2026年6月議会こむら潤議員の質問と答弁要旨【まちづくりの視点でみた市場や商店街の将来的方向性について】

日本共産党議員団の小村潤です。今日は、【まちづくりの視点でみた市場や商店街の将来的方向性について】質問していきます。

 

戦後あるいは戦前の頃から、闇市を発祥として発展した市場や商店街が、尼崎市のまちの振興を底支えしてきました。市民の台所であり、コミュニティーの拠点である市場は、単なる物流の場ではなく、人々の営みに欠かせない重要な役割を果たしてきました。

 

市場や商店街は、個人経営の小売店の集合体で、協同組合や商店街振興組合を組織してアーケードや共用スペースを持ち、互いに支えあって発展してきました。どの市場も戦後の高度経済成長期には大きく栄え、賑わったものでした。

 

しかし、大規模小売店舗法の規制緩和、消費税の導入や度々の増税、阪神淡路大震災、バブル崩壊と長引く不況、コロナ禍、少子高齢化、インボイス制度の導入など、様々な社会的、政治的影響で小売店の経営は窮地に追い込まれてきました。

 

 小売店は、大型スーパーやチェーン店が展開する経営戦略や価格競争に追いつきません。個人経営者はおもに家族で自営業という形が多く、経済状況が低迷する中で、後を継ぐ者がおらずに廃業する自営業者も少なくありません。市場の中のお店が一つ、二つと閉店すると、市場だけでは買い物が揃わなくなり、消費者の足が遠のいていきました。そうなると他の店も経営が厳しくなり、廃業のスパイラルに陥ります。

 

Q1市内の市場、商店街は20年前と比較して、どう変わりましたか?協同組合や商店街振興組合、任意団体を組織する市場や商店街の数の変化、また廃業率の変化をお答えください。

 

答弁要旨

 平成18年

と令和7年の商店街調査を比較すると商店街・市場等の団体数は81団体から26団体に減少しています。また、営業店舗数は2,469店舗から409店舗となり、約83%減少しています。以上

 

これで、第一登壇を終わります。次は一問一答でお聞きします。

 

<第2登壇>

 

今も商店街として元気に頑張っているところ、賑わいが発展しているところもあるわけですけれども、立地環境や規模、土地やテナントの権利の所在、人口動態などさまざまな状況があり、先ほどお話ししたような廃業のスパイラルが起きているのも実情です。今日はそうしたところにスポットを当ててお聞きしていきます。

 

現在、戦後80年を経過し、市場や商店街の構造物や水道管、ガス管、電気配線などのインフラの老朽化対策が課題となってきています。空き店舗率が高くなり、資金面、体力、気力どの面でも修繕や補強、改修等がままならないところが出てきています。店舗どうしが長屋式につながっている、アーケードの構造に一体化している、など特別な状況があり、大規模改修に踏み切るには相当のエネルギーが必要になるため、どうにも動き出せないというのが実情ではないでしょうか。

 

Q2市内にある市場・商店街の現状を、市ではどのように把握し、どのように受け止めていますか。

 

答弁要旨

 本市では、市内商業団体の実態調査を毎年実施し、総店舗数・営業店舗・商店街振興組合員数・空き店舗率などを把握しています。

あわせて、各団体の課題や施設整備における空き店舗の撤去希望を含む現状も確認し、支援が必要な市場場商店街の把握に努めています。
 市場・商店街は、地域経済を支えるとともに、地域コミュニティの形成等にも役割を担ってきたものと認識しております。一方で、人口減少や消費行動の変化、経営者の高齢者などを背景に、商業集積地が長期的に縮小・衰退傾向にあることは全国共通の課題であり、本市も例外ではないと受け止めています。

 こうした状況を踏まえ、商業振興の観点だけではなく、地域の暮らしを支える機能をいかに維持していくかという視点も併せ持ちながら、市場・商店街の活性化に加え、用途転換策も含めた取組を進めているところです。以上

 

今回、私は廃業率が9割以上の市場3つの現況を調査してきました。

A市場(アーケード)

アーケードが連なる別組合の市場と併設、開設から70年を経過。店舗が持ち土地、持ち店、持ち家が多い。廃業率は9割以上、すでに協同組合は解散。店舗二階や裏の住居で住んでいる、あるいは空き店舗を倉庫などで貸している状態。空き家で権利者がわからない所も出てきている。

組合費の残金と市場事務所部分の貸借料収入で、通路の電気代や共有場所の修繕等の維持費を捻出しているが、老朽した水道管やガス管、電気ケーブルのトラブル、雨漏りの対処は追いついていない。老朽危険空き家になっているところもあり、倒壊の危険があり解体の必要があるが、長屋状に連なって市場のアーケード屋根を支えている構造の一部となっているため、問題解決には特別な複雑さがある。住民は、ほぼ高齢者。

