2014年6月議会一般質問 田村征雄:市長の政治姿勢ほか6項目

2014年6月議会田村征雄質問
2014年6月議会 田村征雄の一般質問と答弁 <質問項目毎>

6月13日  田村征雄

質問項目

  • 「教職員の政治活動とは何か」について
  • 市民への情報発信のあり方について
  • 猪名川・藻川の堤防の液状化について
  • 東園田地区の地理的特性と災害の想定について
  • 公共施設の最適化と園田地区の地区施設について

 日本共産党議員団の田村征雄です。市長の政治姿勢ほか6項目について質問してまいります。<登壇1>

〇まず、教育行政についてですが、教育委員会制度改革についての真崎議員の質問に対する答弁について問題提起したいと思います。

 「学校の校長を民間公募したい」と、稲村市長がこんな提案をするとは、私は考えておりません。しかし別の人が、自己主張の強―い政治家が市長になって、教育大綱に「校長は民間公募とする」と書き込みたいと言い、そして教育総合会議で議論します。

 その時、教育委員が「民間公募に反対だ」と言った場合、その市長は「私は選挙で住民の支持を得て選ばれている。私の言うことを聞かないなら教育委員をやめてもらう。」となるのです。制度改革で、新教育委員の任期は3年になるので、市長の任期中に必ず教育委員の任期が切れ、留任かやめてもらうかの人事案件となるのです。

 市長の言いなりの人が教育委員として選任されることになるでしょう。

 稲村市長や濱田教育委員長の思いは別として、首長が教育大綱の策定や教育総合会議に関わることで、政治家・首長が教育行政に介入し支配しやすくする仕組みになることに問題があるのです。

 だから教育基本法は「不当な支配に屈することなく…」と政治からの独立性をうたっているのです。

 それから現在は、教育委員会の責任の所在に問題があると思っているとの趣旨で答弁がありましたが、だからこそ日本共産党が提案している、教育委員の公選制に切り替えるべきだと提案しているのです。

〇次に「教職員の政治活動とは何か」についてです。

 平成25年9月議会において、他の会派の議員が「本市の教職員組合が、国旗掲揚条例に対する反対運動を駅頭でまた街頭で、連絡先を尼崎市教職員組合と住所、電話番号まで明記したチラシを配布するなど、積極的に署名宣伝活動をされたそうです。このような行為は地方公務員法に反しないのかどうなのか」と教育長に質問しました。

これに対して徳田教育長は

「教育公務員特例法によりますと、公立学校の教育公務員の政治的行為の制限として、教育職員が地方公共団体の条例を制定させ、またはさせないことを目的に署名運動を企画し、主宰し、または指導その他これに積極的に参与した場合は法に違反する旨が規定されております。しかしながら、御質問の活動につきましては現認できていないため、誰がどのような意図を持って行ったのか事実の確認が困難であり、法に違反しているかの判断はできないものと考えております。」と答弁しました。

 これは、違反規定があることを説明し、だれがどのような意図をもって行ったのか、現認できていないので判断できないという趣旨の答弁のようです。

 この答弁を受けて、当該の議員は2問目で「明らかに違反であると答弁したのだから、チラシも実際にあるわけだから、調査される意思があるのかどうか、その作業はできるのか」と質問しました。つまり、当該議員は、違反だと受け取ったのです。

 そこで、教育長の答弁の趣旨はどういう意味なのか、私なりに調査してみました。

 私の調べによれば、

 地方公務員の政治的行為について、一定の制限がありますが、これは法との関係では、地方公務員法第36条にもとづくものと考えられますが、公立学校の教育公務員の政治的行為の制限については、教育公務員特例法第18条において、「当分の間、地方公務員法第36条の規定にかかわらず国家公務員の例による」と規定されています。

 次に、国家公務員法第102条においては、「人事院規則で定める行為をしてはならない。」と規定しています。

 その人事院規則1417政治的行為の5の7項では政治的行為の定義として「地方自治法に基づく地方公共団体の条例の制定若しくは改廃又は事務の監査の請求に関する署名を成立させ又は成立させないこと」と、 このように規定されています。

 この意味は、地方自治法第74条の趣旨である「条例の制定または改廃、いわゆる改正、廃止を求める直接請求の署名を集めることは、法で禁ずる政治的行為にあたる」ということなのです。

