議員団ニュース213号【声を上げ続けて30数年!子どもの医療費無償化への扉を開いた】

 

議員団ニュース213号を発行しました!

子どもの医療費、尼崎では「お金がない」の一点張りで近隣他都市が実現していても尼崎は進みませんでした。

議員団は30数年にわたって毎年毎年、議会でも質問を繰り返し、市民の皆さんの陳情請願、市民運動とともに声を上げ続けてきました。

長年の市民運動がなければ、実現しなかったことです。

 

2024年10月 決算特別委員会 川﨑としみ議員の総括質疑と当局答弁要旨

【子どもの医療費助成について】

市民意識調査で、本市にこれからも住み続けたいと回答した市民の割合が85.9%、その理由として尼崎市への愛着、買い物などの利便性、地域とのつながりが評価されています。一方で住み続けたくないとの理由としては、ルールマナー、子ども子育て支援、防犯が挙げられています。単身世帯および2人世帯がファミリー世帯になっても、本市に住み続けたいと感じてもらえる街づくりが必要とは、誰しも思うところです。

子育てをしやすい街だと感じている市民の割合は、51.2%前年比+0.8%ほぼ横ばいで推移しています

こうしたデータから見ても、ファミリー世帯定住のために1丁目1番地に取り組むべき課題は、医療費助成事業、18歳までの子どもの医療費を所得制限なしで無料化にする制度だと思います。

子ども医療費助成制度は、2021年・22年・23年(令和3・4・5年)と助成金額を約1億円・3億円・5億円と事業費をのばしてきました。そして医療費の2割負担が→所得別にゼロ円とか、400円とか、800円と減り、市民に大変喜ばれ、また、多くの市民が救われていると思います。

 

Q .1 実際にこのこども医療費助成制度の件数は、2021年以来、どのように推移していますか?また受診する診療科目の変化について、どのような特徴があるのでしょうか?

答弁要旨

 乳幼児等医療費助成事業とこども医療費助成事業を合わせた年間総助成件数につきましては、拡充前の所得制限があった令和3年度は約52万件でしたが、制度拡充後の令和4年度は約63万件、令和5年度は約78万件と増加しており、この伸びについては、制度拡充以外の全国的な医療費の増加分も加味されております。

 次に、受診する診療科目の変化につきましては、医科・歯科・調剤のデータを見ますと、令和3年度から令和4年度には医科120%、歯科116%、調剤123%と全体的に助成件数が増加しており、令和4年度から令和5年度には医科121%、歯科111%、調剤134%と更に全体的に助成件数が増加している状況であり、調剤の伸びが他に比べて少し高い伸びを示しております。以上

 

歯科の受診が増えていると思います。歯科の先生は口の中に貧困やネグレクトがあると言われます。お金がなくて歯を治せない、兄弟でもらった薬を分けているなどのことが、解消の方向に向かっているのではないでしょうか。

 

Q .2 市は歯科の受診が増えていることを、どのように評価されていますか?

答弁要旨

 先ほどご答弁申し上げましたとおり、令和3年度から令和4年度、さらには令和5年度と歯科も含めて全体的に助成件数は増加しております。

 この要因としましては、これまでの制度拡充に伴い、医療費の負担が軽減されたことにより、必要な時に安心して受診できるようになったことによるものと認識しております。以上

 

さらなる支援策の強化が必要だと思います。

 

Q .3 18歳までの医療費完全無償化にするためには、どのくらいの予算が必要とされるのでしょうか?

答弁要旨

 子どもの医療費助成制度について、18歳までを完全無償化にする場合、完全無償化をしている未就学児を除き、小学生及び中学生の無償化に約1億8千万円、高校生の無償化に約3億2千万円必要となり、合わせて約5億円の財源が必要になると試算しております。以上

 

一気に実施すべきだとは思いますが、今の財政状況からはすぐには無理となるのであれば、段階的にどのように進めていくのでしょうか。

 

Q.4 段階的に実施するとなれば、どのような展開をめざしているのでしょうか?

答弁要旨

 先ほど答弁いたしましたとおり、現在、診療科目ごとの実績も含め、受診頻度や事業費の変化・推移など、その効果や影響について、検証を進めています。

 一方で、完全無償化は、経常的に多額の財源が必要となるため、制度の持続可能性について留意が必要であると考えております。

 そのため、制度拡充にあたっては、先に申し上げた検証結果に加え、制度の持続可能性を考慮するほか、ライフステージごとの子育て世帯の家計負担の状況や、すでに実施している各種支援策とのバランスなど、様々な視点で検討し、できるだけ早期に拡充策を明らかにしてまいります。以上

 

ぜひとも子育てしやすい街、当面は兵庫県下で、他の市町とそん色のない他の市町並みにしていただきたい。早期の取り組みを求めます。

 

【上下水道事業へのPPP/PF I手法の導入について】

 

市は、2027年(令和9年)より、下水道事業の一部をPPP/PFI化しようとしています。国は補助金助成で、国の政策を強引に自治体に押し付ける政策を実行してきており、それが市民の暮らしに真にプラスになるのか、慎重な検討が必要だと思います。

またこれまでも、様々な分野で事業の民営化が急速に進んできたことに対し、市民サービスに直結する公共事業を見直す取り組みがはじまっています。イギリス・欧州では上水道の民営化は公共に戻す等のことが行われ、日本では「公共を取り戻す」スローガンのもとに、いくつかの自治体でも民営化の見直しが始まっています。

本市でも、アウトソーシングの実効による課題として、市職員のノウハウの損失、災害時の対応、コストの妥当性といった問題点をあげています。

 

Q .5 これらの課題について、どのような検証を図り、事業計画を作っていくのかお答えください?

