兵庫県知事 齋藤 元彦 様
2026年8月18日
日本共産党兵庫県委員会
委員長 松田 隆彦
日本共産党兵庫県会議員団
団長 庄本 えつこ
「兵庫県公債費負担適正化計画」の策定にあたっての申し入れ
兵庫県は、2025年度決算において、実質公債費比率が18%を超える起債許可団体に陥り、2031年には、「早期健全化団体」に移行する見通しが示されるなど、財政悪化が指摘されている。
以下のことに留意し、「公債費負担適正化計画」の策定、県財政の健全化をすすめることを求める。
1.県財政悪化の要因は、過大な投資事業、土地取得、齋藤県政における財政運営にあったことを明確にすること。
2025年度末までの県債残高は4兆8,141億円、地方財政調査方式に基づく県債残高は3兆7,334億円となっており、この県債残高に影響する投資事業などの実態をあきらかにすること。
県は、バブル期80年代後半から、宝塚新都市、西播磨テクノポリス構想など過大な開発構想、「乱開発を防ぐ」などとして、広大な土地を「土地開発公社」「県住宅供給公社」などに購入させてきた。しかし、実際には開発の目途がたたず、4,200haともいわれる塩漬け土地となり、その後、「県有環境林」などという名目で、2,894haを2,068億円支出し取得し直し、管理料や利子など新たな支出をともなう財政措置を行い県財政を圧迫してきた。
また、1995年阪神淡路大震災での総事業費16兆3千億円の復興事業では、1兆3千億円の県債を発行し、いまだに未返済の県債が残っている。この事業の約6割は、「創造的復興」の名のもとにすすめた神戸空港、関西空港2期事業、淡路交流の翼港など過剰な開発で、いまも残る県債は、その一部である。
震災後も、「高速道六基幹軸」、「基幹道路八連携軸」などと称し、全国第2位の延長
距離である高速道路網のさらなる整備など開発優先・大企業優遇の財政運営を、歴代県政が、続けてきたことなどが、財政悪化の大きな要因である。
齋藤知事は、過去の過大な投資事業を問題にしていたが、齋藤県政にいたってもなお、過大な高速道路建設をすすめ、あらたな借金を抱え、財政再建とは真逆の方向をすすめた。さらに、諸基金集約解消、分収造林事業と地域整備事業の清算により、県債管理基金の残高を大きく減らす一方で、決算剰余金を県債管理基金に積まず、実質公債費比率を下げるための施策をすすめてこなかったことが、起債許可団体に陥る要因ともなった。
実質公債費比率を引き上げる県財政悪化は、過大な開発事業、土地取得と塩漬け土地などに対する財政措置、そして齋藤県政における財政運営にあったことを具体的事業や数字も含めてあきらかにすること。
2.財政悪化を理由に県民負担増、県民サービス切り捨ては絶対に行わないこと。
兵庫県は、2008年に起債許可団体に陥ったときに、行財政構造改革として、医療費助成や私学助成を削減、保健所、土木事務所、農業改良普及センターをそれぞれ削減し、県職員3割のカットを行った。
保健所の削減は、新型インフルエンザ対応の検証で、対応に支障をもたらしたことが明らかにされている。また、コロナ禍での対応に支障がうまれ、全国でも屈指の死者数となった。
こうしたときにも、大企業に上限なしで補助金を支出する他県に例を見ない「産業立地補助金」など大企業優遇の財政運営を行ってきたことは、県民福祉の向上にも、財政健全化にも逆行するものである。
財政悪化を理由に、県民への負担増や、県行政が本来行うべき県民福祉の向上に資する予算の削減、職員削減は、行わないこと。
3. 財政悪化の最大の要因である過大な投資事業の抜本的な中止・見直しを行うこと。
4.
財政悪化の最大の要因は、齋藤県政でも継続されて行われている過大な投資事業である。とりわけ、全国第2位の高速道路網をさらにすすめようとしているが、これらの計画を見直し、現段階で事業化されていない播磨臨海地域道路、東播丹波連絡道路、計画設計段階である名神湾岸連絡線などは中止すること。但馬空港、神戸空港などへの事業費補助の見直し、三宮再開発や大阪湾岸道路西伸部補助など、国、神戸市とも協議し見直すことなども検討すること。また、産業立地補助金など大企業優遇の助成制度も見直すべきである。
ただし、防災・減災事業、生活インフラ、教育・医療施設、県営住宅、公共施設老朽化対策、橋梁・生活道路施設など老朽化対策など、県民生活に資する公共事業は、必要に応じて行うこと。
日本共産党兵庫県会議員団は、2001年から高速道路事業など不要不急の大型開発、大企業優遇補助金などを削減し、新たな借金を抑えながら、県民の暮らし、福祉、教育などへ予算を付け替える組み替え提案を、26年連続でおこなってきた。
今の財政悪化に対する対応についても、不要不急の開発事業などを中止し、県行政が本来おこなうべき県民福祉の向上をすすめながら、財政再建に向かうことを求めるものである。
以上