「こんにちわ日本共産党議員団です!」第137号を発行しました

日本共産党議員団ニュースNo.137 2012.3.24.

一緒に考えてみませんか?
今なぜ「日の丸」の強制条例なのか

大阪市では、「維新の会」と自民党・公明党が「日の丸」掲揚、「君が代」斉唱を義務付ける条例を可決させました。これに歩調を合わせるように、尼崎市議会でも、新政会が「日の丸」義務付け条例を議員提案しました。

新政会の条例案は、国旗国歌法、学習指導要領の趣旨を踏まえるとし、
1.市のすべての施設で、執務時間中に国旗を掲揚する
2.市が主催する式典及び行事で、国旗を掲げる
3.議場では、国旗を議長席の背面に市旗と並べて掲揚掲げるというものです。(条文↓)

日本共産党議員団の想い  押し付け(強制)はいけない

日本共産党議員団は、スポーツの国際試合で国民の皆さんが「日の丸」を振って、応援をするのは、自らの意志で「白然な気持ち」の表れだと思います。
しかし、決して「押し付け」てはならないと考えます。

尼崎市国旗の掲揚に関する条例案

(この条例の目的)
第1条 この条例は、国旗及び国歌に関する法律(平成11年法律第127号)、教育基本法(平成18年法律第120号)及び学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)の規定による学習指導要領の趣旨を踏まえ、本市の施設、本市が主催する式典及び行事並びに尼崎市議会の議場(以下「議場」という。)における国旗の掲揚等について定めることにより、市民、とりわけ次代を担う子どもが伝統と文化を尊重し、それらを育んできたわが国と郷土を愛する意識の高揚に資するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことを目的とする。

(用語の定義)
第2条 この条例において「本市の施設」とは、尼崎市教育委員会の所管に属する学校及び本市の事務又は事業の用に供されている施設(本市以外の者が所有する施設及び本市職員が勤務する公署でない施設を除く。)をいう。

(国旗の掲揚)
第3条 本市の施設においては、その執務時間(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条第1項に規定する公の施設にあっては、その利用に供する時間)中では、国旗掲揚台その他の掲揚のための施設(以下「掲揚施設」という。)がある場合は当該掲揚施設に、掲揚施設がない場合は来所者又は利用者の見やすい場所に国旗を掲げるものとする。

第4条 本市が主催する式典及び行事においては、舞台等がある場合はその正面に、舞台等がない場合は参加者の見やすい場所に国旗を掲げるものとする。

第5条 議場においては、国旗は、議長席の背面に市旗と並べて掲げるものとする。
付則 この条例は、平成24年4月1日から施行する。

これまでの政府などの公式発言は・・・

政府

1999年に国旗国歌を強行した当時の小渕恵三首相は、「法制化に当たり、国旗の掲揚等に関し、義務付けは考えていない」と繰り返し答弁。

天皇

2004年秋の園遊会、招待招待客の東京都教育委員が、「日本中の学校で国旗を揚げて、国歌を斉唱させるのがわたしの仕事でございます」と話すと、天皇は、「やはり強制になるという考え方でないことが望ましいですね」と発言。

市長

稲村市長は、国旗について、「それぞれが愛着を持ち、自然に対応することが大切ではないかと思っております。そういったことから、条例化までの必要性は感じていない」と答弁(昨年6月議会)。

◆教育長

教育長は「学習指導要領に基づき、適切に行われている。また、入学式、卒業式においても問題となるような報告は受けていないので、条例化の必要はないと考えている」と答弁(昨年6月議会)。

国旗・国歌は、「強制しない」が大原則ではないでしょうか

「日の丸」条例の論議から

今回、日本共産党議員団が行った本会議質疑と総務消防常任委員会での条例審議で明らかになった特徴を紹介します。

【歴史認識】 アジア侵略を「自衛の戦争」

「日の丸」には、先の戦争で「占領したところに真っ先に立てる」と侵略のシンボルにされてきた歴史があります。
日本の戦争責任を認めた「村山談話」や中国侵略について、議案提出議員からは「先の戦争については両論ある。戦後生まれの私たちに判断しろといっても」と明言を避けたり、「個人的には、自衛の戦争だと思っている。村山談話は違う」など、日本がアジア諸国に侵略していった歴史の真実を見ず、侵略戦争への反省もない発言が相次ぎました。

中国鞍山市との友好都市提携30周年に影

今年30周年となる尼崎市と中国鞍山市との友好関係の悪化が懸念されます。
河村名古屋市長は、友好都市提携を結んでいる南京市の訪日代表団に対し「南京虐殺はなかった」と発言。この発言に、南京市は、名古屋市との交流を一時停止すると発表。中国外務省も南京市の今回の措置について「理解し、支持する」と述べています。
河村発言について、提出議員は「肯定も、否定もしない」と発言しています。

村山談話って?

1995年8月15日に、当時の村山内閣総理大臣が「戦後50周年の終戦記念日にあたって」という談話で、日本政府として初めて、第二次世界大戦を「侵略戦争」と認めたもの。その一節に、「わが国は、遠くない過去の「時期、国策を誤り、(中略)植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。」とあります。

【強制】職務命令違反は処分の対象

「職員が条例に違反した場合、行政処分の対象になるかどうか」の問題について、提出議員からは「強制はしない」「処分は求めない」と答弁がありました。
しかし、市当局は「条例が制定されれば、掲揚業務は、行政事務となり、職務命令となる」「(職務命令違反は)処分(訓戒など)の対象となる」との見解を示し、事実上、強制となることが明らかになりました。

強制しない? 処分は求めない?

「処分を求めない」という新政会ですが、予算総括質疑では「過去に小学校で起立しない教職員がいたとの報告があった。今月末の卒業式でまた不起立があればどのような対処、処置をされるのか」と教育長に迫りました。どっちが本音でしょうか。

【市民合意】 「拙速」 市民意見きかず

陳情締め切り日に条例提案を公表し、市民の意見表明権を奪うやり方に猛烈な批判が起こっています。

議運委員でもある提出議員は「陳情締め切り口を知らなかった」と答弁(本会議答弁)。
「事前に広く市民の意志は確認したのか」との質問には一般のパブコメまではしていないが、我々の周りでは…」「拙速かもしれないが、ルールにのっとっている」など強弁。広く市民の声を聞く意思がないことが明らかになりました。

市議会での審議の経過

条例案は、2月13日、議会運営委員会で内容が示され、17日の議運で議案として確認されました。
2月20日の本会議では、日本共産党議員団と緑のかけはしの議員が、提案者である議員に質疑をおこないました。

「継続」審議に

2月27日の総務消防委員会では、「市民合意もなく、拙速だ」「内容が不明確」などの意見が相次ぎました。
日本共産党議員団は、
① 住民に広く知らせることなく進められていること
② 国際通念や政府見解を否定した特殊な歴史観に基づく提案であること
③ 条文があいまいで恣意的に解釈されかねないこととし、
「条例制定の必要性もなければ、手続きも内容も欠陥があり、『廃案』にすべきもの」と主張し、継続審査に反対しました。
しかし、他会派は「議論が不十分」だとして継続審議となりました。

次回の審議は、4月24日10時から総務消防委員会で行われます。