 従って、単に「国旗掲揚条例の制定に反対」という趣旨のチラシを配布したことに対する、当該議員の質問、教育長の答弁はそれぞれ地方自治法第74条の直接請求に該当しない署名活動についての質問、答弁であり、「現認している、していないに関わらず」、法で禁ずる政治的行為には当たらないわけです。

 そこで質問します。(質問1)

 教育公務員が政治的行為として制限されるのは、「地方自治法第74条にいう条例の制定若しくは改廃等を求める直接請求の署名運動をしてはならない」ということだと考えますが、いかがですか。

さらに質問します。(質問2)

 本市の教職員組合が、国旗掲揚条例に対する反対運動を駅頭や街頭で、連絡先を尼崎市教職員組合と住所、電話番号まで明記したチラシを配布するなどの署名宣伝活動をしたことは、法律に違反しないと判断しますが、いかがですか。
あわせて答弁願います。

 (答弁1 徳田教育長)

 公立学校の教育公務員に制限されている政治的行為の中には「地方公共団体の条例の制定若しくは改廃に関する署名を成立させ、又は、成立させないことを目的に署名運動を企画し、主宰し、又は指導しその他これに積極的に参与すること」が規定されており、議員ご指摘のとおり直接請求の署名運動は禁止されているものでございます。

(答弁2 徳田教育長)

 教育公務員においては、直接請求を目的としない署名宣伝活動であれば、法律に違反しないものと考えております。

「教職員の政治活動とは何か」について<第2登壇 言いきり>

 答弁をいただきありがとうございました。

 教育公務員の政治活動については直接請求でない活動、すなわち一般的に条例の制定、改廃を求める署名活動、街頭でのビラ配布などは、法で禁じている政治活動にあたらないとことが、今日の答弁で確認されました。

 しかし、当該議員が質問した本会議の記録では、質問した議員が答弁を聞いて「違法な活動」とうけとめた「質疑応答」が残ったままであります。

 当初からしっかり調査しておけば、あの答弁にはならなかったはずです。

 ことは、国民が憲法で保障されている思想、信条の自由、表現の自由という基本的人権に関わる問題であります。

 あの質疑応答が残ったままでは、市民の権利を抑制し、市民を委縮させてしまうことになることも考えられます。私の質問で当局の側も議会の側も教育公務員が禁止される政治活動について正確な認識をすることができたものと考えます。

○次に、市民への情報発信のあり方についての質問です。<登壇1>

 市が作成した「公共施設のマネジメント基本方針素案」について5月8日から5月28日までパブリックコメントの募集がありました。

 パブリックコメントの結果は、2人の市民から意見の提出があったと聞いております。

 質問します。(質問5)

 「意見提出がたった2人という結果をどうみるのか」でありますが、市民の方々が「市の素案の内容に異議なし」と考えているから、意見をだすまでもないと考えて意見提出が少なかったと、市長はお考えなのでしょうか、答弁願います。

  質問します。(質問6)

 「公共施設マネジメント」という用語について、市報あまがさきに何の説明もしていませんが、パブリックコメント募集の案内としては、不親切と思いますが、市報あまがさきの編集部門としては、問題ないと考えているのですか。答弁願います。

 さらに質問します。(質問7)

 市民への情報発信についての視点ですが、市長は基本的に市民の視点に立った情報発信を
していこうと考えているのでしょうか。ご答弁願います。

(答弁5 資産統括局長)

 今回、公共施設マネジメント基本方針の素案での意見募集につきましては、基本方針の内容が具体的な施設名や取組方法などを示すものではなかったことから、ご指摘のような結果になったものと認識しております。

(答弁6 企画財政局長)

 市報の編集にあたりましては、市民に何を伝えるべきかという観点を基本に、ページ割りや、記事の大きさ等を調整し、編集にあたっております。

 市報あまがさき5月号に掲載いたしました「公共施設マネジメント基本方針(素案)」についての意見募集の記事につきましては、編集期間中にパブリックコメントの実施時期などの詳細が決まらなかったことから、限られた情報掲載にとどまったものでございます。

 しかしながら、議員ご指摘のとおり、市民の皆様から広<ご意見をお寄せ頂<というパブリックコメント制度の主旨からも、標題から内容の推測が難しいような案件に関しましては、解説を付することが適当であると考えております。