 

答弁要旨 

PPP/PFIは公共施設の整備・運営に民間事業者の創意工夫等を活用することにより、効率的かつ効果的なサービスを実現する手法であり、本市の下水道事業におきましても、施設の老朽化や技術職員の不足が懸念されるといった課題を抱える中、国が推進する官民連携方式である「ウォーターPPP」の考えを踏まえた上で、当該方式の導入を計画的に進めるものです。

 この手法の導入にあたっては、公営企業局内に設置する検討会議で議論を重ねるとともに、下水道事業や民間事業者の動向、また、コスト分析などに高い知見を有する事業者への導入検討業務の委託などを通じ、職員のノウハウの蓄積、災害時の対応や導入コストなどの課題につき、十分に精査した上で導入に向け検討をしてまいります。 以上

 

 

今後、補助金がでるから、PPP/PFI化で事業の民営化を進めることにはもっと慎重になるべきだと思います。絶えず検証し、立ち止まって評価を行い、問題解決のために何をなすべきか考察すべきと考えます。

能登の地震の際、公務員が現場にいなくて、受援体制が整わず、復興に遅れが生じている現状に私たちは遭遇しています。

 

先に実行ありきでの進め方は改めるべきです。また国に対してPPP/PFI化の事業でなければ補助金を出さないという、国の強引な政策誘導に自治体の主体的な判断で取り組みが進められるよう、こうした制度を見直すべきだと主張することも大事ではないでしょうか。

 

Q.6 全国市町村会等を通じて、施策誘導につながるひも付きの補助金制度はやめるよう申し入れるべきです、市の考えは?

 

答弁要旨

 下水道事業における、いわゆるウォーターPPPは、増大する施設の老朽化への対応や、技術職員の不足か懸念される課題が全国的となる中、国において、新たな官民連携方式として示されたものです。

 また、国は、このウォーターPPPの導入拡大に向け、下水道事業の汚水管の改築に係る国庫補助採択について、この官民連携方式の導入が決定済みであることを、令和9年度以降に採択要件化することとしております。

 本市としましては、下水道事業の持続可能性が懸念される課題に対し、国が示す「ウォーターPPP」の導入による効果の発現を期待するところであり、ご指摘の補助金の採択要件化の廃止を申し入れる考えはございません。以上

 

【公立保育所の役割について】

1)待機児童対策について

保育所の待機児童数は2019年236人が2023年11人まで減少しました。しかし、隠れ待機児童と呼ばれる、保育所を希望していながら、実際には様々な理由で、保育所に入所できていない子どもの数は、2020年895人、2021年865人、2022年607人、2023年597人、2024年530人となっています。やや減少傾向となっていますが、いまだに530人というのは、大変大きな数字だと思います。

 

Q .7 直近の隠れ待機児童の状況は、どうなっていますか?

 

答弁要旨

 保護者が育児休業中で早期の副食を希望しない者や、特定の保育施設等を希望している者など、国の待機児童の定義には該当しない、いわゆる未入所児童数につきましては、令和6年4月1日時点では530人、現在把握できる直近のデータの令和6年8月1日時点で780人となっております。以上

 

2)ゼロ歳児の定員割れ問題について

待機児童対策のために昨年度は3カ所民間園を増やして228人の定員増、来年度はさらに4か所増やして360人の定員増を図ろうとしています。しかし実際には、民間園では定員割れという問題が発生しています。特にゼロ歳児で極端な定員割れといった問題が発生しています。民間園では4月当初から、定員に基づく職員の配置を行っていますが、実際に定員が充足されるのは10月ごろになってしまう、結果人件費がますます民間保育園の経営を圧迫しています。年度途中で職員を募集してもなかなか職員が集まらないからと、4月から職員体制を整え苦労されています。

ある保育園では、昨年はゼロ歳児の定員7人に対する、定員割れは4月が2人、5月が一人だけでしたが、今年は4月から7月まで5人、8月も4人、9月も3人とあり、年度中に定員7名を満たすことは難しい予測となっています。結果その分だけ子どもの委託費は一人当たり月額で215,120円減少しています。今年度10月以降2名の定員割れが続くと想定しても、年間でマイナス9,680,400円減収になるということです。

 

Q .8 このような実態について、市はどのように把握されていますか、数字をつかんでいますか?

 

答弁要旨

 各法人保育施設における保育士の配置につきましては、年齢ごとのクラス単位での詳細な状況までは把握しておりませんが、市に対して「保育士等配置状況確認書」を毎月ご提出いただく中で、入所児童数に対して保育士数の充足状況を把握しております。

 また、法人保育園等におきましても、保育士を募集しても、必要な時期に必要な人材を確保することが困難なため、年度途中の入所児童数を見越した保育士数を年度当初から確保することが人件費の増加につながり、少なからず経営に影響を及ぼしていることについて、法人保育園会からお聞きし、補助金創設のご要望もいただいております。以上

 

Q .9 また、ゼロ歳児が年度当初から少なくなってきている、その原因はどこにあると思いますか?

Q .10 大阪市のような市独自の支援策を構じる考えはありませんか?

 

答弁要旨

 議員ご指摘のとおり、大阪市では0歳児は育児休業SY風良悟からの途中入所が多く、保育施設においては年度途中における保育士確保が困難であることから、年度途中の入所を見越し、年度当初から保育士を配置している保育施設に対し、その間の保育士の人件費を助成する「0歳児途中入所対策事業」を実施しております。

 本市におきましても、育児休業制度の拡充等により、大阪市と同様に年度当初の0歳児の利用が少なくなっておりますが、年度当初から年度末にかけて順次、保護者の産後休暇や育児休業が終了するなど、年度途中において利用希望者が増加している状況です。

一方で法人保育園や認定こども園の入所児童数については、令和6年4月時点でも利用定員に対する平均入所率が100%を超えており、依然として保育ニーズが高い状態で推移しております。

 また、今後もしばらくの間は保育ニーズの増加が続くと見込んでいることから、一時的な0歳児クラスの定員割れに対する補助制度の創設は現時点では考えておりませんが、いずれ迎える少子化の影響等も見据えながら、持続的に法人保育施設の運営が確保できるよう保育行政を進めてまいります。 以上

 

こうした状況下で、市に対してすでに法人保育園会から要望も届いていると思いますが、大阪市などで行われているような支援が求められています。大阪市では、保育人材確保策として、0歳児の途中入所に対応するため、1歳児保育士配置基準を改善するための人件費助成が行われています。年度途中の入所を見越した保育士を配置する保育施設に対し0歳児が入所するまでの間(4月〜9月)、0歳児一人当たり140.400円の助成が行われています。

 

 

3)障害児対策 公私間格差

障害児やグレーゾーンにいる子どもたちが保育園、公立の保育所に入所しづらい状況が出てきているのではないでしょうか。またこうした子ども達の受け入れが、公立と民間で大きな差が生まれています。