 

B市場(アーケード)

30軒のうち営業は2店舗、15軒ほどが住んでいる。協同組合は解散し、住宅管理組合として事務所と事務員を置く。借地に持ち店。空き店舗になっても土地代だけ払っている人もおり、市場を今後どうするかを検討する段階に来ている。

 

C市場(アーケード)

アーケード入り口の2店舗のみが営業を続けているが、大部分は老朽し危険なため、それぞれが不動産屋に売却し空き家になっている。中ほどの空き家は屋根が大きく下がり、倒壊の危険が高い。

 

廃業率が8割を超えていくと、組合を続けることもできなくなり、市場としての寿命に拍車がかかります。

また、いわゆるシャッター通りという状態になると、不審者の侵入、放火、不法投棄、盗難自転車・バイクの乗り捨て、ネズミやイタチ、ネコなどの動物の繁殖といった、治安や環境の悪化も避けられません。

 

Q3 協同組合や任意団体をすでに解散してしまった市場や商店街の状況を、市はどのように把握していますか。

 

答弁要旨

 すでに解散している市場や商店街につきましては、団体としての窓口がないなど、定期調査と同じ形では把握が難しい面がありまsが、地域住民や地権者、関係者からの相談、また職員の現地確認等を通じて、それぞれの状況把握に努めております。

 老朽化した建物や共同施設に関する課題が把握された場合には、必要に応じて関係部局とも随時情報共有をしながら対応してまいります。以上

 

Q4 こうした市場や商店街が、自分たちでは改修や環境改善が困難な場合、行政から補助金などを受ける制度はあるのでしょうか。組合がある場合、組合が解散している場合の両方を教えてください。

 

答弁要旨

 本市では、商店街や市場における共同施設の整備・更新を支援するために「共同施設建設費補助」及び「共同施設撤去支援事業」を実施しております。

 これらの制度はアーケードや街路灯など商店街等が共同で管理する施設を対象としており、商店街振興組合や事業協同組合、任意団体などの商業団体からの申請に基づき支援を行っています。

 一方で、すでに組合等が解散している市場や商店街につきましては、申請主体が不明確となるため忠地に適用することは難しい状況です。

 しかしながら、維持管理や撤去に向けて関係者の合意形成が進み、新たな組織の設立などにより申請耐性が整った場合には、制度の活用を検討いただくことが可能となります。

 本市としたしましても、ご相談があった場合には、制度の説明に加え、関係者間の調整に関する助言など状況に応じて支援に努めているところです。以上

 

南海トラフ地震も遠くない将来に予測されています。地震や台風、火災などへの防災・減災対策が急がれます。

 

Q5 空き家対策として、老朽化した市場に対応した実績例がありますか。

 

答弁要旨

 市場の空き店舗につきましても、居住者が不在となった案件は、空家特借法及び本市の空家条例に基づく助言・指導の対象であり、たとえば市場に存在する建物において、外壁が崩落して危険といった際に、建物所有者に対して、修繕等の指導等を行った結果、解体に至ったという個別事例はございます。以上

 

Q6 組合のない、廃業してしまった市場や商店街について、市が一斉に現況調査をおこなってはどうでしょうか?

 

答弁要旨

 組合の解散や廃業等により、現在の状況や課題を十分に把握しにくい市場や商店街につきましては、解散時の理事長など関係者への文書紹介なども選択肢として検討してまいりたいと考えております。

 一方で、年月の経過により連絡が取れないケースも想定されますことから、関係者や地域住民の声も伺いながら、把握できるところから順次、現状や課題の確認に努めるとともに、既存の補助制度の活用可能性も含め、地域の実情に応じた伴走支援のあり方を検討してまいります。以上

 

まちの中心地として振興の拠点となってきた市場・商店街を、今後どのようにしていくのか、行政がもう一歩踏み込んで、市民と協働で考える必要があるのではないでしょうか。

2024年度まで、県では「商店街の活性化とまちの再整備によるにぎわいのまちづくり事業」を実施していました。この事業は、空き店舗の増加等がすすむ商店街を「まちづくり」の観点から支援するための事業です。具体的には、店舗集約などをきっかけに「まちのにぎわいづくりに寄与する施設」や「良質な集合住宅」等を整備することで、「まちなかのにぎわいづくり」に取り組んでいこうとする事業です。本市では2020年6月に杭瀬商店街の周辺区域がこの事業でモデル区域に指定されて活性化がはかられ、賑わいをつくりだしています。

 

本市のホームページによれば、これは「兵庫県がおこなう、商店街を中心としたまち再生のモデル事業」とあります。

「モデル事業」というのは、新しい施策や制度を本格的に導入する前に、特定の地域や期間で試験的に実施し、その効果や課題を検証・評価する事業のことです。

 

Q7 本市として、モデル区域の杭瀬商店街周辺区域での取り組みの総括はされていますか?どのように評価されていますか?

