への市税減免制度を続けながら、市民には「分かち合い」の名で、
世代間に分断を持ち込むべきではありません。
「市民自治のまちづくり」といいながら 市民合意なく行革推進
「市民自治」の基本は、市民の声の反映です。しかし、市長が公約した「常設型住民投票制度」については、いまだに検討されていません。
一方で、園田競馬のナイター開催や、労働福祉会館の廃止、公立幼稚園の9園廃止、保育所の民間移管などをすすめようとしています。
地域循環型経済の促進を
市長は、施政方針などで、「地域循環型経済」を繰り返し述べています、しかし、指定管理者制度や、業務委託でも、市内事業者優先の考え方もなく、市営住宅の建替えの「PFI方式」の検討でも、地域循環型の観点が見えません。
住宅リフォーム助成制度を
日本共産党議員団は、明石市で実施されて成果を挙げている「住宅リフォーム助成制度で活性化を」と提案しましたが、地域経済への波及効果の予測測定もせずに、否定的な態度に終始しました。