私たちはかねてより公私間格差の解消を訴えてきました。2022年の9月議会で真崎一子議員が、また昨年の3月予算委員会の総括質疑では、松澤議員が質問しています。障害児保育事業補助で、現在障害児1人に月74,140円の加算がされていますが、この単価は20年以上変わっていません。障害をもつ子どもの対応には保育士がつきっきりで当たる必要があり、公立保育所では障害児2人に1人の保育士が加配となっていますが、法人園では障害児一人につき74140円ですから賃金べ一スにすれば障害児3人に保育士1人の加配となり、明らかに公私間格差があると思います。と質問しています。

【資料23年3月予算 松澤議員の総括質疑 答弁】

公立保育所におきましては、概ね障害児2名に対し保育士1名とする配置を標準としております。一方、法人保育施設においては、加配保育士の有無にかかわらず、法人保育施設からの申請等に基づき、市において障害児として判定された児童1人当たり、月額74,140円を補助する制度を活用し、障害児保育に対応されています。障害児若しくは気になる児童の態様も様々であり、その実情に即して各法人保育施設において、保育士の配置がなされるなか、一概に公私間格差があるとの認識はございませんが、障害児若しくは気になる児童が多数在籍していることは認識しており、障害児保育推進の観点から、今後もよりよい保育士確保策を検討してまいりたいと考えております。

 

昨日の維新の会の別府議員の質問にも答えられていると思いますが、お尋ねします。

 

Q .11 民間への助成を公立並みに引き上げることは、なぜできないのでしょうか。いつから実行されるのですか?

答弁要旨

 法人保育施設障害児保育事業補助金につきましては、昨日、別府議員にご答弁した内容と重なりますが、加配保育士の有無にかかわらず、市が障害児として判定した児童1人当たり、月額74.140円(年額889.680円)を補助する制度で、保育に必要な経費として人件費だけはなく、研修費や設備購入費等も補助対象としております。

 このような中、保育現場の法人保育園会からも補助制度の充実を図るよう要望を受けておりますこと、また、補助額につきましても、地方交付税により財政措置された平成15年度以降、単価額を設定して約20年にわたり変更していない状況でございます。そのため、阪神間の各自自治体の水準、昨今の物価高や人件費の高騰、保育現場のニーズ等の状況や「尼崎市就学前教育ビジョン」に基づく私立幼稚園等への新たな補助制度の内容を踏まえた上で、よりよい障害児保育の環境整備につながる制度の在り方を検討してまいりたいと考えております。以上

 

公立といえども障害児や障害を抱えていると思われる子ども達が、入所待ちといった状況が生まれています。

 

 

今後、事業計画の次期策定、公立保育所の今後の基本的方向についての見直しや時期公立保育所の民間移管計画の検討などが行われようとしています。現実との乖離、見込み違いが生まれないような、充分な対策を講じてほしいと思います。

 

以上で日本共産と市議団の2023年度決算、施策評価等に対する総括質疑を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

 

2024年9月議会 まさき一子議員の一般質問と答弁要旨

 

日本共産党議員団の真崎一子です。

今日は子ども誰でも通園制度について、小中学生の就学援助費について、小中学校給食の無償化について、子どもの医療費の無償化について質問します。

 

まずは子ども誰でも通園制度についてです。

 

子ども誰でも通園制度(以後通園制度という)は、国の主導で全国一律の事業として整備し、0歳6ヵ月~2歳児で保育事業所に通園していない子どもを、月IO時間以内で保育事業所や公立保育所、幼稚園等を利用できる制度です。保育事業所と利用者の直接契約になり、市の役割が大きく後退します。

 

2024年度から一部の自治体で試行的に導入し、26年度はすべての自治体で実施する予定としています。

今年は115自治体で試行しています。兵庫県では神戸、姫路、加西、養父、南あわじ市の5市で導入しました。

通園制度は0歳6ヵ月~2歳児までの人見知りが激しい時期に、月10時間という上限の中で月1・2回だけ、あるいは週に2時間半だけ預けられる。最悪の場合空きがある異なる事業所を転々とさせられる。子ども同士の関係や子どもと保育士の関係が出来上がっているところヘポンと入れられる、まるで荷物のように。子どもにとって不安な思いだけで2時間ほど過ごすことになります。こんな保育環境が子どもにとって望ましいと言えますか。

質問します。

 

Q1、通園制度は、子どもの健全な成長発達に懸念があります。

通園制度に対する市の見解をお示しください

 

答弁要旨

 こども誰でも通園制度は、すべての子どもの育ちを応援し、子どもの良質な成育環境を整備するとともに、すべての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルに関わらない形での子育て支援を強化するために、令和8年度から子ども・子育て支援法に基づく新たな給付制度として全自治体で実施できるよう、国において現在、詳細な制度設計がなされております。

 具体的な制度の内容は、月一定時間までの利用可能枠で就労要件を問わずに時間単位で柔軟に保育所等を利用できるようにすることで、子どもが家庭とは異なる経験や家族以外の人と関わる機会を持つことにより、健やかな成長につながるなど、すべてのこどもの育ちを応援することを目的とするものと認識しております。

 本市においても、こうした国の制度目的を踏まえ、すでに試行的事業を実施している先行自治体での子どもの安全・安心面や保育士の負担増大などの取り組みを検証するとともに、関係団体と意見交換を行う中で、こども誰でも通園制度の意義・目的に沿った運用ができるよう検討を進めてまいります。

 なお、法人保育施設がこども誰でも通園制度を実施するに当たって、市は、実施施設の認可や確認、利用者の給付認定、利用実績を確認のうえ給付、同制度の実施に関する監査、助言等を行わねばならないことと同法で定められており、利用調整以外は、通常保育に係る業務と同等の業務を市の役割として果たすこととされています。 以上

 

 

続いて就学援助の単価引き上げについて伺います。

2023年度は国の要保護基準において、中学生の就学援助費が引き上げられ、新入学学用品費が3000円上げられ6万3000円になりました。近隣都市では昨年度から伊丹、宝塚、明石市は6万3000円に。西宮市は6万円。尼崎市は4万7400円のまま、その差は1万5600円です。

