9月議会 市長提案案件に対する徳田稔議員の質疑です

質疑者 徳田稔

(徳田質問)

 日本共産党議員団の徳田稔です。子ども・子育て支援新制度にかかわって、議案第104号108号についてお聞きします。

 子ども・子育て支援法の制定により幼稚園・認定こども園・保育所・小規模保育施設などの保育料の基準が国によって示され、各自治体で保育料を定めることになっています。議案第104号は市立幼稚園の保育料を定めようとするものです。保育所などの2号認定・3号認定の子どもの保育料設定は、従来と同じ程度か、減額になる提案がされようとしていますが、市立幼稚園だけは大幅な保護者負担増になっています。

 尼崎子ども子育て審議会の「子ども子育て支援新制度に係る尼崎市の利用者負担についての最終答申」別紙2「1号認定子どもの保育料設定検討例」に利用世帯の分布率が出ていますが、市立幼稚園は、市民税非課税から市民税所得割77,100円以下の低所得の世帯が実に64.8%も占めています。 

 お聞きします。市立幼稚園は、まさに、低所得世帯の子どもの就学前教育を保障する役割を果たしていると思いますが、市の見解を求めます。

(教育長答弁)

 本市では、昭和40年以降、市内の幼児数の急激な増加とともに、市民の幼稚園教育を求める声が高まる中で、私立幼稚園だけでは幼児の受入れが間に合わない状況などを解消するために、公立幼稚園の新増設を開始し、5歳児のみの1年保育を実施するに至りました。その後、幼児数の減少に伴い、公立幼稚園でも、平成8年度から2年保育を実施し、就学前教育を保障する役割を果たしてきたところでございます。新年度からの開始が予定されている、「子ども・子育て支援新制度」におきましては、幼稚園の保育料を設定するにあたっては、保育所保育料の設定の考え方とも整合を図るとともに、応能負担を原則とするとされております。そうした意味において、公立幼稚園、私立幼稚園を含め、応能負担の考え方のもと、就学前教育の保障を行うものでございます。

(徳田質問)

 今回の案で、ひとり親家庭以外の市民税非課税世帯では、これまで保育料は無料だったものが月2,200円に、所得税非課税世帯では無料から6,900円になります。市民税所得割77,100円以下の世帯では、4,966円から11,400円へと跳ね上がります。

 お聞きします。経過措置期間が終わる2016年4月以降、保育料が高すぎて、入りたくても入れない子どもたちが激増するのではないですか。

(教育長答弁)

 子ども・子育て支援新制度における幼稚園保育料につきましては、国の子ども・子育て会議において、公立、私立幼稚園の「1号認定こども」に係る利用者負担額を設定するにあたり、「2号認定こども」の保育所保育料との整合性を図ることとされてきました。そのことを踏まえ、「尼崎市子ども・子育て審議会」・「利用者負担検討部会」におきまして、本市の公立保育所、法人保育所の現行の保育所保育料が、公私間統一料金を適用していることや、所得に応じた負担となっている現状から、公立幼稚園を含めた1号認定こどもの利用者負担額について、ご議論いただいたところでございます。その結果、8月12日付けで「子ども・子育て支援新制度に係る尼崎市の利用者負担について」の最終答申書をいただき、その答申に基づき市の料金表(案)を設定しようとするものでございます。現行の公立幼稚園保育料は、所得に関係なく一律9,100円をご負担していただいておりますが、新制度の料金表(案)では、最終答申書に基づき「市民税非課税世帯及び市民税所得割非課税世帯においても、応能負担の原則により、母子世帯等の一部を除いては、負担されるべきもの。」とし、現行の保育所保育料と同様に公私間格差のない、所得に応じた応能負担の原則により、ご負担いただくものとしたところでございます。

 子ども・子育て支援新制度では、就学前の子どもが教育保育サービスを受けるにあたっては、施設や事業の種類を問わず、認定区分ごとで同一の料金表を適用することとされております。そうした中、本市の新制度における幼稚園保育料は、保育所保育料の考え方との整合を図り、保育所保育料と同様に、国の基準額に対し、一定割合を減じることに加えて、低所得階層に、より高い減額率を乗じて保育料額を設定しようとするものでございます。こうしたことで、公立幼稚園の保育料は現行よりも高くなりますが、私立幼稚園の8割以上の世帯では、現行保育料よりも低くなります。

(徳田質問)

 次に、議案108号についてお聞きします。議案第108号は、市立保育所保育料を定めるものです。第8条2項および3項の 延長保育料及び一時あずかり保育料についての規定に関連して伺います。

 これまでは、延長保育・一時預かり保育などは、それぞれに国の補助金が出ていましたが、新制度導入で補助金はなくなり、新たに交付金という形で一括して交付されることになります。新聞報道では、国は当初制度全体で1兆1千億円必要だといっていたのが、7千億円の見込と報じられました。4千億円足らないということは、尼崎市が公立保育所で行う延長保育・一時あずかり事業を進めるうえで、財源不足の影響が出てくると思われます。議案に示されている保護者負担でこの先事業が継続できるのか、負担増はないのか危惧されます。また、保育所にとって、きちんと事業を行う財源保障ができるのかも危惧されるところです。

 お聞きします。市は、公立保育所で行う延長保育・一時あずかり事業の財源見通しをどのようにとらえていますか。お答えください。以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。

(こども青少年局答弁)

 延長保育については、全公立保育所について午後7時まで、また、2保育所において午前7時からの延長保育を実施しております。当該運営経費については、国等からの補助はなく、現在でも一般財源と月額1、500円又は日額1回200円の利用者負担により実施しており、本負担額においては本条例案第8条第2項において新制度実施後も同単価とするよう定めさせていただくこととしていることから・国からの財源保障の問題1ま直接的には影響しないもめと考えております。次に、一時預かり事業については、現在園田保育所で実施しており、来年度は建替後の塚ロ保育所においても、実施する予定でございます。当該事業の補助については、平成25年度は県の安心こども基金により、実績に応じ設定された金額の2分の1の補助でしたが、平成26年度は保育緊急確保事業として、実績に応じ設定された金額の国、県、市それぞれが3分の1づつ負担することとなつております。本事業に係る補助金の仕組みが新制度施行後に変更があるのかどうかは未だ国から示されておりませんが、当該事業についても市の事業として継続して実施していく予定であり、利用者負担につきましても本条例案の第8条第3項において、現行どおり、年齢に応じ日額2,000円から2;800円の範囲での設定としたものでございます。