 限られた紙面の中ではありますが、より良い誌面づくり、より分かりやすい広報に努めてまいります。 

(答弁7 企画財政局長)

 本市の目指す「ありたいまち」の実現のためには、市民や事業者の皆様と広<情報を共有することで、互いの理解や信頼を深めてい<必要がございます。

 市報や市ホームページなどの情報発信媒体におきましては、現在でも、市民の皆様が理解しやすいよう、工夫、改良を続けているところです。

 また、今年度より、本市の情報化に関する事項を調査・審議する情報化推進委員会の専門部会として「コミュニケーション部会」を設置し、市政情報をより戦略的・効果的に発信するための仕組み一手法や、職員の情報発信に対する意識改革について、調査一研究を始めております。

 今後も、情報をただ伝えるのではな<、市民の皆様に情報がきちんと「伝わる」よう、市民の視点に立った、分かりやすい情報発信を心がけてまいりたいと考えております。

市民への情報の発信についての2問目です。<登壇2>

 市報あまがさき5月号のパブリックコメント意見募集では、「公共施設マネジメント基本方針の策定について」と題して、「5月上旬に意見募集をする予定です。詳細が決まり次第、市のホームページなどでお知らせします。」と書かれているだけです。

 詳細は市の施設とホームページで閲覧できるとなっていますが、何月何日から閲覧できるのか記載されていません。

 「公共施設マネジメント」そのものについて何の説明もなく、仮に意見を出そうとすれば、市の施設に行って基本方針素案が置いてあるのかどうか、ホームページに掲載されているのかどうか、数回にわたってチェックしなければならないわけです。

 市民の方々から意見を募集しますという案内ですが、この説明では極めて不十分ではないですか。市長はこの意見募集案内は市民の視点に立っているとお考えでしょうか。

 私自身は、市報あまがさきをみて、これでは意見の提出は極めてすくないだろうとみていましたが、案の定、たった2人でした。

 1問目の答弁では、編集時点で詳細は不明だった、限られた情報掲載になったとのことですが、詳細が明らかでない時点でパブリックコメントの募集することに問題があり、「意見募集そのものが無効じゃないのですか」、反論あれば答弁してください。

質問します。(質問8)

 市民の視点に立つのであれば、公共施設マネジメント基本方針素案について、市民説明会を行ったうえで、市報あまがさきに基本方針素案の概略の説明を記載したうえで、また「閲覧はいつからできます」と掲載し、本来ならその上で、再度意見募集するべきではないですか。ご答弁願います。

(答弁8 資産統括局長)

 公共施設マネジメント基本方針(素案)につきましては、計画の策定を進めていくうえで、市の基本的な考えをお示ししたものであり、今後、この内容を基本として、計画の策定を進めていくこととしております。

 今回の市民意見の聴取につきましては、市の重要施策決定に必要となる市民意見聴取プロセスの手続きに基づき実施したもので、4月の総務消防委員協議会におきましても、パブリックコメントの実施について報告させていただいたものであり、改めて意見募集を行う考えはございません。

市民への情報の発信についての3問目です。<登壇3> (質問 いいきり)

 総務消防委員会で説明したからとのことであるが、市民との関係では説明したことにはならない、編集部門の企画財政局は、掲載原稿を提出した原局に対して、市民の視点からみて「不十分な記事は掲載しない」くらいの姿勢が必要だと思う。1か月くらい遅らせて掲載したらいいのではないかと思います。(いいきり 趣旨)

〇猪名川、藻川の堤防の液状化についての質問です。<登壇1>

 東日本大震災で東北地方から関東地方の広範囲にわたり2,000カ所の堤防が損壊し、国土交通省が専門家による検討を行った結果、大きな振動が長時間続いたことから、被災した堤防の大規模な変形、これは、沈下とか「のり面」の崩れとか亀裂等でありますが、その原因は液状化であったと結論づけています。液状化による堤防本体の沈下、損壊が多数発生したのであります。

 さて、南海トラフを震源とするマグニチュード9.0の巨大地震による津波被害等の想定が国や県から出ておりますが、尼崎市は市域の約1/3が海抜ゼロメートル地域であり、地盤の状況から液状化の被害が懸念されます。相当の避難訓練などが求められます。