小学校はどうでしょうか。24年度から新入学児童の学用品費用は、3000円増の5万7060円になりました。伊丹、宝塚、明石、西宮市は今年度5万4060円です。ここでも、尼崎市は4万600円でありその差は1万3460円です。質問します。

 

Q2、尼崎市は小中学校とも新入学用品費の増額はされなかった。

他都市と比べて少ない理由をお答えください。

 

答弁要旨

 就学援助費の支給費目の一つである新入学学用品費は、資格要件を満たす保護者に対して、その児童生徒の市立小学校の及び中学校などの入学前又は入学後において支給されるものであり、その設定金額は国が示す金額を参考に、市の裁量により決められるものでございます。

 本市は令和2年度新入生向けに新入学学用品費の設定金額の増額を行いましたが、その後、新型コロナウイルス感染症の流行に起因した家計急変への対応により、就学援助認定者数が増えたことや、オンライン学習通信費という新たな支給メニューが追加されたことで、多くの財源が必要となりますことから、設定金額の更なる増額を行うことができなかったものでございます。以上

 

就学援助制度は、全ての子どもが安心して楽しく学校生活、勉強ができるように経済的な理由で就学させることが困難な保護者に給食費用や学用品費の一部を援助する制度です。住んでいるところで支援に格差がつくのは子どもの人権が守られていないと言えるのではないでしょうか。

質問します。

 

Q3、今後、他都市と足並みをそろえる考えはありますか?

 

 答弁要旨

 新入学学用品費は、児童生徒が新しい学校生活をスタートさせる際に、学用品等の調達の一助にしていただくものです。そのため、近年の物価高騰の傾向などから、設定金額の増額は必要であると考えております。

 しかしながら、設定金額を他都市並みに増額するためには、増額の予算措置が必要となりますので、今後、関係部局と協議しながら設定金額の引き上げを検討してまいります。 以上

 

次は、小中学校の給食費の無償化についてです。

今年8月3日のテレビ朝日ANNニュースで、 NPO法人「ひとり親家庭サポート団体全国協議会」が7月20日~28日までに全国ひとり親家庭2100世帯に行った調査によると、31.8%の家庭が「1日2食」、2,2%が「1日1食」と回答しました。夏休みに入り給食がないことに加えて、物価高で「おかゆにしてかさ増しする」「エアコンの使用を控える」など厳しい生活実態を訴える声が上がっていました。

文科省の2023年度9月の給食無償化の調査では、児童生徒全員を対象に無償化を実施しているのが547自治体。支援要件を設けるなど一部の児童生徒を対象にして無償化を実施しているのが145自治体。

23年度中に40自治体で無償化を実施しており、全国の自治体へと広がっています。

 

子育て支援策の柱の一つである給食の無償化について、跡見学園女子大学の鴉(がん)咲子教授は「コロナ危機後、食材高騰の中で子どもの食の格差が拡大している。この格差を小さくする役割が学校給食にはある。給食の無償化にはすべての子どもが給食費を気にせずに、安心して給食を食べられるというメリットがあると述べました。

また鷹氏は隣国の韓国の給食無償化を紹介し、「就学援助のような所得制限のある給食費への支援を転換し、普遍的支援である給食無償化を実施している。給食に農業予算を使っている、高校まで給食を実施している、費用は基礎自治体だけでなく都道府県にあたる広域自治体も負担しているなどが韓国の特徴。」と述べています。無償給食は、韓国の憲法第31条3項で「義務教育は無償にする」に基づくものです。そして給食は教育の一環であるということに同意しているということです。

 

日本でも、憲法第26条第2項に「義務教育はこれを無償とする」と明文化しており、学校給食法では食材費は保護者負担となっておりますが、学校給食も教育の一環として国の責任で実施するべきです。東京都では給食費用の2分の1を保障し、今年4月から23区すべてで小中学校の無償化が始まりました。青森県でもこの10月から無償化が都道府県で初めて実施されます。質問します。

 

Q4、市として、国と兵庫県に対しても給食の無償化を求めてほしい。いかがですか?

Q5、小中学給の無償化について県との協議はやっているのですか。給食無償化への市の見解、また今後の方向性をお示しください。

 

答弁要旨

 給食費の無償化については、多額の財源が必要になりますことから、その実現は各自治体の財政力により左右されるのではなく、国の財政負担により全国一律に実現することが望ましいと考えております。

 そのため、本市におきましては、全国の自治体の長や教育長で構成される各種市長会及び教育長会などを通じて、給食費の無償化の早期実現を国に対し求めているところでございます。

 また、兵庫県と給食費の無償化について、協議はいたしておりませんが、兵庫県には国に対して国の財政負担による無償化の実施を働きかけていただくよう求めているところでございます。

 一方、本市における給食費の無償化については、本市の財源のみで給食費を無償化することは、多額の財源を要することから、財政状況等を踏まえた責任ある検討が必要であると認識しており、引き続き、国や県の動きを注視しながら、検討して参ります。以上

 

 

目本は食糧自給率、カロリーべ一スで38%と先進国の中で最低水準です。

物価高騰で食材やエネルギーが高騰しています。減反や日本の農業政策を外国の輸入に頼ってきた弊害が今沸騰しています。これら食糧難や物価高騰が国民の生活を圧迫し、米や食材が買えない不安が町中に渦巻いています。学校給食の値上げが保護者を苦しめています。そのすべてが国の責任です。政治の方向転換が必要だと思います。

 

市は国県に学校給食の無償化を強く求めるべきです。

国が実施するまでのつなぎとして地方自治体は「住民の福祉の向上」の立場で住民の要望を踏まえて学校給食の無償化を推進、実施するべきでしょう。しかし小申学校への完全無償化は毎年多額の財源がかかり、尼崎独自での無償化は難しいと思っています。兵庫県と協議して、小中学校一方のみ、多子世帯、

半額負担等、段階的に条件を設けてでも前進するべきです。

 

 

第2登壇

2問目の初めは、こども誰でも通園制度の子どもの安全についてです。

 

今でも、保育所等を利用していない家庭においても、一時的に家庭での保育が困難になった場合や育児疲れによる保護者の負担を軽減するために支援が必要とされた場合に、月12日間利用できる一時預かり制度があります。利用者と保育事業所との直接契約ですが、市が補助金を支払うため、利用した時間や月回数、担当者まで詳細に情報を共有します。預かる際には事前の保護者・子どもの面接と慣らし保育もあります。子どもの特性を事前に知り安全に保育するためです。