 

答弁要旨

 本市では、令和2年度から兵庫県のモデル事業を活用し、「杭瀬地域まちなか再生区域」において、空き店舗や空き家の活用、イベントの実施、新たな担い手の発掘など、にぎわい創出に向けた取組を進めてまいりました。 

その結果、空き店舗ではの新規出店や、DIYリノベーションによる遊休不動産の活用など一定の成果が見られ、地域に関わる人の広がりも生まれてきたと受け止めております。

 一方で、商店街全体の活性化や空き店舗の解消にはなお課題があり、事業を担う人材の確保や、自立的・継続的な運営体制の構築が重要になっていると認識しております。

 本市といたしましては、杭瀬地域で得られた知見やネットワークを活かし、地域の実情に応じた伴走支援を継続することで、市内各地域のにぎわいづくりや地域活性化につながる施策へ展開して参ります。以上

 

杭瀬商店街には、空き店舗に新しい種類のお店が入り、イベントには若い世代、ファミリー世代も集まり、本当ににぎやかです。兵庫県のモデル事業にとどまるのではなく、本市のまちの魅力をもっと向上させるには、本市がこのモデル事業を市域全体にどう展開するか、にかかっているのではないでしょうか。

 

Q8 まちなか再生区域事業のような取り組みを、本市の独自施策として創設してはどうでしょうか?

 

答弁要旨

 「杭瀬地域まちなか再生区域」における取組は、地域住民や事業者、不動産事業者など多様な主体が連携し、空き店舗等の活用やにぎわい創出に取り組んできたものであり、本市としても一定の成果があったと認識しています。

 一方で、市内の商店街や市場は、立地条件や権利関係、空き店舗の状況、地域コミュニティの実情などがそれぞれ異なることから、杭瀬を同じ枠組みを全市一律に展開するのではなく、地域の特性に応じて柔軟に設計することが重要と考えております。

 そのため、「魅力向上支援事業」や「空店舗活用支援事業」など既存の支援策を組み合わせ、杭瀬で得られた知見も生かしながら、地域ごとの課題や二ーズに応じた伴走支援により活性化につなげてまいります。以上

 

資金面でも、「誰が汗をかくか」という労力、気力、体力という面でも、一個人や事業者ではどうにもできずに年月とともにまちが衰退してしまった、というのが実情として、あちこちにあると思います。大きな開発ではなく、「温かい人情味のある私たちのまち、あまがさきを元気にしたい」という市民の思いをつなぎ、形にできるのは、最も市民に近い行政である、「あまがさきし」の仕事ではないでしょうか。

最後に、本市全体のまちづくりという大きな視点でおたずねします。

 

Q9 組合のない、廃業したところも含めて、市場、商店街へと聞き取りや現況調査をおこない、その結果をいかして、まちを再生する「まちづくり」の視点で、住民に寄り添った解決策を共に探るべきではないでしょうか。

 

答弁要旨

 市場等全体としては、相続人が不明であったり、未登記の建物が存在したりするなど、権利関係が複雑であり、特に協同組合等が解散された市場については、合意形成が難しいという課題があるため、経済部局と連携し関係者や住民の皆様と、丁寧に意見交換を重ねていく必要があります。

 こうしたことから、まちの再生に向けては、商業・空き家・まちづくりなど庁内関係部局が連携しながら、地域の実情と思いに寄り添った伴走支援を進めてまいりたいと考えています。 以上

 

<まとめ>

今日は、まちづくりの視点で市場、商店街について二つの方向性でそれぞれ質問しました。活性化するには時すでに遅しとなった市場も、かつてまちの中心となって周辺の賑わいをつくりだしてきた場所です。市場や商店街の公共性とまちの振興に貢献してきた歴史をみれば、個々の責任に任せるだけではなく、行政が手を差し伸べるべきだと思います。

また、市場や商店街は、あまがさきをもっとおもしろいまちにする可能性を持っています。ぜひとも本市が市民や市場関係者に寄り添い、ともに知恵を出し合って「まちなか再生」へと取り組まれることを強く求めて、私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

以上