 また、武庫川、猪名川、藻川の堤防は土でできている堤防ですが、地震で堤防が壊れたところに津波が来たり集中豪雨による増水があったりでは、大きな被害が出ることになるでしょう。
私は、2012年9月議会で「液状化するのかどうか、耐震性能調査を求めるべきではないか」との質問を行いました。

 当局の答弁は、「尼崎市域の武庫川、猪名川、藻川の堤防につきましては、国及び県がこの耐震点検マニュアルに基づき、堤防本体の液状化も含めた耐震点検を現在行っているところ」との答弁がありました。

 この6月4日に兵庫県が公表した南海トラフ巨大地震・津波被害の想定では、<県の想定1>では、防潮堤・堤防は「沈下あり」となっています。ところが堤防名は書いてありません。

そこで質問です。(質問3)

 南海トラフの巨大地震により、武庫川、猪名川、藻川の堤防についての県の想定は、液状化するのか液状化しないのか、液状化によって堤防本体が沈下すると考えていいのかどうか、ご答弁願います。

次に、東園田地区の地理的特性と災害の想定についての質問です。<登壇1>

 南海トラフの巨大地震については、兵庫県は液状化による防潮堤の沈下を想定しており、尼崎市は、JR線より南側の海抜ゼロメートル地域の住民は北へ、より遠くへ、より高い所へ避難を、よびかけています。

 また、県の想定では、津波が猪名川を遡上して、戸ノ内地区、東園田地区の一部地域については堤防を超える、越流するとしています。その備えも必要であります。

 そのうえ、東園田地域は、猪名川上流での集中豪雨によって猪名川、藻川が増水し、堤防を超える想定もあり得るし、巨大地震が発生したとき堤防が液状化して沈下し、もともとの堤防高さより低い河川水位でも、沈下した堤防を超えて増水が東園田の町に流れ込んでくることも想定しなくてはならないのです。あとで想定外という言い訳は通用しません。

 また、この議会に提案されている消防分団にライフジャケットを配布する補正予算の消防局へのききとりでは、東園田地区に水害があった場合は、消防分団員が住民を救出、支援することを想定していると聞いております。

 この5月22日の神戸新聞に、政府の防災白書案が判明したと報道されました。

 東日本大震災では、大規模災害時には行政が住民を救助、支援する「公助」に限界があると指摘し、白書案は、地区とか町内会といった単位での「地区防災計画」の作成を呼びかけました。東園田地区では、まさにこの地区の特性に見合った地区防災計画の策定が必要となるでしょう。

そこで、質問します。(質問4)

 東園田地区については過去の水害被害の検証をすることや液状化による猪名川、藻川の堤防が損壊し、津波が遡上したり、またその時、集中豪雨による増水で濁流が沈下した堤防を超える、という最悪の場合の想定も必要と考えますが、市長は東園田地区の地理的特性を踏まえた災害の想定についてどのように認識しているのでしょうか。

 また猪名川、藻川に囲まれているといった東園田地区の地理的特性に見合った地区防災計画が必要と考えますがいかかですか。

 あわせて答弁願います。

猪名川・藻川の堤防の液状化について、東園田地区の災害の想定についての答弁

(答弁3 防災担当局長)

 県の南海トラフ巨大地震・津波被害想定では、マグニチュード9クラスの地震が発生した場合、本市においては最大震度6強の揺れが想定されており、その地震動による液状化の影響で、武庫川、猪名川、藻川の堤防は沈下するものとして想定されています。

(答弁4 防災担当局長)

 猪名川・藻川に囲まれた東園田地区の災害想定につきましては、①南海トラフ巨大地震による津波の被害として、津波が河川を遡上、越水し地区南端の一部が浸水することが想定されている。
②大雨による被害として、猪名川流域に大雨が降った 際に、河川が氾濫し、地区全体に浸水被害が生じることが想定されているなど、これら水害への備えが必要な地区であると認識しております。

 本市は、3方を海や川に囲まれており、また、市域の3分の1が海抜ゼロメートル地帯であるため、この東園田地区に限らず、いずれの地域におきましても、地震・津波‘洪水等、あらゆる災害を想定した日頃からの備えが必要であると考えております。

 こめため本市といたしましては、共助の精神からも、それぞれの地域特性に見合った地域住民自らによる避難計画、ルールづくり等の策定が非常に重要であると考えており、今後、これらの支援を行ってまいりたいと考えております。