 

しかし通園制度はスマホで申し込み、子どもの情報を送信するという申請方法です。慣らし保育もありません。また事業所や日時を固定せずその都度申し込んで利用する自由利用の場合はコロコロと子どもが入れ替ったり、初めて保育される子どももいます。そんな状況で安全な保育ができるでしょうか。

 

2015年~22年までに発生した保育所や幼稚園での死亡事故件数で一番多いのは、0歳児25件38.5%、二番目が1歳児23件35.4%、三番目が2歳児で5件7,7%でした。就学前施設で起こった死亡事故の82.5%がこの年齢です。しかも保育初日に起こっている事故があるというのも見逃すことができません。保育所で過ごすことに慣れていない子どもへの対応について保育現場では戸惑いもあり、保育士不足に拍車がかかります。質問します。

 

Q6、保育士不足が深刻な保育事業所で、通園制度は子どもの安全性が脅かされます。当局の見解はいかがですか。

 

答弁要旨

 保育所は、子どもたちが日々安全・安心に過ごすことができるよう、生活や遊びの環境を整え、乳幼児期の健やかな育ちを支えることが求められており、こども誰でも通園制度においても、こうした子どもの安全が当然のこととして確保される必要があります。

 ご指摘のあった申込方法につきましては、事前に利用申込者が記載する登録洋式や面談の機会を用いて、保育所が子どもの健康状態、生活リズム、発達の状況やアレルギーを確認するなど、子どもの安全確保について適切に対応ができるよう、現在、国において制度設計が進められております。

 また、深刻な保育士不足に対応するため、引き続き、保育士確保・定着化に係る支援等の実施に加え、更なる拡充策の検討を行うなど、法人保育施設への支援に取り組んでまいります。

 さらに、利用者と保育施設、市がつながるシステムなど、今後、見込まれる保育現場での職員の負担の軽減についても、国の検討会で議論されているところであり、これら国の検討過程を注視し、安定的な運営を確保する方策を検討する必要があるものと認識しています。以上

 

政府は、今年と来年は試行段階で、2026年には全自治体で施行するとしています。利用者と保育事業者との直接契約であり、市の関与がない場合トラブル時の対応や責任を押し付けられたり、また保育士の配置等、保育事業所の負担が大きくなります。法人園長会との協議を重ね、納得した実施が必要だと思います。質問します。

 

Q7、本市としてはいつから実施に向けた検討し、実践しようと考えておられますか?

法人園長会との協議をするべきと思いますが、当局はどう考えますか。

 

答弁要旨

 こども誰でも通園制度は、令和6年6月5日の子ども・子育て支援法の改正により、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、令和8年度からすべての自治体で実施することとされております。

 こうしたなか、本市では、現在制度実施に向けた庁内会議等において検討を進めているところですが、本格実施に係る設備・運営基準や配置基準等、実施するために必要な制度の詳細は現時点で国から示されていません。

 このような状況ですが、保育現場とも丁寧な協議を重ねていく必要があると考えておりますので、現時点において国から示されている内容を基に、今月から法人保育園会等に対し説明、協議していく予定です。

 今後は、引き続き、国の情報や近隣で試行的事業を実施している自治体から具体的な課題を確認するとともに、法人保育園会等との意見交換の実施、子ども・子育て審議会での意見聴取等、関係機関と丁寧に調整を行いながら、対応してまいりたいと考えております。 以上

 

通園制度は子ども一人当たり、1時間利用者負担300円、国の補助850円の1150円が定されます。この制度を担当する保育士を確保しなければなりません、朝から夕方まで子どもがコンスタントに確保できれば、保育事業所の経営は成り立ちますが、曜日や時間帯によって空きができると、赤字になる可能性があります。

一時預かり保育の場合は、半日または1日預かっても、1臼単位で保育料は計算できるために、保育事業者の安定した収入と利用者が月12日利用できる等の需要があります。

質問します。

 

Q8、現在行っている一時預かり保育制度を充実することが、子どもや保護者、保育士にとって安定した保育ができるのではありませんか。当局の見解をお示し下さい。

 

答弁要旨

 一時預かり事業の利用にあたっては、利用者は保育施設に事前登録を行い、契約を締結した上で、直接保育施設に申込いただく仕組みであり、こども誰でも通園制度と同様、市が利用者と保育施設の間に入って受け入れを調整することはございません。

 また、保育施設経営の観点から、こども誰でも通園制度においては需要と供給が一致しないと運営が困難になるのではないかとのご指摘ですが、一時預かり事業においても同様の課題があると考えており、利用料の設定につきましても、国は誰でも通園制度と一時預かり事業では同水準になることを想定した制度設計を検討しております。

 このように、一時預かり事業と誰でも通園制度には類似点があることから、こども誰でも通園制度の開始に当たっては、一時預かり事業についても一定の整理がなされるものと考えております。

 

 

最後は子どもの医療費無料化についてです。

 

子どもの医療費に対する助成制度の通院は2023年5月1日時点では「高校卒業まで」が1202自治体(69%)となっています。「中学卒業まで」は482自治体(28%)併せて97°/・の自治体で実施しています。

会派の決算学習会で、当局は「今後は他都市を参考に医療費助成の対象を高校生まで拡充することを検討中」と答弁をされました。

 

厚労省は2023年国民生活基礎調査を行い、今年7月に発表しました。18歳未満の子どもがいる世帯を「児童のいる世帯」といいます。

 

資料をご覧ください。

 

①児童のいる世帯は全世帯の18.l%すごい勢いで少子化が進んでいます。

②児童のいる世帯の母親は77.8%が働いています。正職員32.4%と非正規職員35.5%。

③全世帯の生活状況は23年度大変苦しい26.5%、やや苦しい33.1%併せて約60%が、生活が苦しい状況。

④児童のいる世帯の生活の苦しいが65%を占めている。

調査では児童のいる世帯の平均所得金額は、22年度は812万円です。

子育て世帯は決して収入が少ないわけではなく、仕事もある、マイホームも車もある、保険にも入っている、税金も払っているけれど生活が苦しい。子どもの教育や部活・塾にお金がかかる、大学の入学金・学費が高い、家や車のローンがある等の出費に苦しんでいる人も多いのではと思われます。

 

尼崎市は子育てしやすい街、子育て世帯の転入促進の街を目指していますが、子育て世帯の生活実態がこんなにひどいことになっている現状では、子育て支援の充実、子どもの医療費の無料化の充実は待ったなしの課題です。せめて他都市並みのサービスの提供が必要ではないでしょうか。

 

改めてお聞きします。

 

Q9、子どもの医療費の助対象を高校生まで拡充を行うのですね。

実施時期及び助成の内容についてお答えください。

QIO、市は児童のいる世帯の生活実態を見てどのように思いましたか?子どもの医療費 中学卒業まで所得制限を外して無料にすることの決意をお聞かせください。

 

答弁要旨

 18歳までの制度拡充に向けましては、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、検討を進めているところでございます。

 その検討にあたりましては、これまでの制度拡充による効果や影響について、拡充前後の受診回数や事業費の変化・推移などについて検証するほか、ライフステージごとの子育て世帯の家計負担などの状況や、すでに実施している各種支援策とのバランスも含め、様々な視点で検討し、制度設計を行っているところです。

 また、ご指摘の「子育て世帯の生活実態」に対しましては「あまがさき子ども・子育てアクションプラン」にも掲げておりますとおり、子育てや教育にかかる「経済的負担」は大きいものであり、軽減を図っていくべき課題と捉えております。

 いずれにいたしましても、こうした現状認識のもと、各種検証をおこなった上で、財政状況も考慮し、できるだけ早期に拡充策を明らかにしてまいります。以上

 

 

2023.6月議会 松沢ちづる議員の一般質問と当局答弁要旨

 

 

日本共産党議員団の松澤千鶴です。

私は、18歳までの医療費を所得制限なしで無料にすることについて、自衛隊に18歳と22歳の個人情報を市が提供していることについて、家族介護用品支給事業について質していきます。よろしくお願いします。

まず、18歳までの医療費無料化についてお聞きします。

これは市長の選挙公約でもあり、3月の代表質疑ではほとんどの会派から質疑のテーマとしてあがっていました。日本共産党は、子育て支援策として本来国の責任でしっかりと実施していくべきだと考えていますが、国待ちではなく、市民の運動によってどんどん各地で無料化が進んでいることを積極的に応援するものです。尼崎でも、粘り強い市民運動が少しつつ無料化の範囲を拡充してきています。

 

さて、無料化の広がりにブレーキをかける動きも一部にあります。

私は、2つを指摘しておきます。一つは、「安易な受診が増える」というものです。しかし、これは各地での実績が「そんなことはない」ということを証明しています。資料①をご覧ください。

 

兵庫県保険医協会が行った調査結果です。医療費無料化の運動の広がりと夜間・休日応急診療所の受診者数の増減を表しています。安易な受診が増えるのであれば、受診者数は右肩上がりに増えるはずですが、横ばいです。「安易な受診」は実際ないことが証明されています。

 

もう一つは、蒼風会が今年3月予算委員会の総括質疑で示された「不適切な抗生物質の利用が大幅に増加する」というものです。これは、今年2月19日付け日経新聞に掲載された東京大学教授らの調査結果に基づくものでした。

調査では、受診に1回200円の負担を課すと、無料の場合と比べ不適切な抗生物質の使用が20%減ったといいます。これを受けて、政府は、不適切な医療が増えることで医療費全体が膨らんでいくことは問題だ。自己負担は一定必要だと言わんばかりです。一方、200円の負担で「価値の高い医療」は10%受診が抑えられたことも報告されていますが、ここに政府は関心を示そうとしません。小児にとってのいわゆる価値の高い医療とは、以前は予防接種が例に挙げられていました。しかし今ではほとんどが無料になっているので、現在では、肥満、 ADHD (注意欠陥・多動性障害)、小児・思春期うつ病の診療などの予防医療のことをさしています。

不適切な診療を減らすために必要なことは、医療機関への指導や啓発であり、そのために市民に一定の負担を課すというのは問題のすり替えだと思います。

そこで当局に伺います。

 

 

Ql 不適切な診療を減らすことを理由に、自己負担を課して、結果、受診を抑えるのは本末転倒だと思いますが、いかがですか。

 

福祉医療制度とは、対象となる高齢者や障害者、母子家庭、子どもを育てる方たちが安心して医療を受信していただけるよう、その医療費を助成し、保健の向上に寄与するとともに、福祉の増進を図ることを目的としています。

 その助成にあたり、財源にも限りがある中で受益者の方には応能的にご負担いただくため、所得に応じた一部自己負担を設定しており、議員ご指摘の受診を抑制する意図はございません。以上

 

 

次に、自衛隊に18歳・22歳の個人情報を提供することについてです。

自衛官募集事務については、自衛隊法第97条で市町村の法定受託事務となっています。そのため、尼崎市ではおよそ19年前から住民基本情報を「閲覧」方法で提供してきました。ところが、2019年からは電子データで提供をしています。

 

Q2「閲覧」から電子データ提供に方法を変更した理由は何ですか。何が契機となったのですか。

 

 自衛官募集事務は、議員ご指摘のとおり法廷受託事務として行っており、当初は住民基本台帳の閲覧により情報提供を行っておりました。

 そうした中、平成31年4月に国から自衛官の募集環境が厳しい中、幅広く広報資料の送付などを行うため、紙媒体、電子媒体で情報を提供してほしいとの依頼があり、兵庫地方協力本部と調整した結果、令和元年6月に同本部と覚書を締結したうえで電子データの提供を行うこととしたものでございます。以上

 

 

次は、家族介護用品支給事業についてです。

尼崎市は家族介護用品の支給事業を行っています。住民税非課税世帯と生活保護利用世帯の内、要介護4あるいは5、なおかつ常時紙おむっなどを利用している方を介護している家族が対象です。今年度予算は15,378千円、利用登録者は219人、1人当たり年間7.5万円の現物支給とお聞きしています。利用さ

れている何人かの方から、実情に合わず使いにくいとの声が届いているので、ご要望に沿って伺います。

 

Q3 この事業の目的は何ですか。

 