次に 公共施設の最適化と園田地区の地区施設について伺います。<登壇2>

 1問目で東園田地区の地理的特性に応じた災害への備えが必要だとの答弁がありました。この質問で資産統括局長と事前のやりとりがありましたが、東園田ってそんなに危ないのかなという話がもれてきました。次の質問を良くきいてください。

 園田地区会館と園田支所を統合する地区施設の設置場所についてであります。

 公共施設マネジメント基本方針素案に先立って「公共施設の最適化」という取組について、2012年9月に市が素案を発表しました。

 福祉事務所と六支所にある地域保健担当、地域福祉担当の窓口を、(仮称)保健福祉センターとして2か所に統合する。労働福祉会館、労働センターは廃止する。相当する代替施設として、市役所南の駐車場跡地に中央公民館、ホール等の複合施設を設置するなどの素案を提案しましたが、その後の見直しで、梅香小学校跡地になりました。

 中央地区はサンシビックに中央地区会館があり、開明庁舎に中央支所があり、現状通りの2か所の設置としながら、他の5地区については、地区会館と支所を統合した地区施設とし、設置場所をそれぞれ、選択肢1と選択肢2または選択肢3の場所が提案されていますが、1年8か月を経過しているのに、場所は決まっていません。

 このうち園田地区会館と園田支所を合築するとした地区施設の設置場所については、選択肢1として、藻川の西側の東高校跡地とされていることに、東園田地区の住民は大変な危惧を抱いています。選択肢2,3は、現在の園田支所の位置又は現在の園田地区会館の位置です。

 昨年9月議会以後の東園田地区の住民の動きでは、第一に、園和連協の会長以下、13単組の会長連名で、2013年11月に「東園田地域に公共施設の存続を求める要望書」が稲村市長あてに提出されています。

 この要望に対して市長はまだ回答していません。

質問します。(質問9)

市長は、園和連協からの要望に対していつどのように回答するのか、ご答弁願います。

 次に、素案発表から1年8か月の経過のもとで、町会に入っていない住民、園田地区会館の登録団体の会員から「地区施設の件は、その後どうなっているのか」との問い合わせが、私などにかなり届いてきました。

そこで、私が準備して先月、5月17日、当局から担当課長らの出席のもと、「公共施設の最適化」をテーマに出前講座を開き、現在の市の取り組み状況が説明されました。

 登録団体のメンバーら49人が参加し、参加者からは「選択肢1を東高校跡地にしたのは、市の意思なのか」との質問があり、当局は「市の意思ではない」と答弁しました。

住民から「それなら、選択肢1を東高校跡地と書いたのは訂正せよ」との質問に、当局は「次の機会に見直す」と答えました。

 そこであらためて質問します。(質問10)

 現在地も地区施設の対象にするのなら現在地を選択肢1とするべきなのに、東高校跡地を選択肢1にしたのは、市として東高校跡地に優先して設置したいという意思があるからなのかどうですか。

  また、地区設の設置場所を東高校跡地にした場合、東園田地区には類する公共施設がなくなってしまいますが、藻川の東側の東園田地区には地区会館のような施設、地区施設は無くてもいいと考えているのかどうですか、もしそうなら無くてもいいと考える根拠は何か、あわせて答弁願います。

 次に、最近の大規模自然災害の教訓から、被害は厳しい事態を想定していく必要があると考えます。さきほど南海トラフ級の地震では、猪名川、藻川の堤防が液状化する、つまり堤防本体が沈下する、沈み込んでしまうとの想定でした。それが集中豪雨と一緒になったら大変です。

 もし、東高校跡地に地区施設が設置されていた場合、南海トラフ級地震、津波の遡上、集中豪雨、その上に、橋そのものも落橋することも考えられ、東園田地区の避難所に避難した住民への支援拠点としての地区施設からの情報や支援は、東園田地区には届きにくくなることを想定しなければなりません。

 質問します。(質問11)

 「災害に備えて、防災・避難意識の高揚を図る防災講演会や災害時の住民支援の拠点として、園田地区会館の現在地に地区施設が必要だ」との住民の意見について市長はどのようにうけとめますか、答弁願います。