 家族介護用品支給事業につきましては、在宅要介護高齢者の家族介護者に対し、家族介護用品として紙おむつ等を支給することにより、当該介護者と在宅要介護高齢者の精神的負担や経済的負担を軽減し、在宅要介護高齢者の福祉の向上に寄与することを目的としております。以上

 

 

これで第1回目の質問を終ります。2回目からは1問1答形式で伺います。

 

 

(1問目の答弁をうけて・…)

東京都立大学教授らが、子どもの医療費助成制度の受診抑制に対する影響について、2021年調査結果を発表されています。ひとり親世帯と生活保護利用世帯に対する医療費助成制度の影響を除くため、2人親で非保護世帯に限って行われた調査です。中学2年生については、3割負担や償還払いの自治体に住ん

でいる場合、自己負担が0円の自治体に住んでいる場合に比べ、約2倍の確率で受診抑制が起こっていることがわかりました。小学5年生では、経済的に厳しい層のみに関連が見られたとのことです。

子どもの医療費無料化は、どの子も分け隔てなく健やかに育つ権利を保障する優れた施策です。松本市政の下で、18歳までの医療費無料化が1日でも早く実現することを多くの市民が切望しています。

市長は市長選挙の選挙公約だった18歳までの子どもの医療費無料化について、2月・3月議会の各会派の質問に対し、任期4年の間に少しでも前進させたいと述べられました。「少しでも前進させたい」という表現に、私はトーンダウンしたと感じています。財政確保という課題がありますが、改めて市長の決意をお聞かせください。

 

Q4 市長は、18歳まで医療費無料化をどのように実現されるおつもりですか。

 

子どもの医療費助成については、令和4年度に引き続き、今年度も就学前の完全無償化を行うなど、拡充を進めてきております。

 一方で、子育て支援策の充実に向けた方策は、医療費助成のほかに、その他検討すべき子育て支援策も数多く存在していることから、現在、本市が持っている強みや弱みなども踏まえ、様々な観点から検討を進めているところです。

 医療費助成を含め、市民ニーズに沿ったより効果的な支援策について、子育て支援施策全体をみる中で、財源や優先順位も考慮しながら取りまとめてまいりたいと考えております。以上

 

 

次に、自衛隊への個人情報の提供について伺っていきます。

(第1問の答弁を受けて…)

 

 

そもそも、本市が個人情報を提供する根拠としている自衛隊法第97条第1項の規定ですが、この法律を作った人たちの考え方を確認できる唯一の文献である1974年自由国民社発行の「防衛法」という本には、次のように記述されています。「(自衛隊)募集事務がスムーズに遂行されるよう、防衛大臣は都道府県知事及び市町村長に対して、募集に対する一般の反応、応募者数の大体の見通し、応募年齢層の概数等に関する報告および県勢統計等の資料の提供を求め、地方の実情に即して募集が円滑に行われているかどうかを判断」するためのものだということです。

ある憲法学者は「自衛隊法施行令第120条は、募集事務がスムーズに遂行されるための規定であって、個人情報保護というプライバシーに関する権利の観点はない。したがって、これらの条文を根拠に、自衛隊が個人情報である個々の具体的な適齢者情報の提供を求めることも、市町村が閲覧を超えて積極的に提供することも憲法違反だ」と述べておられます。

 

 

Q5 今、本市が電子データで情報提供しているという事実は、個人のプライバシー権保障より自衛隊法を優先していると捉えていいですか。

 

 自衛官募集に係る事務につきましては、自衛隊法第97条に基づく法定受託事務として行っており、電子データの提供についても、法令、国からの通知に基づき実施しているものでございます。以上

 

 

名簿提供という個別具体的なプライバシー侵害にあたりかねない問題だと思います。

次に、本市は電子データを自衛隊に提供するにあたって、防衛相自衛隊兵庫地方協力本部と覚書を取り交わしています。これについてお聞きします。

 

Q6 自衛隊に提供した18歳と22歳の個入情報の電子データは、目的外利用等の禁止や利用後の廃棄措置等を詳細に定めた覚書を交わし、個人情報の保護を図っているとのことですが、覚書通りに自衛隊側が対応しているかどうかの確認は取れていますか。

 

 兵庫地方協力本部と締結した覚書の中で、利用後の廃棄措置については、情報資産の廃棄又は消去が完了したことを証明する書面を市に提出しなければならないこととしており、提出された書面により対応状況の確認を行っております。

 また、目的外利用については、市の求めに応じ情報資産の管理状況を報告しなければならないこととしております。以上

 

覚書の第10条に「情報資産の廃棄」という条項があります。乙、ここでは自衛隊ですが、乙は保有する必要がなくなったときは、確実かつ速やかに廃棄し、又は消去しなければならない。情報資産に個人情報が含まれる場合は、乙は、その廃棄又は消去が完了したことを証明する書面を甲、ここでは尼崎市ですが、甲に提出しなければならないとされています。

 

Q7 乙が保有する必要がなくなった時とは、どんな時ですか。

 

 提供した電子データは、自衛隊の募集事務に係るダイレクトメールを送付し、問合せなど対応を終えた後は保有する必要がなくなるものでございます。以上

 

第7条取扱い上の義務第2項では、甲の許可なく複写し、又は複製しないこととされています。

 

Q8 尼崎市は複写又は複製の許可をすることがあるのですか。また、複写・複製されていないかのチェックは可能ですか。

 

 提供した電子データは、覚書の中で、本件情報資産の全部または一部を市の許可なく複写し、又は複製しないことを取扱上の義務として定めておりますが、これまで複写や、複製について許可を求められた実績はございません。以上

 

次に、市民への周知についてお聞きします。

本市のHPに、「自衛官等募集事務に係る対象者情報の提供について」がアップされています。昨年から「自衛隊への情報提供を希望されない方の申出について」いわゆる除外申出という手続きですが、これが貼り付けられました。申し出件数は、昨年が0,今年は13件だったとお聞きしています。

 

Q9 このHPはこれまで何回閲覧されていますか。また、除外申出の件数の動向について、どのように捉えておられますか。

 

 ホームページに掲載さいた令和4年度の閲覧数は、月45件程度で推移しておりましたが、令和5年2月には、787件、3月には410件、4月には740件という状況となっております。