 次に、藻川の西側とは生活圏に微妙な違いがあります。藻川の西側の一定の範囲の地域の方々は、塚口のサンサンタウンの市民サービスセンターが便利であり、一方、東園田地区の人は藻川の西に行く用事があまりなく、全体として人の移動、流れは、藻川の東側の園田駅、園田駅前のスーパーや医療機関に向かうもので、市バスのバス停がある園田地区会館の現在地が、もっとも適切な場所だ、という強い意見があります。

 また、園田地区会館の会議室、ホールなどの利用者の登録団体数は6地区の中で、最も多い76団体あり、利用率も最も高い状況にあります。藻川の西側からの園田地区会館利用者も終ったあと園田駅前でついでの用事をすませることができ、現在地でなんの問題点もありません。

そこで質問します。(質問12)

 園田地区会館の利用者は、生きがいづくりと協働の拠点として活発に利用しているのであり、藻川により生活圏が分断されている状況もある中で、「藻川を超えて東高校跡地に行くことは考えられない、なんとしても現在地での存続を」との東園田地区の住民の強い声を市長はどのように受けとめますか、ご答弁願います。

 質問します。(質問13)

 園田地区の地区施設については、いのちをまもり、暮らしを支える公共施設として園田地区会館の現在地に設置することを求めますが、いかがですか。ご答弁願います。

(答弁9 岩田副市長)

 平成25年11月6日に園和連協から提出を受けた要望書関連のご質問につきまして、私の方から一括してご答弁申し上げます。

 いただきました要望の趣旨といたしましては、東園田地域における防災拠点、コミュニティの拠点として園田地区会館を存続させることや、阪急園田駅前証明コーナーを地区会館に収容し機能充実を図るよう求めるもので、市民説明会などにおいても、同趣旨のご意見を多数いただいております。

 こうしたご要望やご意見につきましては、猪名川と藻川に囲まれた地域として、災害時における行政との連携を密に行っていけるよう、また、コミュニティ機能の維持を強く求める声であると、受け止めております。

 一方で、平成24年9月に策定いたしました、公共施設の最適化に向けた取組素案においては、ファシリティマネジメントの考え方を踏まえ、地域振興センターと地区会館の複合建替えを行っていくこととし、園田地区においては、支所、若しくは地区会館の現在地、又は尼崎東高校跡地をその候補地としてお示ししたところであり、様々な機会を通じて、非常に多様なご意見をいただいております。

 そうした中で、地区の重要な拠点施設として、その位置を決定することにつきましては、なお、東園田地域を含め各方面との協議が必要であると考えており、現在、様々な視点で庁内協議を進めながら、いただいたご意見の精査を行っているところでございます。

 園和連協からの要望書に対する回答につきましても、地区施設の位置等に密接に関わる内容でありますことから、引き続き、地域との協議を進めるとともに、庁内での意見集約を行い、5地区とも位置等がまとまった段階で、お示ししてまいりたいと考えております。 

(答弁10 資産統括局長)

 地域振興センターと地区会館の複合施設に係る候補地の記述につきましては、これまでも、市民説明会などの場でご指摘をいただいておりますが、あくまで、候補地を列記させていただいたもので、第1候補地を尼崎東高校跡地にするという、市の意思を表現しているものではございません。

(答弁11,12、13 資産統括局長)

 先ほども、ご答弁申し上げましたとおり、東園田地域からのご要望・ご意見につきましては、猪名川と藻川に囲まれた地域として、災害時における行政との連携や、コミュニテイ機能の維持を強<求める声であると受け止めており、そうした認識のもと、様々な視点から、今後の取組の方向性を検討し、引き続き地域との協議に努めてまいりたいと考えております。

公共施設の最適化と園田地区の地区施設についての2問目<登壇3>

〇園田の地区施設を東高校跡地に設置してはどうかという意見の理由の一つに、「駐車場をもっと広くしたほうがいい」という意見があったと聞きました。

 じゃ30台も50台もおけるくらい広くしますか。

 10台置ける現在のプラスアルファでいいと思います。地区の施設ですから、徒歩、自転車、市バスのなどで地区施設を利用してもらうのが基本だと考えます。

 駐車場の台数を増やすことを理由に東高校跡地に設置すべきではありません。

〇公共施設マネジメントの基本方針素案のパブリックコメントに対する市民の意見の中に「園田地区で、地区会館の建て替え位置で揉めているが、声を挙げているのはごく一部の人たちであり、この問題は園田地区の住民の投票で決めてはどうか。」という内容のものがありますが、ごく一部とは、その人が何をもってそういう判断をしたのかわかりません。

 園田地区全体からみて東園田地区はその一部ですが、「園和連協」の13の単位社協会長が連名で、市長に存続の要望書を提出しています。

 園和連協は約13000世帯であり、加入率が50%としても6500世帯の代表が要望している、それを「ごく一部」と考えますか、東園田地区住民に失礼ですよ。

 社協に加入していない市民も園田地区会館を利用しており、私は、東園田地区のまちぐるみの要望だと強調いたします。

 昨年9月議会で、同趣旨の質問をしましたが、当局は社協園田支部の理事会の意見を聞いているという趣旨の答弁をしましたが、その理事会の意見を重視して決めるとすれば、地域全体の民意を反映したとはなりません。

日常的に利用している園田地区会館の登録団体の代表の意見も聞くべきであり、地域の住民の意見も大いに聞くべきです。

〇防災力の向上という点では、巨大災害、あるいは地理的特性による災害への備え、まずはいのちをまもるために適切に避難することでしょう。

 東園田地区においては、これまで園和連協、東園田町会や園田ライオンズクラブや藻川の堤防を考える会などが関わる防災講演会やシンポジウムを開催してきました。

 昨年も紹介しましたが、中央防災会議で活躍の関西大学の河田恵昭さん、防災専門家の室崎益輝さん、釜石の奇跡といわれる平時からの避難を生徒たちに訓練、講演してきた群馬大学の片田敏孝さん、堤防の強化など京都大学土木工学出身の今本博建さんなど、名だたる方々を招いて、防災意識の高揚を図る取り組みをしてきています。

 本市がいま防災シンポジウムを開いていますが、東園田地区においては、東日本大震災の起きるもっと以前から、避難訓練もやってきているのです。

 そういう方々は、猪名川、藻川に囲まれた地理的特性を理解したうえで、さまざまな角度からの講演をしていただいたのです。

 防災意識や防災力の向上のために現在地の園田地区会館は大きな役割を果たしてきています。

 公共施設の問題は往々にして、他都市と比較して多すぎるという議論になりますが、「巨大地震、津波や水害などから、それぞれの地域で住民の命をまもるためにどうあるべきかという視点を大切にしなくてはならないと考えます。

 そこで最後の質問です。(質問14)

 園田地区においては、住民合意が得られない場合は、無理やりに藻川のどちらかの場所にせず、例えば現行通りに、藻川の東側にホールや会議室などの地区会館機能を、藻川の西側に地域振興センター機能をという選択肢も検討するべきではないかと提案しますが、いかがですか。ご答弁願います。

 北部も南部も(仮称)保健福祉センターの設置を予定した場所が確定しないため、全体として遅れているようです。支所から地域保健担当、地域福祉担当をなくすことや証明コーナーを廃止することは住民合意の問題があると考えますが、園田支所の地域振興センターの職員は5人、社協園田支部の職員は4人であり、どこに設置するかです。

 園田地区の地区施設については、園田地区会館の機能は現在地で、地域振興センターの機能はたとえば東高校跡地で、と決めれば、園田地区の地区施設の設置場所も東高校跡地の計画も推進していくことができ、藻川の東側、西側共に住民合意を得やすく、公共施設の最適化の園田地区の取り組みを前へ進めることができると考えます。

  以上で、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

(答弁14 岩田副市長)

 地域における協働のまちづくりや、コミュニティの創造の拠点である地域振興センターと、市民の身近な活動の場である地区会館を複合化することは、施設の総量を圧縮するといった観点のみならず、地域コミュニティの拠点機能の強化を図ろうとするものでございます。

 また、こうした複合施設の位置につきましては、歴史的なまちの成り立ちや、コミュニティ形成のエリア、さらには行政サービス機能の配置バランスなどを考慮し、旧行政区ごとに設置することとしたものでございます。

 したがいまして、申し上げました主旨や、他地区とのバランスを踏まえますと、園田地区のみ、地域振興センターと地区会館を、それぞれ個別に設置するという考えはございません。

 こうした考え方につきましては、各地区の皆様方に、ご理解いただけるよう、十分ご説明申し上げるとともに、協議、意見交換を重ねてまいりたいと考えております。