 なお、除外の申出につきましても、令和4年度の実績は0件でしたが、今年度(令和5年度)は13件の申出があり、徐々にではありますが、周知が進んでいるものと考えております。以上

 

 

市のHPには、「閲覧に供するという方法に加え、報告又は資料の提出という方法で防衛大臣に提供を行うことができるものです。」と説明されています。

ここを読んで、市民が「閲覧で書き写ししていたのを、電子データで提供することに変更したんだ」と理解できるでしょうか。

 

QIO HPを見た市民に分りやすいように、「電子データをCDで提供する方法で行っています」と記載しないのはなぜですか。

 

 現在のホームページの掲載では、「住民基本情報の提供は、閲覧に供するという方法に加え、報告又は資料の提出という方法で行う」と、経過等を含めて掲載しておりますが、より市民の皆様にご理解いただけるよう、掲載文の改訂を検討してまいります。以上

 

 

市民は、これまで自衛隊に個人情報が提供されていること自体知らされてこなかったのではないでしょうか。私は、自身の市政ニュースで地域のみなさんにお知らせしていますが、初めて知ったという反応ばかりです。市報に掲載されたことも一度もなかったと思います。

 

Q11 これまで市民にどのように周知してきましたか。

 

 自衛官等募集事務に係る対象者情報の提供につきましては、ホームページにおいて掲載しておりますが、データを提供する時期だけ掲載するのではなく、常時掲載することで、より多くの市民に認識していただけるよう、努めているところでございます。以上

 

市民への周知ができていないと言わざるを得ません。この状況で、除外申し出のみ受付けて、申し出がなければすべて自衛隊への個人情報の提供は合意されたとするのは、あまりに乱暴なやり方です。

 

Q12 個人情報保護の観点からまず最初にやるべきことは、対象者に「あなたの個人情報が自衛隊への情報提供の対象になっている」ことを知らせることだと思いますが、いかがですか。

 

 自衛隊員募集は、自衛隊法令に基づき行う法定受託事務であり、対象者全員へ個別にお知らせすることは考えておりませんが、先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、データ提供を行う時だけホームページに掲載するのではなく、より多くの市民に知っていただけるよう、継続して掲載することで、情報提供を希望しない方の申出についても併せて認識していただけるよう、周知に努めてまいります。以上

 

 

直近の統計で18歳の人口は3985人、22歳は4697人です。合わせて8682入、すべての対象者にダイレクトメールを届けても、それほどの費用は掛かりません。それよりも、本市が個人情報保護をしっかりとやっていることが市民に分ってもらえることのほうが、ずっと重要だと思います。ぜひ、対象市民に自衛官募集のためにあなたの個人情報の提供が防衛省から求められていることを、知らせるよう強く求めます。

 

 

次に、家族介護用品支給事業について伺います。

 

(第1問の答弁を受けて・…資料②をご覧ください。現在支給されている介護用品の種類一覧です。

このセットから希望を出し、月ごとに1セット市が選定した業者が利用者宅に届けています。

 

Aさんは夫の介護にテープ式と尿取りパットを利用しています。夫がテープを外すことがあるのでその上を紙パンツでカバーしています。こういう使い方なのでテープ式に比べパンツ式は使用数が少なくなります。紙おむつや紙パンツと尿取りパットがセットになっているので、どんどん尿取りパットが余っていきます。余ってきて、「来月は紙おむつだけで尿取りパッドはいらない」と思っても0か1セットの選択しかないので、渋々1セットを頼んでいる状況です。

 

Q13 なぜ融通が利かないのですか。

 

議員からご案内いただきましたとおり、本市では紙おむつの型やサイズ毎、種類毎の枚数等、10通りの介護用品セットを用意し、その中から、利用者の希望する1種類を選択していただいております。

 紙おむつや尿取りパッドの使用頻度につきましては、個人差があることから、原則10通りのセットの中から選んでいただくこととしておりますが、ご家族から相談があれば、年度途中でのセット変更や、紙おむつか尿取りパットのいずれか一方のみの支給の要望におこたえさせていただいております。

 今後はパンフレット等においても、このような柔軟な対応をしている旨を記載し、周知していきます。以上

 

 

Aさんは、日常介護には他にも色々なものが必要、せっかく低所得者支援の施策なのだから、おむつ交換時の使い捨てナイロン手袋や食事用エプロン、おねしょシーツなどもメニューに入れてほしいとおっしゃっています。

Bさんは要介護4の妻を介護しています。妻は肌が敏感で、市が提供する紙おむつではおむつかぶれができてしまうため、この事業の利用は断わり、他メーカーの紙おむつを実費購入しています。生活保護を利用されていて、月に紙おむつだけで1万円ほどかかるのは、とても負担が重いと話されています。

西宮市は月6500円を上限に、宝塚市は月6000円、伊丹市は月6900円が上限です。3市ともに紙おむつや尿取りパットの形式やメーカーは、利用者が選択できます。宝塚市と伊丹市は対象支給用品が紙おむつと尿取りパットに限定ですが、西宮市は使い捨てナイロン手袋も対象です。本市のこの事業は、利用者一人当たり月額にすれば6250円で金額的には他市とあまり変わりませんが、利用者にとってとても使いにくい内容になっていると思います。

 

Q14 なぜ、たった一つのメーカーの製品しか利用できないのでしょうか。

 

 本市では、限られた予算の中で、利用者により多くの枚数を支給できるよう、一般的に多く使用されている紙おむつの型やサイズを基本に指定し、入札による業者選定を行っているところです。以上

 

 

3市ともに、毎月上限を超えればその分は自己負担にしていて、特に問題はないようです。

 

Q15 他市のように、利用者の使い勝手の良いものに事業内容を改めるべきと思いますがいかがですか。

 

 本市では、対象商品を一括購入することで、市販価格よりも安価で購入できており、これにより多くの枚数を支給できるように努めているところですが、今後とも、利用者のお声や他市の取組にも注視し、支給方法の検討を行ってまいります。以上

 

利用者の方々の声を聴き、また他自治体の実情も調査して、早急に改善してください。繰り返しますが、利用者がメーカーの選択ができるように、利用対象品目を増やして利用者が選択できるような改善を強く求め、私の一般質問を終ります。